第1話『逆転の来訪者』前編(その1)

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御剣 怜侍…茶
糸鋸 圭介…黄土
須々木 マコ…橙
優木 誠人…黄緑
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)



3月14日 午前1時16分
????????????


決まってるじゃないか。
被告人を有罪にする‥‥。
それが、検事の仕事だよ‥‥。

そ、それなのに、どうして‥‥?
どうしてこんなことを‥‥?

前に言わなかったかな?
ボクは、有罪判決のためならば‥‥。
手段は選ばないんだよ。
ボクは、天才検事。
これからもずっと、
そうでなくてはならないんだ。


同日 午前2時5分
検事局・12階廊下

御: (検事局にもどってくるのも、
1ヶ月ぶりといったところか。
留守の間のことは、イトノコギリ
刑事に頼んでいるが‥‥
ん‥‥?
カギが、開いている‥‥)
イトノコギリ刑事‥‥?
(ん? なんだ、このニオイは?
これは、まさか‥‥‥‥血?
こ、これはッ!)
ど、どういうことだッ‥‥!
?:動くな。
御:‥‥ダレだ?
?: ‥‥‥‥‥‥‥‥。
静かにしろ。
御: ‥‥フン。検事の執務室で殺人とは。
なんとも、ムボウな男だ。

(発砲)
御:おどしのつもりか‥‥?
?:‥‥‥‥。
御: ‥‥‥‥ひとつ忠告しておこう。
?:なに‥‥?
御: 私の執務室で事件を起こしておいて、
逃げきれるなどとは思わないことだ。
?:‥‥‥‥‥‥‥‥。

(殴打)

御: 私の名前は、御剣 怜侍
(みつるぎれいじ)という。
地方検事局で検事をしている。
1ヶ月の海外出張から帰ってきた
私を待っていたのは‥‥。
数々の事件にいろどられた、
あわただしい日々だった。


同日 午前2時56分
上級検事執務室・1202号

御:‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。
鑑: 被害者の撮影、終了いたしました!
御: うム‥‥。他の場所の
調査を続けてくれたまえ。
鑑:ハッ!
御:‥‥‥‥‥‥‥‥。
?: うおおおおッス!
御剣検事ッ!
大丈夫ッスか!
御: そうぞうしいな。
イトノコギリ刑事。
?: 御剣検事の部屋で事件が起こったと
聞いて、飛んで来たッスよ!
御: (この男は、糸鋸 圭介
<<いとのこぎりけいすけ>>。
ここしばらく、私の事件を
担当している所轄署の刑事だ)
糸: 顔があおざめているッス!
ケガでもしたッスか!
御: いや。私はなんともない。
しかし‥‥。
糸: ああッ! 御剣検事の部屋が
ヒドイありさまッス!
御: うム。犯人は、私の執務室に
土足でふみ込んだ‥‥。
私にクツジョクを与えたこと。
必ずコウカイすることになる。
糸: うほおおおおお! 御剣検事が
いつになく熱く燃えているッス!
御: 私の部屋で起きた事件だ。
私自身の手で解決してみせよう。
糸: それでこそ、御剣検事ッス!
捜査ッス! 捜査ッスよ!
御: そうだな。まずはしっかりと
<<情報>>を集めるとしよう。
(真実を見つけ出すには、小さな
ことも見逃してはならない。
気になったことは、しっかりと
記憶にきざみつけるのだ)
やはり、気になるのは‥‥。
なぜ私の執務室で、
事件が起きたのかだな。

(ロジック「犯行現場は執務室」追加)
御:(‥‥うム。きざみつけた)
糸: どうして、執務室で
事件が起きたッスかねえ‥‥。
”グーゼン”ってことは
ないッスよね?
御: そうだな。偶然ではありえない。
これがある以上‥‥な。
糸: この執務室のカギッスね‥‥。

(ロジック「執務室のカギ」追加)
糸:どういうことッスか?
御: カンタンな<<ロジック>>だよ。
冷静に考えてみればアキラカだ。
糸:<<ロジック>>‥‥?
御: <<情報>>と<<情報>>の
ツナガリを見つけ‥‥。
2つを”まとめる”ことで、
新たな<<情報>>を得る。
それが、<<ロジック>>を
追うということだ。
糸:どうやるッスか?
御: Lボタンで<<情報>>を思い出し、
Xボタンで”まとめる”のだよ。
(さて。まずは、Lボタンで集めた
<<情報>>を思い出すとしよう)

(ロジック)
(「犯行現場は執務室」と「執務室のカギ」をまとめる)
御: 執務室の扉には、機密保持のため
カギがかかるようになっている。
犯人も被害者も、カンタンに入れる
ところではないのだ。
この部屋で殺人が行われたこと、
”偶然”ではすまされまい。
糸:た、たしかにその通りッス!
御: (この部屋が現場になった理由‥‥
犯人の目的は何だったのだ?)

(ロジック「犯人の目的は?」追加)
糸: さすがは、御剣検事。
あざやかな<<ロジック>>ッス!
御: うム‥‥。<<情報>>のツナガリを
追えば、真実が見えてくる。
(しかし‥‥
<<情報>>のツナガリを見誤れば、
真相から遠ざかることにもなる。
<<ロジック>>を組み立てるときは、
シンチョウに考えねばな‥‥)
それでは、現場の捜査を
始めるとしよう。
糸:了解ッス!

(捜査開始
上級検事執務室・1202号)
糸: 御剣検事! 捜査のキホンは、
<<調べる>>ッスよ!
御: 分かっている‥‥。<<調べる>>には、
調べたいものに近づいてAボタンだ。
糸: 自分に話しかけたいときは、
Yボタンを押してほしいッス!
”捜査のプロ”として、テキカクな
アドバイスをするッスよ!
御: (うム‥‥。ヒマなときは、
声をかけてみるか‥‥)

(「拳銃」を調べる)
御: これは‥‥。
(この拳銃が凶器なのだろうか?
犯人は、ここで拳銃を投げ捨てて
逃げたということか‥‥)
糸: ん? 自分、これをどこかで
見たことがあるような気がするッス。
御:どういうことだ?
糸: あッ! 思い出したッス!
自分も同じ拳銃を使ったことが
あるッスよ! ‥‥タブンッスけど。
御: ずいぶん、アイマイだな‥‥。
糸: 自分、拳銃は好きじゃないッス。
なにせ、あぶないッスから!
でも、この拳銃、ケーサツで
よく見るのはたしかッス。
刑事に拳銃が必要なときに
配られるのと同じ型ッスね。
御: (刑事の使う拳銃と同じか‥‥)

(ロジック「拳銃」追加)

(「死体」を調べる)
御: (すでに死体の写真は撮影済みだ。
直接、調べてみるとするか。
あやしい場所は、
すみずみまで調べてみるとしよう)

(「手帳」を調べる)
御:これは‥‥。
糸: ん? 自分、これをどこかで
見たことがあるような気がするッス。
御:警察手帳だな‥‥。
糸: あッ! 自分も同じ手帳を
持ってるッスよ! キグウッスね!
御: ‥‥中を見せてもらうとしよう。
仲間戸 真治(なかまどしんじ)
か‥‥。
どうやら被害者は、
キミと同じ<<刑事>>のようだな。

(ロジック「被害者は刑事」追加)
御: (うム。しだいに<<情報>>が
集まってきている。
一度落ち着いて<<ロジック>>を
追ってみるべきかもしれんな)

(「死体」を調べる)
御: 死体の状態は‥‥
ム。腹部が血にそまって
いるようだな。
糸: 銃弾が、オナカを貫通している
みたいッスね‥‥。
御:銃殺ということか‥‥。
糸: そうッスね。くわしくは解剖を
してみないと分からないッスけど。
御: 現場検証がすんだら、
死体を解剖にまわすとしよう。

<<死体の所見メモ>>を
捜査手帳に記録した。

糸: 集めた証拠品は、
自分が預かったらいいッスか?
御: いや‥‥結構だ。証拠品は自分で
管理するのが一番安全だからな。
糸:了解したッス!
御: (手に入れた証拠品は、
<<捜査手帳>>に記録している。
<<捜査手帳>>は、Rボタンで
開くことができる。
<<捜査手帳>>には、証拠品以外に
関係者の情報も記録している。
事件の情報は、常に確認して
おいたほうがいいだろう)

(ロジック)
(「拳銃」と「被害者は刑事」をまとめる)
御: 刑事が使用する拳銃‥‥。
この拳銃は、被害者のものでは
ないだろうか?
イトノコギリ刑事。被害者の体を
調べてみてくれないか。
糸: 了解したッス!
どれどれ。
何が出てくるッスかねー。
あッ! たしかに、
ホルスターをしているッス!
御: うム‥‥。犯人は、被害者の拳銃を
うばって射殺したということか。

<<被害者の拳銃>>を
捜査手帳に記録した。
御: (この拳銃、もう少しくわしく
調べてみるとするか)
糸: 証拠品は、じっくりと
調べることが大事ッスよ!
Rボタンを押しながら回転させて、
あらゆる角度から観察するッス!
XボタンとYボタンで拡大縮小して、
細かいところも見られるッス!

(「弾」を調べる)
御: (撃たれている弾丸は、
1発だけのようだな)
糸: 被害者から拳銃をうばったあと、
たった1発で撃ち殺したッスか?
犯人は、拳銃のあつかいに
慣れていたッスかね?
御: 断定はできないが、
可能性はあるだろうな‥‥。

(「落ちた本」を調べる)
糸: 本棚のファイルが、
床にちらかってるッス。
御: 犯人と被害者が争ったときに、
落ちたのかもしれんな。

(ロジック「争った形跡」追加)
糸: せっかく、御剣検事がいないあいだ、
自分がキレイにしてたッスのに‥‥。
これじゃあ、自分の努力が
水のアワッス!
御: 掃除までたのんだ覚えはないが?
糸: たのまれた花の水やりも、
ちゃんと毎日やってたッスよ。
掃除のほうは、
週末のサービスッス!
土日の半分ぐらいは、
この部屋の掃除についやしたッス!
御: (この刑事は、ほかに
やることはないのだろうか?
死体の調査は、こんなところか。
解剖にまわす準備を‥‥)
?: リョウッ!
どうしてなんだッ!
どうしてこんなことにッ!
御: ‥‥‥‥‥‥‥‥。
キミ。いいだろうか?
?: はなせッ! はなせよッ!
ボクのことは、かまわないでくれ!
御: いや。そういうわけにもいかん。
現場検証の途中だ。
死体には触れないでほしい。
?: 死体? シタイだって!
そんな言い方するなよ!
まるで、眠っているようじゃないか。
なあ。そう思うだろ?
糸: 洋服が、血だらけッスけどね。
?: 取り乱しちゃって、失礼したね。
御:たしか、キミは検事の‥‥
優: そうさ。ボクは、優木 誠人
(ゆうきまこと)。検事をしてる。
リョウは、
ボクの相棒だったんだ‥‥。
御: 私は、御剣 怜侍。
キミと同じ検事だ。
糸:刑事の糸鋸 圭介ッス。
優: ミツルギだって‥‥。
じゃあ。この部屋の‥‥。
御: そうだ。
ここは、私の執務室だ。
優: キミが!
キミが、リョウを殺したのか!
糸: どうしてそうなるッスか!
落ち着くッスよ!
優: 落ち着いていられるか!
ボクは、知ってるぞ!
上級検事執務室の扉には、
カギがかかる。
そのカギを持っているのは、
部屋を使っている検事だけだ!
御: ‥‥そのとおりだ。
しかし、私が殺したのではない。
糸: そうッス。御剣検事は、
ずっと海外出張に行ってたッス。
その間、部屋のカギは、
自分があずかっていたッスからねえ。
だから、この部屋に入れたのは
自分だけッスよ。ハッハッハ。
ん? となると、
どういうことになるッスか?
優: キミが!
キミが、リョウを殺したのか!
糸: ち、ちがうッス!
ご、ゴカイッスよ!
御:落ち着きたまえ!
優:‥‥‥‥!
御: ユウキくんだったな。
キミも検事ならば、冷静になるんだ。
まだ現場検証すら終わっていない。
結論を出すには、早すぎるだろう?
優: ‥‥‥‥‥‥分かったよ!
そう。つい熱くなっちまうのが、
ボクの悪いクセさ。
さすがにアンタは、冷静だな。
ミツルギ検事。
御:‥‥‥‥‥‥。
優: アンタのウワサは聞いてるよ。
検事局はじまって以来の天才検事。
‥‥ちょっとした伝説さ。
よしッ!
ひとまず共同戦線といこう!
まずは、握手だ!
御: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。
うム。よろしくたのむ。
優: キミたち、捜査中だったんだろ。
ジャマして悪かったね。
とりあえずは、好きに続けてよ。
ここは、キミの部屋だしね。
御:うム。そうさせてもらおう。
優: ボクは、リョウと別れの時間が
もう少し欲しいんだ‥‥。
鑑識ッ!
鑑:ハッ!
優: ボクとリョウの別れを、カメラの
フィルムにおさめて欲しいんだ。
アイツとの、最後の記念にね‥‥。
御: ‥‥‥‥‥‥‥‥。
(ほうっておくとするか)


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