ラファエロ展

2013年3月

上野駅前にて

 昼食後の午後のまったりとしたひととき。

 朝一番でラファエロ展に訪れた方々が見学を終え、美術館を離れた頃合で、少しは空いているのではないか、と淡い期待を持って上野の国立西洋美術館を訪れました。

 国立西洋美術館に続々と人が吸い込まれていき、ラファエロ展の入場口までに、それは列と化していました。私の目論みは、ここで早くも崩れ去ったのを知りました。もの凄い人・人・人。

 入場するまでに、入場待ちの行列にはなっていなかっただけ、まだよかったのでしょうか。
 最初の展示室に入ったときに、あまりの人の多さに呆然として立ちすくんでしまいました。

 最初に私たちを出迎えてくれたのは、ラファエロ・サンツィオの「自画像」。これは、とってもよく目にするラファエロさん。

 ラファエロ・サンティさんだと思っていましたが、この美術展では“サンツィオ”に統一されているようです。サンティが英語読みでサンツィオがイタリア語読みなのかな。でも、お父さんのジョバンニ・サンティさんは、“サンティ”と表記されているのですよね〜。何故、お父さんはサンティのままなのかな?

「自画像」

 人垣が2重3重に出来ていて、最前列で何物にも遮られずに作品を堪能したいと思ったら、“忍”の一文字。ひたすらカニの横這いで、前の人が進むのについて行きます。オーディオガイドに聞きいって、ずっ〜と佇んでいらっしゃる方は、スキを見つけて何気にその方の先に進みました。

「大公の聖母」

 ラファエロは6歳で母を、11歳で父を失ったのだそうです。画家のお父さんに絵を教わり、お父さんの死後はその工房の人に絵を教わったのではないかという説もあるようです。ラファエロのお父さんが画家だったとは、不勉強で、この日、初めて知った事実でした。

 作品No.6、7の「父なる神、聖母マリア」(カポディモンテ美術館所蔵)とNo.8「天使」(ペルージャ、トジオ・マルティネンゴ絵画館所蔵)は、もともと1つの祭壇を構成していた絵だったのが、バラバラに切り離されてしまったものだそうです。ここで、何百年ぶりかで出会って、この展覧会が終わるとまた離れ離れになってしまうなんて、哀しい…。もしかしたら、他の企画展で会っている可能性もありますが…。
 No.16の「大公の聖母」がこの展覧会最大の目玉。壁1面にこの作品だけ展示されていて、“ビッグスター”な特別扱い。フィレンツェのパラティーナ美術館所蔵のこの作品、フィレンツェに行くたびにパラティーナ美術館に行く機会をうかがいつつ、なかなか機会に恵まれずに残念だったら、日本に来てくださいました。ありがたいことです。でも、パラティーナ美術館自体には行ってみたいなぁ。

 No.21の「聖家族と仔羊」は仔羊に跨ったイエスさまが子供らしくて見えて可愛らしかったなぁ。仔羊さんは迷惑そうな表情に見えたりして(笑)。

 ラファエロは自身の作品を版画にして、世間に多く自身の作品を広めるのに努めたのだそうです。

「大公の聖母」

 その関係で、この展覧会には、いくつもの版画作品が出品されていました。この版画を使用して世に自分の作品を広める流れは、現在、Bunkamuraザ・ミュージアムで展覧会が開催されているルーベンスにも引き継がれたのだそうです。そういう流れもあるので、もしラファエロ展とルーベンス展と両方見る機会があるなら、ラファエロ展を見てからルーベンス展を見るのが、自然な時の流れ、歴史の流れなのかなぁと、個人的に思ったりしています。

 ラファエロの作品を版画にしたものと、版画を元絵にした色付きの皿とか水盤が並べて展示してあったのが、すっごい面白かったです。それぞれ所蔵館が違うので、並んで見られるのもこの展覧会だけなのが、企画展ならではに思えます。

 いや〜、日本人、ラファエロが好きなんですね〜。こんなに混雑している美術展を見学するのは、いつぶりでしょう。目茶苦茶人が多かったです。まだ会期が始まって間もないのにこの混雑振り。会期終盤に向かって混雑度が増すと耳にしています。この先、どうなるのでしょうか。

 見学の所要時間は、13時50分から15時30分の1時間40分。全出品数61点の割に時間がかかったのは、とにかく、カニの横這いで先に進むのに時間がかかったため。

 ミュージアム・グッズ・ショップで、ミニ図録を購入。大きさも普通の図録の4分の1で、難しい解説はなく、出品作が網羅されている、私的にはいいかも☆な図録です。

ケーキセット


ケーキ

 見学途中に、糖分不足を感じた私は、見学後、国立西洋美術館のレストランでケーキセットをいただいて、糖分を補いました。同じような方が多いのか、ティータイムの入店にも待ち行列が出来ていました。ショートケーキともう1つ別のチョコレートケーキが品切れになっていました。赤いベリー単体で食べると超酸っぱい!チョコと一緒に食べると両方の味が重なってgood♪
 そして、上野公園内のチケット売り場でレオナルド・ダ・ヴィンチ展の前売りを購入して、意気揚々と帰路に着いたのでした。