シュテーデル美術館所蔵
フェルメール《地理学者》と
オランダ・フランドル絵画展

2011年3月
 JR渋谷駅ハチ公口改札前に、中止(延期?)となった3月21日から東京で開催予定だった世界フィギュアの特大広告がありました。たとえ一瞬とはいえ、それを乗降客を入れずに写真が撮れる瞬間があるとは…。
 個人的には、代替国開催でもいいから、今シーズン中に開催していただけたらと思いますが…。
 ※2011年4月25日〜5月1日に、モスクワで代替開催され、女子シングルで安藤美姫選手が金メダル、男子シングルで小塚崇彦選手が銀メダルを獲得しました。
 Bunkamura ザ・ミュージアムで開催中の「シュテーデル美術館所蔵 フェルメール《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展」。

 最近の日本で開催される何とか美術館展の枕詞となりつつある「改築工事のため」日本に貸し出されたもので、「これだけまとまったコレクションが貸し出されるのは最初で最後」だそうで、出品されている95作品中、90作品は日本初公開だそうです。
 地下1階にあるザ・ミュージアム。
 エスカレータで降りて行くと、←の壁が目に入ってきます。エスカレータを降りて左に曲がると、美術展の会場入口。

 どのくらいの人出なのか全く予想もつかずに行ったら、当日券売り場の窓口に当日券を買い求める方が数人並んでいるくらいで、前売券を持っている人間は並ばず入場できました。
 10時30分、見学スタート。
 内部も想像以上に人が少なくて快適に鑑賞。カニの横ばいになることもなく、自分のペースで進めます。

 会場内は、

 歴史画と寓意画
 肖像画
 風俗画と室内画
 静物画
 地誌と風景画

 に、セクション分けされて展示されています。

 歴史画と寓意画のセクションでは、
 フェルディナンド・ファン・ケッセに帰属する「ネズミのダンス」のネズミの瞳がキラキラ輝いているのが可愛くて気に入りました。テーブルの足のイルカはナマズにしか見えませんでしたが…。
 レンブラントの「サウル王の前で竪琴を弾くダヴィデ」は、少し離れるとよりサウル王への光と、影にうずくまるダヴィデが映えてまさに光と影のレンブラントな感じでした。

 肖像画のセクションでは、
 フランス・ハルスの「男の肖像」と「女の肖像」は、いかにもこの時代のオランダの裕福な商人夫婦というフランドル絵画特有の雰囲気が感じられて好きです。しかし、この「男の肖像」の男性は44歳とは…20歳は老けて見えます。
 そして極めつけ!バーレント・ファブリティウスの「自画像」は、まさにマイケル・ジャクソン。ネットでそういうお話しを拝見して楽しみにしていたら、まさにそのとおりで、特に口元からあごの辺りがそっくりでした。

 風俗画と室内画のセクションに、今回の展覧会の超目玉作品であるフェルメールの「地理学者」が展示されています。

「地理学者」
フェルメール

 「地理学者」だけ長方形の壁の一辺の長いほうにこれだけ展示され、その左右の端に、松浦資料館から特別出品されている絵が描かれた時代頃(1700年)の「地球儀」と「天球儀」があるのは、憎い演出。また「地理学者」に向かって右の壁には、神戸市立博物館から特別出展されている当時(1695年)の地図と、「地理学者」の鑑賞ポイント

 1.地球儀
 2.地図
 3.コンパスと定規
 4.上着
 5.デルフト焼きタイルとゴブラン織り

を解説した映像が流されていました。こういった直前ミニ解説は、分かり易いし、観鑑賞のポイントが分かるのでありがたいです。
 地球儀、地図、コンパスと定規、上着、デルフト焼きのタイルとゴブラン織りを目に焼き付けようとじっと見つめます。地球儀は解説によるとインド洋のところがこちらを向いているそうですけれど、どんなに観てもインド洋なのが分かりません。単眼鏡とか双眼鏡が必要なのでしょうか。上着は日本風のものだそうで、ついドテラとか思ってしまいました。
 これまで日本でフェルメールを観たなかでは最も人が少なくて、多いときでも「地理学者」さんを囲む人垣は10人いなかったのではないかと思います。少ないタイミングでは「地理学者」さんを3人占めしていた瞬間もありました。近くで観て、やや後ろに下がって観て、部屋の中央のソファに腰掛けて観て…人垣は1重で、2重目があったとしても2、3人なので、人の頭の間から「地理学者」さんの上半身はしっかり観えます…、また近づいて最前列で観てを繰り返し、すっかり堪能しました。

 静物画のセクションは、毛虫のいる絵に怯みつつ先に進みます。

 地誌と風景画のセクションでは、ヤン・ファン・ホイエンの作品たちの高い空がいいなぁと感じました。

 一通り見学した後、再び「地理学者」に戻って、じっくり鑑賞して、本日の見学は12時5分に終了。

 今回は、珍しく図録(2,500円)を購入てミュージアムショップを出たのは12時20分。

 1点豪華主義といえなくもないかもしれないけれど、オランダ・フランドルの絵画も十分楽しめました。
 昼食は、私が大好きな紅茶のお店で。このお店のアイミティが大好きなのです。

 ランチ(スープ、サラダ、ライス、ドリンク付、980円)から、日替わりの若鶏のソテー、チーズ乗せをチョイス。

スープとサラダ


若鶏のソテー


アイミティ

 ランチのアイミティをラージサイズにしたらどうなるか尋ねたら、+100円というので、即決でラージをお願いしました。
 フェルメールの「地理学者」を観て、美味しい紅茶を飲んで、ほっと一息ついたのでした。