第八話


ドルファンに入国して、一年が過ぎた。

ゲイル「ここに来て、もう1年か…。早いな」

ピコ「(と言うより、八騎将の一人を倒した後の話が全然無いんだもん)」

ゲイル「何か言ったか?」

ピコ「い、いや、何も。それより、荷物が届いてたよ」

ゲイル「荷物?」

ピコ「手紙も付いてるよ」

俺は手紙の内容を読んだ。

ゲイル「父さんからだ…何々…」

父の手紙には、

『元気でやっているか?お前がそっちに行って1年が過ぎたな。お前に、ある物を送ろうと思ってな。開けてみるといいだろう』

と書いてあった。

ゲイル「ある物?この荷物か?」

ピコ「何が入っているのかな?」

俺は荷物を開けた。

ゲイル「こっ、これは…!?」

ピコ「剣だね」

ゲイル「続きがあるな。何々…

    『その剣は、俺が西洋を旅した時に手に入れた奴だ。名称とか分からないから、お前に送る事にした』

    無茶苦茶な…」

ピコ「まだ続きがあるよ」

ゲイル「えっと…、

    『その剣には特殊な力が秘められているようだ。お前なら、その力を十分扱えるだろう。では、これで』

    どういう事だ?」

ピコ「双剣に加えて三刀流にしろって事じゃないの?」

ゲイル「そんな訳ないだろ。プリシラにも聞いてみるか…」

ピコ「行ってらっしゃーい」

 

俺はプリシラを探した。

プリシラ「あら、ゲイル。何してるの?」

ゲイル「ああ、プリシラ。ちょうど良かった。」

プリシラ「え?」

ゲイル「この剣について聞こうと思ったんだ」

プリシラ「そんなのわかるわけないでしょ」

ゲイル「そうだよな…」

プリシラ「じゃあ私、お城に戻らないといけないから」

プリシラは去っていった。

ゲイル「さて、どうするか?俺の知っている人で、他に剣に詳しい人は……」

女性「あら、ゲイル。何をしているの?」

ゲイル「クレアさん。そうだ、クレアさん。この剣、何か分かりますか?」

クレア「あら?この剣は…」

ゲイル「知っているんですか?」

クレア「確か、主人の持っていた本の中に載っていたと思うわ」

ゲイル「本当ですか?」

クレア「ええ。ついてきて、調べてあげるから」

 

俺は、クレアさんと共に彼女の家へ行き、ヤング大尉の本を調べた。

クレア「あったわ。ええっと…『聖剣エクスカリバー』って書いてあるわ」

ゲイル「エクスカリバー?」

クレア「ええ。何でも、その剣は『聖なる力』を持っていて、

    その力は、『聖なる心』を持っている人にしか扱えないと書いてあるわ」

ゲイル「聖剣は、聖なる心で操れという事か…。

    ありがとうございました、クレアさん。後は、自分で調べてみます」

クレア「そう。お役に立てて嬉しいわ」

ゲイル「では、これで」

クレア「ええ、さようなら」

 

俺は宿舎に戻った。

ピコ「おかえり。どうだった?」

ゲイル「凄い剣だった」

ピコ「わかったの?」

ゲイル「ああ。『聖剣エクスカリバー』と言われているらしい」

ピコ「エクスカリバー…?それって、凄い事だよ!」

ゲイル「どうしてだ?」

ピコ「エクスカリバーは、西洋では『伝説の剣』って言われてるんだよ!」

ゲイル「何でそんな事知ってるんだ?」

ピコ「本で見た事があるから思い出したの!」

ゲイル「伝説の剣か…。こいつは、俺に戦えって言ってるのかな?」

ピコ「エクスカリバーは、人を選ぶからね…」

ゲイル「ま、とりあえず明日にでも考えるか…」

ピコ「そうだね」

 

かくして、俺は『聖剣エクスカリバー』を手に入れた。

伝説かどうかは知らないが、俺はこいつを信じる事を決意した。

 

続く……


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