物語の最後は意外とそんなものかもしれない………。
世界各地を三つ編みの少女が旅をしているのを聞く。
しかし彼女の旅は、いつも東の大陸の辺境の村アンダビで終わるのだ。
彼女は、初めて心を開けた旅路を、今はもう帰らない思い人との旅の記憶をたどって。
少女は空を仰ぐ。
あの人に会う前、自分がなんのために生きていたか、なにを目指して生きていたか、もう思い出せない。
もう何回も訪れたドリフの森の大きな木。
木陰に一緒に座ったのは、今はもういない、もうあえない人。
かつての少女は大人になって、大切な『時』は思い出の1ページになる。
クスッ
アレから何年経ったんだろうね。
私はどうしてあきらめないんだろう?
あの人といれた時間を、もう戻らない時のいたずらを…。
そうして物語は幕を閉じて………
思い出は風に消えて………