フェルメール展 光の天才画家とデルフトの巨匠たち
東京都美術館
2008年8月2日


 当初は8月10日に行く予定にしていたフェルメール展。他の遊びの予定との兼ね合いで急遽8月2日、つまりこのフェルメール展の初日に繰り上がりました。
 企画展の初日に行くのは初めて。果たして混雑しているのか、空いているのか、それは行ってのお楽しみ。

手紙を書く婦人と召使い
上野公園にて

 上野駅に到着したのは9時5分頃。9時前に東京都美術館に着いて開館まで並んで待つ予定だったのが、どうしてこうなったのか。(笑)

 駅からは東京都美術館に向う人波に乗る。これはかなり人出があるらしい。

 東京都美術館に向う道には、係りの方が出て「フェルメール展は○○です」と道案内をしている。東京都美術館に行くのに道案内が出ているのに遭遇したのは初めて。フェルメール展で混雑が予想されるから?さすがフェルメール展。

 9時10分頃に東京都美術館に着くと、開場前に並んでいた方々は既に全て入場済み。これは逆にナイスタイミング?嬉々として入場するとそこには絵を見るための行列ができていました。
 折角だから、行列に参加しましょう。
 展示作品数38点、1点2分として76分だから、1時間30分で一回りできるかなぁ〜、が最初の目論見だったけれど、この展示作品最前列で見るためのカニの横歩き行列が出来ていて、初っ端で当初の構想は崩れ去ってしまいました。

 ヤン・ファン・デル・ヘイデンの「アウデ・デルフト運河と旧教会の眺望」(デトロイト美術館所蔵)は運河のレンガが細かい。この絵を15年後にやや遠くから描いた「アウデ・デルフト運河から見た旧教会の眺望」(オスロ国立美術館所蔵)が隣りに展示されている。後者の方が落ち着いた感じに見える。この2つの絵が隣りあって鑑賞できるのも企画展ならでは。

 パウルス・ポッテルの「馬屋のそばの人々と馬」の手前に描かれている鶏がプリティです☆

 ピーテル・デ・ホーホの「食糧貯蔵庫の女と子供」の子供は解説によると男の子?!女の子にしか見えない。当時の風習だそうですが、それにしてもこんな子供にビールを飲ませますか!?

マルタとマリアの家のキリスト
上野公園にて

 前半23点の展示品を鑑賞して、フェルメールの作品にようやく辿り着いたのは入場して約1時間後。

ディアナとニンフたち
上野公園にて

 まずは「マルタとマリアの家のキリスト」。フェルメール唯一の宗教画だそうです。フェルメールの絵にしては大きくてビックリです。フェルメール展ではなく普通にスコットランド・ナショナル・ギャラリーで見たら、きっと大きさと題材で、私にはフェルメールの絵とは気づけない作品に思えました。m(_ _)m

 次は「ディアナとニンフたち」。フェルメール唯一の神話画だそうです。「マルタとマリアの家のキリスト」よりも小さいけれど、やはりフェルメールにしては大き目な作品。女神さまのヘアバンドの三日月が可愛いです♪でも、ニンフと女神さまの区別がこのヘアバンドの三日月だけなのは、解説がないと見落としてしまいそう。

 3番目は「小路」。当初、描かれていた通路の入り口の女性が塗りつぶされて奥行きが出されたらしい。手前のかがんで遊んでいる子供たちが何をして遊んでいるのかなぁ。この絵の前で立ち止まっている方々多数。そのため、2番目の「ディアナとニンフたち」の手前からカニの横ばい進みがストップしていていました。(^^;)

 ここで、展示室が変わるため、通路を歩きます。
 展示室が変わって最初の絵は「ワイングラスを持つ娘」。男性の下心全開。鑑賞するために動いているのに娘の視線がついてくるような気がします。娘の表情と視線からすると男性に対して「何者!こいつ!!」って感じかな。

 「リュートを調弦する女」は、いかにもフェルメールな作品。額もかわっていてgood。柔らかな光を感じさせて、静かな印象。窓の外の何を見ているのでしょうか。恋人が来た?通りで事故があった?いろいろな連想をかき立てさせてくれます。

 次は本来は「絵画芸術」ですけど、出品不可となったため、急遽、出展が決まった「手紙を書く婦人と召使い」。これもまさにフェルメール。テーブルクロスの質感と手紙を書く婦人の耳飾が綺麗。床のタイルに「牛乳を注ぐ女」と通じるものを感じます。手紙を書く婦人の傍らに立つ召使いの呆れたような、諦めたような表情と視線の泳がせ方による感情表現がリアルです。

 そして最後が「ヴァージナルの前に座る若い女」。私的にフェルメールの絵の大きさのイメージはまさにこの絵のサイズです。窓からの光を受けた肩掛けとスカートのひだとその影がやわらかなイメージを感じさせます。

 個人的に今回出品の7点の中で最も気に入った作品は「リュートを調弦する女」です。何かドラマを感じます♪
 

ワイングラスを持つ娘
上野公園にて

 フェルメールの作品、7点を見学するのに要した時間は約1時間。行列がですね〜、遅々として進まないのです。やはり正面でじっくり見たいですからね〜☆

ヴァージナルの前に座る若い女
上野公園にて


 オーストリアのウィーン美術史美術館所蔵の「絵画芸術」が直前に出品中止になり、「絵画芸術」が展示される予定だった場所に、急遽、出品の決まった「手紙を書く婦人と召使い」が展示されていたわけですが、「絵画芸術」と「手紙を書く婦人と召使い」は絵の大きさが違うらしく、絵を展示するための横木が「手紙を書く女と召使」の絵の後ろからにょっきりのぞいていたのが、いかにも急な変更を物語っていました。

 フェルメールの作品の後にも、展示品が8点あります。が、そこにはもう最前列で作品を見るための行列は存在しませんでした。来場者の皆さん、フェルメールの絵を見て満足して、その後はざっと流して見てスルーなのかな。結構気に入った作品もあったのだけど。
 そんなこんなで、フェルメールの作品の後の展示品を見学するのに要した時間は30分でした。(苦笑)

 38点の作品を鑑賞するのに約2時間30分。想定外に時間がかかりました。

 会場から出ても、入り口に行列は出来ていませんでしたから、超混雑ではなかった模様。
 東京都美術館でのフェルメール展見学を終え、ランチタイム♪ランチの場所は、国立西洋美術館のレストランすいれん。ネットでレストランのメニューを見て、国立西洋美術館のランチコースのお肉のコースを食べる気満々で、行列に並ぶ。スープ、サラダ、メインの牛肉、デザートのシャーベット、ドリンク付きで1,600円。個人的には国立新美術館3階のレストランのランチよりは国立西洋美術館のレストランのランチの方が好みかな。

スープ、サラダ、パン


牛肉のステーキ


シャーベット、アイスコーヒー
 上野駅から東京都美術館までの道すがらに目に付いたフェルメール展の看板は上記の5つでした。フェルメール展に出品されているフェルメールの作品は7点ですから、もしかしたら私が気づかなかっただけで、あと2つ看板があるのかもしれません。