御剣 怜侍…茶 | |
糸鋸 圭介…黄土 | |
狩魔 冥…水 | |
木之路 いちる…緑 | |
白音 若菜…紫 | |
ジンク・ホワイト…青 |
糸: |
な、なんなんスか! あれは? 人が飛んだッスゥ! |
御: | メイ! |
冥: | な、何なの? 突然に! |
御: |
見つけたのだよ‥‥ ”本当の凶器”を! |
冥: | な、なんですって! |
糸: | 人が、人が飛んだッスよ! |
御: |
私たちは、 今まで気づかないでいたのだ。 答えは、目の前に あったというのに! |
糸: |
ケガしてるかもしれないッス! 一大事ッス! |
冥: |
そのモッタイぶるクセ‥‥ 問題アリよ。あらためるべきね。 |
御: |
(ムチをふるうクセがある 検事に言われたくないな) |
冥: |
もういい。あなたも検事なら、 証拠で語ることね! |
糸: |
‥‥2人とも、 全然聞いてないッス‥‥ |
冥: |
あなたの言う”本当の凶器”を 見せてもらおうかしら! |
御: |
フッ。 キミに見せる凶器などない。 |
冥: |
バカによるバカのための バカなスイリ‥‥ 凶器がない、ですって‥‥? いいかげんにすることね! |
御: |
もう少しセイカクに言うと、 その凶器は持ち物ではないのだ。 被害者の本当の死因は‥‥! |
御: |
被害者は、高所から 地面に激突して死亡した。 そう。被害者の死因は 墜落死だったのだ! |
糸: | つ‥‥つ‥‥ |
冥: | 墜落死ですって!? |
御: |
(そう‥‥。 これしか考えられないのだ!) 被害者には、後頭部と背中に 打撲のアトがあった。 この、奇妙なケガのリユウを 説明するのは、それしかない! |
冥: |
じ、事件は飛行機の中で 起こったのよ! |
御: | モチロン、わかっている。 |
冥: |
機内のどこに、そんな高さから 墜落できるところがあるというの! |
御: |
さきほど言った通り‥‥ 答えは、目の前にある‥‥! |
冥: | あッ! まさか! |
御: |
そう。被害者は、この<<貨物室>>の 入口の柵から墜落したのだ! |
糸: |
な、なんッスとぉぉぉ! そ、それじゃあ‥‥! た、大変ッス! 目の前で、 第2の事件が起こったッスよ! アンタッ! し、死んでるッスか! |
ジ: | なんじゃッ! ソウゾウしいッ! |
糸: | ! ‥‥生きてるッス! |
冥: |
ごらんの通りよ。御剣 怜侍! 入口の柵から墜落することは できない。 あのヒトが、身をもって 証明してくれたようね。 |
御: |
‥‥‥‥たしかに墜落することは できないようだ。今は‥‥な。 |
冥: | 今は‥‥ですって? |
御: |
もしも、この大きな荷物がなかった としたらどうなっていただろうか? |
糸: | あぶないところだったッス! |
冥: |
たしかに、そのオトコは今ごろ、 イノチを落としていたでしょうね。 しかしッ! 事実、荷物はそこにある! そんな仮定には、 マッタク意味がないわ! |
御: |
今は‥‥ある。しかし、ずっと そこにあったとは限らないッ! |
冥: |
ハッ! その大きな荷物がなかった 時間帯があるとでもいうの? |
御: | 可能性は‥‥ある。 |
冥: | なんですって‥‥? |
御: |
(荷物がなかった可能性を 示すのは?) |
冥: | 西鳳民国での給油‥‥! |
御: |
そう。この飛行機は、西鳳民国で 給油を行っている。 そのとき、貨物の搬入も 行われている。 もしも、この荷物がそのときに 積み込まれたものだとするならば! モンダイの荷物の隣を、 よく見てほしい。 |
糸: |
あ! <<西鳳公司>>って 書いてあるッス! |
御: |
そう。これが西鳳民国で 積み込まれた荷物なのだよ。 |
捜査手帳に記録した。 | |
御: |
もし、モンダイの荷物も一緒に 積み込まれたとするならば! |
冥: |
ヨーロッパから西鳳民国の間‥‥。 <<貨物室>>にモンダイの荷物は 存在しなかったことになる! |
御: |
その間だけは、ここに生まれるのだ。 ‥‥墜落死に十分な高さが! |
冥: |
あなたの推理は、 まだ仮説にすぎないわ‥‥。 |
御: |
ならば、証明してご覧にいれよう。 (まずは、あの荷物を詳しく 調べてみるとするか‥‥) |
B1F貨物室) | |
御: | ふむ‥‥なんとも巨大な荷物だな。 |
糸: |
ここに名札があるッス‥‥えーと、 <<アリフ・レッド像>>‥‥? |
御: |
その像が事件当時、この場所に あったのかどうかを検証せねばな。 |
糸: | じゃあ、早速荷物を調べるッス! |
ジ: |
■■■■■! ■■■■■! こりゃっ! ワシの荷物に、 勝手に手をふれるのは許さんぞっ! |
糸: |
わひっ! び、ビックリしたッス! |
御: |
(この荷物は、ホワイト氏のもの だったのか‥‥ くわしく聞いてみるとするか) |
御: |
ミスター・ホワイト。 この荷物は、あなたの? |
ジ: |
そうじゃっ! ヨーロッパから 運んできた逸品じゃぞ! この<<アリフ・レッド像>>のカチは、 1000万セントはくだらん! |
御: |
(それで、大型貨物室がある この機を選んだのか‥‥) |
糸: | 1000万セントッスか‥‥ |
御: |
刑事。身近な食べモノで 換算するのはやめたまえ。 |
糸: |
一瞬で見抜かれたッス! 御剣検事がひと回り成長したのを、 ハダで感じたッス! |
御: |
(この刑事はひと回りして、 同じトコロで足ぶみしている ようだな‥‥) |
糸: |
御剣検事、1セントって 何円ッスか‥‥? |
御: |
‥‥‥‥ ミスター・ホワイト。この荷物は、 事件と関係している可能性がある。 調べさせていただけないだろうか? |
ジ: |
とても高価な美術品なんじゃ! 触らせないぞ! |
(「密輸」と「高価な美術品」をまとめる) | |
御: |
(もしも、ホワイト氏が密輸に 関わっているとしたら‥‥ この美術品が、西鳳民国で 積み込まれた可能性もある! 話を聞いてみる必要があるな) |
御: |
ミスター・ホワイト。 その美術品なのだが。 もしや密輸品なのでは ないだろうか? |
ジ: |
な、なんじゃとっ! どういうことじゃっ! |
御: |
あなたの美術品‥‥密輸犯罪組織に 狙われた可能性があるのだ。 |
ジ: |
変な言いがかりをつけおって! そんなワケがなかろう! <<貨物の預り証>>だって ここにある! |
冥: |
<<貨物の預り証>>? ミスター・ホワイト! そのリスト、見せてちょうだい! ‥‥‥‥ ホンヤクしなさいッ! |
ジ: |
たしかに”荷物をヨーロッパで 載せた”と書いてあるんじゃ! |
冥: |
御剣 怜侍。残念だわ。 この書類がある以上、 像はたしかにヨーロッパで 積み込まれているようね。 |
御: | それでは‥‥! |
冥: |
この像が、なかった時間帯など 存在しない‥‥ということよ! |
捜査手帳に記録した。 | |
御: |
‥‥‥‥‥‥。 いや。まだ納得することはできない。 自分の目で確認させていただこう! |
ジ: |
ふん! それなら自分で 調べてみるがいいわ! |
御: |
こ、これは! どこかで見たことがあるような‥‥ |
糸: |
これが、 <<アリフ・レッド像>>ッスか! アートの香りを、 ビシバシ感じるッス! |
ジ: |
この像は、歴史的な価値が 高くてのう! ヨーロッパの博物館での オヒロメを終えて、 この国での公開が 待たれているのじゃ! |
捜査手帳に記録した。 | |
御: |
(もう少し近くによって 調べてみるか‥‥) |
御: |
これがアリフ・レッド像か‥‥ ム? |
糸: |
どうしたッスか? 御剣検事。 |
御: |
この像‥‥やはり気になるな。 よく調べる必要がありそうだ。 |
御: |
(この場所‥‥あの証拠品と 関係があるのか‥‥?) |
御: | ‥‥あの像の瞳、オレンジ色だな。 |
糸: |
キレイなオレンジッス。小学校の ころに見た夕焼けを思い出すッス。 |
御: | ‥‥ちがうな。 |
糸: |
いや、たしかにこんな夕焼けの 色だったッス! なつかしいッス。 トンボをとろうと指を回して、 キモチ悪くなったあの日々‥‥ |
御: |
夕焼けの色ではない! この像の瞳だっ! |
糸: |
は‥‥はっ!? あああああっ! たしかに違うッス! |
御: |
まさか‥‥この像は‥‥ ミスター・ホワイト。 |
ジ: |
なんじゃぁっ! これでもワシ、 いそがしい男なんじゃ! おお、返事だけで 2秒も使ってしもうた! |
御: |
‥‥<<アリフ・レッド像>>。 さぞかしジマンのモノなのだろう。 |
ジ: |
今回のヨーロッパ旅行で 最大の戦利品じゃ! ワシがなぜこの像を 手に入れたのか? 最初のキッカケは17年前‥‥ |
糸: | ‥‥ムダに長くなりそうな話ッス。 |
御: |
‥‥お悔やみ申し上げねば ならないのは、ココロ苦しい。 |
ジ: | な‥‥なんじゃ? オクヤミ? |
御: | 瞳を見比べていただきたい。 |
ジ: |
‥‥‥‥そっちのデカい兄ちゃんの ほうが、キレイじゃな。 |
御: |
われわれのコトではないッ! この写真に写っている像と、 この像の瞳だ! |
ジ: |
なんじゃい、いきなり。 どれどれ‥‥おお! これは、ヨーロッパの博物館で オヒロメをしたときのものじゃな! ‥‥‥‥‥‥んがががががっ! |
御: |
おわかりいただけただろうか? ‥‥この像が、真っ赤な ”ニセモノ”であることに‥‥。 |
ジ: | こ‥‥こんなハズはぁぁぁっ! |
御: |
この像がニセモノであると 分かった以上‥‥ さらなる調査の必要があるな。 ”西鳳民国でつまれた証拠”が どこかにあるはずだ。 もう1つのムジュンに 証拠品をつきつけるのだ! |
御: |
(この場所‥‥あの証拠品と 関係があるのか‥‥?) |
御: |
これは、アキラカに ムジュンしている! |
冥: |
これがなんだというの? ただ荷物のヴェールをふんでいる だけに見えるけど。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ あッ! そんな‥‥‥‥‥‥! |
御: |
そうなのだよ‥‥。こんな 重なり方をするはずがないのだ。 西鳳民国で積まれた荷物を、 ヨーロッパで積んだ荷物が 踏むことはできない‥‥ この荷物は、西鳳民国から 密輸されたものだったのだ! |
冥: | でも! この<<貨物の預り証>>は! |
御: |
なぜ、アクビー・ヒックスは、 フライト中にワザワザ貨物室に やってきたのか? |
冥: | ? |
御: |
”密輸”の動かぬ証拠をおさえる ためだった。そう考えられる。 |
冥: |
そうかしら? 別にフライト中に 来る必要などないように思えるわ。 飛行機が着陸してから、荷物を しらべれば済むのだから。 |
御: |
その通りだ。しかし、 ‥‥逆なのだよ、メイ。 空港で捜査できたはずのアクビーが、 ワザワザ貨物室にやってきた‥‥ そのリユウを考えるべきなのだ。 仮に空港でニセモノをおさえても、 ”密輸”はおこなわれた後だ。 それに、まっさきに 疑われるのは持ち主だ。 荷物のスリカエを証明できる 保証はない。 つまり、<<貨物の預り証>>を偽造 している人間がいるということだ。 |
情報を書きかえた。 | |
糸: |
被害者は、これが密輸されることを 知っていたってことッスね。 |
御: |
この写真、旅行の記念写真のように 見せかけられているが‥‥。 捜査の資料として 撮られたものなのだろう。 アクビーは密輸の証拠を おさえようとしていた。 アクビーは荷物のスリカエが おこなわれる前に‥‥ カラの貨物室を おさえるつもりだった。 |
冥: |
あるハズの荷物がないことが わかれば十分だわ。 あとは西鳳民国でスリカエチームを 確保して、検挙できる。 |
御: |
この像がヨーロッパから 西鳳民国までの間、 貨物室になかったとすれば‥‥ その間、ここに生まれるはずだな。 ‥‥墜落死に十分な高さが! |
冥: |
‥‥鑑識! 今すぐ”アリフ・レッド像”を どかしなさい! 床をテッテイ的にしらべるのよ! 急いで! |
鑑: | 狩魔検事! 報告いたします。 |
冥: | ‥‥ええ。 |
鑑: |
”アリフ・レッド像”があった 場所の床から‥‥ ルミノール反応を カクニンしました! |
冥: |
ルミノール反応‥‥。 そこで血が流れた証拠ね。 |
糸: | うう。あまり見たくないッス。 |
御: |
どうやら、私の推理が 裏付けられたようだな。 |
冥: | ‥‥認めざるをえないようね。 |
御: |
犯人は、血痕を ふきとったようだな。 |
冥: |
犯人はどうやって血痕を ふいたのかしら? |
御: | 犯人はどうやって血痕をふいた? |
御: |
スーツケースから発見された布は、 この血痕をふいたものだったのだ。 |
冥: |
ふきとっていなければ、西鳳民国で 事件が発覚していたでしょうね。 |
御: |
荷物を運びいれた業者によって、 発見されていただろうからな。 |
糸: |
ということは‥‥ 事件が起こったのは、西鳳民国に つくよりも前ってことッスね! |
御: |
(そうなのだ。 そうなると、あのヒトの証言が おかしくなってくる‥‥!) 事件が西鳳民国よりも前となると、 おかしくなってくるのは? |
御: |
白音 若菜。彼女は、西鳳民国 出発時の点呼について証言した。 |
白: |
『ヒックスさまは、午前5時に 席にいましたよぉ。』 |
御: |
点呼のとき、アクビー・ヒックスは 生きていたと‥‥。 |
糸: | それは、あきらかにオカシイッス! |
冥: |
なぜ、彼女はそんなウソを ついたのかしら? |
御: |
詳しく話を聞かなければ なるまい‥‥! |