第5話『甦る逆転』第2回法廷(その2)

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成歩堂 龍一…黒
御剣 怜侍…茶
糸鋸 圭介…黄土
裁判長…緑
宝月 茜…桃
宝月 巴…藤
巌徒 海慈…紫
罪門 恭介…紺
市ノ谷 響華…水
原灰 ススム…黄
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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裁: 静粛に! 静粛に!
こ、これは、いったい‥‥ッ!
成: カンタンなコトです。
事件当時、被害者の保管庫には
ロックがかかっていなかった!

(御剣検事「異議あり!」)
御: しかし! 保管庫のロックは、
電子システムで管理されている。
トビラが閉められたら、
それをセンサーが感知して‥‥
自動的にロックされる
仕組みになっているのだ!
裁: あ。もしかして、故障では!
あくまで、シロート考えですが。
御: あり得ぬ。故障ならば
センサーが感知して、報告が入る。
裁: シロートはダマっておけ、
ということですな。
‥‥弁護人。いかがでしょう。
成: は、はい。
裁: なぜ、保管庫にはロックが
かかっていなかったのですか?
成: え!
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
あの、ぼく。
そういうのはちょっと‥‥
どう思う? カガク捜査官の
あかねちゃんは。
茜: え! そ。そうですね‥‥
やっぱり、電子システムを狂わせる
”何か”があった、のかなあ‥‥
成: (保管庫のセンサーを狂わせた、
”何か”‥‥そういえば
この映像に‥‥まだ、
不自然な部分があったな)
茜: あ。あたしも、そう思いました!
この中にはまだ、手がかりが
眠っているような‥‥
裁: それでは‥‥もう一度。
保管室の映像を検証しましょう。
ロックがかかっていなかった‥‥
その<<原因>>を示してください!

(「ロッカーから落ちたもの」を選択)
成: 映像を見ていただきましょう。
先ほどの<<つづき>>です。
裁: ‥‥こ、これは‥‥
保管庫から、何か白いモノが
落っこちましたぞ!
原: しかしッ! トビラが開けば、
中のモノは落ちるのであります!
自分も、パトカーのドアが開くと、
よく地面に転がり落ちるコトがあり

(成歩堂「異議あり!」)
成: あれが保管庫の”中”にあったか
どうか‥‥わかりませんよ。
裁: どういうコトですか?
成: 保管庫は”トビラが閉まったとき”
センサーが反応する‥‥
そのとき。センサーの部分に、
何か挟まってしまったら?
裁: は‥‥はさまった‥‥?
成: ‥‥この”何か”は、保管庫の
”中”に入っていたのではない。
トビラの、センサーのあいだに
”挟まっていた”のです!
原: あ、それ、ハイ本官!
よくわかるであります本官!
ジツはパトカーから降りるとき。
3回に2回はネクタイを挟んで。
トビラは閉まらないわ、
クビはしまるわコレ
裁: しかし! トビラに挟まるなら、
相当ウスいモノですぞ‥‥?
御: さらに、電流を通さない‥‥
”絶縁体”である必要がある。
裁: そう! ゼツエンタイです!
そんなものが、あの現場に‥‥
成: ‥‥あったかもしれません。
原: えッ! でも本官、あの!
まず、ゼツエンタイのイミがコレ
成: (どうやら‥‥やっと、
わかってきた気がするな)
裁: それでは‥‥弁護人!
証拠品を提示してください!
保管庫のトビラに挟まっていた
”絶縁体”‥‥その正体とは?

(「ゴム手袋」を選択)
成: 保管庫の近くで見つけました。
‥‥ウスい、ゴムの手袋です。
裁: しかし、それが被害者の保管庫に
あったものかどうか‥‥
成: 手袋には<<SL9号事件>>の
タグがついています。
御:‥‥!
成: たしかに、映像では多田敷捜査官が
保管庫を開けたように見えました。
しかし、そうではなかった!
ランプの点灯が立証しています!
事件当時! このぼくでも、
あの保管庫を開けることができた!
いかがですか、ハラバイ巡査ッ!
原: あ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
ありましてぇぇぇぇぇぇぇぇぇッ!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛に! 静粛にィッ!
この証人が、保管室で刺した
”被害者”は‥‥
多田敷巡査とは、別人だった。
そう考えるべきなのでしょうか‥‥

(御剣検事「異議あり!」)
御: ‥‥まどわされてはいけない、
裁判長。
裁: み、御剣検事‥‥?
御: 弁護側はただ、可能性を
示したにすぎない。
映像に映った”被害者”は
やはり、多田敷 道夫だった‥‥
検察側は、もう1つ。
そのコンキョを用意している。
成: な‥‥なんだって!
御: ‥‥証人。その件について、
証言するのだッ!
原: え!
本官、でありますかコレ!
でも本官その。心当たりがコレ。
ありませんのでありますからして。
御: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
原: あ。ああ! そういえば!
ありましたでありました、アレが!
成: (タイヘンだな、アイツも‥‥)
裁: それでは、証言をおねがいします。

(現場で見た人物であります!2)
原: 『あれが多田敷捜査官殿だという
コンキョは、もう1つあります!』(証言1)
『そもそも、保管室に入るためには
IDカードが必要でしてコレ!』(証言2)
『そして、IDカードを使うと、
シッカリ記録が残るのであります!』(証言3)
『事件が発生した、まさにその時刻!
捜査官殿、カードを使ってますッ!』(証言4)
裁: IDカードの記録‥‥なるほど。
御: ‥‥ここに、そのデータがある。
5時14分に使用されたID‥‥
まさしく、被害者のものだ。
裁: 事件が発生する少し前‥‥ですか。
たしかに、被害者です。
それにしても‥‥
少し、妙ですな。
<<申し送り>>では、数百件におよぶ
事件が扱われるはずです。
いくら午後だけとはいえ、ヤケに
出入りが少ないようですが‥‥?
御: ‥‥この保管庫がある第3庫には、
特殊な事件のみが集められている。
成: とくしゅ‥‥?
御: ‥‥警察関係者が巻きこまれた、
大キボな凶悪犯罪、だ。
茜: ううう‥‥聞いただけで
ゾクゾクしますね!
成: (たしかに、ゾクゾクするな‥‥
サム気が)
御: 件数が少ない上、ほとんどは
午前中のうちに処理されたハズだ。
裁: なるほど‥‥わかりました。
それでは、尋問に移りましょう。

(「証言4」に「ID:多田敷 道夫」をつきつける)
成: ちょっと待ってください、証人。
原: なな、なんでありますか!
巡査は急に止まれないであります!
成: ここに、被害者の
IDカードがあります。
‥‥殺害現場に落ちていました。
裁: それは、そうでしょう。
成: ぼくの言う”殺害現場”は‥‥
警察局の保管室ではありません。
検事局の、地下駐車場‥‥
もう1つの”事件”の現場です!
御: ‥‥‥‥‥‥
成: そして‥‥
もう1つ、証拠があります。
被害者のIDカードに関する、
重要な手がかりです。
裁: <<遺失物届>>‥‥ですか。
途中までしか書かれていませんが。
成: 事件の当日、多田敷捜査官は
”何か”をなくしているのです。
書類を提出しなければならない、
重要な”何か”を‥‥
御: それが‥‥<<IDカード>>だと
言いたいのかな? 弁護人。
成: 断言はできませんが‥‥
可能性は、きわめて高い!
ホンモノの多田敷さんは、あの日。
IDカードを持っていなかった!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛に!
つまり‥‥どういうコトですかッ!
成: ‥‥コタエは1つ。
考えるまでもありません!
ハラバイ巡査が、証拠保管室で
出会った人物は‥‥
多田敷捜査官からIDを盗んだ、
<<別人>>だったのです!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛に! 静粛にィッ!
いかがですか、御剣検事ッ!
御: ‥‥‥‥‥‥‥‥
ヒトコトだけ。
弁護士に言いたいことがある。
成: ‥‥‥?
御: ゴクロウだった‥‥
成歩堂 龍一。
成: な。なんだって‥‥?
御: ここで、一度。
弁護側の主張を整理してみたい。
‥‥事件当日の、
午後5時15分ごろ。
証拠保管室にて原灰巡査が出会った
のは、多田敷捜査官ではなかった。
‥‥そのコンキョは、2つ。
1つは、保管庫のロックが
かかっていなかったこと。
そしてもう1つは、被害者が
IDカードをなくしていたこと。
ここまでは、まちがいないな?
成: は、はい‥‥
(なんだ? このフンイキ‥‥)
御: すると‥‥必然的に、1つの
<<結論>>がみちびきだされる。
この映像に映った”被害者”が
ニセモノであるならば‥‥
当然、<<証拠保管室の殺人事件>>
自体、ニセモノだった。つまり!
カメラの映像は、”殺人の瞬間”を
とらえたモノではなかった!
成: えッ‥‥! あ、あれ。
そう、なっちゃうのかな‥‥
御: ‥‥どうしたかな? 弁護人。
さっきまで、あんなにイキイキと
人さし指をつきつけていたのに。
成: ‥‥うううう‥‥
御: どうやら‥‥
やっと気づいたようだな。
自分が”何を”証明したか‥‥
裁: どういうことですか、御剣検事!
御: そこの弁護士は、チカラいっぱい
立証してくれたのだよ。
この映像の被害者が
”ニセモノ”である以上‥‥
事件当日の、午後5時15分。
警察局で、殺人事件はなかった。
裁:あ‥‥‥
御: つまり。本当の事件は、やはり!
検事局の地下駐車場で起こった!
そして、そのハンニンは‥‥
宝月 巴。被告人なのだッ!
そのコンキョは
シンプルにして、明白ッ!
信頼できる証人によって、凶器を
振るう瞬間を目撃されているッ!
成: ぐあああああああああああああッ!

(ざわめきが起こる)
成: (さっきの証言‥‥不自然なほど
ハッキリ”ムジュン”していた。
”ワナ”だったんだ!
最初から、すべて‥‥)
裁: たしかに、証拠保管室の事件には
ナゾが残されています。
原灰巡査が出会った”被害者”は、
いったいダレだったのか?
また、その”被害者”は、
どこへ消えたのか‥‥?
‥‥しかし。
本法廷はあくまで、多田敷捜査官の
殺害事件のみ、審理すべきです。
御: ご理解、カンシャする。
茜: な、成歩堂さん!
このままじゃ、お姉ちゃんが‥‥!
成: (‥‥どうする! この先に
”道”はあるのか‥‥?)

(「異議を申し立てる」を選択)

(成歩堂「異議あり!」)
成: お待ちください、裁判長!
御: なんだ? 弁護人。まさか‥‥
キサマ自身が立証したコトを、
否定するつもりではないだろうな?
成: ‥‥そうではありません。
あやうく、ダマされる
ところだったよ。御剣検事。
御: ‥‥なんのコト、だろうか。
成: さっきの尋問で、
ぼくが立証したのは、ただ1つ。
<<防犯カメラの映像は、
殺人事件の瞬間ではない>>‥‥
しかし! これが、検事局の事件と
無関係であるはずがない!
‥‥ジッサイ、証拠保管室からは
大量の血痕が発見されている!
御: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
成: 弁護側は、
事実の追求を要請します!
裁: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
御剣検事。
御: なんだろうか。
裁: そういうコトになれば、
さらなる証人が必要になります。
検察側に、
その用意がありますかな?
御: ‥‥ザンネンながら。
検察側としては、警察局の件は
あくまで、予備審理と考えていた。
‥‥この事件に関して、
他に証人の用意はない。
成: (どうやら‥‥
ここがチャンスのようだな。
”あの人物”を
法廷に引きずり出す‥‥!)
茜: 成歩堂さん‥‥
やっぱり、あのヒトを‥‥?
成: ‥‥裁判長。
弁護側には‥‥
証人の心当たりがあります。
裁: ほほお‥‥
それは、いかなる人物ですかな?
成: おそらく、証拠保管室の事件‥‥
その真相に深く関係する人物です。
御: ‥‥その人物の名前を
聞かせてもらえるだろうか。
喚問に応じるかどうかは、
それから‥‥だ。
裁: それでは、弁護人!
あなたの考えている”証人”‥‥
いったい、どなたですかな?

(「罪門 恭介」を選択)
成: 罪門 恭介‥‥巡査です。
御: ‥‥なぜ、その男を?
成: (今、切り札を見せるワケには
いかない‥‥)
彼は、保管室の警備責任者です。
‥‥証言を聞くべきと考えます。
御: ‥‥‥よかろう。
たしかに、責任者として
証言を聞くべき‥‥そう考える。
さいわい彼は、警察局内の勤務。
準備に20分以上はかかるまい。
裁: ‥‥わかりました。
証人を召喚するあいだ、30分間の
休憩をとりたいと思います。
検察側は、証人の手配を
よろしくおねがいします。
御: ‥‥心得ている。
裁: それでは!
これより、休憩に入ります!


同日 午前11時32分
地方裁判所 被告人第2控え室

巴: ‥‥‥‥‥‥‥‥
やはり‥‥あなたを止めるのは
不可能ですね、成歩堂弁護士。
成: ‥‥なんのことですか?
巴: あなたは、罪門 恭介を喚問した。
もう、おわかりなのでしょう。
‥‥何もかも。
成: は、はあ。
(わかってないぞ。‥‥何もかも)
茜: ‥‥お姉ちゃん‥‥
お姉ちゃんこそ!
何もかも知ってるんでしょ!
巴: あかね‥‥
茜: いつも、そうだよ。
どうして、教えてくれないの!
成歩堂さん‥‥こんなに
がんばってくれてるのに。
巴: わ‥‥私は。
たのんだおぼえはありません。
茜: ‥‥ヒドいよ。
あたしが‥‥あたしたちが、
そんなに信用できないの?
巴: ‥‥‥‥‥‥‥‥
糸: シツレイするッス!
巴: ‥‥‥‥‥‥‥‥
茜: ‥‥‥‥‥‥‥‥
糸: あ、あの‥‥‥じゃ、またあとで。
シツレイするッス!
成: あ‥‥イトノコ刑事!
どうしたんですか?
糸: アンタ! まったく、
シツレイしちゃうッス!
現職の刑事に使い走りさせた上、
来てみれば、この空気!
巴: ゴクロウさま、イトノコギリ刑事。
糸: まったく‥‥‥あ。
ああ。
あああ。
ああああ。
あああああああああああああッ!
オツカレサマであります、
宝月主席検事殿ッ!
巴: たしかに、最近つかれぎみです。
それで‥‥
持ってきてもらえたかしら?
糸: は。
はは。
ははは。
はははは。
はははははははははははははああ
コレでありますねッ!
巴: ゴメンなさい。
私、今はとらわれの身ですから。
成歩堂弁護士の名前を使って、
おねがいしましたの。
成: ぼ、ぼくですか!
糸: まさか、アンタから
指令が下るとは思わなかったッス。
『ちょっと、SL9号事件の資料を
持ってきてくださるかしら。
おヒルまでに』
‥‥以上ッス。
成: え‥‥<<SL9号事件>>?
茜: お姉ちゃん! それは‥‥
巴: 弁護士に必要だろうと、
手配しておきました。
あの事件の資料です。
読んでおくとよいでしょう。
糸: 自分、おどろいちまったッス。
主席検事殿も、証人だったとは!
成: ともえさんが‥‥”証人”?

<<SL9号事件の資料>>の
ファイルを受け取った。
糸: いやー、連続殺人事件とは。
オソロシイ世の中ッスねー。
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
糸: お、なんスか! ヒトをアゴで
使った上、ムシッスか。
成: ‥‥‥あ、あかねちゃん!
どうして‥‥‥
この事件資料に、
きみの名前があるんだ?
茜: え! あ、あたしの名前?
し、知りません‥‥‥あ。
ま、まさか‥‥‥お姉ちゃん!
<<SL9号事件>>って‥‥
巴: ‥‥‥‥‥‥‥‥
それは、警察がつけた
事件分類ナンバーです。
2年前‥‥世間では。
<<青影事件>>と呼ばれていました。
茜: あ‥‥あおかげ‥‥
そんな! そんなのって‥‥!
今になって‥‥そんなの、ないよ!
成: ちょ、ちょっと! あかねちゃん!
(出て行ってしまった‥‥!)
糸: あ、あの‥‥‥自分はこれで。
シツレイしちゃうッス!
成: (罪門 恭介、市ノ谷 響華、
巌徒 海慈、御剣 怜侍‥‥
そして、ともえさんに、
あかねちゃん‥‥)
‥‥すべての関係者が、
2年前の事件に名前を連ねている。
”グーゼン”‥‥では
ありませんよね、これは。
巴: ‥‥あなたならば。
いずれ、わかるかもしれません。
そろそろ時間です。
行きましょうか、成歩堂弁護士。
成: (とにかく、この資料‥‥
よく読んでおいたほうがいいな)


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