第九話


ゲイル「また始まるのか……」

深刻そうに手紙を読んだ俺。

来週からまた戦争が始まるのである。

ピコ「大丈夫。自分を信じなさい!」

ゲイル「そうだな。それに今回はエクスカリバーもあるしな」

ピコ「それで、来週はどうするの?」

ゲイル「剣術をやる」

ピコ「あのさ、この頃、学問はどうなったの?」

ゲイル「しばらく休む」

ピコ「大丈夫なの?」

ゲイル「多分な」

 

そして、次の日。

ショウ「ゲイル、聞いたか?」

ゲイル「聞いたって、何を?」

ショウ「今日から、『近衛騎士副団長』が来るそうだぜ」

ゲイル「と言う事は、俺たちの部隊に入るのか?」

ショウ「そうなるな」

教官「全員、集合!」

ゲイル「来たな」

教官「これから、この部隊の指揮をとる『クリストファー=マクラウド』副団長だ」

マクラウド「よろしく頼む」

ゲイル「なぜ、俺たちの部隊に?」

マクラウド「それは、君がいるからだ」

ゲイル「え?」

マクラウド「双剣の翼、ゲイル=ラバーバ=ウィナー。お前の実力を見る為だ」

ゲイル「つまり、俺と戦うって事か?」

マクラウド「そうだ。では早速…」

ゲイル「待て!大体、俺の実力なんかたかが知れているぞ!」

マクラウド「問答無用!

ゲイル「ちっ!」

ガキィィィィィンッ!!

マクラウド「さすがだな」

ゲイル「ワザと仕掛けたな?」

マクラウド「ああ。済まなかった」

ショウ「どうしてゲイルなんだ?」

シュウ「俺に聞くな」

マクラウド「君の新しい剣の事を噂に聞いたのだ」

ゲイル「エクスカリバーの事か?」

マクラウド「エクスカリバー?」

ゲイル「なんでも、西洋では有名な剣だと言われているけど…」

マクラウド「そうか、君の実力はたいしたものだ」

ゲイル「なぜ分かる?」

マクラウド「伝説の剣が君を選んだという事だ」

ゲイル「俺を選んだ?」

マクラウド「エクスカリバーは、持ち主を選ぶ剣として有名だ」

ゲイル「そうか、それで父さんは俺に送ったのか…」

マクラウド「今度の戦争、期待しているぞ」

ゲイル「ああ」

 

シュウ「伝説の剣か……」

ゲイル「偶然が、俺の元に舞い降りたかな?」

ショウ「さて、訓練を始めようぜ」

ゲイル「そうだな」

俺達は剣術の訓練に励んだ。

 

そして夕方。

ゲイル「今日は、意外な事が起きたな」

ショウ「マクラウドの事か?」

ゲイル「ああ」

シュウ「ゲイル、期待しているぜ」

ゲイル「お前らも頑張れよ」

三人で宿舎に帰っていたその時、

声「あの……ゲイルさん」

ゲイル「ん? あ、ソフィア」

ソフィア「この頃、学校に来ませんね」

ゲイル「いろいろ忙しくてね」

ソフィア「ですから、これを……」

ゲイル「これは?」

ソフィア「ゲイルさんが学校に来ても困らないようにノートに書いていたんです」

ゲイル「ありがとう」

ソフィア「あと、これ……お口に合わないかもしれませんけど…、もしよかったら…」

ゲイル「ありがとう。喜んで頂くよ」

ソフィア「それじゃ、私はこれで……」

ソフィアは恥ずかしそうに去ってしまった。

ゲイル「まださよなら言ってないのに……」

ショウ「熱いな、お二人さん」

シュウ「いつからあんなに仲良くなったんだ?」

ゲイル「ひ、冷やかすなよ」

ショウ「照れるなよ」

ゲイル「照れてないよ」

そんな感じで宿舎の俺の部屋に到着した。

 

ピコ「おかえり。何、それ?」

ゲイル「ソフィアから貰った。食べるか?」

ピコ「私が食べられない事を知ってて言ってるでしょ?」

ゲイル「当然」

ピコ「この頃、あんた変わったね」

ゲイル「変わってないよ」

ピコ「それより、近衛騎士の副団長が来たんだって?」

ゲイル「ああ。凄い実力を持っている様だ」

ピコ「出番が無くなるわね」

ゲイル「大丈夫。そんな事はあるわけ無いさ」

ピコ「そうかな?」

ゲイル「そうなの」

ピコ「ま、今度の為に頑張りなさい」

ゲイル「わかってる」

こんな感じで、一週間を過ごした。

 

そして、いよいよ第二の戦いが始まる……。

 

続く……


第八話に戻る

 

作品一覧に戻る