時は、ドルファンに外国人排斥法が出されてまだ1週間しか過ぎていない頃。
西洋人(アメリカ)である父と東洋人(日本)である母を持つ
一人の傭兵であったゲイル=ラバーバ=ウィナーは、
ドルファンで八騎将のうちの七人を倒し“聖騎士”の称号である騎士である。
彼は、ドルファンで出会ったソフィア=ロベリンゲと言う女性との約束の為に、違う国で戦うのであった。
現在、彼はドルファンで出会った同じ傭兵として雇われていた
ショウ=カミカゼとシュウ=タカザキの二人の友人と共に部屋で休んでいる。
ゲイル「暇だな………」
ショウ「ああ。何か面白い事無いかな………?」
シュウ「しかし、トルファンを出てからまだ1週間しか経ってないぞ」
ゲイル『まだ1週間か……。なあ、ピコ。ソフィアは元気にしてるかな?』
ピコ「私が知るわけ無いでしょ!」
ゲイル『そう怒鳴るなよ』
十数年来の相棒ピコと小声で話すゲイル。
ショウ「ゲイル。お前最近おかしいぞ?」
ゲイル「おかしいって、何が?」
ショウ「独り言ばかりしてさ。な?」
ショウ「確かに。独り言で何してるんだ?」
ゲイル「いや、ただ考え事をしててな……」
上手く話題を変えたゲイル。するとショウが、
ショウ「さては、ドルファンに置いてきた愛しの女性の事か?」
ゲイル「ああ」
ショウ「しかし、お前も罪だな。あんな可愛い娘をゲットしやがって」
シュウ「ショウ。何だかひがみに聞こえるぞ」
ショウ「うるせえ!俺は、俺は……」
ゲイル「その様子だと、誰かにその想いを伝えられなかったな?」
ショウ「そ、そんなんじゃ………」
結構盛り上がる三人。
その時、ゲイル宛てに手紙が届いた。
ゲイル「手紙?一体誰から?」
手紙を持ってきた自分と共に戦ってきた兵士に聞くゲイル。
兵士「なんでも、ドルファン国のクリストファー=マクラウド様からだそうです」
ゲイル「マクラウドから?」
兵士「では、これで失礼します」
兵士が去って行った後、ゲイルは手紙を読み始めた。
ゲイル「何々………?
『元気にしているか?俺は、つい最近“近衛騎士団長”に昇格した』
……マジかよ?」
ショウ「おめでたい奴だな」
ゲイル「続きがある。えっと……
『その時俺は、使命として“斬皇剣”の捜索を命じられたのだが、
事件が起きてな、そちらを優先することになった。
“王を救う”それが今回の俺の任務。その時、将軍の酷い事。
“刻の涙”を持つ女性二人と共に王を救う薬の捜索をしろと言われた』
…それは酷いな」
ショウ「刻の涙って確か、何人かの女性が持つ宝玉だろ?」
シュウ「それを持つ二人の女性と捜索をしろとは酷い話ものだな」
ゲイル「まだ書いてあるな…何々………
『そこでだ、ゲイル。お前に協力してもらいたいと思う。
その件によってお前は、この捜索を終えるまで、ドルファンに滞在する事が出来る。
それならば問題無いと思う。
もし協力する気になったら、俺を旅の途中で見つけてくれ。それでは。
クリストファー=マクラウドより』
……ドルファンへ戻れるのか?」
ショウ「捜索を終えるまでと言っても、ほとんどドルファンにいれないだろ?」
シュウ「だが、これで彼女に会えるわけだ」
ゲイル「俺は協力したいが……」
ショウ「行けよ」
ゲイル「え?」
ショウ「俺たちの事は気にするな。お前は、お前の好きなようにやれよ」
シュウ「そうだな。お前は自分のやりたいようにやれ」
ゲイル「そうか。すまないな、二人とも」
ショウ「何謝ってんだよ!早く行け、な?」
ゲイル「わかった。今まで、お前達と共に戦えてうれしかったぜ」
そしてゲイルは素早く準備し、船に乗った。
船に乗って二・三日が過ぎ、ゲイルはドルファンに到着した。
ゲイル「久しぶりだな。ここを訪れるのも」
ピコ「そうだね。最初はどうするの?」
ゲイル「そうだな。ソフィアに会いに行くか」
ピコ「感動の再会だねぇ〜」
ゲイル「そうと決まれば、ソフィアを探すぞ」
そう言って、ゲイルはソフィアを探し始める。
その時、二人の人物と再会する。
ゲイル「あれは、レズリーとロリィ」
ロリィ「あ、お兄ちゃんだ!」
レズリー「ゲイル!?どうしてドルファンに?」
ゲイル「久しぶりだな。マクラウドから捜索に協力してくれと頼まれて、
再びドルファンに来るようになった」
レズリー「マクラウド…って、あいつは結構前から旅に出たぞ」
ゲイル「何!?」
レズリー「ゲイル、もしかして忘れられたんじゃないのか?」
ゲイル「(あいつ、手紙で言っていた事はそういう事か…)」
ロリィ「どうしたの、お兄ちゃん?」
ゲイル「いや、何でもない。それより、ソフィアを知らないか?」
レズリー「ソフィア?ソフィアなら、マクラウドと一緒に旅に出たぞ」
ゲイル「何!?」
レズリー「ソフィアとハンナが旅に同行して行ったけど…」
ゲイル「マクラウドの奴、人の再会をお預けにする気か?」
レズリー「で、一体どうする気なのさ?」
ゲイル「マクラウド達を追いかける!」
レズリー「追いかける…って、今からか!?」
ゲイル「ああ。馬を使えば追いつくはずさ」
ロリィ「え、もう行っちゃうの?」
ゲイル「ああ。それじゃあな。レズリー、ロリィ」
レズリー「じゃあな、ゲイル」
そう言って、ゲイルは馬をとばした。
その途中、何者かがゲイルに襲い掛かる。
ゲイル「おっと、貴様ら、魔物だな?」
魔物「いかにも。お前のその“伝説の血”を頂く!」
ゲイル「俺の血を狙っても、お前達では無理だな」
魔物「何だと!?」
ゲイルは、腰に装備している聖剣を抜き、
ゲイル「聖剣よ!その力、悪しき者を消し去りたまえ!」
聖剣は眩いばかりの光を放ち、ゲイルは魔物を斬りつけた。
魔物「がはっ!しかし我を倒しても、お前は狙われている事を忘れるな……!」
魔物はそう言って消えていった。
ピコ「ゲイル、狙われているって、もしかして………?」
ゲイル「ソフィア達に会うまで、殺されたらダメだな………」
ピコ「うん…」
ゲイルはそう言って背中に装備している双剣の鞘を肩に装備しかえ、
片方しかない双剣を腰に腰に装備し、兜を被って顔を隠した。
ゲイル「待っていろ、ソフィア……」
今、ゲイル=ラバーバ=ウィナーの旅が始まった。
<キャラクターデータ>
ゲイル=ラバーバ=ウィナー
武器 :聖剣エクスカリバー
双剣ファスラル 能力…聖剣の真の力を引き出す事が出来る(その力は未知数)
呼び名:『双剣の翼』。現在は自分でつけた『孤高の騎士』
称号 :聖騎士の称号を持つ
その他:西洋(アメリカ)の父と東洋(アメリカ)の母を持つ。東洋での名前は本人自体が忘れている。
ドルファンを去る際に、ソフィアに自分の想いを告げて約束をする。
剣の腕はかなりあり、西洋の伝説の王家『ウィナー』の血を引く。
相棒であるピコとは、十数年という固い絆で結ばれている。
<次回予告>
ショウ「いやー、ついに始まってしまいましたな」
シュウ「しかし、俺たちの出番はこれだけだ」
ショウ「なっ、なにぃぃぃぃぃ!?」
シュウ「と言うのは嘘だ」
ショウ「ビ、ビックリするだろ!」
シュウ「さて、次回の伝説の勇者と騎士は『マクラウドの旅立ち』だ」
ショウ「今考えたら、誰が伝説の勇者で、誰が伝説の騎士なんだ?」
シュウ「それは話が進めば分かる」