第十話


ゲイル「いよいよだな」

ピコ「今日は身体を休めれば?」

ゲイル「いや、散歩でもしてくる」

ピコ「どうせ、ソフィアに会う気なんでしょ?」

ゲイル「良く分かるな」

ピコ「今日はおとなしいね」

ゲイル「それじゃあ行ってくる」

ピコ「いってらっしゃ〜い」

 

俺は偶然を装ってソフィアに話しかけた。

ソフィア「あ、ゲイルさん」

ゲイル「やあ、ソフィア」

ソフィア「明日から、また始まるんですよね?」

ゲイル「うん………」

ソフィア「必ず帰ってきますよね?」

ゲイル「当たり前さ。それで、来週の日曜日に高原へ行かないか?」

ソフィア「ええ、良いですよ」

ゲイル「よし。それじゃ、来週な」

ソフィア「それじゃゲイルさん。さようなら」

ソフィアは立ち去った。

ゲイル「さて帰るか」

俺は宿舎へ戻った。

 

ピコ「おかえり。さあ、もう寝なよ」

ゲイル「ああ」

 

 

そして、戦争が始まった。 

マクラウド「ゲイル。騎馬隊の指揮は任せる」

ゲイル「わかった」

戦乱の中、俺は騎馬隊を率いて、どうにか勝利を収めた。 

 

男「参謀の言う通り、不利な戦いだったか……」

女「バルドー」

バルドー「ライナノール、何をしている?」

ライナノール「バルドー、私も戦う」

バルドー「本体と合流しろ、ライナノール!例え女であっても、命令が聞けない奴は斬る!」

ライナノール「わかった。死ぬな、バルドー」

 

バルドー「さて、誰か我が斧に立ち向かう者はいないか?」

マクラウド「ここは任せろ」

ゲイル「待て、俺がやる」

マクラウド「何を言っている!相手は、八騎将の一人だぞ!」

ゲイル「一人倒している。大丈夫だ」

マクラウド「しかし!」

ゲイル「我が名はゲイル=ラバーバ=ウィナー。お相手いたす!」

バルドー「ゲイル…。そうか、双剣の翼か」

ゲイル「さあ、勝負だ!」

バルドー「いいだろう。我は『不動のボランキオ』!」

ゲイル「ボランキオ……」

バルドー「では、行くぞ!」

ゲイル「止めてみせる!」

ガキッ!

ゲイル「なっ、なんて力だ…」

バルドー「よく止めたな」

ゲイル「これくらい、容易い事だ」

バルドー「では、これならどうだ!」

バルドーは斧を回し、旋風を生み出した。

ゲイル「くっ!なんて技だ!攻撃する余裕が無い!」

バルドー「これで最後にしよう」

ゲイル「やるしかないか………」

バルドー「行くぞ!必殺………」

ゲイル「今だっ!」

ビュン!

バルドー「何っ!?飛んだ!!」

ゲイル「頼むぜ、エクスカリバー!行くぞ!」

ズボオッ!

俺は、エクスカリバーで敵を貫いた。

バルドー「これで…妻と娘の元へ逝ける……」

不動のボランキオは倒れた。

ゲイル「手強い相手だった…」

こうして、戦いは一時終結した。

 

ピコ「おかえり、どうしたの、その傷?」

ゲイル「一騎打ちで受けた。だが、この程度の傷、大した事ない」

ピコ「それならいいけど…」

ゲイル「疲れたから寝るぞ」

ピコ「おやすみ……」

 

そして次の日。

ピコ「今日はデートの日だね」

ゲイル「行ってくる」

ピコ「行ってらっしゃ〜い!」

 

待ち合わせの場所に、ソフィアと同時にたどり着いた。

ソフィア「良かった、遅れなくて…。それじゃあ、行きましょう」

ソフィアと共に高原へ向かった。

ソフィア「気持ちの良い風が吹いていますね」

ゲイル「そうだね」

ソフィア「何をしているんですか?」

ゲイル「高山植物の観察さ」

ソフィア「素敵な花はあります?植物の事、もっと教えてください」

俺とソフィアはデートを楽しんだ。

ソフィア「今日はとても楽しかったです」

ゲイル「そう言ってくれると嬉しいよ」

ソフィア「あの、もう少し一緒に……」

ゲイル「いいよ」

そして…

ソフィア「おやすみなさい、ゲイルさん」

ソフィアはそう言って立ち去った。

ゲイル「さて、俺も帰るか」

俺は宿舎に戻った。

 

ピコ「おかえり。勲章が届いてるよ」

ゲイル「結構早いな」

ピコ「今回もすごいじゃない」

ゲイル「そうか?」

ピコ「明日からどうするの?」

ゲイル「剣術をする」

ピコ「また?」

ゲイル「やはり、八騎将は強いからな。今からでも鍛えておかないと」

ピコ「そうだね」

 

そして、次の日がやってきた。

 

続く……


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