寝床の場所選び 寝床の作り方 寝床での介護 寝床での排泄 寝床で行う運動 玄関に作る即席カーテン 夜鳴きの対策を練る 身体のためにマッサージ 犬用の酸素吸入器 |
★寝床の場所選び★ |
介護をする以上、1日の大半の時間を過ごす寝床の環境は、とても大事です。 外犬の場合、これまでと同じように外の犬小屋に入れておいては、わんこもかわいそうですし人間も大変です。 暑さ寒さがない、冷暖房のきく場所。人間の目が届きやすい場所。これらの条件を満たす場所といえば、やはり屋内の方がいいでしょう。 うちのわんこは、玄関に置くことにしました。散歩のときの出入りもしやすいし、隣の部屋とのドアを開け放てば、隣の部屋の冷暖房が届くからです。また、下がタイルなので、掃除もしやすいのです。もちろんこれをお読みの皆さまは、ご自宅の環境に合わせて置き場所を選んでください。 ちなみに、当然のことながら玄関は占領されてしまいましたので、我が家の人間用の玄関は勝手口になりました。 |
★寝床の作り方★ |
寝床の場所を決めたら、次は寝床を作ります。 元から家犬であっても、やはり今までの「眠るときだけ寝る」寝床とは、違う寝床にした方がいいでしょう。これからは寝床にいる時間が、格段に多くなるためです。 うちではこんなベッドを作っています。
1.マットを用意する。(横から見ると波形に見える、表面に溝の入っているものが良いです。床ずれしづらくなります)
マットはわんこの身体の大きさと、置き場所のスペースを考えて、一番いいサイズを探しましょう。また、一時しのぎならともかく、「これでいいや」と安易に妥協して、長く使うマットを選択してはいけません。寝たきりのためのベッドは、想像以上に大事なものです。 |
★寝床での介護★ |
寝床での介護で一番重要なのは、床ずれを作らないこと。床ずれは、一度できると治すのに大変な時間と労力と注意を必要とします。 そのためには、2〜3時間おきに人間の手で寝返りをうたせ、下になっている面を逆にするのが最も効果的です。共働き等で、昼間家に人のいないご家庭ではかなり厳しい条件かと思いますが、ともかくこまめにひっくり返すしかありません。長時間留守にする場合は、床ずれ防止に役立つドーナツ型クッションも市販されていますが、うちでは夜間のみ使用しています(新生児用の薄い枕を使用)。 人間の介助があれば立てるわんこの場合、寝返りをうたせるときは必ず立たせましょう。ずっと寝ているより血行の流れが良くなって、健康を保つことができます。また立たせたついでに、水も飲ませてあげるといいです。人間は気づかないけれど、わんこは案外水を飲んでいます。自分で飲めない分、人間がまめに飲ませてあげましょう。 寝たきりで、前足も後ろ足も動かないわんこに寝返りをうたせる場合、シーツを使う方法があります。シーツの端を持ち、それをめくって上にいるわんこをひっくり返します。あるいは、四つ足を全部持って、背中を軸に転がしてもいいでしょう。ただしどちらの方法も、ひっくり返した足が地面に激突したり、足を持った場合は上に上げすぎて脱臼しないよう、1回ごと十二分に注意してください。また、背中を軸に回転させる方法のため、ベッドサイズがわんこの大きさと同じ場合、わんこがベッドから大きくはみ出してしまいます。力のある方はわんこの位置を戻してもいいし、力に自信のない方は、新しいマットを買い足して倍の広さを確保するのがいいかと思われます。 食後すぐにひっくり返すのは、絶対に避けてください。食べたものを吐き出す可能性もありますし、何より胃がねじれて、胃捻転になる恐れがあります。(胃捻転は一刻も早く手術しないと命にかかわる、大変恐ろしい病気です。大型犬は特に起こりやすいそうなので注意しましょう)できれば食前にひっくり返すのが好ましく、食後はしばらく置いてからひっくり返しましょう。食後すぐに寝返りをうたせるときは、必ず立たせてからゆっくり逆方向に寝かせます。 |
★寝床での排泄★ |
寝たきりになったわんこは、食事も寝床の上ならば、排泄も寝床の上です。少しでも立たせてあげられるのならば、そして排泄用の筋肉がある程度残っているならば、寝床の外でさせてあげることもできます。しかし立てないわんこや、自分で排泄する筋肉の残っていないわんこは、人間ができるかぎり寝床を汚さないよう、排泄を手伝ってやる必要があります。後ろ足の筋肉が落ちると、下半身に力を入れづらくなり、うまく排泄できなくなるのだと思います。また、本来筋肉のあった場所にスペースができ、おしりの内側にポケットができて、便がたまりやすくなります。これは男の子に多い現象だそうです。 おしっこは、カテーテルでとることができます(ただし、うちのわんこはまだ、自力で吠えると自然におしっこが出てくるので、カテーテルを使う必要がありません……。ペットシートの上にタオルを八つ折りにして、1日6〜8枚ぐらい使いますけど。これから先、使うことがありましたらまたここを更新します。皆さまが使う前には、獣医さんに相談してみてください)。 便の出にくいわんこは、まず腸内環境を整えます。牛乳やミルミルを使って、便秘や下痢にならないよう、調整しましょう。(→わんこのための飲み物) 便が出ないわんこは、人間の指で掘り出してあげます。使い捨ての薄手のビニール手袋をつけ、滑りを良くするために水で薄めたせっけん水を手袋につけます。髪の長い方は、シャワーキャップ(お風呂に入るとき、髪を濡らさないキャップ)をかぶれば、流れるアメイジング・グレイス、気分は財○教授(by白い○塔)。…あまり快い作業ではないので、こんな風に気分を高揚させてやるのもひとつの方法です。 肛門から指を1本入れれば、柔らかい便と弾力のある腸壁(筋肉)は、感触でわかります。便を掘り出し、紙でふきとってビニール袋に捨てましょう。わんこは嫌がるかと思いますが、ここは心を鬼にして頑張ってください。ひとまず指の届く範囲だけ取れれば大丈夫。ただし指の届く範囲内でも、全部きれいに空っぽにするのは難しいと思います。8割とれればかなりきれいになりますので、取りづらくなってきたら、腸壁を傷つける前に終わりにしましょう。 人間の爪は、必ず短く切ってから掘り出してください。長い爪は腸壁を傷つける恐れがありますし、薄いビニール手袋をつきやぶってしまう可能性もあります。必ず切ってから作業しましょう。 おしっこと同じく、年をとると肛門の括約筋がゆるみ、便がもれてしまう場合もあります。そういう時はこまめに拭くしかないのですが、紙の素材や拭く回数によって、おしりが真っ赤に腫れて、荒れてしまうことも。そんなときは、床ずれを洗う時と同じ方法で、おしりや周りの毛を洗ってあげてください。(→床ずれに注意しましょう) うちで行ったときは、1日2回で驚くほどスッキリ白く……(洗剤じゃないんだ)スッキリぴんく色になりました。これはおしっこの出口が同じく赤くなったときにも応用できると思います。 |
★寝床で行う運動★ |
わんこの足が歩けなくなると、歩けた頃にくらべて、運動量は激減します。後ろ足が少しでも動く場合は完全に動かなくなるのを遅らせるため、全く動かない場合は多少でも運動にするため、後ろ足を動かす体操をしましょう。
1.足の先を持って、軽く曲げる。 全体回数は、わんこによって変わると思いますが、左右毎日1セットずつ行うだけでもずいぶん違います。特に寝たきりになると、血行が悪くなり、食欲が落ちる、ボケやすくなる、新陳代謝が悪くなるといいことがありません。しっかり動かして、血行を促進してあげましょう。 |
★玄関に作る即席カーテン★ |
うちのわんこは、介護状態になってから玄関に置いています。同じように玄関に置いてらっしゃる方、結構多いのではないでしょうか?そして冬に、玄関は寒いなあと思っていませんか? 玄関は、元々暖房がないだけでなく、扉から案外寒い空気が入ってくるもの。また他の場所でも、カーテンや雨戸のない扉からは、寒い空気が入ってくるものです。玄関の戸も材質によりけりですが、夜に手を近づけて、空気が冷たいと感じたら、その扉は防寒にはなっていないということです。カーテンをつけてあげることをおすすめします。布1枚でそんなに違うの?とお疑いの方は、真冬の日暮れから5時間、部屋のカーテンを閉めないでおいて、カーテンを閉めた部屋と比較してみてください。地域によって違いは出るでしょうが、関東でもすぐわかるぐらい違います。 カーテンを張るときは、本物のカーテンを使用する必要はありません。大きめのタオルケットと横に通す棒を使うのが便利です。棒は長さを自由に調節できるもので、扉のサイズのもの(手芸店やホームセンターに売ってます)。扉に棒をつかえさせる凸凹がない場合は、壁にはりつけるフックを買いましょう(同店にあると思います)。棒を扉の内側のところにつかえさせ、タオルケットを洗濯物を干すときのように張ります。洗濯バサミを使うと落ちません。1日の終わりの頃、その扉を開けなくなって(外出しない時間になって)から張っても十分防寒効果があります。分解して片づければ、毎日の片づけもカンタンです。また、タオルケットは冷気が入らないよう、下は引きずるくらい、左右も扉の端まで覆うようにしましょう。 |
★夜鳴きの対策を練る★ |
年寄りや要介護のわんこは、なぜか夜鳴きをする子が多いようです。これは獣医さんにも原因がはっきりわからないそうで。人を呼んでいる、体を動かせないストレス、痴呆によるものと、説はいろいろありますが、根本的な原因がわからないので根本的な治療法もないのが現状です。 そのため、「鳴かなくする」というのは難しいですが、「人の安眠を保つ」という方法はいくつかあります。
【1】口輪をつける
【2】撫でて落ち着かせる
【3】置き場所を変える
病院に夜鳴きを相談すると、鎮静剤を勧められることがありますが、鎮静剤・睡眠薬は最後の手段にしましょう。安易に使用するのはお勧めできません。うちのわんこがもらった睡眠導入ホルモン剤は、幸い問題ありませんでしたが、犬用の鎮静剤や睡眠薬は、副作用の強いものが多く、食事を取らなくなってしまうことも多いようです。 |
★身体のためにマッサージ★ |
人間もそうですが、寝たきりが長くなると、わんこは身体が痛くなってしまいます。カゼをひいて長い時間寝ていたとき、身体が痛くなった経験は誰しもあるのではないでしょうか。まして寝たきりわんこは自分で寝返りができないので、あちこちが痛くなると思われます。 そんなわんこには、飼い主がマッサージをしてあげるとわんこも喜びます。身体の痛みが和らぐだけでなく、寝たきりで悪くなっている血行の促進にも役立ちます。足のマッサージと一緒にやってあげるといいでしょう。 肩や背中を揉みほぐしたり、強めにさすってあげたりしましょう。身体全体をこすってあげるのもいいと思います。専門的な知識はなくとも、いつも下になっている部分を重点的にマッサージしてあげれば大丈夫です。床ずれがある場合は、その周囲も一緒にマッサージすると、治りが多少早くなります。うちのわんこにやっても気持ちいいらしく、長く鳴いているときに行うと鳴き止んだりします。 小型犬の場合は身体が小さいので、大型犬と同じようにはこすらないでください。やったことはないので断言できませんが、いつも撫でるのと同じか、ちょっとだけ強めぐらいの強さでいいのではないでしょうか。 |
★犬用の酸素吸入器★ |
うちのわんこが肺炎のような症状で亡くなってしまったので、つい管理人Aが見つけてきてしまいました。小動物用の酸素吸入器を個人宅に貸し出してくれる会社があるそうです。 うちで利用したことはないのですが、もし使用したことのある方、またこの情報を見て使用した方がいらっしゃいましたら、ぜひぜひ使い心地や会社の対応等教えていただけると参考になります。 貸し出してくれる会社はこちらのテルコム株式会社というところ。喘息で苦しそうなわんこのいらっしゃるご家庭は検討してみてはいかがでしょう? なお、現在小動物用とのことなので、小型犬や猫のサイズのケージしか貸し出せないそうです。ただし、大型犬の場合はケージに透明なカバーをかけて自宅で特製ケージを作り、機械のみを借りれば大型犬の使用も可だとか。
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