成歩堂 龍一…黒 | |
綾里 千尋…赤 | |
綾里 真宵…青 | |
御剣 怜侍…茶 | |
糸鋸 圭介…黄土 | |
裁判長…緑 | |
荷星 三郎…紺 | |
オバチャン(大場 カオル)…灰 | |
スタッフの子…黄 | |
大滝 九太…黄緑 | |
カントク(宇在 拓也)…橙 | |
姫神 サクラ…紫 |
真: |
あれ。 オバチャンがいないよ。 |
成: | 不用心だな‥‥。 |
オ: | (コラー!) |
真: | あれ。‥‥オバチャンの声。 |
オ: | (待たんかコラー‥‥) |
成: |
ははぁ。どうやら、あの子供を 追いかけてるらしいな。 |
オ: | ‥‥ギュウ!‥‥ |
真: | あ、転んだ! |
成: |
(真宵ちゃん、 とてもうれしそうだ) |
真: |
ねえねえ、なるほどくん。 今のうちに、ちょっと 調べてみようよ、詰所。 |
成: | そうだな。 |
真: |
‥‥‥‥ あっ。 これだよ、なるほどくん。 ”コテージのカギ”って 書いてある! |
成: |
ああ。あの第2スタジオに あったコテージの‥‥。 |
真: |
もちろん、借りるよね、 なるほどくん。 |
ポケットにしのばせた。 | |
成: |
さっき詰所から借りてきた カギ、使えるかな‥‥。 ‥‥‥‥‥‥。 開いた。 |
真: | よし! 行くよなるほどくん! |
成: | (お。やる気マンマンだな) |
真: |
さ。お先にどうぞ。 なるほどくん。 |
成: | (コシは引けているみたいだ) |
第2スタジオ・コテージ内 | |
?: | ‥‥‥‥‥‥ |
真: |
わっ! びっくりしたぁ! |
?: | 誰。 |
真: |
え。あ、あたしたち、ニ、 ニボサブさんの弁護士ですけど。 |
?: |
そう。 ‥‥‥‥ |
真: | あ、あの、あなたは‥‥? |
姫: |
姫神。 ‥‥プロデューサーの。 |
成: |
(スラリとした‥‥キレイな ヒトだな‥‥) |
成: |
事件当日の ことなんですけど‥‥。 |
姫: |
‥‥‥‥。 ‥‥‥‥‥‥。 |
成: | ひ、姫神さん? |
姫: | 台本。 |
成: | は、はい? |
姫: | 台本、探してるの。 |
成: | だ、台本、ですか? |
姫: |
トノサマンの第13話。 今、読みたいの。 |
真: |
あのお、事件があった日の こと、聞きたいんですけど。 |
姫: |
アタクシは、 台本を読みたいの。 ‥‥‥‥。 |
真: | ‥‥‥‥。 |
成: |
‥‥‥‥。 (だ、ダメだこりゃあ‥‥) |
真: |
あの、あの、トノサマンについて 話が聞きたいんですけど! |
姫: |
‥‥‥‥ ‥‥‥‥‥‥ |
成: | 姫神さん? |
姫: |
テレビ、やってるわ。 毎週。 言うべきことは全部、 そこで言ってるから。 |
真: |
なるほどくん! テレビ見てろって! |
成: | ‥‥ぼくに怒るなよ。 |
成: |
カントク‥‥ えーと、宇在さん、でしたっけ。 彼は、どういう‥‥? |
姫: |
言わなかったかしら。 アタクシ、今、台本を 探しているの。 他のことは、興味がないわ。 ‥‥‥‥。 |
真: |
‥‥なるほどくん。 撮影所って、こんなヘンなのしか いないの? |
成: | ‥‥ううん‥‥たしかに。 |
真: |
なるほどくん、もう行こう! 他のところ、調べようよ。 |
成: | そうだな。 |
姫: | ちょっと。 |
成: | な、なんですか? |
姫: |
ウザイに会ったら、 これ、わたしておいて。 |
真: |
な、なんで あたしたちがそんなコト‥‥! |
姫: | ‥‥‥‥。 |
真: | ‥‥‥‥。 |
姫: | ‥‥‥‥。 |
真: |
えーん。 やだあ、このヒトー。 |
成: |
泣くなよ。 わかりました。 見かけたら、わたしておきます。 |
法廷記録に挟んだ。 | |
成: |
あの、これ。プロデューサーから あずかったんですけど。 |
カ: |
え‥‥”13話の台本を 持ってこい”‥‥? そういえば、どこへ やったかなあ‥‥。 ‥‥‥‥‥‥。 どこかで忘れてきた みたいだよ。(汗) ど、どうしよう‥‥。 また、ドナられる‥‥。(震) |
真: |
なるほどくん。 カントクさんが行きそうな ところ、探した方が早いよ。 |
成: | ‥‥そうみたいだね。 |
真: |
また来ちゃったね‥‥殺人現場。 調べることをすませたら、 すぐ他のところ、行こうね。 |
真: |
あ、これ! カントクさんが 座るヤツだよね! 一度、座って みたかったんだよねー。 |
成: |
(”カントクが座る”‥‥?) 真宵ちゃん。 ちょっと、そのイスのあたり 調べてみてよ。 さっき、カントクが言ってたろ。 ”どこかに台本、 置き忘れてきた”って‥‥。 |
真: |
‥‥あっ! あったよ! なるほどくん。 ‥‥台本。 |
成: | ‥‥やっぱりね。 |
成: | 見つけてきましたよ。台本。 |
カ: |
あ。ありがとお! で、でもさ。 こんなに遅れちゃって、 持っていくのがコワいよ、ボク。 悪いけど、キミたち、持って いってくれないかな‥‥。(拝) |
真: |
あのプロデューサー、 そんなにコワいのかなあ‥‥。 |
成: |
(まあ、フツーのヒトじゃあ ないのはたしかだけど) |
成: |
持ってきましたよ。 はい! 台本です! |
姫: | そう。 |
姫神さんに渡した。 | |
姫: | ‥‥‥‥。 |
成: |
‥‥‥‥‥‥。 あ、あの。 おしまいですか、それで。 |
姫: |
静かに。 今、台本を読んでるから。 |
真: |
‥‥‥‥! ちょっと! イイカゲンにしてください! ナニサマのつもりですか! あた、あたしたちは‥‥! |
姫: |
‥‥‥‥。 荷星の弁護士? |
真: | ‥‥は、はい。 |
姫: | うたがってるの? アタクシを。 |
真: |
あ、いえ、その。 ‥‥そういうワケじゃあ‥‥。 |
姫: |
‥‥‥‥。 事件のあった日のこと、 だったかしら? |
真: | は、はい。聞かせてください。 |
姫: |
‥‥‥‥。 正午から、ここで会議があったのは 知ってるわね? |
成: |
はい。カントクとか、テレビ局の 人たちといっしょに‥‥。 |
姫: |
そう。 じゃあ、よく聞きなさい。 あの日の午後、 このコテージにいた人間は、 誰も、第1スタジオに行くことは 不可能だったの。 |
真: | な、なぜですか? |
姫: | 道がふさがってたから。 |
成: | ‥‥道が? |
成: |
事件当日、道がふさがって いたんですか? |
姫: |
ここへ来る途中、 サルマゲどん、見たでしょ? |
成: | さ‥‥”サルマゲどん”? |
姫: | クビの折れたサルよ。 |
姫: |
ああ‥‥あれですか‥‥。 (すごいネーミングだな‥‥) |
姫: |
あのクビ、事件があった日に 風でこわれてね。 クビをどかす作業が始まったのが 3時すぎ。 道を通れるようになったのが、 4時すぎだったの。 いい。 イブクロが死んだのは、2時半。 でも、ここにいた人間は、 午後4時すぎまで、 このコテージに 閉じこめられていたの。 第1スタジオになんか、 行けたはずがないわ。 |
真: | な、なんですって! |
姫: |
これはホント。 3時すぎに、クレーンを使って クビをどけてもらったの。 そとの会社の人にたのんでね。 作業した人たちは覚えてるはず。 |
成: |
で、でも! クビがこわれたのが、2時30分 より後だったら、 第1スタジオへ行くことは できたはずです! |
姫: |
2時30分‥‥ イブクロが死んだ時間ね。 ‥‥‥‥。 いいわ。 来なさい。 ‥‥‥‥。 あのサルマゲどん。 元気なときは、時間を アナウンスするの。 ”4時でごザル”とか。 |
成: | (サルだからなあ‥‥) |
姫: |
あのクビを調べてみなさい。 クビがこわれた時間で、 時計が止まっているわ。 |
真: |
‥‥! なるほどくん。 時計、2時15分で止まってるよ。 |
成: | 2時15分‥‥。 |
姫: |
そう。 この道は、2時15分から 4時すぎまでふさがっていたの。 だから、アタクシたちは、 無実。 |
成: |
イブクロさんが第1スタジオで 死んだのは、2時30分‥‥か。 |
姫: | じゃ、そういうことだから。 |
データを法廷記録にファイルした。 | |
真: |
‥‥どうなってるの‥‥? ニボサブさん以外、イブクロさんを 殺せた人、いないじゃない‥‥。 もう‥‥だめだあ‥‥。 |
成: |
(まいったな‥‥ 一度、事務所へもどって 考えてみるか‥‥) |
成歩堂法律事務所 | |
成: |
‥‥とりあえず、何の手がかりも なくなっちゃったなあ‥‥。 カントクたちのアリバイはバッチリ で、他の手がかりもない。 お先、マックラだな。 |
?: | ‥‥あきらめるのは早いわ。 |
成: | え? |
?: | まだ、手がかりは残ってるでしょ? |
成: |
ち、千尋さん! ‥‥もっと、 早く出てきてくださいよ! |
千: |
ごめんなさい。 ピンチになって、真宵が本気に ならないと出てこられないの。 |
成: |
‥‥ということは、 ピンチ‥‥ですか、今。 |
千: | ええ。かなり。 |
成: |
‥‥あの、”手がかり”って なんですか? |
千: | もちろん、あの少年よ。 |
九: | 『オレ、ゼンブ見てたんだ!』 |
真: | 『ええっ!』 |
九: |
『でもなっ! お前らなんかに、 教えてやるもんか!』 |
成: |
‥‥あの子、協力 してくれそうもありませんよ。 |
千: |
なんとか方法を 見つけるしかないわね。 とにかく。 もう一度、撮影所に行きましょう。 もう、あの子が最後の手がかり なんだから‥‥。 |
成: | (あの子がねえ‥‥) |
成: |
あの、これから どうすれば‥‥? |
千: |
撮影所へ行きましょう。 あの少年から話を聞くの。 |
成: |
何か、気づいたこととか ありませんか? |
千: |
そうね。何かを推理するには、 まだデータが足りないわ。 |
成: |
(‥‥なんか、どこかで 聞いたようなフレーズだな。 真宵ちゃん、千尋さんのマネを してたのか‥‥) |