ドルファンに入国して、一年が過ぎた。
ゲイル「ここに来て、もう1年か…。早いな」
ピコ「(と言うより、八騎将の一人を倒した後の話が全然無いんだもん)」
ゲイル「何か言ったか?」
ピコ「い、いや、何も。それより、荷物が届いてたよ」
ゲイル「荷物?」
ピコ「手紙も付いてるよ」
俺は手紙の内容を読んだ。
ゲイル「父さんからだ…何々…」
父の手紙には、
『元気でやっているか?お前がそっちに行って1年が過ぎたな。お前に、ある物を送ろうと思ってな。開けてみるといいだろう』
と書いてあった。
ゲイル「ある物?この荷物か?」
ピコ「何が入っているのかな?」
俺は荷物を開けた。
ゲイル「こっ、これは…!?」
ピコ「剣だね」
ゲイル「続きがあるな。何々…
『その剣は、俺が西洋を旅した時に手に入れた奴だ。名称とか分からないから、お前に送る事にした』
無茶苦茶な…」
ピコ「まだ続きがあるよ」
ゲイル「えっと…、
『その剣には特殊な力が秘められているようだ。お前なら、その力を十分扱えるだろう。では、これで』
どういう事だ?」
ピコ「双剣に加えて三刀流にしろって事じゃないの?」
ゲイル「そんな訳ないだろ。プリシラにも聞いてみるか…」
ピコ「行ってらっしゃーい」
俺はプリシラを探した。
プリシラ「あら、ゲイル。何してるの?」
ゲイル「ああ、プリシラ。ちょうど良かった。」
プリシラ「え?」
ゲイル「この剣について聞こうと思ったんだ」
プリシラ「そんなのわかるわけないでしょ」
ゲイル「そうだよな…」
プリシラ「じゃあ私、お城に戻らないといけないから」
プリシラは去っていった。
ゲイル「さて、どうするか?俺の知っている人で、他に剣に詳しい人は……」
女性「あら、ゲイル。何をしているの?」
ゲイル「クレアさん。そうだ、クレアさん。この剣、何か分かりますか?」
クレア「あら?この剣は…」
ゲイル「知っているんですか?」
クレア「確か、主人の持っていた本の中に載っていたと思うわ」
ゲイル「本当ですか?」
クレア「ええ。ついてきて、調べてあげるから」
俺は、クレアさんと共に彼女の家へ行き、ヤング大尉の本を調べた。
クレア「あったわ。ええっと…『聖剣エクスカリバー』って書いてあるわ」
ゲイル「エクスカリバー?」
クレア「ええ。何でも、その剣は『聖なる力』を持っていて、
その力は、『聖なる心』を持っている人にしか扱えないと書いてあるわ」
ゲイル「聖剣は、聖なる心で操れという事か…。
ありがとうございました、クレアさん。後は、自分で調べてみます」
クレア「そう。お役に立てて嬉しいわ」
ゲイル「では、これで」
クレア「ええ、さようなら」
俺は宿舎に戻った。
ピコ「おかえり。どうだった?」
ゲイル「凄い剣だった」
ピコ「わかったの?」
ゲイル「ああ。『聖剣エクスカリバー』と言われているらしい」
ピコ「エクスカリバー…?それって、凄い事だよ!」
ゲイル「どうしてだ?」
ピコ「エクスカリバーは、西洋では『伝説の剣』って言われてるんだよ!」
ゲイル「何でそんな事知ってるんだ?」
ピコ「本で見た事があるから思い出したの!」
ゲイル「伝説の剣か…。こいつは、俺に戦えって言ってるのかな?」
ピコ「エクスカリバーは、人を選ぶからね…」
ゲイル「ま、とりあえず明日にでも考えるか…」
ピコ「そうだね」
かくして、俺は『聖剣エクスカリバー』を手に入れた。
伝説かどうかは知らないが、俺はこいつを信じる事を決意した。