酒場に入ったオレたち。
「まずは腹ごしらえからだな」
メニューを見ると、ズラリと肉料理が並んでいた。
オレたちは適当に注文をする。
子供たちが後ろの方でジュークボックスをいじっていたが、特に気にもとめなかった。
「どうぞ」
料理はすぐに料理長に運ばれてやってきた。
オレが肉を口に運ぼうとすると、突然後ろの方からイート・ザ・ミートの曲が流れてきた。まずい。
嫌な予感が体中をかけめぐった。
オレはとっさに手を止める。
ショウとデューンはかまわず肉を口に運ぶ。
ボンッ!
と音がして、デューンは魔物へと変身してしまった。
「う、うわあああああ!?」
デューンが叫ぶ。
「おい、大丈夫か?」
人の心配をしながらもショウは肉を食べるのを止めない。
ショウはこの肉を食べても平気らしい。頑丈な奴だ。
「ハハハ!ひっかかりましたね!」
突然料理長が笑い出した。よく見るとこの料理長はアポロンじゃないか。
「なんでお前がこんなセコイ手を‥‥」
「う、うるさい!こちらにもいろいろ事情があるのだ!
うう‥上からの命令とはいえ、なんで私がこんな役を‥」
なんだか落ち込んでいるようだ。アポロンはボソボソとつぶやきながら去っていった。
「さて、どうやって治すか‥」
「パーツを食べさせれば治るんじゃないかな」
試しに食べさせてみる。
ボンッ!
と音がして、デューンはサイボーグに変身してしまった。
「う、うわあああああああ!?」
デューンがまた叫ぶ。
「あれ?おかしいな‥‥」
「戻せ、戻せ!」
もう一度肉を食べさせてみる。
ボンッ!
と音がして、デューンは獣人に変身した。
なんだか楽しくなってきた。
「俺の体で遊ぶなーっ!」
ちぇっ。いいじゃないか少しくらい。
その後しばらく悪戦苦闘していたが、一向に治る気配は無い。
ダメだ、どうやっても治らない。
オレたち(オレとショウ)はあきらめた。
「大丈夫、見た目が魔物になってもデューンはデューンさ!」
オレは無理やりまとめた。
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