<大きいお友達のための二人の会話 完全版>


 「なぁリナ。どうせなら栄養のあるもん食わせてくんないか? 今夜あたりさ♪」
 それの裏の意味を察したリナが、真っ赤になって言う。

 「……! …何考えてんのよ、バカ」
 「ダメかぁ?」
 「ダメに決まってんじゃない! あんた風邪ひいてんでしょぉ!?」
 「お前も風邪引いてんじゃないのか? 顔が真っ赤だぜ」
 「ほっとけ!」

 座ってるリナを上目遣いに見て、甘えるように言うガウリイ。

 「でもなぁー。オレは食べたいんだけどな♪」

 そのまましばし視線をあちこちにさまよわせ、リナは考える。

 「しょっ…しょーがないわね……。ちょっとだけよ?」
 「お、ホントかリナ! サンキュー!」

 恥ずかしそうにリナは額のバンダナを外した。そしてそれを手に持ったまま、部屋の外へ出ていく。
 去り際、ガウリイの方を肩越しに振り返って、

 「ちょっと待っててよ。…寝たら許さないからね!」

 それから少しして、わずかな水音が聞こえてくる。
 今頃、リナが水を使っているのだろう。ガウリイはそう思いながら、心を踊らせていた。
 果たして時間を置いて。リナが部屋のドアをノックする。

 「ガウリイ…。お待たせ……」




















 「ほら、作ってきたわよ。消化にいいスープにしたからね!」
 「おっ、悪いなぁ。一度食べてみたかったんだ、おまえの手料理♪」
 「もう、それ食べたらちゃんと寝てよ! 風邪ひいてんだから」
 リナは髪をまとめていたバンダナを額につけなおす。

 「まったく、誰から聞いてたの? あたしが料理作れるなんて」
 「アメリアから。一度だけ食べて、すっごくうまかったって聞いたことがあってな」
 「アメリアったら…。あたしが恥ずかしいじゃない。今度会ったらとっちめてやる!」
 「何でだ? 別に隠すようなことじゃないだろ」
 「それが乙女心ってもんなのよ。この天才魔道士リナ=インバースにそんな家庭的なとこがあるなんて…恥ずかしいじゃない」
 「オレはいいと思うけどな。これなら毎日でも食べたいぞ♪」
 「なっっっ…………!!」

 ガウリイの言ったことが単なる褒め言葉なのか、それとも遠回しなプロポーズなのか、どっちにしても言葉を失ってゆでダコになるリナなのでした。まる。




***************************

 ほぉら、大人の会話♪
 お子ちゃまにこのオトメゴコロはわからんだろう♪
 ではでは。わっはっは!




 本文に戻る
 小説1に戻る