成歩堂 龍一…黒 | |
御剣 怜侍…茶 | |
糸鋸 圭介…黄土 | |
裁判長…緑 | |
宝月 茜…桃 | |
宝月 巴…藤 | |
罪門 恭介…紺 | |
市ノ谷 響華…水 | |
原灰 ススム…黄 | |
綾里 真宵…青 | |
綾里 春美…黄緑 | |
板東ホテルのボーイ…灰 |
地方裁判所 被告人第2控え室 | |
成: |
(ついに‥‥ すべてが、終わった‥‥) あ。あかねちゃん‥‥? |
茜: | ‥‥‥‥‥‥‥ |
成: |
な。なんで、そんなカオ してるのかな。 たしかに‥‥お姉さんは、完全に 無実にはならなかったけど。 少なくとも、やってもいない サツジンの罪だけは‥‥ |
茜: |
そうじゃないの! さっき。 裁判が、終わったとき‥‥ |
巴: |
『さすが‥‥綾里 千尋さんが 見こんだだけのコトはあります。 本当に、どうもありがとう。 ‥‥成歩堂くん。 そして‥‥‥御剣くん。』 |
御: | 『‥‥‥!』 |
巴: |
『この3日間‥‥あなたは、 私と同じ苦しみを味わった。 ‥‥よく、がんばりましたね。』
|
茜: |
‥‥あたしだって。 あたしだって、がんばったのに。 お姉ちゃん、あたしには‥‥ なんにも、言ってくれなかった。 |
糸: | シツレイするッス! |
成: | ‥‥‥‥‥‥‥‥ |
茜: | ‥‥‥‥‥‥‥‥ |
糸: |
あ、あの‥‥‥じゃ、またあとで。 シツレイするッス! |
成: |
あ‥‥イトノコ刑事! どうしたんですか? |
糸: |
アンタたち! ちょっと、 ワザとやってないッスか? 現職の刑事に使い走りさせた上、 来てみれば、この空気! ‥‥なんて。 ちょっと、言ってみたッス。 |
茜: |
あの‥‥。また、お姉ちゃんの お使い、ですか? |
糸: |
いやー‥‥今度ばかりは、 ちょっとチガうッスね。 なんというか‥‥ある種。 そう、アンタのお使いッス。 |
茜: | あ。あたしの‥‥? |
糸: |
アンタのために‥‥ つれてきてあげたッスよ! |
茜: | お‥‥お姉ちゃん‥‥! |
成: |
い、いいんですか? いちおう、ともえさんは‥‥ まだ、拘束中‥‥ですけど。 |
糸: |
‥‥‥‥‥‥ みんなにはヒミツッス。 |
巴: |
あかね‥‥あなたに、ひとこと。 あやまっておこうと思って。 |
茜: |
い。いいよ、ベツに。 あたし‥‥気にしてないから。 |
巴: | ‥‥2年前の、あのとき。 |
茜: | ‥‥‥! |
巴: |
生まれて初めて‥‥私は、 何も考えるコトができなかった。 叫び出しそうなキモチを必死で 押さえて‥‥ただ、1つだけ。 <<あなたを、巻き込みたくない>> それだけ、アタマをかけめぐった。 |
茜: | ‥‥お姉ちゃん‥‥ |
巴: |
そして、巌徒のチカラを借りて <<真実>>をかくしとおしたの。 それが、あなたのためだ‥‥ ずっと、そう思っていたわ。 でも‥‥‥そうじゃなかった。 私は、まちがっていたのね。 |
茜: | え‥‥‥ |
巴: |
あの事件が終わって‥‥ 私は、変わったわ。 変わらなければ‥‥この2年間、 とても、耐えられなかったから。 あなたが、悲しんでいるのも よく知っていたわ。でも‥‥! そんなあなたに、私は 向かい合うコトができなかった。 だって、私は‥‥怖かったの。 あなたの、その目を見るのが。 あなたに<<真実>>を 知られるのが、怖かった‥‥ |
茜: |
でも! お姉ちゃんは、 あたしのために‥‥ |
巴: | ‥‥ちがうわ。 |
茜: | え‥‥ |
巴: |
私は、あのとき‥‥あなたの キモチに、目をつぶっただけ。 <<真実>>をかくすことは‥‥ あなたをあざむくだけだったのに! |
茜: | お姉ちゃん‥‥ |
巴: |
ホント、バカみたい。 今になって‥‥やっと、気づいた。 ‥‥あかね。 ごめんなさいね。 |
茜: |
おねがい、お姉ちゃん! あ。あやまらないで。 だって‥‥あたし。うれしいから。 |
巴: | え‥‥‥ |
茜: |
お姉ちゃんは‥‥やっぱり。 あたしがよく知ってる、 お姉ちゃんだったよ! ‥‥あたし、信じていたから。 いつか、かならず‥‥ 帰ってきてくれる、って! |
巴: | ‥‥あかね‥‥‥ |
成: |
‥‥過去を変えるコトはできない。 そして‥‥あやまちは つぐなわなければならない。 では‥‥なぜ、 つぐなわなければならないのか? それは、きっと‥‥ その先に、 まだ”道”がつづいているから。 過去を断ち切って、今度こそ。 前を見て、歩いて行くために‥‥ ‥‥ふたりを見ていて ぼくは、そんなコトを思った。 |
巴: | 成歩堂くん。イトノコくん。 |
糸: | は‥‥‥はッ! |
巴: |
本当に、ありがとう。 また、いつか‥‥どこかで。 きっと、また会えるはずです。 ‥‥そうよね? 御剣くん。 |
成: | え。み、御剣‥‥‥? |
巴: |
そんなところにかくれてないで、 出ていらっしゃいな。 |
成: | (どこにかくれていたんだよ!) |
御: |
ヒトコトだけ‥‥どうしても、 お祝いを申し上げたかった。 おめでとうございます。 |
巴: | ‥‥わざわざ、ありがとう。 |
茜: |
ありがとうございました! 御剣検事さん! |
御: |
では‥‥‥その。 シツレイするッ! |
巴: |
今回の事件‥‥ 気に病む必要はないわ。御剣くん。 |
御: | ‥‥! |
巴: |
まちがっていたのは、私たち。 あなたじゃないわ。 |
御: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥ もう、遅い。 |
成: | ‥‥! |
御: |
だれがなんと言おうと‥‥ 私は、知ってしまったのだ。 私自身が犯した、アヤマチ‥‥ それは、変えることはできないッ! |
茜: | 御剣検事さん‥‥ |
御: |
それに‥‥私は、恐ろしいのだ。 局長の言った、あのコトバ‥‥ |
巌: |
『キミは、ニクんでいるはずだ。 犯罪者を‥‥どうしようもなく。 ボクにはわかる。キミは‥‥‥ ボクと同じニオイがするからね。』 |
御: | 『‥‥!』 |
巌: |
『いずれ、キミにもわかるよ。 ‥‥かならず。 たったヒトリで ヤツらと戦うためには‥‥ ”何が必要なのか”をね‥‥』 |
御: |
たしかに‥‥私は 犯罪者をニクんでいる。 この生涯をかけて。 彼らと戦うつもりでいた。 『たったヒトリで犯罪と戦うには、 <<武器>>が必要』‥‥ 恐ろしいコトだが‥‥かねてから、 私も、同じことを考えていた。 |
成: | ‥‥そう、だったのか‥‥ |
御: |
もしかしたら‥‥ ”いつか、この私も同じコトを” そう考えると‥‥このまま、 検事をつづけられるハズがないッ! |
巴: |
‥‥御剣くん。 なぜ、わからないのかしら。 巌徒 海慈も‥‥‥ あなたの師匠、狩魔 豪も。 |
御: | ‥‥‥! |
巴: |
ふたりとも、ソンケイすべき、 本当にすばらしい戦士だったわ。 でも‥‥彼らは。 ある1点で、まちがっていたのよ。 |
御: | え‥‥‥ |
巴: |
『たったヒトリで犯罪と戦うには、 <<武器>>が必要』‥‥ たしかに、そうかもしれないわね。 でも‥‥よく、思い出して。 あなたは、ヒトリじゃない。 |
御: | ‥‥! |
巴: |
今回の法廷だって、そう。 あなたと、成歩堂くん‥‥ 2人がいて初めて、 成立した<<証拠>>があるじゃない。 そうだったでしょう? ‥‥成歩堂くん。 |
成: |
え! ‥‥は、はい! (いきなり言われても‥‥) |
茜: |
成歩堂さん! 御剣検事さんに 見せてあげましょうよ! |
成: |
(‥‥御剣と、ぼく‥‥ ひとりでは、見つけることが できなかった<<証拠>>とは‥‥) |
茜: |
こ、これは‥‥ あたしが描いた、絵‥‥! |
成: |
すべての”反撃”は、 ここから始まった。 おまえが持っていたリストと、 ぼくが見つけた、リスト‥‥ どちらが欠けても、 この絵は完成しなかったよ。 |
巴: |
それは、きっと‥‥ グーゼンではないわ。御剣くん。 |
御: |
‥‥‥! ‥‥‥‥‥‥‥‥‥ そろそろ、時間だ。 |
茜: | 御剣検事さん‥‥ |
御: |
それでは‥‥ 私は、シツレイしよう。 あとかたづけが 残っているのでね。 宝月主席検事。 それでは‥‥お元気で。 |
成: |
‥‥御剣! これから、どうするんだ? |
御: | ‥‥‥‥‥‥‥ |
成: |
わかっているよな。 今回の、この事件‥‥ <<検事>>としての、お前自身を ”生かす”のも、”殺す”のも‥‥ 決められるのは、 オマエしかいないんだ! |
御: |
‥‥ああ。 わかっているさ。 キミにも礼を言うよ。 ‥‥成歩堂。 あとは‥‥私自身のモンダイだ。 |
成: |
御剣‥‥ 法廷で待っているぞ。 |
御: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥ それでは、シツレイする。 |
巴: |
それじゃあ‥‥私も そろそろ、行かないと。 |
茜: |
‥‥うん。 あたし、会いに行くから。 |
巴: |
おたがい、もっともっと ベンキョウしなくちゃね。 じゃあ‥‥これ。 あなたに、プレゼントよ。 |
茜: | <<よくわかる科学捜査入門>>‥‥ |
巴: |
私が初めて買った本なの。 よく、読んでおきなさい。 |
茜: |
あ。ありがとう、お姉ちゃん! ベンキョウしておくからね! |
成: |
‥‥こうして 1つの事件は、幕を閉じた。 しかし‥‥ぼくは、信じている。 あかねちゃんと、ともえさん‥‥ ふたりの物語は‥‥きっと。 これから、また始まるんだろう。 ‥‥そして、ぼくも。 ぼく自身の”再会”の 物語に向けて。 明日から、新しいキモチで ‥‥また、歩き出そう! |
糸: |
あ。歩き出す前に、 ちょっといいッスか。 |
成: | な。なんですか、イトノコ刑事! |
糸: |
アンタもわかってると 思うッスが‥‥ 宝月 巴主席検事は、 まだ、拘束中ッス。 |
茜: | あ‥‥‥ |
成: |
だから、言ったじゃないですか。 大丈夫なんですか、って。 |
糸: | 大丈夫なワケ、ないッス。 |
成: | え。 |
糸: |
『30分だけ、見て見ぬフリを してくれ』と‥‥ 看守たちに、たんまり カネをニギらせたッス。 |
成: | え。え。 |
茜: |
さすが、刑事さん! イキなコト、しますよね! |
糸: |
いやー。ハッハッ。 そういうコトで。 そっちの支払いのほう、 よろしくたのむッス! |
成: | え。え。え。 |
糸: |
自分の給料じゃ、とてもムリッス からねェ。‥‥あんな大金。 |
成: | え。え。え。え。 |
茜: |
本当に、どうもありがとう。 成歩堂さん! |
成: |
‥‥‥‥‥‥‥‥ (どうやら‥‥もう一度だけ 叫んでおいたほうが いいみたいだな‥‥) |
糸: |
せっかくだから、 みんなで行っとくッスか。 |
茜: |
あ、それ! いい考えですね! ‥‥それじゃあ、 みなさん、ごいっしょにっ! |
巴: |
あかねは、アメリカの知人に あずけることにしました。 超一流の検視官ですから、 いいシゲキになると思います。 今回の事件で、私も検事局を はなれるコトになるでしょう。 でも。また、ちがう立場で かならず、現場にもどってきます。 いつか‥‥今度は、 いっしょに事件を追いたいですね。 |
糸: |
いやー、一時はどうなるコトかと 思ったッスが‥‥ どうやら今回は、違法捜査の おとがめはナシ、というコトで。 『これ以上のペナルティは、 ある種、クビよりヒドい仕打ち』 ‥‥なんでも、そういう ケツロンになったとか。 この、イトノコギリ! これからも イッピキの刑事を、つらぬくッス! |
原: |
最近の仕事はもっぱらコレ、 正門の警備と、ビリーの相談相手! 決してコレ、ガードマンに格下げに なったのではないのでありますッ! 本日は、相棒が本官のかわりに 正門を守っているでありますが‥‥ でも、いつの日か、本官もコレッ! 捜査をしてみたいでありますッ! 本官の目標は、あのイノコリ刑事殿 でありますからしてェェェェェッ! |
罪: |
なんの用だい? ステーキ弁当と 真昼の決闘を楽しんでたトコロさ。 おキョウからの差し入れさ。 看守室に、カレがいるらしいぜ。 あの、カウボーイ‥‥さすがだな。 やっぱり、やってくれたかい。 バンビーナにも、とびきりのエガオ を取り戻してやったみたいだしね。 ついでに、ビリーたちに水を やっておくよう、言っといてくれ。 |
響: |
これで、しばらく‥‥ おキョウのカオともお別れだねェ。 さあ。このたび新発売になった 成歩堂弁当、よろしかったかしら? 一段目は、苦ぁい敗北の味。 二段目は、甘ぁい勝利の味。 大逆転の味わいが、ユメ見がちな 受験生たちに大ウケですのよ。 ‥‥くれぐれも、 逆に食べませんように。 |
裁: |
今回の事件、弁護士の最後のコトバ ‥‥私は一生、忘れないでしょう。 あの、若き弁護士‥‥‥あれ。 ナニ歩堂くん、でしたっけな? ええと。この私も、この道に入って かれこれ‥‥あれ。何年でしたか。 と。とにかく! そろそろ 開廷の時間なので、このへんで‥‥ あ! 木槌を忘れてきました! それでは、シツレイしますぞッ! |
真: |
うーん。やっぱり、 里の空気はいいなあ。 正直、たまに聞きたくなりますよ。 なるほどくんの『異議あり!』 でも! まだ、ダメなんです! 霊媒師として、一人前になるまで。 |
?: |
‥‥真宵さまー。 午後の修行がはじまりますよー。 |
真: |
うん! 今、行くよー。 じゃ、あたしもがんばるから。 またね、なるほどくん! |
ボ: |
‥‥御剣サマ。 あの。御剣検事サマ? いつもの、ストレートティーを お持ちいたしましたが‥‥ ‥‥‥‥‥‥‥‥ ? こ、これは‥‥‥? |
茜: |
わざわざ、お見送り ありがとうございました! なんか、急にアメリカに 行くコトになっちゃって。 成歩堂さん。本当に‥‥ 本当に、ありがとう! やっぱり、さみしいけど‥‥ あたし。がんばります! この本を開けば、いつでも‥‥ お姉ちゃんに会える気がするから。 |