御剣 怜侍…茶 | |
糸鋸 圭介…黄土 | |
須々木 マコ…橙 | |
優木 誠人…黄緑 |
糸: |
ああッ! 御剣検事の服が 落ちているッス! |
御: |
犯人が、イカク射撃で 撃ち落としたのだ‥‥。 |
糸: |
犯人は、被害者だけじゃなく、 御剣検事の服まで撃ったッスか! 御剣検事が法廷デビューしたころの、 記念の衣装ッスのに! 穴でも開いたら、一大事ッス! |
御: |
そのことは、もういい‥‥。 それよりも、気になることがある。 |
糸: | え? 何ッスか? |
御: |
イトノコギリ刑事、 気が付かないかね? ここには大きな‥‥ そう”ムジュン”があるのだよ。 |
糸: | どういうことッスか‥‥? |
御: |
(”ムジュン”か。あの男の 闘い方を思い出させるが‥‥ 私は、私のやりかたで やらせてもらおう。 現場の状況と証拠品の間に、 ムジュンをみつけること。 そこから、 私の<<推理>>は始まる。 まずは、現場の中から、 ムジュンのある場所を探す‥‥) |
御: |
(そうだ。この弾痕は、 明らかにムジュンしている! ムジュンをみつけたら、ねらいを 定めてXボタンを押すのだ!) |
御: |
(そして、現場の状況とムジュン する証拠品を<<つきつける>>! それが私のやり方だ) |
御: |
この弾痕は、 あきらかにムジュンしている! |
糸: | ど、どういうことッスか! |
御: |
この執務室で撃たれた 銃弾は2発。 1発は、被害者の命をうばい‥‥、 もう1発は、この額を落とした。 |
糸: | そのとおりッス! |
御: |
しかし、この拳銃は、 1発しか撃たれていない。 |
糸: |
あれッ? たしかにおかしいッスね。 |
御: |
少なくともどちらかは、別の拳銃 から撃たれたものということになる。 (犯人は、別の拳銃を持っていた ということだろうか‥‥) |
糸: |
ところで、御剣検事。ちょっと 気になることがあるッスけど‥‥。 |
御: | なんだ? |
糸: |
この額縁の向こうに、 ちょっとだけ見えてるものッスけど。 |
御: |
ああ、これのことか。 これは、<<隠し金庫>>だ。 |
糸: |
か、<<隠し金庫>>ッスか! お宝のニオイがプンプンするッス! |
御: |
先に言っておくが、キミが想像 しているようなものは入ってないぞ。 イトノコギリ刑事。 額をどけてもらえるだろうか。 |
糸: | 了解ッス! |
糸: |
げほげほ。 けっこうホコリがたまってたッス。 |
御: |
しばらく留守にしていたのだから、 しかたあるまい‥‥。 |
糸: |
金庫があるなんて知らなかったから、 自分も掃除できなかったッス。 いつの間に、 こんなもの作ったッスか? |
御: |
私が作ったのではない。すべての 執務室にもともとあるものだ。 |
糸: | 全然、知らなかったッス! |
御: |
基本的に、検事以外は 知らないものだから当然だ。 |
糸: | そ、それで何が入ってるッスか! |
御: |
今は、何も入っていない。 公判中に、特に重要な資料や 証拠品を入れておくのに使うのだ。 |
糸: |
資料ッスか。 なんだか、夢がないッスね‥‥。 |
捜査手帳に記録した。 | |
御: |
(あやしい場所は、 すみずみまで調べるとしよう) |
御: |
(ん‥‥? これは、おかしいぞ‥‥) |
糸: | どうしたッスか? |
御: |
この入力キー‥‥。 きれいすぎると思わないか。 |
糸: |
たしかに! 周りはホコリが つもってるのにココだけキレイッス。 |
御: | 鑑識ッ! |
鑑: | ハッ! |
御: |
この場所の指紋を 調べてみてほしい。 |
鑑: | 了解しましたッ! |
御: | ‥‥‥‥‥‥。 |
鑑: |
ひとつも指紋が出てきません。 ふきとられているようですね。 |
情報を書きかえた。 | |
御: |
やはりな‥‥。 (どうやら、見えてきたようだ。 たどるべき<<ロジック>>が‥‥。 落ち着いて<<情報>>を 整理するとしようか) |
(「犯人の目的は?」と「ふきとられた指紋」をまとめる) | |
御: |
どうやら犯人の目的が 見えてきたな‥‥。 |
糸: | 目的ッスか? |
御: |
金庫の指紋がふき取られていた ということは‥‥。 犯人が金庫を 開けようとしたということ。 犯人は、私の執務室に ドロボウ目的で忍び込んだようだな。 |
御: |
(そして、犯人の目的が ドロボウだとするならば‥‥ あの<<情報>>の意味も 変わってくるのではないか?) |
御: |
床に落とされていたファイル‥‥。 被害者と犯人が争ったアトでは ないかもしれないな。 |
糸: |
あッ! 犯人は何かを探していたッスね! |
御: |
その通りだ。盗まれたファイルが ないか、調べる必要がある。 |
糸: |
ちらかったファイルを元に もどせばハッキリするッスよ! |
御: | うム‥‥。試してみるか。 |
優: |
どうして、イイヤツばかり 先にイっちまうんだ‥‥。 そうは思わないかい? ミツルギ検事。 |
御: |
‥‥‥‥‥‥。 どんなに悲しんだところで、 死んだものは、もどって来ない。 私たちにできるのは、 真実を見つけ出すことだけだ。 |
優: |
‥‥‥‥‥‥。 それで? 真実ってやつを みつけるために、何をするんだ? |
御: |
そこに落ちているファイルを、 あるべき場所に戻す‥‥。 |
優: |
オーケイ! 手伝わせてもらうよ! |
糸: |
えーと、このファイルがここで、 こっちのファイルがここで‥‥。 |
優: |
イトノコさん、ヒトの部屋なのに、 よく知ってるんだなあ。 |
糸: |
いつも片づけてるッスからね! よーし、できたッスよ! |
御: |
どうやら、この場所で犯行が 行われたのは、間違いないようだな。 |
糸: |
うう‥‥。本棚の血のアトが 生々しいッスね‥‥。 |
御: |
うム。被害者は、立った状態で 撃たれて、本棚に手をついたようだ。 |
糸: |
それから、床にくずれ落ちたッスね。 床の血のアトも恐ろしいッス! |
御: |
‥‥刑事。血痕ぐらいで、 さわいでいる場合ではないぞ。 |
糸: |
うう‥‥。血には、 どうしてもなれないッス‥‥。 |
御: |
(この場所‥‥。何かおかしな ところはないだろうか?) |
御: |
(この場所‥‥あの証拠品と 関係があるのか‥‥?) |
御: |
この弾痕は、あきらかに ムジュンしている! |
糸: | どういうことッスか? |
御: |
わからないのか? カンタンなことだ。 この弾痕の位置は 低すぎるのだよ。 被害者は、腹部を撃たれている。 もっと上に弾痕がなければおかしい。 |
糸: |
被害者は、寝転がっているところを 撃たれたのかもしれないッスよ! |
御: |
いや、被害者は、撃たれたあとに 本棚に手をついている。 立ったまま撃たれたと 考えるべきだろうな。 |
糸: |
ということはッ! ‥‥‥‥どういうことッスか? |
御: |
‥‥少しは自分のアタマで 考えられないのか? 何かがまちがっているのだ。 その”マチガイ”が、 このムジュンを生んでいる! 何のマチガイが弾痕のムジュンを 生んでいるのだろうか? |
御: |
この弾痕の残ったファイルの位置が、 オカシイとしか考えられまい。 |
糸: |
さっき、自分がもどすときに 順番を間違ったッスか? ‥‥‥‥あッ! このファイル、 完全にムジュンしているッス! |
御: | なんだと? |
糸: |
ほら、この弾痕のあるファイル、 「0」なのに一番下にあるッス! 「1」、「2」、「3」の次に 「0」がきてるのはおかしいッス! |
御: |
いや‥‥。 並び方はまちがっていない。 私のキオクとも ピッタリ一致している。 |
糸: | でも、番号順に並んでないッスよ? |
御: |
‥‥‥‥その白いファイルは、 少々特別なのだ。その位置で正しい。 だが、犯行の瞬間に、この並びでは なかったのはたしか‥‥。 (そうか‥‥) どうやら、犯人も刑事と 同じカンチガイをしたようだな。 番号順に並び替えてみるとしよう。 |
糸: |
死体の位置も移動される前に もどしてみるッスよ! |
御: |
すでに現場検証は終わっている。 問題ないだろう。 たのんだぞ。 イトノコギリ刑事! |
御: |
やはりな‥‥。弾痕の位置は、 このあたりが正しいようだ。 犯人は、犯行前に本棚の ファイルを調べていた。 |
糸: |
それを元に戻すとき、順番を まちがってもどしてしまったッスね。 |
御: | そして、その後犯行が起こった。 |
糸: |
しかも、犯人はなぜか犯行のあとに、 もう一度本棚を調べているッス。 |
御: |
その通りだ。 つまり、犯人は殺人の前と後、2回 本棚をあらしていることになる‥‥。 |
御: |
(犯行時の状況が再現された。 もう一度詳しく調べてみるか) |
御: | こ、これは‥‥! |
糸: |
な、なんッスとおおおお! どうしてッスか! イトノコギリって書いてあるッス! |
優: |
どうやら、ケッテイテキな 証拠が出てきたようだね‥‥。 |
御: |
うム‥‥。 どうやら、そのようだな。 |
糸: |
ちがうッス! これは何かのマチガイッス! 御剣検事! 何か言ってほしいッスよ。 |
御: |
‥‥‥‥ファイルが1冊、 盗まれているようだな。 |
糸: | そっちッスか! |
御: |
(これが、 犯人の目的だったのか?) |
捜査手帳に記録した。 | |
優: |
リョウは、最後に犯人の名前を 書き残してくれた。 受け取ったぜ! そのメッセージ。 |
糸: |
ちがうッス! 自分はやってないッス! |
優: |
ミツルギさんも、がっかりだよね。 相棒の刑事が殺人者だったなんて。 |
御: |
イトノコギリ刑事が、 犯人だというならば‥‥ それなりのコンキョが あるのだろうな? |
優: |
リョウがそう言ってる‥‥。 それだけで十分だろ? |
御: |
なるほど。それでは、 キミの推理を聞かせてもらおうか。 |
優: | のぞむところさ! |
御: |
(このオトコの態度は どこかオカシイ‥‥ その推理にはどこかにほころび、 ”ムジュン”があるはずだ) |
糸: |
御剣検事! ど、どうする気ッスか? |
御: |
要領は、法廷における <<尋問>>と同じだ。 彼の推理のムジュンを 指摘してみせよう。 |
糸: |
ど、どうやるッスか? 自分にも教えてほしいッス! |
御: |
まずは、相手の発言をよく聞く。 そして、発言内容とムジュンする 証拠品を見つけたら‥‥。 Rボタンで捜査手帳を開き、 証拠品を<<つきつける>>! (<<つきつける>>ときは、 Xボタンを使うのだったな‥‥) |
糸: |
でも、相手の発言にいつも ムジュンがあるとは限らないッス! |
御: |
そういうときは、Lボタンで 相手を<<ゆさぶる>>ことだ。 ゆさぶって情報を引き出せば、 発言内容が変わることもあるからな。 |
糸: |
なんとなく分かってきたッス! 自分も捜査で使ってみるッスよ! |
御: |
フッ。それならば、私のお手本を よく見ておくことだな。 |