ウフィツィ美術館自画像コレクション −巨匠たちの「秘めた素顔」1664-2010− |
損保ジャパン東郷青児美術館で開催中の『ウフィツィ美術館自画像コレクション−巨匠立ちの「秘めた素顔」1664-2010』展を観るために新宿へ。新宿へ着いたら、美術館へ向かう前に昼食を摂ってたっぷり栄養&水分補給をします。
本日の昼食はロシア料理。最近、なぜかロシアがマイブームな私。何年か前に新宿のミロードのレストラン街でロシア料理を食べた記憶が甦っての再訪です。
ハト豆と緑のサラダ
ボルシチ
壷焼き
ロシアアイス紅茶
久々に食べたロシア料理。ボルシチも壷焼きもおいしくて大満足。壷焼きは4種類の中から海老とキノコと緑の野菜の壷焼きをチョイス。季節ごとに変えている壷焼きの蓋のパンは今回はゴマと大豆のパン。この辺、日本人の口に合うように和を意識しているのでしょう。おいしいからOK♪ロシア料理なので、飲み物はやはりロシア紅茶をチョイス(笑)。アイスをオーダーしてどうかなと思っていたら、これもしっかり紅茶の風味がしてプラス苺ジャムの甘酸っぱさもあっておいしかったです☆
損保ジャパン
ビル前にて
大満足の昼食に意気揚々と損保ジャパン東郷青児美術館へ。
本日は「お客さま感謝デー」の無料開館日。はい、しっかり狙って行きました。
初めて訪れた損保ジャパン東郷青児美術館。矢印の指し示す通り進むと、エレベーターホールに列ができていました!考えることは皆同じなのですね。50人くらいは並んでいたでしょうか。並んで20分くらい待って直通エレベーターに乗れ、美術館フロアへ。
美術館の中自体は、エレベーターホールに待ち行列ができているほどには混雑していません。エレベーター待ちで程よく入場制限して人数が抑えられているような気がしました。
自画像コレクションなので、当然のことながら自画像ばかりです。
第1章 レオポルド枢機卿とメディチ家の自画像コレクション
自画像の解説に画家の紹介文と代表作と思われる作品が掲示してありました。↓の「聖女テレサの法悦」が紹介されていたのがベルニーニ。ベルニーニは彫刻家とばかり思っていたので、「絵を描いていたのですか〜」とベルニーニの「自画像」に向かって話しかけてしまいました。
今回の展覧会のグッズの中に、代表的な画家(?)16人の自画像を集めたA4ダブルクリアファイルがありました。→の右下の自画像がベルニーニ。
ヨハンネス・グンプの「自画像」は、自画像を描くための鏡に映る本人の顔、自画像を描く本人の後姿、キャンバスに描かれている自画像と、自画像を描くときの姿が描かれていて面白く、これが今回の私の1番のお気に入りになりました。
展覧会グッズ
購入したA4ダブル
クリアファイルより
「聖女テレサの法悦」
サンタ・マリア・デラ・ヴィットリア教会
2009年10月 ローマにて撮影
↑の左上の「自画像」はレンブラント。レンブラントの自画像は他にも見た記憶があります。
フランチェスコ・プリマティッチョの「自画像」は到底20代には見えません。もっと老けて見えるということは、正直者なのかな。(老けて描くのを正直者と思えるのは、描いたときの年齢からすると、すごく若く描く人が何人もいたからです)
ラヴィニア・フォンターナの「自画像」(↑の左側中央の円形の肖像画)は、洋服の首部分のレースが細かく描かれています。
ヴェントゥーラ・サリンベーニおよび/またはフレンチェスコ・ジョバンニの「ヴェントゥーラ・サリンベーニ、フレンチェスコ・ジョバンニ兄弟とその両親の肖像」(→の右上の4人が描かれているもの)は、珍しい一家の肖像画。なんとな〜くお母さまだけ後で付け足されたように見えるのは気のせい?
ロザルバ・カッリエーラの「自画像」(→の一家の自画像の右斜め下の白いドレスの女性の自画像)の手に持っている絵に描かれているのは本人の妹さんだそうです。一瞬、自分の自画像を持つ自画像を描いたのかと思ってしまいました。妹さん、お姉さんによく似ています。
→の中央の黄色いドレスの女性の「自画像」は、ティントレッタ。ほよ?と解説を見たら、ティントレットの娘さんなので通称ティントレッタなのだそうです。それって本人にとってはどうなのでしょう?
第2章 ハプスブルク=ロートリンゲン家の時代
展覧会グッズ
購入したA4ダブル
クリアファイルより
「マリー・アントワネットの
肖像画を描く
ヴィジェル=ル・ブラン」
マリー=ルイーズ=エリザベート・
ヴィジェル=ル・ブラン
アングルの「肖像画」(↑の下段中央)は、78歳のときの自画像で恰幅がいいですね。これは年齢相応かな。
そして、この展覧会のポスター等に使われているマリー=ルイーズ=エリザベート・ヴィジェル=ル・ブランの「マリーアントワネットの肖像画を描くヴィジェル=ル・ブラン」は、フランス革命後の亡命中の絵で、ものすごく可愛らしい少女のような女性が描かれていますが、描いた当時のヴィジェル=ル・ブランは35歳!だったそうです。35歳ですよ。←の絵の女性、私にはどう見ても20歳前後にしか見えないのですけれど〜!いくらなんでもさば読みすぎではありません?
リチャード・コズウェイの「自画像」も60代後半のときの絵だそうですが、絵に描かれているのは20代の男性で……。
第3章 イタリア王国の時代
フレデリック・レイトンの「自画像」は、神話の登場人物のように見えました。
第4章 20世紀の巨匠たち 1920−1980
藤田嗣治氏の「猫のいる自画像」は、氏の顔と猫のアップのリトグラフで、妙にユーモラスで思わず顔がほころんでしまいました。
シャガールは、「自画像」(→左下段の青い絵)を自ら美術館へ持参して美術館側の大歓迎を受けたとか。それがきっかけで、中断していた自画像の蒐集が再開したと解説にありました。
第5章 現代作家たちの自画像と自刻像 1980−2010
展覧会グッズ
購入したA4ダブル
クリアファイルより
マリー・ルイーズ・ド・ギール・ベルエンストラーレの「自画像」は、黒いカーテンの隙間から覗く鼻だけ。
この時代になると、いわゆる“自画像”のイメージではなく、何でもありな感じになっています。
自画像コレクションは、美術館側から自画像を依頼した方もいるし、画家自らが寄贈したものもあるそうです。美術館の事情、世界情勢などでコレクションの蒐集をしていなかった時期があったり、蒐集していても公設のサロンなどを通じて依頼をしていたので、グループ展などへ出品していた画家たちは、そこからもれてしまったそうです。そういうわけで、印象派、後期印象派、ポスト印象派の画家の自画像がないですね〜。
前半はじっくり、後半は気持ちスピードアップして、1時間5分の鑑賞時間でした。