「シャガール ロシア・アヴァンギャルドとの出会い」展 |
「ロシアとロバと
その他のものに」
シャガール
この「シャガール ロシア・アヴァンギャルドとの出会い」展を観に行ったタイミングがよかったのか展示室内は、見学にはもってこいの快適な環境…つまり、1つの展示室内にいる見学者を数えられるほどで、右に左に前に後に、思う存分自分のペースで動いて見学できました♪いつもこうだといいのですが…。
T.ロシアのネオ・プリミティヴィスム
シャガールと、ゴンチャローワ、ラリオーノフの作品で構成されています。ゴンチャローワとラリオーノフの2人とも、色鮮やかな絵を描く画家さんとの印象をうけましたが、真実はいかがでしょうか。
シャガールの「死者」で、バイオリン弾きが屋根の上にいるのが印象的。
個人的に「アトリエ」は色合いは違うけれど、ゴッホの「アルルのゴッホの寝室」をイメージさせるものがありました。
U.形と光−ロシアの芸術家たちとキュビスム
この章のメインは「ロシアとロバとその他のものに」。
ロシアの画家とシャガールとの関わりや、時代背景を理解していれば、もっと興味深く見られたのではないかと思います。
「ロシアとロバと
その他のものに」
シャガール
「緑色の恋人たち」
シャガール
V.ロシアへの帰郷
「緑色の恋人たち」と「灰色の恋人たち」のモデルの女性はシャガールの妻のベラで、男性はシャガール自身だそうです。「緑色の恋人たち」のベラの表情には、私には感情が感じられないです。
この章では、カディンスキーの小さめのサイズの作品が6つ連続で展示されています。カディンスキーのファンの方にはいいかもしれません。
W.シャガール独自の世界へ
「彼女を巡って」は、1945年に亡くなったベラを悼んで、1933年に描いた大作「サーカス」の左半分を分割して描き直したものだそうです。「彼女を巡って」の脇に、モノクロの小さいサイズの、「サーカス」の写真(?)が展示されていて、どう描き直したか対比が出来たのがよかったです。かなり手を入れてますね。
「彼女を巡って」
シャガール
「日曜日」
シャガール
「日曜日」はシャガールとシャガールの2人目の妻を描いた作品だそうです。
この絵が今回の展示品の中では、私が抱いているシャガールの絵のイメージに最も近いものです。こういった絵が多いのかと思っていたら、今回の展示作品の中では少数派でした。
「イカルスの墜落」でイカルスが墜落するのは、シャガールの故郷のヴィテブスクだそうです。郷愁、なのでしょうか。シャガールはいつまでも故郷を大切に思っていたようです。
X.歌劇「魔笛」の舞台美術
モーツァルトの「魔笛」を舞台化する際に、シャガールが舞台美術や出演者の衣装デザインを手がけたスケッチなどで構成。こういう類の物を目にする機会はあまりないので、この展示室が私的に1番興味深かったです。特に、「動物たちのバレエ」で様々な動物の衣装が描かれているのが、見ていて微笑ましかったです。
東京藝術大学大学美術館は初めてお邪魔しましたが、展示室が地下2階と地上3階の2か所に別れているのは、動線上、疑問を感じる展示室の配置ではありました。
カニの横ばいもなく、快適に様々な角度や距離から作品を鑑賞して、1時間10分でさくっと見学が終了しました。