奇跡のクラーク・コレクション
−ルノワールとフランス絵画の傑作

2013年2月

東京駅地下街にて

 三菱一号館美術館で開催中の「奇跡のクラーク・コレクション」展へ行きました。三菱一号館美術館へ行くのは、開館時のマネ展以来のかなりお久しぶり。今回は、東京駅地下街と結ばれた連絡通路を通り、エレベーターで1階へ上がり、ドアが開くと目の前に入場待ち行列がありました(笑)。10時5分で入場待ち行列…。三菱一号館美術館は、入場口の1階から展示室の3階(から見学しながら2階へ降りてくる順路)へエレベーターを使用して上がるので、1回の入場者数を10人前後の小分けにしていたので、待ち行列が発生していたようです。10分くらいの待ちで入場できました。

 3階の展示室入口付近であたりを見回したけれど、出品リストが見当たりません。あれ?と思いつつ見学を開始。
 最初に三菱一号館美術館の館長さんのご挨拶。
 そのご挨拶、個人的に要約すると、“お客さんがたくさん来てくれる展覧会が開催できて嬉しいな♪”という喜びに満ちた内容に受け取れ、思わずほっこりしてしまいました。

 クラーク・コレクションの印象派・ポスト印象派の絵画からの企画展示で、クラーク美術館の改修に合わせた世界巡業の一環として東京展・神戸展開催だそうです。“改修中”の来日。よく耳にするフレーズ(笑)。
 三菱一号館美術館は、細かく間仕切られた部屋での展示なので入場した最初のころの展示室では、“う!?どうしよう”的に1部屋に人が満載に感じられてしまいました。先に進むに連れて段々とバラケはしたものの、人気の作品やオーディオガイドの説明が1作品に2つもあるものの前では、かなり停留していました。

 モネの「小川のガチョウ」は、どこまでが道でどこからが水面なのか、思わず見入ってしまいました。同じくモネの「ジヴェルニーの春」や「レイデン付近、サッセンハイムのチューリップ畑」も、柔らかな雰囲気に包まれて好みの絵です。

 シスレーの「ビ付近のセーヌ川堤」と「モレのロワン川と粉挽き場、雪の効果」も印象に残りました。前者は近くで見たときに“好きかも”と思えたての離れてみると“あれ〜?”で、後者は近くで見たときはのっぺりして思えたのに少し遠くから見ると“いい感じ”に思えました。

東京駅地下街にて

 同じ作品なのに、作品と自分の距離が違っただけで、感じ方が変わるなんて不思議。

 私的に最大の目的は、22作品が来日しているルノワールの作品たち。展示方法がテーマ毎に分かれていて、ルノワールの作品もある程度まとまりつつ、全作品が一同に会していなかったのが、意外といえば意外でしょうか。バーン!と大集合!!しているほうがインパクトがあったような気がしないでもありません。

東京駅地下街にて

 解説によると←の作品は、注文主に受け取り拒否された後、奥のカーテン部分に描かれていた男性の姿を塗りつぶしたそうで、少しだけ男性の顔と肩が透けて見えていました。男性がいないほうがスッキリしてていいかな。

 ルノワールの1875年の自画像と1899年の自画像が出品されていたのに、この2作品が隣り合って展示されておらず、間に1作品挟むという微妙な展示方法なのは何故なのでしょう?

 私がイメージするルノワール作品の雰囲気な作品たちあり、「タマネギ」や「日没」などイメージと全然違うものありで、ず〜っと惹きつけられました。
 「うちわを持つ少女」は見たことがあるような気がするのですけど、どこで見たのか…。
 モデルの女の子が自分の服が気に入らなかったと解説にあった「テレーズ・ベラール」。私は服と背景の色が好きだけどなぁ。ま、私、センスないのは自覚してますが。

 ルノワールの作品の感想をもう1つ。「ヴェネツィア、総督宮」は、2009年のイタリア旅行で作品とほぼ同じところからサンマルコ寺院を見ていたので懐かしくもあり、嬉しくて心密かにはしゃぎました。

 ドガの「レース前」という作品を前にしたときは、思わず某BSの番組がここでロケをしたならば、某氏たちが馬の描き方について一論争(うんちく?)してくれるのではないか?と、勝手に想像して楽しんでしまいました(笑)。

 全体的に日本人好みの作品が多かったように感じられました。
 約1時間30分で見学終了。

 Cafe1894でランチしようと勇んで入店すると、ウェイトレスさんに「9組待ち。30分〜1時間待ち」と言われ、「待ちます!」。店内に置かれていた図録を見ながら待って、20分くらいで席に着けました。

 今回、予めネットで展覧会メニューをチェックして「光の中の昼食」に決めていたので、即座にオーダー。

Cafe1894 内部


写真向かって左から右へ
彩り豊かな親際を使った
コンソメテリーヌ
鴨とオレンジのサラダ仕立て
新じゃがいものポタージュ


有頭海老と帆立貝のソテー
アメリカ風
〜エディプルフラワーを添えて〜
パン
 パンorライスでパンをチョイス。
 特に前菜のポタージュ、テリーヌ、鴨肉が、どれと言わず美味しかったです。
 パンをチョイスだと食べ盛りの男性には少々ボリュームが足りないかも、な印象です。圧倒的に女性客なのでいいのかな。

 ウェイター、ウェイトレスさんはそれなりにいるのに、厨房のスタッフさんの手が足りていないのか、お料理が出てくるのに、やや時間がかかった感じがしました。