御剣 怜侍…茶 | |
糸鋸 圭介…黄土 | |
須々木 マコ…橙 | |
優木 誠人…黄緑 |
????????????
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決まってるじゃないか。 被告人を有罪にする‥‥。 それが、検事の仕事だよ‥‥。 | |
そ、それなのに、どうして‥‥? どうしてこんなことを‥‥? | |
前に言わなかったかな? ボクは、有罪判決のためならば‥‥。 手段は選ばないんだよ。 ボクは、天才検事。 これからもずっと、 そうでなくてはならないんだ。
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検事局・12階廊下 | |
御: |
(検事局にもどってくるのも、 1ヶ月ぶりといったところか。 留守の間のことは、イトノコギリ 刑事に頼んでいるが‥‥ ん‥‥? カギが、開いている‥‥) イトノコギリ刑事‥‥? (ん? なんだ、このニオイは? これは、まさか‥‥‥‥血? こ、これはッ!) ど、どういうことだッ‥‥! |
?: | 動くな。 |
御: | ‥‥ダレだ? |
?: |
‥‥‥‥‥‥‥‥。 静かにしろ。 |
御: |
‥‥フン。検事の執務室で殺人とは。 なんとも、ムボウな男だ。 |
御: | おどしのつもりか‥‥? |
?: | ‥‥‥‥。 |
御: | ‥‥‥‥ひとつ忠告しておこう。 |
?: | なに‥‥? |
御: |
私の執務室で事件を起こしておいて、 逃げきれるなどとは思わないことだ。 |
?: | ‥‥‥‥‥‥‥‥。 |
御: |
私の名前は、御剣 怜侍 (みつるぎれいじ)という。 地方検事局で検事をしている。 1ヶ月の海外出張から帰ってきた 私を待っていたのは‥‥。 数々の事件にいろどられた、 あわただしい日々だった。 |
上級検事執務室・1202号 | |
御: | ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。 |
鑑: | 被害者の撮影、終了いたしました! |
御: |
うム‥‥。他の場所の 調査を続けてくれたまえ。 |
鑑: | ハッ! |
御: | ‥‥‥‥‥‥‥‥。 |
?: |
うおおおおッス! 御剣検事ッ! 大丈夫ッスか! |
御: |
そうぞうしいな。 イトノコギリ刑事。 |
?: |
御剣検事の部屋で事件が起こったと 聞いて、飛んで来たッスよ! |
御: |
(この男は、糸鋸 圭介 <<いとのこぎりけいすけ>>。 ここしばらく、私の事件を 担当している所轄署の刑事だ) |
糸: |
顔があおざめているッス! ケガでもしたッスか! |
御: |
いや。私はなんともない。 しかし‥‥。 |
糸: |
ああッ! 御剣検事の部屋が ヒドイありさまッス! |
御: |
うム。犯人は、私の執務室に 土足でふみ込んだ‥‥。 私にクツジョクを与えたこと。 必ずコウカイすることになる。 |
糸: |
うほおおおおお! 御剣検事が いつになく熱く燃えているッス! |
御: |
私の部屋で起きた事件だ。 私自身の手で解決してみせよう。 |
糸: |
それでこそ、御剣検事ッス! 捜査ッス! 捜査ッスよ! |
御: |
そうだな。まずはしっかりと <<情報>>を集めるとしよう。 (真実を見つけ出すには、小さな ことも見逃してはならない。 気になったことは、しっかりと 記憶にきざみつけるのだ) やはり、気になるのは‥‥。 なぜ私の執務室で、 事件が起きたのかだな。 |
御: | (‥‥うム。きざみつけた) |
糸: |
どうして、執務室で 事件が起きたッスかねえ‥‥。 ”グーゼン”ってことは ないッスよね? |
御: |
そうだな。偶然ではありえない。 これがある以上‥‥な。 |
糸: | この執務室のカギッスね‥‥。 |
糸: | どういうことッスか? |
御: |
カンタンな<<ロジック>>だよ。 冷静に考えてみればアキラカだ。 |
糸: | <<ロジック>>‥‥? |
御: |
<<情報>>と<<情報>>の ツナガリを見つけ‥‥。 2つを”まとめる”ことで、 新たな<<情報>>を得る。 それが、<<ロジック>>を 追うということだ。 |
糸: | どうやるッスか? |
御: |
Lボタンで<<情報>>を思い出し、 Xボタンで”まとめる”のだよ。 (さて。まずは、Lボタンで集めた <<情報>>を思い出すとしよう) |
(「犯行現場は執務室」と「執務室のカギ」をまとめる) | |
御: |
執務室の扉には、機密保持のため カギがかかるようになっている。 犯人も被害者も、カンタンに入れる ところではないのだ。 この部屋で殺人が行われたこと、 ”偶然”ではすまされまい。 |
糸: | た、たしかにその通りッス! |
御: |
(この部屋が現場になった理由‥‥ 犯人の目的は何だったのだ?) |
糸: |
さすがは、御剣検事。 あざやかな<<ロジック>>ッス! |
御: |
うム‥‥。<<情報>>のツナガリを 追えば、真実が見えてくる。 (しかし‥‥ <<情報>>のツナガリを見誤れば、 真相から遠ざかることにもなる。 <<ロジック>>を組み立てるときは、 シンチョウに考えねばな‥‥) それでは、現場の捜査を 始めるとしよう。 |
糸: | 了解ッス! |
上級検事執務室・1202号) | |
糸: |
御剣検事! 捜査のキホンは、 <<調べる>>ッスよ! |
御: |
分かっている‥‥。<<調べる>>には、 調べたいものに近づいてAボタンだ。 |
糸: |
自分に話しかけたいときは、 Yボタンを押してほしいッス! ”捜査のプロ”として、テキカクな アドバイスをするッスよ! |
御: |
(うム‥‥。ヒマなときは、 声をかけてみるか‥‥) |
御: |
これは‥‥。 (この拳銃が凶器なのだろうか? 犯人は、ここで拳銃を投げ捨てて 逃げたということか‥‥) |
糸: |
ん? 自分、これをどこかで 見たことがあるような気がするッス。 |
御: | どういうことだ? |
糸: |
あッ! 思い出したッス! 自分も同じ拳銃を使ったことが あるッスよ! ‥‥タブンッスけど。 |
御: | ずいぶん、アイマイだな‥‥。 |
糸: |
自分、拳銃は好きじゃないッス。 なにせ、あぶないッスから! でも、この拳銃、ケーサツで よく見るのはたしかッス。 刑事に拳銃が必要なときに 配られるのと同じ型ッスね。 |
御: | (刑事の使う拳銃と同じか‥‥) |
御: |
(すでに死体の写真は撮影済みだ。 直接、調べてみるとするか。 あやしい場所は、 すみずみまで調べてみるとしよう) |
御: | これは‥‥。 |
糸: |
ん? 自分、これをどこかで 見たことがあるような気がするッス。 |
御: | 警察手帳だな‥‥。 |
糸: |
あッ! 自分も同じ手帳を 持ってるッスよ! キグウッスね! |
御: |
‥‥中を見せてもらうとしよう。 仲間戸 真治(なかまどしんじ) か‥‥。 どうやら被害者は、 キミと同じ<<刑事>>のようだな。 |
御: |
(うム。しだいに<<情報>>が 集まってきている。 一度落ち着いて<<ロジック>>を 追ってみるべきかもしれんな) |
御: |
死体の状態は‥‥ ム。腹部が血にそまって いるようだな。 |
糸: |
銃弾が、オナカを貫通している みたいッスね‥‥。 |
御: | 銃殺ということか‥‥。 |
糸: |
そうッスね。くわしくは解剖を してみないと分からないッスけど。 |
御: |
現場検証がすんだら、 死体を解剖にまわすとしよう。 |
捜査手帳に記録した。 | |
糸: |
集めた証拠品は、 自分が預かったらいいッスか? |
御: |
いや‥‥結構だ。証拠品は自分で 管理するのが一番安全だからな。 |
糸: | 了解したッス! |
御: |
(手に入れた証拠品は、 <<捜査手帳>>に記録している。 <<捜査手帳>>は、Rボタンで 開くことができる。 <<捜査手帳>>には、証拠品以外に 関係者の情報も記録している。 事件の情報は、常に確認して おいたほうがいいだろう) |
(「拳銃」と「被害者は刑事」をまとめる) | |
御: |
刑事が使用する拳銃‥‥。 この拳銃は、被害者のものでは ないだろうか? イトノコギリ刑事。被害者の体を 調べてみてくれないか。 |
糸: |
了解したッス! どれどれ。 何が出てくるッスかねー。 あッ! たしかに、 ホルスターをしているッス! |
御: |
うム‥‥。犯人は、被害者の拳銃を うばって射殺したということか。 |
捜査手帳に記録した。 | |
御: |
(この拳銃、もう少しくわしく 調べてみるとするか) |
糸: |
証拠品は、じっくりと 調べることが大事ッスよ! Rボタンを押しながら回転させて、 あらゆる角度から観察するッス! XボタンとYボタンで拡大縮小して、 細かいところも見られるッス! |
御: |
(撃たれている弾丸は、 1発だけのようだな) |
糸: |
被害者から拳銃をうばったあと、 たった1発で撃ち殺したッスか? 犯人は、拳銃のあつかいに 慣れていたッスかね? |
御: |
断定はできないが、 可能性はあるだろうな‥‥。 |
糸: |
本棚のファイルが、 床にちらかってるッス。 |
御: |
犯人と被害者が争ったときに、 落ちたのかもしれんな。 |
糸: |
せっかく、御剣検事がいないあいだ、 自分がキレイにしてたッスのに‥‥。 これじゃあ、自分の努力が 水のアワッス! |
御: | 掃除までたのんだ覚えはないが? |
糸: |
たのまれた花の水やりも、 ちゃんと毎日やってたッスよ。 掃除のほうは、 週末のサービスッス! 土日の半分ぐらいは、 この部屋の掃除についやしたッス! |
御: |
(この刑事は、ほかに やることはないのだろうか? 死体の調査は、こんなところか。 解剖にまわす準備を‥‥) |
?: |
リョウッ! どうしてなんだッ! どうしてこんなことにッ! |
御: |
‥‥‥‥‥‥‥‥。 キミ。いいだろうか? |
?: |
はなせッ! はなせよッ! ボクのことは、かまわないでくれ! |
御: |
いや。そういうわけにもいかん。 現場検証の途中だ。 死体には触れないでほしい。 |
?: |
死体? シタイだって! そんな言い方するなよ! まるで、眠っているようじゃないか。 なあ。そう思うだろ? |
糸: | 洋服が、血だらけッスけどね。 |
?: | 取り乱しちゃって、失礼したね。 |
御: | たしか、キミは検事の‥‥ |
優: |
そうさ。ボクは、優木 誠人 (ゆうきまこと)。検事をしてる。 リョウは、 ボクの相棒だったんだ‥‥。 |
御: |
私は、御剣 怜侍。 キミと同じ検事だ。 |
糸: | 刑事の糸鋸 圭介ッス。 |
優: |
ミツルギだって‥‥。 じゃあ。この部屋の‥‥。 |
御: |
そうだ。 ここは、私の執務室だ。 |
優: |
キミが! キミが、リョウを殺したのか! |
糸: |
どうしてそうなるッスか! 落ち着くッスよ! |
優: |
落ち着いていられるか! ボクは、知ってるぞ! 上級検事執務室の扉には、 カギがかかる。 そのカギを持っているのは、 部屋を使っている検事だけだ! |
御: |
‥‥そのとおりだ。 しかし、私が殺したのではない。 |
糸: |
そうッス。御剣検事は、 ずっと海外出張に行ってたッス。 その間、部屋のカギは、 自分があずかっていたッスからねえ。 だから、この部屋に入れたのは 自分だけッスよ。ハッハッハ。 ん? となると、 どういうことになるッスか? |
優: |
キミが! キミが、リョウを殺したのか! |
糸: |
ち、ちがうッス! ご、ゴカイッスよ! |
御: | 落ち着きたまえ! |
優: | ‥‥‥‥! |
御: |
ユウキくんだったな。 キミも検事ならば、冷静になるんだ。 まだ現場検証すら終わっていない。 結論を出すには、早すぎるだろう? |
優: |
‥‥‥‥‥‥分かったよ! そう。つい熱くなっちまうのが、 ボクの悪いクセさ。 さすがにアンタは、冷静だな。 ミツルギ検事。 |
御: | ‥‥‥‥‥‥。 |
優: |
アンタのウワサは聞いてるよ。 検事局はじまって以来の天才検事。 ‥‥ちょっとした伝説さ。 よしッ! ひとまず共同戦線といこう! まずは、握手だ! |
御: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥。 うム。よろしくたのむ。 |
優: |
キミたち、捜査中だったんだろ。 ジャマして悪かったね。 とりあえずは、好きに続けてよ。 ここは、キミの部屋だしね。 |
御: | うム。そうさせてもらおう。 |
優: |
ボクは、リョウと別れの時間が もう少し欲しいんだ‥‥。 鑑識ッ! |
鑑: | ハッ! |
優: |
ボクとリョウの別れを、カメラの フィルムにおさめて欲しいんだ。 アイツとの、最後の記念にね‥‥。 |
御: |
‥‥‥‥‥‥‥‥。 (ほうっておくとするか) |