ゲイル「また始まるのか……」
深刻そうに手紙を読んだ俺。
来週からまた戦争が始まるのである。
ピコ「大丈夫。自分を信じなさい!」
ゲイル「そうだな。それに今回はエクスカリバーもあるしな」
ピコ「それで、来週はどうするの?」
ゲイル「剣術をやる」
ピコ「あのさ、この頃、学問はどうなったの?」
ゲイル「しばらく休む」
ピコ「大丈夫なの?」
ゲイル「多分な」
そして、次の日。
ショウ「ゲイル、聞いたか?」
ゲイル「聞いたって、何を?」
ショウ「今日から、『近衛騎士副団長』が来るそうだぜ」
ゲイル「と言う事は、俺たちの部隊に入るのか?」
ショウ「そうなるな」
教官「全員、集合!」
ゲイル「来たな」
教官「これから、この部隊の指揮をとる『クリストファー=マクラウド』副団長だ」
マクラウド「よろしく頼む」
ゲイル「なぜ、俺たちの部隊に?」
マクラウド「それは、君がいるからだ」
ゲイル「え?」
マクラウド「双剣の翼、ゲイル=ラバーバ=ウィナー。お前の実力を見る為だ」
ゲイル「つまり、俺と戦うって事か?」
マクラウド「そうだ。では早速…」
ゲイル「待て!大体、俺の実力なんかたかが知れているぞ!」
マクラウド「問答無用!
ゲイル「ちっ!」
ガキィィィィィンッ!!
マクラウド「さすがだな」
ゲイル「ワザと仕掛けたな?」
マクラウド「ああ。済まなかった」
ショウ「どうしてゲイルなんだ?」
シュウ「俺に聞くな」
マクラウド「君の新しい剣の事を噂に聞いたのだ」
ゲイル「エクスカリバーの事か?」
マクラウド「エクスカリバー?」
ゲイル「なんでも、西洋では有名な剣だと言われているけど…」
マクラウド「そうか、君の実力はたいしたものだ」
ゲイル「なぜ分かる?」
マクラウド「伝説の剣が君を選んだという事だ」
ゲイル「俺を選んだ?」
マクラウド「エクスカリバーは、持ち主を選ぶ剣として有名だ」
ゲイル「そうか、それで父さんは俺に送ったのか…」
マクラウド「今度の戦争、期待しているぞ」
ゲイル「ああ」
シュウ「伝説の剣か……」
ゲイル「偶然が、俺の元に舞い降りたかな?」
ショウ「さて、訓練を始めようぜ」
ゲイル「そうだな」
俺達は剣術の訓練に励んだ。
そして夕方。
ゲイル「今日は、意外な事が起きたな」
ショウ「マクラウドの事か?」
ゲイル「ああ」
シュウ「ゲイル、期待しているぜ」
ゲイル「お前らも頑張れよ」
三人で宿舎に帰っていたその時、
声「あの……ゲイルさん」
ゲイル「ん? あ、ソフィア」
ソフィア「この頃、学校に来ませんね」
ゲイル「いろいろ忙しくてね」
ソフィア「ですから、これを……」
ゲイル「これは?」
ソフィア「ゲイルさんが学校に来ても困らないようにノートに書いていたんです」
ゲイル「ありがとう」
ソフィア「あと、これ……お口に合わないかもしれませんけど…、もしよかったら…」
ゲイル「ありがとう。喜んで頂くよ」
ソフィア「それじゃ、私はこれで……」
ソフィアは恥ずかしそうに去ってしまった。
ゲイル「まださよなら言ってないのに……」
ショウ「熱いな、お二人さん」
シュウ「いつからあんなに仲良くなったんだ?」
ゲイル「ひ、冷やかすなよ」
ショウ「照れるなよ」
ゲイル「照れてないよ」
そんな感じで宿舎の俺の部屋に到着した。
ピコ「おかえり。何、それ?」
ゲイル「ソフィアから貰った。食べるか?」
ピコ「私が食べられない事を知ってて言ってるでしょ?」
ゲイル「当然」
ピコ「この頃、あんた変わったね」
ゲイル「変わってないよ」
ピコ「それより、近衛騎士の副団長が来たんだって?」
ゲイル「ああ。凄い実力を持っている様だ」
ピコ「出番が無くなるわね」
ゲイル「大丈夫。そんな事はあるわけ無いさ」
ピコ「そうかな?」
ゲイル「そうなの」
ピコ「ま、今度の為に頑張りなさい」
ゲイル「わかってる」
こんな感じで、一週間を過ごした。
そして、いよいよ第二の戦いが始まる……。