第2話『逆転姉妹』第1回裁判(中編)

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成歩堂 龍一…黒
綾里 千尋…赤
綾里 真宵…青
御剣 怜侍…茶
糸鋸 圭介…黄土
裁判長…緑
小中 大…紫
松竹 梅世…桃
星影 宇宙ノ介…黄
板東ホテルのボーイ…灰
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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御: ‥‥クックックッ。
成:
御: なかなか楽しませてくれるねぇ‥‥
弁護士クン。
成: (こいつ‥‥時計がカラッポ
だったこと、知ってたな‥‥!)
御: どうやらキミは、
1つ忘れているようだ。
たしかに、時計はカラッポだな。
‥‥鳴るはずがない。
しかし。その時計の機械がいつ、
抜きとられたのか?
証人が音を聞いた後に抜きとられた
なら、なんのムジュンもない‥‥。
裁:
‥‥た、たしかに、その可能性は
ありますね。
梅世さんが時計の音を聞いた後、
機械は抜きとられたのかも‥‥。
御: そのとおりだ、裁判長!
裁: いかがかな、弁護人。
あの機械がいつ抜きとられたのか、
証明できますか?
御: ハッ!
‥‥そんなこと、できるわけが‥‥
成: できますよ。
御: な、何ッ!
成: 御剣検事‥‥覚えてるよ。
法廷では、証拠がすべて、
だったっけ?
‥‥見せてやるよ。
あんたの大好きな”証拠”を。
時計の機械が抜きとられたのが
いつだったかを示す、証拠品は‥‥

(「真宵の携帯電話」をつきつける)
成: これを見てください!
裁: ほう。何やらカワイイ
携帯電話ですな。
梅: うっわぁ。
弁護士さん、女の子みたぁい。
成: い、いや。これはその、
ぼくのじゃないんですよ!
いいですか!
これは、被告人の携帯電話です!
‥‥そして、こいつには、
事件当日の、被害者との会話が
録音されているんです!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛に!
御: ひ、被告の携帯電話だと‥‥!
聞いてないぞ私は‥‥
成: イトノコ刑事が見落としたんじゃ
ないかな?
御: ぶつぶつ‥‥(来月の給与査定、
覚えておくがいい‥‥)
成: (おやおや、カワイソウに‥‥)
とにかく。
‥‥聞いてみてください。

ピッ
‥‥‥‥
真: <<とにかく、その”考える人”?
あずかればいいんだ>>
千: <<そうよ。
ああ、でも、今はこの時計、
しゃべらないけど>>
真: <<えー、なんで?
‥‥つまんない>>
千: <<さっき、
時計の機械を抜いちゃったから>>
電:
‥‥‥‥
<<9月5日・午前9時27分>>
ピー
成: つまり。
事件のあった日の午前中、
まだ証人がホテルに来る前から、
時計の機械は、すでに
なかったわけです!
梅: く‥‥んくくぅっ!
成: さあ! 梅世さん!
聞かせてもらいましょうか!
なぜ、凶器が”置時計”
と知っていたかを、ね!
梅: ‥‥‥‥‥‥
た、たしか‥‥。
たしか、‥‥そ、そうですぅ!
あの時計、前に見たことが
あるんですぅ!
んーと、どこのお店
だったかなぁ?
梅世、すっかり
忘れてましたぁ!
裁: 前に見たことがあった‥‥。
それなら筋はとおりますね。
‥‥弁護人。
これで問題ありませんか?

(「ある」を選択)
成: ”前に見たことがある”という
証人の発言は、
ある証拠品と、
思いっきりムジュンしています!
裁: ほ、ほお‥‥。
では、提示してもらいましょうか。
”証人が、時計を見たことは
なかった”ことを示す証拠品を。

(「考える人」をつきつける)
成: カンタンなことです。
あの時計は、店に
並んだことなどないんですよ!
梅: え、ええっ!
成: あれは、ぼくの友だちが作った
ものでね。
この世に
2個しかないんですよ。
しかもそのうちの1個は、
警察が保管しています。
梅: そ‥‥そんな‥‥!
成: さ。‥‥今度は、どんな
言いわけをしましょうか‥‥?
梅: ぐ‥‥
成: ‥‥いや。もう、言いワケ
しようがないかな‥‥?
梅: う、ううううううううん‥‥
うおおおおおおおおおおおおおおお
おおおおおおおおおおおおおおッ!
何だっつーのよ!
このギザギザアタマがぁ!
あんな時計のことなんか、
どうだっていいんだよ!
あのムスメがやったんだ!
とっとと死刑にしちまいな!

(ざわめきが起こる)
裁: ま、ま、ま、待ちなさい!
こ、ここは法廷です。
証人、冷静になるように。
梅: ハア‥‥ハア‥‥
え、あ‥‥。
や、やだぁ、う、梅世ったら‥‥。
ハア‥‥ハア‥‥。
ちょっぴり、マジ切れ?
しちゃったみ・た・い‥‥★
成: (こ‥‥こわいよお‥‥)
裁: 証人。私からお聞きしよう。
あなたは、どうして、凶器が
時計だと知っていたんですか?
梅: ‥‥‥‥‥‥
裁: ‥‥ふう。やれやれ。
弁護人。あなたの意見は
どうですか?
成: (ここが、勝負どころだな!)
‥‥はい。
では、ぼくの考えを言います。
松竹 梅世は、なぜ凶器が時計だと
知っていたのか? それは、

(「情報を聞いていた」を選択)
成: 証人は、あの時計を手に
取ったことはない!
しかし彼女は、それが時計である
という情報を聞いていたんです!
裁: ”聞いていた”‥‥?
成: そうです。
それ以外に、彼女が<<考える人>>を
時計だと知る方法はない!
そして、ぼくはその証拠品を
提示することができます!
裁: ほう‥‥
それはおもしろい。
では、見せてもらいましょう。
凶器が時計であることを、証人が
”聞いていた”という証拠を!

(「盗聴器」をつきつける)
成: これを見てください。
梅: あ、ああっ!
そ、それはぁっ!
成: ‥‥ぼくが、梅世さんの部屋から
見つけたものです。

(ざわめきが起こる)
裁: 弁護人!
そ、それはいったい‥‥?
成: 松竹 梅世さん。
あなたは、被害者・綾里 千尋さん
の電話を盗聴していましたね?
梅: う、うぐっ‥‥!

(御剣検事「異議あり!」)
御: 裁判長!
これはもう、お話にならない!
裁: しかし‥‥、
証人が盗聴器を
持っていたのは気になります。
御: 弁護人は、証人が電話を
盗聴していたと主張するつもりか!
成: そりゃそうでしょう!
御: それならば、まず証明しなければ
ならないことがある! すなわち、
”被害者が電話の会話中に、凶器を
<<時計>>と言ったことがあるか?”
‥‥そんなことが、キミに
証明できるのか!
成: ‥‥できますよ!
ごくカンタンに、ね!
御: な、なんだと!
成: ‥‥証拠があるんですよ‥‥。
被害者が、電話で凶器のことを
”時計”と表現したという証拠は、

(「真宵の携帯電話」をつきつける)
成: 被告人の携帯電話です。
裁: さっき見ましたな。
成: もう一度、被告と被害者の
会話を聞いてください。

ピッ
‥‥‥‥
真: <<‥‥あ、お姉ちゃん!
どうしたの? めずらしいね>>
千: <<うん。‥‥実は、
あずかってほしいものがあって>>
真: <<またー? 今度は何?>>
千: <<置き時計よ。
考える人の形をしてて、
なんと、しゃべるの!>>

‥‥‥‥
成: ‥‥松竹 梅世さん。
あなたは盗聴器を使い、
会話を聞いていた。
だから、<<考える人>>が
時計だと知っていた。
違いますか!
梅: う、うぐっ‥‥!

(御剣検事「異議あり!」)
御: 裁判長!
これはもう、お話にならない!
成: お話にならないかどうか、
証人の顔を見ていただきたい!
弁護側は、答えを要求します!
梅: ‥‥ぐぐ‥‥ぐ‥‥ぐぅ‥‥。
裁: ‥‥証人。答えなさい!
梅: ‥‥‥‥。
裁: ‥‥証人!
梅: うるせえんだよ! 気やすく
話しかけるんじゃないよ!
このタコがぁ!

‥‥‥‥
梅: み、み、みんなで、みんなして、
う、う、うめよを‥‥
うめよを、いぢめるのねっ!
そうなのねっ!
う、うええ、うえええええええん!
成: (今、法廷中の人間が、コイツの
素顔を見た!
トドメを刺すなら、今だ!)

(「なぜ盗聴を?」を選択)
成: なぜ、盗聴を‥‥?
梅: ‥‥‥‥‥‥。
成: 答えてください!
梅: どうして答えなくちゃ
いけないのぉ?
殺人事件とは
ムカンケイでしょお?
成: (くそ‥‥御剣から指示された
とおりに答えているな‥‥!)
いいですか。
あなたは殺人事件の被害者を
盗聴していたんですよ?
ものすごくアヤシイじゃ
ないですか!
裁: 弁護人の言い方は気になりますが、
気持ちはわかります。
どうなんですか? 証人。
あなたが殺人とは無関係だと、
証明はできませんか‥‥?
成: (フン、できるわけないさ!)
梅: 弁護士さん、なぁにそのカオ?
”フン、できるわけないさ!”
とか思ってるんでしょ?
成: (むむ! やるな‥‥)
梅: ザンネンでしたぁ!
‥‥できるに決まってんでしょ!
成: そ、そんなバカな!
梅: ハン! サムいオトコね。
いまどき”そんなバカな!”って!
‥‥えへん!
いい? 事件があったの、
夜の9時ごろでしょ?
梅世、そのときボーイさんから
ルームサービスを受け取ったの。
成: る、るうむさーびす?
梅: 梅世、アイスコーヒーを
たのんだの。
知ってる? アイスコーヒー。
早く飲まないと、氷が溶けて
ただのコーヒーになっちゃうの。
成: あ、あいすこぉひぃ?
梅: ウソだと思うんなら、
ボーイさんに聞いてみたらぁ?
御: つまり彼女は、現場に
行っていないということだよ。
成:
裁: すると、どういうことに‥‥?
御: まことにイカンながら‥‥
証人はどうやら、被害者の
電話を盗聴していたらしい。
しかし! それはこの殺人事件とは
まったく関係ない、別の犯罪だ。
被告・綾里 真宵の殺人を
目撃したことは事実なのです!
成: (くそ‥‥このままじゃ
逃げられる‥‥!
梅世と殺人事件を結びつけられ
ないかぎり、勝ち目はない‥‥)
裁: 弁護人。‥‥どうしますか?
成: え、ええと‥‥。
(すると、残された手は‥‥?)

(「ボーイの尋問をする」を選択)
成: ルームサービスを運んだ、
ボーイを尋問させてください!
そこに何か、
トリックがあるはずです!
梅: うわ。やっぱりサムいヒトぉ。
いまどき”トリック”って‥‥。

(御剣検事「異議あり!」)
御: 私は、その尋問に反対する!
成: な、なぜですか!
その理由は!
御: ”盗聴は、殺人とは関係ない”
というのが、私の考えだからだ。
成: ‥‥!
御: ただし。
キミが1つ、条件を飲むなら、
ボーイの尋問に同意してもよい。
成: 条件‥‥?
御: ボーイを尋問した結果、松竹 梅世
のアリバイがくずせなかった場合、
当然、松竹 梅世は
犯人ではないということになる。
その場合は、きみは綾里 真宵の
<<有罪>>を認める。
‥‥それが条件だ。
成: (なんだそりゃあ!
ボーイの証言から何か
引き出せなければ、
真宵ちゃんは、その場で<<有罪>>
というわけか‥‥
‥‥どうする?)

(「条件を飲む」を選択)
成: (えーい、とりあえず
やってみるか!)
わかりました。
条件を飲みましょう!
御: ‥‥ふっ。
バカが‥‥。
ワナにかかったか‥‥。
成: (‥‥なんだって!)
あ、あの、やっぱり‥‥
裁: よろしい!
では、ホテルのボーイを
入廷させてください!


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