江戸の町に着いたオレたちは、さっそく越後屋の店へと急いだ。
越後屋との取引は意外とスムーズに終わった。
「ちょっとレオパルト2が欲しいんだけど‥」
「へい、毎度!64000ケロになります」
「ほう‥‥おれたちにそんな大金を払えと?」
こういう役はショウに任せるのが一番だ。
「素直に渡してくれないとおれのかわいいペットをけしかけるぞ」
そう言ってショウは魔物になったデューンを指差す。
「なあ、越後屋さんよぉ‥‥金で命が買えるかい?」
「ヒィッ!お、お助けー!」
越後屋は逃げ出した。さすがだ。
帰りに役人に追われたのは言うまでもない。
「ずいぶん簡単に手に入ったな。」
「当分の間江戸には行けないけどね‥」
とにかくこれでなぞなぞには正解できるはずだ。
オレたちはなぞなぞじいさんの家へ向かった。
「すまんのぅ‥‥神のカケラは盗られてしまった」
「なんだって!」
「犯人は見たのか?どんな奴だった!」
「頭が3つに腕6本‥あれはまさしくアシュラだった‥」
「またアシュラか!」
「ダンよ‥‥多分おぬしの知っているアシュラとは違う。奴は簡単に言えば『異世界のアシュラ』じゃ。」
「異世界の?」
「そう‥あれはまさしく、わしとショウの住む世界のアシュラだった」
「くそっ、一足遅かったか」
「まあそうがっかりするな。
こたえをみせて みろ!
ムムダンよ おまえは
レオパルト2を
もってきておる。せいかいじゃ
これを やろう。これで 魔物になった
デューンを元に戻すことができる」
そう言ってじいさんは便器を取り出した。
「こ…これは浄化マシン!」
デューンは喜んでその中に入ろうとして、足を止めた。
「なんか凄いにおいがするんだけど…」
「うむ‥‥この前腹を壊したときに
どうしても我慢できなくての」
「そんな中に入れと?」
「嫌なら無理にとは言わん」
デューンは迷っていた。
人間を捨てて魔物として生きるか、プライドを捨てて便器の中にはいるか‥‥
「いいから早く入ってみなって!」
オレは浄化マシンの効果を見てみたいという好奇心でウズウズしていた。
鼻をつまみながらデューンをその便器の中へ押し込む。
「待った!待っ……
ぎにゃあああああああ!!」
断末魔の叫びが辺りになり響いた。
便器から再び出てきたとき、デューンは人間に戻っていた。結構おもしろい。中はどうなってたんだろう。
顔色が悪くなっているようにも見えたけど、きっと気のせいだろう。
強烈な異臭を放ちながら、デューンがつぶやいた。
「…うらんでやる…」
そうだ、これで先生も元に戻るかもしれない。
先生もこの便器の中に押し込んでやろう。
「ぎにゃあああああああ!!」
断末魔の叫びが辺りになり響いた。
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