第5話『甦る逆転』第3回法廷(その6)

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成歩堂 龍一…黒
御剣 怜侍…茶
糸鋸 圭介…黄土
裁判長…緑
宝月 茜…桃
宝月 巴…藤
巌徒 海慈…紫
罪門 恭介…紺
市ノ谷 響華…水
原灰 ススム…黄
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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(待った!)

巌: ‥‥イイカゲンに
してくれないかなあ。
こんな裁判、さあ。
聞いたことがないよ。
裁: 巌徒局長‥‥!
巌: ナニ? ボクをワルモノに
仕立てあげよう、ってワケかな。
それは、ちょっとボクにも
言わせてもらいたいなぁ。

(御剣検事「異議あり!」)
御: ‥‥引っこんでいてもらおうか。
巌: なんだって‥‥?
御: あなたは、この審理における
証言を、すでに拒否している。
逆に言えば‥‥あらゆる発言の
権利を、自ら捨てたのだよ。
巌: ‥‥‥‥‥‥
成: (発言拒否の”キケン”‥‥‥
こういうコトだったのか!)
御: まあ、ゆっくり座って、
だまって聞いていていただこうか。
ご自分のクビにかかったロープが、
ゆっくり締まっていく音を‥‥
巌: く‥‥‥く。くそおおおおおおッ!
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥なんて、ね。
それで‥‥‥ナニ?
追いつめたつもり? ボクをさ。
成:‥‥!
巌: ザンネンだけどね。
そうは行かないんだよ。
だって‥‥ボク。
発言する必要なんて、ないから。
御: ‥‥どういうコト、だろうか。
巌: <<証拠品>>‥‥さ。
発言はできなくても、
証拠品を提示するコトは、できる。
裁: それは、そうですが‥‥‥
あ! まさか、巌徒局長ッ!
あなたはまだ、何か
決定的な証拠品を‥‥
巌: 持ってないよ、ボク自身は。
‥‥今は、もう。
裁: ”あなた自身は”‥‥?
巌: でも‥‥‥ねえ。
ナルホドちゃんさあ?
成:‥‥!
巌: さっきから‥‥
なんでダマってるのかな?
‥‥キミさァ。
たしか、持ってるハズだよね?
<<ナオトちゃんをつきとばしたのが
いったい、ダレなのか‥‥?>>
ハッキリ立証している、
決定的な証拠を、さァ!
裁: そ。そうなのですか、弁護人!
成: ‥‥‥‥‥‥
(今、”あれ”を提出すれば、
まちがいなく‥‥
罪門検事を殺害したのは、
<<宝月 茜>>というコトになる!)
裁: 弁護人! 証拠品があるの
ならば、提出を命じます!
不当にかくそうとした場合‥‥
重罪に問われるコトになりますぞ!
成: (‥‥どうする‥‥
ここは、最も重要なポイントだ。
ミスは、ゆるされない‥‥!
ぼくは、あの証拠品を
提示するべきなのか‥‥?
罪門 直斗検事を殺害した
<<真犯人>>を示す証拠品‥‥)

(「証拠品の提示はできない」を選択)
成: 現時点で‥‥
提出できる証拠はありません。
巌: バカなッ!
ふ‥‥ふざけるなッ!
裁: 巌徒局長‥‥?
巌: お。オマエ、ボクの金庫を
開けたじゃないか!
あの中に‥‥あの中に、
入っていたはずだ!
決定的な証拠がァァァァァッ!
成: ‥‥なんのことでしょう?
茜: な、成歩堂さん! どうして!
あたしたち、
見つけたじゃないですか!
巌: そうか‥‥わかった!
‥‥オマエ、知ってるんだな?
あの<<指紋>>のイミを。
だから、提出しないワケか‥‥
御: 巌徒局長ッ! いったい‥‥
なんのコトだッ!
巌: ‥‥聞くまでもないだろう?
この現場写真、よく見てみなよ。
被害者のジャンパー‥‥
その、ムネの部分をさぁ。
裁: ‥‥どうやら、
切り取られているようですが‥‥
御: もしや、これは‥‥!
あなたのシワザ、なのかッ!
裁: ま、まさかッ! それこそ、
不正捜査ではないですかッ!
警察局長が、そんな‥‥‥
大スキャンダルですぞッ!

(ざわめきが起こる)
巌: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
やれやれ‥‥
正直なトコロ、ここまで
やるとは思わなかったよ。
成:‥‥!
巌: でも‥‥さすがにね。殺人犯に
されちゃ、たまらないでしょ?
‥‥いいかな。
話してあげちゃおうか。ゼンブ。
裁: な、なんというコトでしょう‥‥
あなたが‥‥認めるとはッ!
巌: たしかに‥‥ボクはあの日、
最初に現場を発見したんだよ。
そして‥‥あの状況を利用して、
彼女を操るシナリオを考えたんだ。
茜: やっぱり‥‥‥
あなたが、お姉ちゃんを!
巌: ‥‥あのとき。
ボクには、カクシンがあったよ。
そこの妹ちゃんに、ウタガイが
かかるようにしておけば‥‥
現場を見つけた宝月 巴は、
必ずボクに相談してくる、って。
御: それで、あなたは‥‥
宝月 巴に”協力”したワケか!
巌: 彼女に指示して、すべての
証拠を作りかえたんだ。
ナイフの刃を埋めこんだり、
死体を移動させたり‥‥
御: その証拠を使って、この私は‥‥
青影 丈の有罪を立証したのかッ!
巌: ‥‥でもね。
あの<<工作>>をしたとき‥‥
ボク、2つだけ。
証拠品をかくしておいたんだよ。
‥‥トモエちゃんが
現場に現れる前に、ね。
成: ”2つの証拠品”‥‥
それが、あの金庫の中身ですね!
裁: なぜ、そのようなことを!
巌: 決まってるでしょ?
‥‥”保険”だよ。
成: ほ‥‥”ホケン”?
巌: 計画には自信はあったケド。
万が一、ということがあるよね?
イザとなって、妹ちゃんの罪を
着せられちゃ、たまんないから。
裁: <<ねつ造>>をしながら‥‥
そこまで考えていたのですかッ!
巌: ‥‥ダレだと思ってるのかな。
警察局長にまで、なったオトコよ?
ホラ。この、ツボのカケラ。
<<茜>>という文字の、イチバン
目立つ部分をかくしておいたわけ。
まさか彼女が、血をふきとっちゃう
とは思わなかったけどねー。

(御剣検事「異議あり!」)
御: しかし! すべてが
証人の<<ねつ造>>であるならば!
このツボの文字も、ホンモノの
手がかりとはかぎらないッ!
巌: ‥‥クックックッ‥‥
やだね。そうやって、なんでも
ヒトのせいにするヤツ‥‥
そんなのもいると思ってさ。
‥‥もう1つの<<保険>>があるの。
御: それが‥‥
切り取られた布きれ、かな?
巌: そういうワケね。
‥‥もう、いいからさ。
提出しちゃいな。ナルホドちゃん!
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
茜: 成歩堂さん!
出しちゃいましょうよ!
成: ‥‥巌徒局長。
あなたは‥‥認めるのですか?
ご自分の金庫の中に、切り取った
布きれをかくしていた‥‥と。
巌: ‥‥さすがに、ボクも
殺人者にはなりたくないからねー。
局長のイスは、おしいけど‥‥
認めてあげるさ。<<ねつ造>>を。
裁: 弁護人! どうなのですか!
たしか、先ほどは‥‥
<<提出できる証拠はない>>と
ハッキリ、言っていたハズです!
巌: ‥‥ホント、バカだよねェ‥‥
さっさと出せばよかったのに。
成: (長い戦いだった‥‥でも。
ここが、正念場だ!
この一瞬こそが、勝負!
ここで、判断をまちがわなければ
‥‥これで、勝てるハズ!)

(「証拠品を提示する」を選択)
成: ‥‥わかりました。
証拠品を提出します!
裁: それでは! 証拠品の提示を
おねがいしましょう。
罪門検事を殺害した人物を示す
<<決定的な証拠>>とは!

(「布きれ」を選択)
成: ‥‥もう一度だけ
カクニンします。
この布きれは、事件当日。
あなた自身が、その手で‥‥
被害者のベストから切り取った
もの、なんですね?
巌: あー、そうだともさ!
ついに、出しちゃったなあ、それ。
裁: こ、この<<布きれ>>‥‥
手のアトが残っていますッ!
御: 裁判長! 至急、それを
鑑識に回していただきたいッ!
カワの布地に残った、
この”手のアト”‥‥
かなりの衝撃がなければ、
こんなにハッキリ残らない!
裁: と、いうことは!
この、布きれは‥‥?
御: <<ねつ造>>の入る余地のない、
決定的な証拠と断言できるッ!

(ざわめきが起こる)
巌: ‥‥クックックッ‥‥
アマい。御剣ちゃん、
まだまだ、アマいなー。
御: な。なんだろうか。
巌: 考えてみなよ。
ナルホドちゃんが、どうして‥‥
今まで、コイツを
提出しようとしなかったのか‥‥?
御: そ‥‥そう、か!
キミは、知っているのだな?
この<<布きれ>>に付着した
指紋のヌシが‥‥ダレなのか!
茜: そうなんですか! 成歩堂さん!
裁: この指紋のヌシこそは、
罪門検事を殺害した、真犯人です!
いったい‥‥
ダレの指紋だったのですかッ!
成: ‥‥わかりました。
ご報告します。
(大丈夫‥‥のハズ、だ。
ここまでは‥‥予想どおり!)
その布きれに付着した、
指紋の持ち主は‥‥ッ!

(「宝月 茜」を選択)
裁: ほ‥‥‥‥‥‥‥‥
宝月 茜さん、ですかッ!
茜: え‥‥‥‥
ええええええッ! あ、あたし‥‥
成: ‥‥ゴメン、あかねちゃん‥‥
茜: 成歩堂さん。どうして‥‥
どうして、今まで
教えてくれなかったんですかっ!

(ざわめきが起こる)
巌: あーっはっはっはっはっ!
まったく、キミはケッサクだよ。
ナルホドちゃん!
その子がやったってコト、
知っていたクセにさぁ。
このボクに、そのツミを
押しつけようなんてねェ‥‥
裁: 非常に、ザンネンですが‥‥
やはり、その少女が‥‥
罪門検事をつき飛ばしたようです。

(待った!)
巴: なんてヒトなの、成歩堂弁護士!
裁: ‥‥ひ、被告人‥‥
巴: あなたは、指紋のコトを
知っていた! それなのに‥‥
さも、希望があるような
コトを言って‥‥
成: ともえさん。
‥‥まだ、なんですよ。
巴: え‥‥‥!
成: まだ‥‥‥この法廷は
終わっていない。
巌: ハッ! ザンネンだけどさ。
もう、終わったんだよ。ゼンブ。
この法廷も‥‥
キミ自身の、弁護士生命も、ね。
成: ‥‥‥‥‥‥
巌: キミは、この決定的な証拠品を
”故意に”かくそうとしたよねェ。
それは、リッパな犯罪なワケ。
しかも‥‥重罪だ。
成: ‥‥‥‥‥‥
巌: 楽しみだねえ‥‥判決のあと。
キミを訴えてやるさ。
かならず、バッジを
取りあげてやるよ!
成: ‥‥‥‥‥‥
巌: どうしたのかな?
ダマりこんじゃってさあ。
ゼヒ、感想を聞かせて
ほしいんだけどね。
自分の手で、カワイイ妹ちゃんを
殺人者にした、その感想をさあ‥‥
成: ‥‥‥‥‥‥
その前に。
ひとつだけ、
ハッキリさせておきましょうか。
巌: な、なんだよ?
成: もちろん‥‥‥<<真犯人>>ですよ。
罪門 直斗殺害事件の、ね。
裁: な、なんですって!
成: ‥‥巌徒局長。たしかに、
あなたは正しい。全面的に。
コイツは、完全に立証している。
ダレが、罪門 直斗を殺害したか?
裁: だから!
それは、宝月 茜さん、では‥‥?
成: ‥‥あり得ないんですよ。
なぜならば。
この布きれは、決定的に‥‥
<<ムジュン>>しているからです。
巌: ば、バカなッ!
ムジュン‥‥だと?
こ、このオトコ‥‥‥
今さら、ナニを言い出すんだ!
成: そう、<<ムジュン>>です!
そして、それこそが‥‥
まちがいなく、真犯人を
指し示しているッ!

(ざわめきが起こる)
裁: な‥‥成歩堂くん!
この、布きれが‥‥
いったい! ナニと
ムジュンしているのですかッ!
成: (巌徒局長‥‥
これが、トドメの一撃だ!)
この布きれと<<ムジュン>>する
証拠品‥‥ごらんくださいッ!

(「巴の写真」を選択)
巌: こ、これは‥‥‥?
成: ともえさんが撮影した写真です。
‥‥よく見てください。
被害者‥‥罪門さんのベストが
切り取られた部分を!
裁: これは‥‥‥
シャツ、が見えていますな。
血でよごれていて、
よくわかりませんが‥‥
成: ‥‥そう。胸もとが
血でよごれている‥‥当然です。
肺を刺されたのでしょう。
クチから、血が流れ出しています。
裁: あ! で、でも!
その布きれ‥‥見せてください!
血が‥‥‥‥ついていない!
巌: あ‥‥‥ああああああっ!
成: この<<布きれ>>に、宝月 茜の
指紋がついている以上‥‥
彼女が、検事をつき飛ばしたのは
まちがいないでしょう。
‥‥しかし。
このとき! 罪門検事は
剣には刺さらなかったのです!
巌: ちょ‥‥ちょっと待てッ!
なんだよ、それ‥‥
成: さて。‥‥ここで、巌徒局長。
あなたにお聞きしましょう。
つき飛ばされた罪門検事は、
剣には刺さらなかった。
御: おそらく、床にアタマを
打ちつけて、キゼツしたのだろう。
成: ‥‥それならば‥‥
いったい、ダレなのでしょうか?
宝月 巴さんが現場に現れる
よりも、”前”。
キゼツした罪門 直斗の身体を
床から持ち上げて‥‥
ヨロイの剣に、
つき刺すことができたのはッ!
巌: う‥‥‥ううううう‥‥ッ!
御: また、その”ハンニン”は、
宝月 茜に罪を着せるため‥‥
被害者の血で、ツボに
<<茜>>の文字を書いた。
そして‥‥そのツボを割り、
”手がかり”を残しておいた。
宝月 巴に、<<妹の犯行>>だと
思いこませるために!
巌: ‥‥‥‥‥‥‥
成: おぼえていますね?
あなたは、ハッキリ認めている。
この、血のついていない布きれを、
その手で”切り取った”ことを。
‥‥つまり!
あなたは、自らに”保険”を
かける、その行動で‥‥
自らがハンニンであることを、
カンペキに立証したのですッ!
巌: ぬ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
おおおおおおおおおおおおおおお
おおおおおおおおおおおおおおッ!
成: (‥‥終わった‥‥か)


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