2007年4月
古代東方博物館(古代オリエント博物館)
イスタンブール考古学博物館と同じ敷地内にあり、チケットも共通の古代東方博物館(古代オリエント博物館)。
バビロニア、アッシリア、エジプト、ヒッタイトなどの古代王国文明の遺物・出土品約2万点を収蔵した博物館。
ヒッタイトとエジプトで結ばれた世界最古の平和条約である「カディシュの条約」の粘土板は必見となっている。
そして私の目的も篠原千絵さん著「天(そら)は赤い河のほとり」の影響でこの「カディシュ条約」の粘土板をこの目で見ることだった。
入り口を最初に目についたのが上の動物たち。これがバビロンのイシュタル門の彩色レリーフのようです。これが何十枚も連なっていたらさぞかし壮観だったことでしょう。
そして右の粘土板が私がこの古代東方博物館を訪れた最大の目的である「カディシュの条約」の粘土板。
これだけは、これだけのためのスペースを与えられて単品でスポットライトに照らされて別格の扱いを受けていました。
ヒッタイトのハットゥシリシュ3世とエジプトのラムセス2世とで結ばれた人類史上最初の平和条約。ラムセス2世、エジプトへ行ったときに耳にタコができるほど聞いた名前がトルコでも再登場。いろいろな方面に活躍(?)した古代エジプトのファラオだこと。
これを見られただけで、この博物館見学の目的を達して大満足になってしまった。
カディシュ条約の粘土板
上の戦車のレリーフを撮影したのは、はっきり言って個人的趣味のなせるわざです。ヒッタイトといったらやはり戦車でしょう。と勝手に思い込んでいるのです。(笑)
戦車のレリーフ
スフィンクス?
スフィンクスのようなものは、可愛かったから。ただそれだけです。
左の写真の中央はアナトリア文明博物館で見た青銅製のスタンダードとよく似た感じなので撮影しました。アナトリア文明博物館のスタンダードは動物が3頭で、こちらは2頭ですね。
右の写真の壷は描かれた鳥の姿がユーモラスで可愛いのでお気に入りです。
他にも彫像やレリーフがたくさんありましたが、その中でも気に入ったものです。
古代の個性的な遺物が多数展示されており、見学者もさほどは多くないので、イスタンブールの喧騒に疲れた心を癒し、古代のロマンにじっくりと浸るのにはもってこいの場所です。古代東方博物館は、私が参考にしたガイドブック2冊ともに、博物館の紹介としては、収蔵品の写真は全く掲載されていなかったのです。ですから、実際に行くまで「カディシュの条約」の粘土板がどういうものか全く分からない状態でした。
ですので展示品については、個人的趣味で撮影したものがほとんどです。