第5話『甦る逆転』第3回法廷(その7)

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成歩堂 龍一…黒
御剣 怜侍…茶
糸鋸 圭介…黄土
裁判長…緑
宝月 茜…桃
宝月 巴…藤
巌徒 海慈…紫
罪門 恭介…紺
市ノ谷 響華…水
原灰 ススム…黄
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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(異議あり!)
巌: ‥‥フッ‥‥
‥‥フッフッフッ‥‥
あーっはっはっはっはっはっはっ!
惜しかったよ‥‥ナルホドちゃん!
もう少し、だったのにねェ‥‥
成:‥‥‥!
巌: ザンネンだけど‥‥ダメだよ。
そ、そうさ。認められないよ。
裁: どういうイミ、でしょうか。
”認められない”‥‥?
巌: その布きれ、さァ。
‥‥そいつは<<違法な証拠>>だッ!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛にッ!
な、ナニを言い出すのですかッ!
巌: い‥‥違法な証拠を使って、
断罪するコトは、認められない!
お、おぼえてるだろ、チョーさん!
コイツ‥‥このベンゴシは、一度!
アレをかくそうとしたんだ!

巌: 『でも‥‥‥ねえ。
ナルホドちゃんさあ?
キミ。持ってるはずだよね?
‥‥決定的な証拠品を、さァ。』
成: 『‥‥‥‥‥‥
現時点で‥‥
提出できる証拠はありません。』

裁: た‥‥‥たしかにッ!
弁護人は一度、証拠の提示を
拒否していますッ!
巌: その時点で‥‥その布きれは、
<<正当な証拠>>にはならないさ!
茜: そ‥‥そんなああ‥‥ッ!
巌: うふ。うふふ。うふふふふふふふ。
ザンネンだったよねえ‥‥
‥‥このボクに、法廷戦術で
勝てると思っていたのかなァ。
これが本当の、
<<最後の大逆転>>ってヤツだね!

(ざわめきが起こる)
裁: ザンネンながら。巌徒氏の主張は、
法律的には、カンペキに正しい。
いかがですかな? 御剣検事。
御: たしかに‥‥違法な証拠で
容疑者を断罪することはできない。
本当に、それが”違法なら”の
ハナシだが‥‥
裁: ふ、ふむう‥‥‥?
いかがですかな、弁護人!
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥
(どうやら‥‥そろそろ
今回の作戦の”真意”を明かす
ときが、来たみたいだな‥‥)
裁: ‥‥弁護人。
あなたは、認めるのですかな?
故意に、あの<<布きれ>>を
かくしていたコトを‥‥!

(「証拠品は、違法ではない」を選択)
成: たしかに‥‥ぼくは一度、
証拠品の提示を拒否しました。
巌: ホラね! ホラね! つまり!
その証拠品は<<違法>>に決まってる

(成歩堂「異議あり!」)
成: ‥‥ちがうんですよ、巌徒さん。
巌:え‥‥‥
成: ぼくは、あのとき‥‥
”提出しなかった”のではない。
”提出できなかった”のです。
裁: ど‥‥どういうコトですかな?
”提出できなかった”‥‥
成: 弁護側には、そのコンキョを
提示する用意があります!
巌: ウソだッ! チョーさん!
こんなタワゴト、聞いちゃダメだ!
ヒキョーなオトコなんだよ!
だから、こんなヤツの言うコトは聞

(御剣検事「異議あり!」)
御: この法廷‥‥‥最後に残された
問題は、ただ1つ。
この証拠品は、
<<違法>>か、そうでないか?
裁: それでは‥‥今度こそ、
これが最後です。
あなたは一度、証拠品の
提示を拒否しました。
それが<<違法>>でなかったという、
”コンキョ”を示してください!

(「証拠法入門」を選択)
成: ‥‥これが、そのコンキョです。
<<よくわかる証拠法入門>>‥‥
巌: ど‥‥どういうことだ‥‥
成: ぼくもベンキョウした、と
いうことですよ‥‥局長さん。
たしかに、コイツには
宝月 茜の指紋が残っていました。
‥‥しかし!
その時点では、これはただの
<<布きれ>>にすぎなかったのです。
巌:え‥‥‥
成: この本に、ハッキリ書いてある!
証拠法の<<2大原則>>‥‥ですよ。
巌: な。ナニを、バカな‥‥‥
御: <<その1:警察局の認可のない
証拠品の提示は認められない>>
成: これは、ぼく自身が発見しました。
‥‥あなたの金庫から。
したがって、当然‥‥
警察局の認可はありません。
御: <<その2:未登録の証拠の提示には
審議中の事件との関連性が必要>>
成: そう‥‥
ここが、ポイントでした。
<<布きれ>>と<<SL9号事件>>‥‥
その2つの<<関連性>>を立証する
のは‥‥不可能だったのです。
巌: バカなッ! そ、そんな‥‥
そんなタワゴト、通用するかッ!
そんな<<関連性>>なんか!
この写真を見れば、イッパツで‥‥

(成歩堂「異議あり!」)
成: ザンネンですが‥‥
思い出してください。
この写真が提出されたのは、
いつのことだったでしょうか?
裁: たしか‥‥‥
つい、さっきのコトです!
巌: そ‥‥‥そんな、バカな‥‥‥
御: ‥‥‥そう。
今朝、10時。この法廷が
開廷した時点では‥‥
たしかに、その布きれは
無価値だったのだ。
成: そこに”証拠品”という
価値を与えてしまったのは‥‥
‥‥巌徒 海慈さん。
あなた自身、だったんですよ。
巌:‥‥‥!
御: あなたは‥‥自分から、
ある”ジジツ”を認めてしまった。

成: 『‥‥もう一度だけ、
カクニンします。
この布きれは、事件当日。
あなた自身が、その手で‥‥
被害者のベストから切り取った
もの、なんですね?』
巌: 『あー、そうだともさ!』

巌: あ‥‥‥ああああああ‥‥‥ッ!
御: ‥‥あの瞬間。
あなた自身が、認めたのだ。
この布きれが、決定的な
<<証拠品>>である、と。
そう! 警察局長である、
あなた自身が‥‥認めたのだッ!
成: 被害者のムネから、これを
切り取ることができたのは‥‥
罪門 直斗の死の直前、
その目の前に立っていた人物。
つまり、<<真犯人>>です。
そして、それは‥‥
巌徒 海慈! あなた以外には
あり得ないのです!
巌: ぬ‥‥‥‥‥‥ぬ‥‥‥‥‥‥ぬ
‥‥‥ぬ‥‥‥‥‥‥‥ぬ‥‥‥
‥‥フッ‥‥
あああああああああああああああッ
はッはッはッはッはッはッはッはッ
ひッひッひッひッひッひッひッひッ
ふッふッふッふッふッふッふッふッ
へッへッへッへッへッへッへッへッ
ほッほッほッほッほッほッほッほッ
かかかかかかかかかかかかかかかか
きききききききききききききききき
くくくくくくくくくくくくくくくく
けけけけけけけけけけけけけけけけ
ここここここここここここここここ
コココココココォォォォォォォッ!


巌: やっぱり‥‥‥アイツ(罪門恭介)
カタづけておくべきだったかな‥‥
あの、できそこない‥‥‥
ホント、シツコイ野郎だったよ!
ボクのまわりを、ムダに
カギ回ってさあ。‥‥2年間も!
新しい犯罪は毎日、
起こっているというのにねェ‥‥
御: ‥‥あなたのしたことも、
リッパな犯罪だったのだ。
巌: アイツ‥‥あくまでも、
事件を調べなおそうとしたんだ。
市ノ谷 響華を仲間に引き入れて、
多田敷 道夫も説得していた‥‥
成: 多田敷捜査官を‥‥?
巌: ‥‥そうなんだよ!
聞いてくれる? ナルホドちゃん!

罪: 『<<申し送り>>が終わったら、
もうチャンスがない!
たのむ、多田敷!
オレに協力してくれッ!』

巌: 多田敷ちゃんは、断った。
‥‥トーゼンだよね。
‥‥でもね。罪門 恭介は
あきらめなかったんだ。
御: IDカードを盗みだして、
証拠品を強奪しようとした‥‥
巌: あの、運命の日‥‥‥
ボクの執務室に、多田敷が来た。
<<遺失物届>>の書類を持って。
なんか、イヤな予感がしてさ。
カレと保管室に行ったんだけど‥‥
カレね。トンでもないコトを
言いだしやがったのよ。

巌: 『な‥‥‥ナニ、言い出すのかな。
タダシキちゃん‥‥』
多: 『もう一度! 調べさせて
もらえないでしょうか、局長!
このまま<<申し送り>>なんて‥‥
やっぱり、オカシイ!』

巌: カレ‥‥保管庫を開けて、
証拠品を取り出して‥‥言ったよ。

多:
<<今からでも遅くない。
これを、罪門にわたします!>>

巌: いやー。ボクもさァ。
正直なトコ、アセっちゃって。
ワルい予感はあったけど、
これほどまでとは、ね。
そのとき‥‥目に入ったんだ。
あの‥‥のろわれたナイフが。
‥‥とにかく、ナイフを傷口から
抜くワケにはいかなかった。
御: 抜けば‥‥出血がはげしくなり、
始末できなくなっていただろう。
巌: それでも、けっこうな血が出て。
こっちの血の気が引いたよ。
ダレが入ってくるかわからない。
大急ぎで血をふきとったけど‥‥
床ばっかり気にして、トンでもない
見落とし、しちゃったし。
成: それが‥‥イトノコ刑事の保管庫に
残された”手のアト”ですか。
巌: ”犯罪のコンピュータ”‥‥
そんなふうに呼ばれたモンだけど。
だれでも、やる方は初心者でしょ?
ボクも、アセっちゃって。
ホント。ガラにもないコト、
するモンじゃないよね。
御: それで‥‥私のクルマに、
その死体を‥‥?
巌: ゴメン! 他に、死体を運びだす
方法を思いつかなくてさ。
トランク、コワしちゃったけど。
ベツに、かまわないよね?
いっぱいもらってるんだから。
刑事クンたちとちがって。
御: うむむむむ‥‥
成: そ、それにしても!
ともえさんを巻きこむなんて‥‥
ヒキョウじゃないですかッ!
巌: ま。真実があかるみに出て
困るのは、彼女もいっしょだから。
御: ‥‥多田敷捜査官の保管庫の
証拠品も、あなたが‥‥?
巌: ワルいとは思ったけどね。
選んでるヒマもなかったから。
持てるかぎり、ガッて行ったよ。
成: まあ‥‥‥ツボのカケラと手袋が
残ってましたけどね。
巌: ‥‥‥‥‥‥
やっぱり、さァ。
犯罪を犯すよりも、捜査するほうが
ハダに合うみたいだね。ボクも‥‥
‥‥みんなして、ボクのジャマを
してくれちゃってさァ。
ホントに‥‥‥優秀なヤツらだよ。
ニクらしいぐらいにねェ‥‥
御: ‥‥ねじ曲げられた証拠品には、
かならず、ホコロビが生まれる。
あなたならば。そのぐらい、
ご存じだっただろうに‥‥
巌: ‥‥‥ねえ、御剣ちゃんさ。
キミは、なんのために
法廷に立っているんだい?
御: わ、私‥‥?
巌: キミは、ニクんでいるはずだ。
犯罪者を‥‥どうしようもなく。
ボクにはわかる。キミは‥‥‥
ボクと同じニオイがするからね。
御:‥‥!
巌: いずれ、キミにもわかるよ。
‥‥かならず。
たったヒトリで
ヤツらと戦うためには‥‥
”何が必要なのか”をね‥‥
御: ‥‥‥‥‥‥‥‥
巌: じゃあ‥‥これで。
サヨナラだね。ショクン。
あ。チョーさん、さ。
裁: な、なんですかなッ!
巌: 来週の、あのヤクソク。
なんか。ダメになっちゃったね。
いやはや。ゴメンね!
裁: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
まことに、ザンネンです。
巌徒 海慈さん。
巌: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
裁: 私は、ムカシのあなたを
よく知っています。
かつては、我々の世代を代表する、
優秀な捜査官だった。
それだけに‥‥
本当に、ザンネンです。
巌: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
ムカシのコトだよ。
ありがとね。チョーさん。
なあに、大丈夫だって!
ナルホドちゃんに‥‥
‥‥御剣ちゃん。
この、ふたりがいれば。
きっと‥‥‥さ。
‥‥だって、今。ボクにはね。
”始まり”のメロディが
聞こえているんだからさァ!


成: ‥‥あなたにカクニン
しておく点が、2つあります。
巴: ‥‥はい。
成: 1つ。妹の宝月 茜さんは、
だれもキズつけていない。
2つ。巌徒 海慈は、最初から
あなたをウラ切っていた。
つまり‥‥ともえさん。
あなたがチンモクを守る理由は、
もう何もないんです。
巴: ‥‥ええ。
この裁判が終わったら‥‥
すべて、お話しします。
あの事件で、巌徒の協力を得て
現場を<<ねつ造>>してから‥‥
この2年。私が、何をしてきたか
‥‥すべて。
裁: どうやら‥‥ここに。
すべてのナゾは、
姿を消したようです。
成: すみませんでした、ともえさん。
やっぱり‥‥
あなたを完全に救うことは、
できなかったみたいです。
巴: ‥‥‥‥‥‥
思い上がらないことね。
‥‥新米弁護士さん。
成:‥‥‥!
巴: さすが‥‥綾里 千尋さんが
見こんだだけのコトはあります。
そう‥‥あと3年もすれば。
きっと、最高の弁護士になるわ。
本当に、どうもありがとう。
‥‥成歩堂くん。
成: ともえさん‥‥
巴: そして‥‥‥御剣くん。
御:‥‥‥!
巴: この3日間‥‥あなたは、
私と同じ苦しみを味わった。
それが、どれほどのものか‥‥
私には、よくわかります。
御: そ、そんな‥‥!
大したコトではないッ!
成: (ウソ、つけ‥‥)
巴: いつ、くじけてもおかしくない
‥‥そう思っていました。
それなのに、あなたは‥‥
最後まで、成歩堂くんを
みちびいてくれました。
‥‥よく、がんばりましたね。
御: やめていただきたいッ!
当然のコト、だ。
裁: 今回の事件を通じて、我々は‥‥
我々自身の”あり方”を
考えなおす必要があるようですね。
‥‥被告人。
巴:はい。
裁: 殺害の容疑に関して、
あなたは無実です。‥‥しかし。
脅迫されていたとはいえ、あなたは
巌徒氏と<<共犯関係>>にあった。
‥‥それについては、後日。
改めて審理が必要になるでしょう。
巴: ‥‥ええ。わかっております。
裁: ‥‥なんですかな?
そのハレヤカなニコニコ顔は。
巴: ひさしぶりなんです。
この、重いクサリから
解きはなたれたような気分‥‥‥
裁: ‥‥それでは。
この法廷も、いささか
長くなりすぎたようです。
罪状を<<殺人>>にかぎって、
今。判決を言いわたします!


(無罪判決)

裁: ‥‥では、本日はこれにて閉廷!


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