ドルファン歴D26年4月。
俺はドルファン王国へ行く事になった。二本の剣を持って…。
ガイド「本船は、ただいまドルファン港に到着いたしました。下船の際には…」
ピコ「やっとドルファンに着いたね」
ゲイル「何だピコか…」
ピコ「何だピコか……って、もうちょっとアクティブなリアクションが欲しかったなぁ…」
ゲイル「悪いな…」
ピコ「その双剣、役に立つといいね」
ゲイル「ああ」
管理局員「あの…恐れ入ります。出入国管理局のものですが…」
彼女にはピコの姿は見えていない。
管理局員「こちらの書類に必要事項の記入をお願いいたします」
ゲイル「はい」
俺は、書類に名前等を記入をした。
管理局員「えー…、貴方は傭兵志願ですね?では、書類の写しを軍事務局へ回しておきます。
ようこそドルファンへ。貴方にご武運がありますよう、お祈り申し上げますわ」
俺は船を下りた。
ピコ「さっきの人から地図を貰ったでしょ?ちょっと見せて」
ゲイル「ああ」
ピコ「ん…と、シーエアー地区ってところに、あたしたちが入る宿舎があるみたいだね」
声「いやっ!放してください!!」
ピコ「あれっ?」
ガラの悪い連中が女の子を取り囲んでいる。
ピコ「女の子がチンピラにからまれているみたいね…」
ビリー「てめぇ、なぁに見てんだよ?文句あるのかぁ、その面はよぉ?」
ゲイル「その人を放してもらおうか」
ビリー「東洋人の兄ちゃんよぉ〜、カッコつけると痛い目に遭うぜぇ…、こんな風になぁ!」
ボカッ!
ビリー「てっ…てめぇ、いつか殺してやる…。次会う時は覚悟しとけよっ!」
チンピラは足早に逃げ去った。
女の子「あ、ありがとうございました…」
ゲイル「いや、当然の事をしただけだ」
女の子「あの…改めて御礼に伺いたいので、お名前だけでも教えて頂けませんか?」
ゲイル「いいけど?」
女の子「あ、すいません……。私、ソフィア・ロベリンゲと申します」
ゲイル「俺の名はゲイル。ゲイル=ラバーバ=ウィナー」
ソフィア「ゲイルさん…。素敵なお名前ですね」
ゲイル「そうかな?」
なぜか照れる俺。
ソフィア「ゲイルさん、いずれ改めてお礼に伺います。助けて頂いて本当にありがとうございました。
では、急いでいますので、これで…」
ソフィアは、恥ずかしそうに顔を赤らめ、立ち去ってしまった。
ピコ「カッコイイね〜!女の子を助けちゃってさ。よっ、色男! でも、どうして双剣を使わなかったの?」
ゲイル「相手を斬ってどうするんだ?」
ピコ「まっ、それはさておいて……っと」
無視されて、何となくムカついた俺。
ピコ「早く宿舎に行こう!もうすぐ日が暮れちゃうよ」
ゲイル「行くか」
俺は宿舎に着いた。
ピコ「まあまあの部屋じゃない。三年間お世話になるんだから、ここまでしてもらわないとね。
さぁて〜っと、明日から養成所通いだよ。なまった身体を鍛え直さなきゃ」
ゲイル「あまりなまってはいないけどな」
ピコ「それに、この国じゃ傭兵だって聖騎士になれるくらい出世の道が開かれてるんだから、頑張って手柄を立てなくっちゃね」
ゲイル「はいはい」
ピコ「それじゃあ、一週間のスケジュールを決めようよ。明日からはどうするの?」
ゲイル「剣術でも練習するかな?ソフィアに明日会えるといいな」
ピコ「一目惚れだね。憎いね〜、ゲイル」
ゲイル「別に良いだろ?明日から頑張るぞ!」
ピコ「聖騎士と、ソフィアとの中をね」
ゲイル「とにかく寝るぞ!」
ピコ「おやすみ〜」
次の日の朝 。
ピコ「ゲイルおはよう〜…って、何やってるの?」
ゲイル「剣の手入れに決まってるだろ」
ピコ「やっぱり、背中に装備するわけ?」
ゲイル「あたりまえだろ。よいしょっと……」
俺は双剣を装備し、
ゲイル「じゃあ、行ってくる」
ピコ「行ってらっしゃい!」
俺は養成所に着いた。
声「あの……」
ゲイル「ん?」
ソフィア「昨日は、ありがとうございました。それで…、お礼と言っては何ですが…。あっ!?」
ソフィアは、何かに怯えるかのように、学校の中へ逃げ込んでしまった。
ゲイル「一体、どうしたんだ?」
何者かが背後から近づいてくる。
謎の男「ボクの〜、愛しのソフィア〜」
ゲイル「………」
謎の男「ん?ここにいたはずなんだが……」
男は、踊るような足取りで学校の中へ入っていった。
ゲイル「なっ、何だアイツは…?ソフィアは恐れていたな……。あいつから、ソフィアを守ってみるか」
と、俺は決心した。
これが、俺の初めての出会いである……。