王泥喜 法介…紺 | |
成歩堂 龍一…黒 | |
成歩堂 みぬき…赤 | |
裁判長…緑 | |
牙琉検事…茶 | |
宝月 茜…桃 | |
絵瀬 まこと…黄緑 | |
絵瀬 土武六…灰 | |
或真敷 バラン…薄橙 | |
葉見垣 正太郎…橙 | |
或真敷 ザック…青 | |
糸鋸 圭介…黄土 | |
原灰…黄 | |
ラミロア…藤 | |
牙琉 霧人…紫 |
‥‥こうして、 10月9日、午後2時14分。 初の、裁判員による評決が下された。 全員一致による<<無罪>>‥‥ 判決が読み上げられた際‥‥ 特別証人として召喚された、 元・弁護士、牙琉 霧人は‥‥ 突然、高らかに‥‥この上なく ほがらかに、笑い出したという。 その声は、いつまでもやむことなく、 法廷内に響きわたった‥‥ ‥‥なお、判決から一夜明けた、 10月10日、午前8時30分。 集中治療室の絵瀬 まことは‥‥ 奇跡的に危篤状態を脱し、 42時間ぶりに意識を取り戻した。 | |
引田クリニック | |
王: |
まことさん! よかった。お。オレ‥‥ |
み: |
オドロキさん! 泣かないで! でも。みぬきもウレシイです。 オドロキさん、あんなにがんばって。 これでもし‥‥まことさんが、 って思ったら。みぬき‥‥ |
王: |
こら。みぬきちゃん、泣かないで! あの‥‥すみません。 オレたちばっかり、こんな感じで。 |
ま: | ‥‥‥‥‥‥‥‥‥ |
王: | ま。まことさん‥‥ |
ま: |
‥‥ありがとうございました。 オドロキさんの、おかげです。 |
王: |
すみませんでした‥‥オレ。 まことさんを、その。責めたせいで。 まことさんが、ツメを噛んで。 それで‥‥あんなコトに! |
ま: |
ううん‥‥ 悪かったのは、わたしです。 お部屋に閉じこもって‥‥ ”おまじない”なんかに頼って。 |
王: | まことさん‥‥ |
ま: |
みなさんを見ていて、 やっと、わかったんです。 ダイジなのは‥‥ 自分の目で見ることだ、って。 |
王: |
(どうやら、あの猛毒は‥‥ まことさんの中の何かを ”解毒”してくれたみたいだ) |
み: |
みぬきはね。信じてましたよ! だって、オドロキさんが がんばったのは‥‥ まことさんの”これから”の ためなんですからね! |
ま: |
わたし‥‥忘れません。 何か、お礼させてください! |
王: | そんな。大げさな‥‥ |
み: |
きゃあ! これ、 みぬきですよ、みぬき! カワイイなあ。 ありがとう! |
王: | (‥‥コレ、オレ‥‥?) |
み: |
いいセン行ってると思うけど? ‥‥みぬきとしては。 |
ま: |
あの‥‥ もうひとりの 弁護士のカタ、は‥‥? |
王: | もうひとりの‥‥? |
み: |
ああ! パパ、ね。 もう、弁護士じゃないですけど。 |
ま: |
わたしのせい、なんですよね。 ‥‥おとうさまのコト。 |
み: |
あ! いえ、あの。 そういうつもりでは‥‥ |
ま: |
いいんです。 もう、自分のしたことから 目をそらすのはやめましたから。 いつか。キチンと目を見て、 おわびしたいと思います。 |
王: |
‥‥成歩堂さんが聞いたら、 よろこぶと思いますよ。 |
ま: |
先ほども。わたしのために、 あんなにたくさん、お見舞いを。 |
王: |
ああ‥‥あのビデオの山、ですか。 (ゼンブ見たのか? 成歩堂さん) |
み: |
みぬきね。知ってたんですよ。 ”パパ”が生きていたコト。 |
王: | え‥‥ |
み: |
だって。7年前の、あの日。 パパを裁判所から”消して” あげたの、みぬきだもん! |
王: | け‥‥消した? どうやって! |
み: |
ヒ・ミ・ツ・です! ‥‥パパね。あの日、 みぬきとヤクソクしたんですよ。 |
ザ: |
『しばらく会えなくなるかもしれない。 しかし‥‥ パパは、いつもおまえを見ている。 何年かかっても、会いにくる。 だって、おまえは‥‥ <<或真敷>>の後継者なんだからな。』 |
王: |
そう、だったんだ‥‥ (ヤクソクは、果たされなかった) |
み: |
大丈夫! 今のみぬきには、 ピアノがヘタなパパがいるし。 |
王: | みぬきちゃん‥‥ |
み: |
ついでに、声が大きな オドロキさんだっているし。 |
王: | ”ついで”って言うなよ。 |
み: |
あ。そういえば。 どこ行ったのかな。 ‥‥ピアノがヘタな方のパパは。 ね、オドロキさん。 知りませんか? |
王: |
さあ‥‥なんか、 人と会う、って言ってたけどね。 |
み: |
ふうん‥‥ダレだろ。 あ! みぬきの 新しいママ、だったりして! |
王: | (やれやれ‥‥) |
ま: | ふふふ‥‥あ。そうだ! |
み: | ん? なんですか? |
ま: |
よかったら‥‥ もう一度、見せていただけますか? ”ぼうしサマ”でしたっけ? |
み: |
そんなにエラくないですけど。 ‥‥じゃあ、とっておき。 <<ぼうしクン>>のモノマネショー、 行っちゃいますね! |
帽: | ぼうしクンです。ヨロシク。 |
王: | オレは<<パンツ芸>>が見たいな。 |
み: | だから<<パンツ芸>>って言うなッ! |
成: |
‥‥そうですか。 すべて、思い出された‥‥ |
?: |
成歩堂さん。これも、 あなたの”計画”のうちだったの? |
成: | なんのことですか? |
?: |
私は記憶を失い、別の人間‥‥ ”ラミロア”として生きていました。 その私の正体に、あなたは 気がついていたのでしょう? ‥‥だから、あの事件の裁判員に 私を選んだ‥‥ |
成: |
考えすぎ、ですよ。 ‥‥それに。 記憶を取り戻したことが、あなたに とってシアワセだったかどうか‥‥ |
?: |
シアワセに 決まっているじゃないですか。 |
成: | ‥‥‥‥‥‥‥‥ |
?: |
だって。ずっとひとりぼっちだと 思っていた私に‥‥ あんなにかわいい子供たちが、 ふたりもいた、なんて‥‥ リッパになって‥‥ これも、あなたのおかげ、かしら。 |
成: | 彼らは‥‥どうしますか? |
?: | ふたりは、何も知らないのですね? |
成: |
ええ。 あなたが生きていることも‥‥ 自分たちが兄妹であることも。 |
?: |
いずれ、時期を見て 会いに行きます。それまでは‥‥ |
成: |
ぼくがセキニンを持って、 見守っていきますよ。 ぼくにとっても‥‥ あのふたりは”生きがい”みたいな ところがありますからね。 ‥‥たまに、めんどくさいけど。 (ぼくは、あの子を 見ていかなければならない。 ‥‥ぼくだけが、あの子の 素顔を知っているのだから‥‥) ‥‥腕輪。 |
?: | え‥‥ |
成: |
この7年間、事件を追ってきて、 さまざまな”謎”を見てきましたが。 ‥‥その腕輪が、 いちばんフシギでしたよ。 半年前。牙琉 霧人の事務所で ”彼”に会ったときのオドロキ‥‥ ‥‥そして、あなた。 2つの運命が、交差する瞬間‥‥ それを、目撃することができた。 フシギな体験でしたね。 |
?: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 私の記憶を奪ったのは、 1発の銃弾でした。 10年前‥‥ステージの上で、 リハーサルの最中‥‥ 奇跡的にイノチをとりとめた私は ‥‥もう、私ではなかった。 だから‥‥ あの一座を抜けだしたのです。 |
成: | ‥‥‥‥‥‥‥ |
?: |
記憶を取り戻して、やっと ココロから思えるようになりました。 ”生きてきて、よかった”って。 |
成: |
‥‥そういえば。 今朝、絵瀬 まことさんの 意識が戻ったんですよ。 彼女も、そう思ってくれると いいんですけどね。 |
?: |
フシギなものですね。 悲しい事件で、 いのちを落とす人がいる一方で‥‥ 奇跡的に、 いのちを救われる人がいる‥‥ |
成: |
ぼくは思うんですけどね。 人は、そうカンタンには 死なないものです。 生きることに価値があるかぎりは。 |
王: |
‥‥これで、オレの物語は とりあえず、おしまいだ。 失われた希望は、 さまざまなカタチで蘇った。 オレのチカラは、 まだまだ弱いけど‥‥でも。 希望を取り戻した人たちの笑顔を 見ることができるのなら‥‥ これからも、 この道を進んでいこう、って。 ‥‥そんなふうに思って、 今日も発声練習をしているんだ。 |
ホントによかったです! ‥‥なんか、アレ。 大きな弟ができた、って感じ? <<或真敷一座>>は、みぬきが 守りますから、ご期待くださいね! これは、そのためにパパがくれた <<カギ>>‥‥そんな気がするんです。 | |
帽: | どうなるか、アヤシイもんですがね。 |
ステージよりスリリングだったよ。 だから、もうスッパリ。 ガリューウエーブは解散するんだ。 ‥‥って、発表したとたん。全国の 女の子たちの涙でビショぬれさ。 きみたちには負けたよ! もっとアツいギグをやろうぜ! | |
振り返って、よく考えてみると‥‥ ぼく、弁護士やってるより、 ピアノ弾きのほうが長いんだよな。 ゼンブかたづいたら、すっかり ヒマになっちまったし。 もう一度、受けてみようかな。 ‥‥司法試験でも。 | |
カリントウを食べていたら。 こないだ、すごいアイデアを 思いついちゃって。 食べるとチャリチャリ音がする ”ちゃりんとう”ね! カガク式はカンペキだからね! カラダには悪いかもしれないけど。 | |
しまったら、ぜひ、ボルハチへ! キンキンに冷え切った部屋で、 ぐらぐら煮えたぎったお料理。 それでもシゲキが足りないお客さま には、世紀の名勝負でおなじみ‥‥ <<ナラズモの間>>にて、 この、イカサマサカイのご指名を! | |
小: |
”北木ぱてぃすりー”名物、 <<根性焼き>>を食べに来たって? アンタぁ! マスター! |
常: |
‥‥胸に”殺る気”の火をともす、 <<根性焼き>>いっちょぉ‥‥ |
小: |
ついでに、新商品も試しておくれよ。 ‥‥<<人情焼き>>っていうんだけど。 アンタぁ! マスター! |
常: |
‥‥胸に”小市民のシアワセ”が 広がる<<人情焼き>>にございます。 |
小: |
ふう‥‥あとは、ムスコが理解して くれるといいんだけどねえ‥‥ |
考え方が古いってんだよ! これからは、広い世界に 目を向けていかなきゃならねえ。 というわけで、オレの新作。 <<用なしタルト>>っての。 あってもなくてもいいような、 空気のような味がウリだコラァ! | |
ハナシばっかりつづいてやがるケド。 やっぱり。食いモンの王様といやァ、 今も昔も昨日も明日もラーメンさ! とけきらないミソがドンブリの底に よどんだ<<どろみそラーメン>>‥‥ 新生<<やたぶき屋>>が叩きつける 挑戦状! 受けて立ってもらおう! | |
すっかり大学構内で評判なのですよ。 最近は<<カワヅ>>より<<パンツ>>と 呼ばれるコトが多いようです。 <<パンツ京作>>‥‥これはこれで、 どことなく文化人ぽいヒビキがある。 ワレは、真実を求める学究の徒。 いつか、我が手にワシづかむッ! | |
お世話になってしまいました。 ふたたび取り戻した”光”は、 喜びと驚きにあふれていました。 ”失った時間”は帰りませんが、 すばらしい宝物を得た気分です。 あのふたりを想いながら、 歌いつづけていくつもりですわ。 | |
ハミガキがハミガキであるコト。 ‥‥と、ゆうわけで。今日も こうして、インタビューなワケです。 で? どうですか。今の心境は。 ふむふむ。あー。つまり、アレだ。 <<今回イチバン浮いていたのは、 このハミガキ自身>>‥‥ってゆう。 | |
絵を描いていこうと思うんです。 ‥‥そのためには、もっと ”世界”を知らないと。 ‥‥オドロキさん、みぬきさん。 ステキな出会いが、いっぱい。 ‥‥やっと。ドアを開けられそう。 本当に、ありがとうございました。 | |
オドロキ、みぬき、ぼうしクンのイラスト) |