御剣 怜侍…茶 | |
糸鋸 圭介…黄土 | |
狩魔 冥…水 | |
木之路 いちる…緑 | |
白音 若菜…紫 | |
ジンク・ホワイト…青 |
G−390機内 B1F貨物室 | |
糸: |
ここが貨物室ッスか! 広いッスねー! |
御: |
この飛行機は大型貨物室と最高級の ファーストクラスを両方そなえた、 特別製なのだそうだ。 |
冥: |
ここが、本当の犯行現場 なのかしら。 |
御: |
その可能性は高い。 それを調べるために来たのだ。 |
糸: | よーし! 捜査開始ッスよ! |
B1F貨物室) | |
御: |
キミはイトノコギリ刑事より先に 現場に来ていた。 そして、すぐに事件の捜査に あたった。 あらかじめ空港に用事が あったのではないのか? |
冥: | ‥‥‥‥‥‥‥‥そうよ。 |
冥: |
私が今追っているのは、国家間を またぐ巨大な犯罪よ。 ひとりで立ち向かうには 巨大すぎるものだわ。 だから、国際警察と連携して、 捜査にあたる予定だったのよ。 |
御: | 国際警察か‥‥。 |
冥: |
ヒミツ任務なのよ。詳しい話を することはできないわ。 |
糸: |
こんなトコロにスーツケースが! 取りホーダイッス! |
御: |
機内ショップで売れ残った 在庫とは、このことだな。 (このフライトが終わったら 処分される予定だったな‥‥) |
糸: |
このペイント、カッコイイッスね〜。 アートの香りがプンプンするッス! |
御: |
買ったらどうだ。さぞかし喜んで もらえるだろう。 |
糸: |
いいッスか? え〜と、お値段は‥‥12万円!? ‥‥あきらめるッス。 |
御: |
(売れないワケだ。 ‥‥あきらかに1つ 抜き取られているようだ。 ん? 足元に何か ちらばっているぞ‥‥ これは‥‥ガラスのハヘンか‥‥? |
糸: | この荷物は何スかね? |
警: |
これは、被害者の預けていた 荷物であります! |
御: |
アクビーのスーツケースか。 少し、見せてもらおう。 |
糸: |
おかしなトコロは ないみたいッスね。 |
御: | ム? この資料は? |
糸: | 狩魔検事の写真がついてるッス。 |
御: |
メイのプロフィールが 書かれているようだが‥‥。 |
御: | なぜ、アクビーがこんなものを? |
(「割れたメガネ」と「ガラスのカケラ」をまとめる) | |
御: |
このカケラは、おそらくメガネの 破片だ。 |
糸: |
あ! そういえば、被害者の メガネが割れていたッス! |
御: |
その通りだ。 カケラのカタチを調べてみれば、 ハッキリするだろう。 やはり、被害者はここに 来ていたようだな。 |
糸: |
ということは‥‥‥‥。 犯行現場は、ココだったってことに なるじゃないッスか! |
御: |
さきほどから、そう言って いるではないか! |
糸: | えッ! そうだったッスか! |
御: |
断定するにはまだ早いが、 可能性は、ますます高くなったと 言っていいだろう。 あとは、凶器さえみつかれば‥‥。 |
御: |
なぜアクビーがメイの資料を 持っているのか‥‥? |
糸: |
あッ! きっと狩魔検事の ファンなんじゃないッスかね! |
御: |
メイが、空港に来たのは 国際警察と連携をとるためだったな。 |
糸: |
あッ! 狩魔検事が空港に来ると 聞いてアクビーも追っかけて‥‥。 |
御: |
アクビーは国際警察の 捜査官だった。その可能性はある。 メイに話を聞いてみる 必要があるようだな‥‥。 |
御: |
キミが空港に来たのは、被害者に 会うためだったのでは? |
冥: | ‥‥突然、何を言い出すのかしら? |
御: |
被害者の荷物には、 キミのプロフィールがあった。 おそらくは、空港で落ち合うときに キミだと分かるように‥‥。 アクビー・ヒックスは国際捜査官 だった。そういうことではないか? |
冥: |
‥‥さすがね、レイジ。 でも‥‥どうやら、ヤツらに 先手を打たれたようね。 |
御: |
キミは空港まで、国際捜査官を 迎えに来ていたのだな。 |
冥: |
国際捜査官のアクビーは、 大がかりな密輸ルートを テキハツしようとしていた。 |
冥: |
身分を隠して、この捜査を していたのよ。 アクビーに密輸ルートの調査を 頼んだのは、私よ。 空港についたら、彼の携帯電話から 連絡を入れてもらう予定だった。 まさか、こんなことになっている なんて‥‥。 |
御: |
どうやら、アクビーが <<貨物室>>にやってきたのは‥‥ マチガイないようだな。 |
糸: |
こんなところに、何をしに 来たんスかねえ。 荷物しかないッスよ。 あッ! もしかして、 スーツケースの中に忘れた おやつを取りに来たんじゃ! ぎゃああ! |
冥: |
ヒックス捜査官には、目的があった。 それは、彼の仕事に関係があるわ。 |
御: |
そう。<<密輸>>の捜査。 そのために、貨物室に降りてきた。 メイ。キミは、彼がどんな捜査を していたか知らないのか? |
冥: |
詳しい話は、空港で聞くはず だったのよ‥‥ |
御: |
そうか‥‥ しかし、乗客が一人で<<貨物室>>に 降りることはできない。 |
冥: |
彼は、スタッフに身分を明かして、 <<貨物室>>に同行させた。 そう考えられるわ。 |
御: |
うム。そして、ここで事件は 起こった‥‥ この、割れたメガネがそのことを 示している。そして‥‥ |
冥: |
犯人は、在庫のスーツケースに ヒックス捜査官を入れて‥‥。 |
御: |
エレベータに乗った。そのとき‥‥。 エアポケットが起こった。 そして、はげしい揺れのせいで 死体が飛び出してしまった‥‥。 このときアクビーのポケットから サイフがこぼれ落ちたと推測できる。 エレベータ内に紙幣が 散らばったのはそのせいだろう。 |
冥: |
‥‥これで、犯人は分かったような ものね。 |
糸: | えッ! ほ、ホントッスか! |
御: | ‥‥‥‥ |
冥: |
御剣 怜侍。あなたの 考えていることは分かっているわ。 でもね。犯人は、木之路 いちる。 彼女しかありえないわ! |
冥: |
『従業員ならば、ダレでもアクビーを 貨物室に案内することができた。』(推理1) 『しかし、問題はエレベータを 貨物室に下ろす<<カードキー>>。』(推理2) 『それを持っているのは、 木之路 いちる、ただ一人!』(推理3) 『これは、ケッテイ的な証拠と 言っていいのではないかしら?』(推理4) |
御: |
(彼女の言っている事は分かる。 しかし‥‥) |
御: |
<<カードキー>>は盗まれていた 可能性がある! |
冥: |
可能性がある‥‥? なんてアイマイな! 狩魔の流れをくむものに あるまじき主張だわ! |
御: |
‥‥うぐッ! たしかに、証拠はないが‥‥ |
冥: |
ハジをしりなさい! 木之路 いちるを 指し示している証拠は、 <<カードキー>>だけではない! |
御: | 凶器の貯金箱‥‥! |
冥: |
そのショーケースを開けるカギを 持っていたのも彼女だけ! |
御: | ‥‥‥‥ |
冥: |
『そして、凶器の貯金箱の入っていた ショーケースを開けるカギ‥‥。』(推理5) 『それを持っているのは、 木之路 いちる、ただ一人!』(推理6) |
御: | その凶器はニセモ‥‥ |
冥: |
その口を閉じなさい! 御剣 怜侍! この凶器がニセモノであることを 示す証拠はない! もしも、ニセモノだというならば! ”本物の凶器”は どこにあるのかしら? |
御: | ‥‥‥‥ |
冥: |
口を開くことはできないようね‥‥。 当然だわ。 <<貨物室>>のどこを探しても、 凶器は見当たらなかったのだから! |
御: |
(どうにかして、貯金箱が ニセの凶器であることを‥‥ 証明することは できないのか‥‥? 凶器が本物かどうか、 これを調べれば証明できる!) |
御: |
メイ。キミは、結論を急ぎすぎて いるようだ‥‥ |
冥: | なんですって! |
御: |
まだ死体の解剖結果が出ていない。 被害者の頭のキズと、 凶器の形の一致も見ずに‥‥ 凶器を断定するには早いと思うが? |
冥: |
‥‥‥‥ ヒゲ! |
糸: | は、はいッス! |
冥: |
すぐに警察病院に連絡を とりなさい! 解剖結果を聞くのよ! |
糸: | うぎゃあ! 了解したッスゥゥ! |
糸: | み、御剣検事! 大変ッス! |
御: | どうしたのだッ! |
糸: |
まだ、解剖は途中だったッスけど、 すごいことが分かったッス! |
冥: | 報告しなさい! |
糸: |
死体には、肩から背中にかけて 打撲のアトがあったッス。 |
御: | 肩から背中にかけて、打撲? |
糸: |
これは、犯人がものすごく被害者を ウラんでいたショウコッスよ! 後頭部だけじゃモノ足りなくて、 こうポカポカと何度も殴ったッス! |
捜査手帳に記録した。 | |
冥: |
犯人が被害者をうらんでいた? だからどうしたというの? |
糸: | いや。それは、だって、あの‥‥ |
御: |
被害者の頭のキズと、凶器の形は 一致したのか? |
糸: | そ、その調査は、まだみたいッス! |
冥: | ‥‥‥‥‥‥この役立たずッ! |
糸: | うぎゃあああああああああッス! |
警: | だから、ダメですって! |
?: | ええい、どかんか! |
御: | 何やら騒がしいな? |
ジ: |
ワシの荷物は、ワシのもんじゃっ! いいかげん荷物を返すんじゃっ! |
警: |
いま貨物室は捜査中です! 少し待っていて下さい! |
ジ: | ‥‥ならしかたないのぅ‥‥ |
警: |
やっとあきらめ‥‥ あっ、コラッ! |
ジ: |
こうなったら力ずくじゃっ! うおおおおおおおおおおっ! |
警: | こ、ここは通しませんっ! |
御: |
(こ、これは‥‥! そ、そうか! そういうことだったのか!) |
冥: |
『そして、凶器の貯金箱の ショーケースを開けるカギ‥‥』 |
冥: |
『<<貨物室>>のどこを探しても、 凶器は見当たらなかったのだから!』 |
糸: |
『死体には、肩から背中にかけて 打撲のアトがあったッス。』 |
御: |
(犯人は、何度も被害者を 殴った‥‥ だから広い範囲で打撲の アトがついた。 果たしてそうだろうか? 肩から背中にかけての 打撲のアトは‥‥ ”肩と背中を同時に攻撃された” ものではないか? だとするならば、凶器は 貯金箱では小さすぎる。 凶器はもっと大きなもの‥‥!) |
御: |
(それだけ巨大な凶器ならば、 すぐにみつかるはずだ。 しかし、いまだに 凶器らしきものはみつからない。 そうだ。我々は、 気づかなかったのだ‥‥ それが、あまりに大きすぎるが ゆえに!) |