第5話『華麗なる逆転』探偵パート2日目(その5) −証拠品−


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弁護士バッジ ぼくの身分を
証明してくれる、
大切なバッジだ。
勾玉(まがたま) 真宵ちゃんからもらった
もの。心にヒミツを持つ
人物に効力を発揮する。
<<お!カルト>>新年号 霊媒業界の情報誌。
葉桜院が紹介されている。
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葉桜院の見取り図 この霊行道場の付近の
ようすが描かれている。
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掛け軸 綾里舞子の絵姿がカレー
によって消されている。
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エリス先生の写真 先生の一番弟子、
天流斎マシスが撮影。
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あやめのずきん 事件当夜、消灯の鐘を
鳴らす前にもらった。
悪霊から身を守るらしい。
気象データ 事件当夜の、現場付近の
天気のデータ。
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■2月7日・吾童山の気象データ■
 ‥‥夜半に雪、やがて雷が加わる

降雪:午後7時〜10時50分ごろ
雷  :午後10時〜11時ごろ

おぼろ橋への落雷は、10時45分。
発火から鎮火までの時間は、
約30分かかったと推定される。

七支刀 刀身に被害者の血液、
被告人の指紋が付着。
凶器ではないことが判明。
被害者のツエ 内部に、カタナが
仕込まれている。
イトノコ以外には、秘密。
天流斎エリスの解剖記録 午後10時〜11時ごろ、
背後より刺され、失血死。
死後、3mの高さを落下。
あやめの証言書 事件当夜は、午後10時
に<<消灯の鐘>>を鳴らし、
事件発生まで自室にいた。
シュプールの写真 事件当夜に撮影。葉桜院
からおぼろ橋までつづく。
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現場写真 天流斎 エリスが殺害
された、葉桜院の境内。
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矢張のスケッチ 事件当夜、彼が見たまま
を描いた、恐るべき作品。
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水晶 事件当夜、おぼろ橋付近
で発見。血痕が付着。
被害者のツエから取れた。
倉院流・家元の護符 天流斎 エリスが身に
つけていたもの。奥の院・
中庭で発見。
燃えカス 奥の院の焼却炉より
イトノコ刑事が発見。
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注意して実行(燃)
夜が明けた(燃)
いるでしょう(燃)

<<消灯の鐘>>が聞(燃)たら、すぐ(燃)
霊媒をしなさい。そして、あとは
彼女に、すべてをまかせるのです。

彼女の名前は(燃)
私たちの味方(燃)
いっさい、無用(燃)

彼女の写真を用意しておきました。
霊を呼ぶ際に使いなさい。
あなたなら、できるはず。

すべてが終わっ(燃)
焼き捨てるこ(燃)
また、この手紙(燃)だれ(燃)
言ってはなりませ(燃)

家元に、華麗に引導をたたきつけて
やりなさい。

綾里 真宵(19) 事件当夜、修行のため
奥の院にわたったまま
行方不明。
綾里 千尋(故人) ぼくの永遠の師匠で、
真宵ちゃんのお姉さん。
3年前に亡くなった。
綾里 春美(9) 真宵ちゃんのイトコで、
天才的霊力の持ち主。
奥の院側で発見された。
ゴドー(??) 本名・国籍・年令すべて
が不明の検事。ぼくを
知ってるようだが‥‥?
糸鋸 圭介(32) 所轄署の刑事。
殺人の初動捜査を担当。
通称イトノコ刑事。
毘忌尼(48) <<葉桜院>>の住職。
事件の発見者。
ひどくコシを痛めている。
天流斎 エリス(49) 本名は綾里 舞子。
真宵ちゃんの母親で、
倉院流霊媒道の家元。
あやめ(25) 今回の被告人。
<<葉桜院>>の尼僧。
霊力はないらしい。
天流斎 マシス(25) またの名を矢張 政志。
事件当夜、極楽庵で
信じられない光景を目撃。
狩魔 冥(19) 伝説の検事・狩魔 豪の
ムスメ。アメリカで、
13才で検事になる。
御剣 怜侍(26) 検事局ナンバー1の実力
を誇る、ぼくの古い友人。
諸外国の法廷を研究中。
綾里 キミ子(??) 倉院流家元・舞子の姉。
春美とあやめの母親。
独房に収容されている。
??????(??) 綾里 キミ子の娘で、
あやめの双子の姉。
宝石商の父を持つらしい。




葉桜院 境内にて
金属探知機での調査


(「ひさしの上」を調べる)
成: (‥‥ひさしの上、か。
まさか、あそこに‥‥?)
糸: ここからじゃ、見えないッス。
‥‥ま。あきらめるッスね。
成: でも、エリス先生の部屋のマドの
すぐ下ですよ!
凶器のカタナをかくすのに、
ピッタリじゃないですか!
糸: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
ちょっと、行ってくるッス!

いやー、よかったッス。
スプーンが落ちてただけッス。

成: ‥‥なんか、ホッとしてませんか?
糸: そりゃそッス。もし、いきなり
あそこに凶器があったら‥‥
自分が長ながと説明したのが
バカみたいッスからねー。
成: (‥‥まあ、そうだな)

(「スキー」を調べる)
成: ‥‥スキー、か。
手がかりにはなりませんね。
糸: こう見えても自分、スキーは
なかなかのウデ前ッスよ。
ゲレンデを、コートをハタめかせて
すべり落ちて行くッス!
成: へえ‥‥。どれぐらい
すべれるんですか?
糸: そッスねー‥‥
スケートより、やや得意ッスが、
スノーボードほどではないッス。
成: (‥‥細かいな)
糸: あ。でも、イチバン得意なのは
カレーッス。
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
(コンランしてきた。
捜査に戻ろう‥‥)

(「ソリ」を調べる)
成: ‥‥このソリ、プラスチックで
できているのに‥‥
糸: <<びきに号>>って
書いてあるッスね‥‥
成: (ソリのウラに、
何か落ちているのか‥‥?)
こ‥‥これは‥‥
手帳、かな‥‥。
糸: ああああああああッ!
ずーっと探してたッス!
成: い、イトノコ刑事のですか?
糸: イノチより大事な
ケーサツ手帳ッス!
念のために10円玉を挟んで
おいて、よかったッス。
成: なんで、こんなところに
警察手帳を落とせるんですか!
糸: あ! きっと、あのときッス!
今朝、このソリで
遊んでいたとき‥‥
成: ‥‥もう、いいです。

(「飛び石」を調べる)
成: ‥‥500円玉、見つけた。
糸: お、お金を拾ったら
交番に‥‥刑事に届けるッス!
半年以内に落とし主が現れなかった
ら、1割はアンタのものッス!
そして、残りの9割は自分の‥‥
ケーサツのものッス!
成: そ、そんなにカオを
近づけないでくださいよ。
はい、500円。
糸: ‥‥刑事になってよかったッス。
成: (‥‥なんか、ユガんでないか?
イトノコ刑事の知識‥‥)

(「脚立」を調べる)
糸: お。ハシゴッス。
成: キャタツですよ、それ。
糸: どうちがうッス?
似たようなものッスよ。
成: (‥‥意外と知られてないのか?
このシロモノの名前‥‥)
糸: よくいるッス。そういう、
細かいコトにこだわる連中。
ウチの近所の八百屋の
オヤジさんも、そッス。
『このレタスください』と言ったら
『それはキャベツだよ』なんて。
自分に言わせりゃ、
どっちも同じッス!
成: ゼンゼンちがいますよ!
糸: キャタツとキャベツだって、
ケッキョク、1字のちがいッス!
もっと、ホンシツを見なきゃ、
でっかい手がかりを見逃すッスよ。
これは、センパイとしての
アドバイスッス!
成: (‥‥このヒトに言われたくない)

(「綾里供子像」を調べる)
糸: 黄金像が持っている七支刀は、
ホンモノの凶器じゃないッスよ。
成: え、ええ。知ってますよ。
念のため、調べてみたんです。
糸: あ、そうだ!
アンタ、知ってるッスか?
このカタナは、エダわかれ
した、人生をあらわしているッス。
成: 聞いたことはあります。
糸: ‥‥ときどき、自分は思うッス。
殺人課の刑事にならなかったら、
どんな人生があっただろう、と‥‥
成: ‥‥イトノコ刑事でも、
そんなコトを思うんですか。
糸: モチロンッス。
いろいろ、想像するッス。
交通課の自分。警視総監の自分。
窃盗課の自分。タイホくんの自分。
成: (‥‥タイホくんのイトノコ刑事は
一見の価値があるな)

(「雪に埋もれたもの・その1」を調べる)
成: これは‥‥ものほしザオ、か。
金属製だからなあ。
糸: な‥‥なんで知ってるッスゥッ!
成: は、はい‥‥?
糸: それは‥‥中学校のころの、
自分のニックネームッス!
成: ものほしザオ、ですか‥‥?
糸: 自分は、おこづかいが
少なくて‥‥
いつも、ものほしそうな
カオをしていたッスからねー。
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥
<<ものほしガオ>>ですか。
‥‥もしかして。
糸: 今となっては、ある種
なつかしい思い出ッス。

(「雪に埋もれたもの・その2」を調べる)
成: ‥‥これは‥‥サイフ、だな。
糸: あああああッ!
そんなところにあったッス!
成: イトノコ刑事のですか、これ。
糸: よくサイフを落とすから、
スズをつけてあるッス。
成: でも、こうして
落としてるじゃないですか。
糸: でも、こうして
見つかったッス!
成: ‥‥このサイフ、
カラッポですよ。
糸: よく落とすから、
お金は入れてないッス。
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥
じゃあ、なんで金属探知機に
反応したんでしょうね。
糸: このスズッスね、きっと。

(「雪に埋もれたもの・その3」を調べる)
成: これは‥‥ボールペン、かな。
糸: あッ! それ!
探してたッス!
成: い‥‥イトノコ刑事のですか?
糸: 刑事になったとき、オヤジが
プレゼントしてくれたッス。
容疑者を取り調べるとき、これを
鼻先につきつけてやれ、って。
成: ‥‥なんか、イヤな刑事像ですね。
糸: いつか、アンタの鼻先に
つきつけるのが、自分の夢ッス。
成: (じゃあ、落とすなよ‥‥)

(「雪に埋もれたもの・その4」を調べる)
成: (‥‥なんか、マルいものが
埋まってるぞ‥‥)
糸: そ、ソイツにさわっちゃ
ダメッスッ!
成: なんですか? これ。
糸: ワレワレ刑事を退治するための、
お、おそろしいワナッス。
成: け、刑事さんを‥‥?
もしかして‥‥エモノの足を
鉄のツメで挟む、あのワナですか?
糸: それッス! ワナッス!
自分も、人差し指を挟んだッス!
成: ひとさしゆび‥‥?
糸: さりげなく置かれたチーズに
手を伸ばした瞬間だったッス。
成: (‥‥なんと言っていいのか
わからないな、もう‥‥)