第十二話


氷炎のライナノールを倒して数ヶ月後……。

ピコ「ねえねえ。今日から、ソフィア達修学旅行だって」

ゲイル「で?」

ピコ「それで、ジョアンが何やら企んでいるのよ」

ゲイル「……大体の見当はつくな」

ピコ「どうするの?」

ゲイル「行ってみるか」

ピコ「行ってらっしゃーい!」

 

俺は、ソフィア達の修学旅行の場所へと向かった。すると、

男「おい、東洋人!」

俺の目の前にジョアンが現われた。

ジョアン「貴様、まさか、ボクのママが考えた計画を邪魔しに来たな!」

ゲイル「計画?」

ジョアン「ママが雇った悪者達にソフィアを襲わせて、そこをボクが助けるのだ!」

ゲイル「(やはり、思っていた通りか……)」

ジョアン「どうだ?驚いて声も出まい」

ゲイル「三歳児の悪戯じゃあるまいし……」

ジョアン「黙れ!ママの悪口を……」

突然、ジョアンの顔色が変わった。

ジョアン「い、いかん!早くしないと、ソフィアが危ない!」

そう言って、走り出すジョアン。

ゲイル「仕方がない、ソフィアの為に、あいつを追いかけるか」

俺はジョアンを追いかけた。しかし、すぐにはぐれてしまう。

ゲイル「どこだ?一体、どこに行ったんだ?」

「きゃあぁぁぁぁぁ!」

突然、女性の悲鳴が聞こえる。

ゲイル「この声は、ソフィア!」

俺は、声の聞こえる方へ向かった。

ゲイル「いた!やはり、囲まれている!」

チンピラA「あ!貴様は…!兄貴、こいつがあの時の奴だ!」

ゲイル「あの時のチンピラか……だが、何とかなる!」

チンピラB「お前が、ビリーを痛めつけた奴だな?」

ゲイル「彼女を放してもらおう!」

チンピラB「契約を破るが、仕方ない」

ゲイル「我が双剣の力、見せてやろう!」

勝負は、意外と早くついた。

チンピラB「契約なんてどうだっていい!お前ら、逃げるぞ!」

そう言ってチンピラ共は去った。

ゲイル「大丈夫か?」

ソフィア「………」

ガバッ!

ゲイル「ソ、ソフィア?」

ソフィアは、俺に抱きついてきた。

ソフィア「……怖かった。もう駄目かと思った…。……このまま……暫くこのままにして………」

ゲイル「あ、ああ……」

俺は、ソフィアを抱く事は出来なかった。

それは、俺自身に、何かが深く残っていた……。

 

そして、ソフィアが帰る時、

ソフィア「…あ、あの、ゲイルさん……。さっきは、ありがとうございました……」

ソフィアはそう言って立ち去った。

ジョアン「おい、東洋人!ボクが森で迷っている時に、よくもソフィアを!」

ジョアンは、俺に対抗意識を燃やしている。

ジョアン「貴様は、いずれ、このエリータスにひれ伏すのだからな!」

ジョアンはそう言って、自家の船で去った。

ゲイル「さて、俺も帰らないとな」

俺は宿舎に戻った。

 

ピコ「おかえり!手紙が来てるよ」

ゲイル「手紙?」

ピコ「また、戦争の通知だよ」

ゲイル「八騎将が三人も倒されたんだ。無理もない」

ピコ「とうするの?」

ゲイル「明日からは、気休めも含めて学問でもするさ」

ピコ「え?」

ゲイル「この頃、バイトや剣術が多かったからな。少しでも勉強しないと…」

ピコ「まぁ、頑張りなさい」

そして、次の日から学問に励む俺。

 

いよいよ、四人目の八騎将との戦いが始まる……。

 

続く……


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