第3話『逆転のトノサマン』第2回法廷(前編)

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成歩堂 龍一…黒
綾里 千尋…赤
綾里 真宵…青
御剣 怜侍…茶
糸鋸 圭介…黄土
裁判長…緑
荷星 三郎…紺
オバチャン(大場 カオル)…灰
スタッフの子…黄
大滝 九太…黄緑
カントク(宇在 拓也)…橙
姫神 サクラ…紫
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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10月19日 午前9時42分
地方裁判所 被告人第1控え室

荷: ‥‥
‥‥‥‥
あ、あの‥‥成歩堂さん。
成: はい?
荷: さっきから、なんで
そんなケワしいカオを‥‥?
成: あ‥‥いえ。ははは。
なんでもないですよ‥‥
ねえ、千尋さん‥‥。
(‥‥うわ、コワいカオ‥‥)
千: なるほどくん。
あなたの依頼人は今、
ほとんど死にかけているわ。
そういう意味で、彼には
とても親近感をおぼえるわね。
成: 悪い冗談はやめてくださいよ‥‥。
千: 今回は、こちらに武器が
まったくないわ。
でも、荷星さんが本当に
無実ならば、
私たちは、どこかで
見落としをしているはず‥‥。
成: ”見落とし”‥‥。
千: この法廷で、それを
見つけ出せなければ、
私たちは負けるわ。
‥‥今日中に、かならず。
成: (キビシイ戦いになるな‥‥)


10月19日 午前10時
地方裁判所 第4法廷

裁: これより、荷星 三郎の
法廷を開廷します。
御: 検察側、
準備完了しております。
成: 弁護側も、
準備完了しています。
裁: では、御剣検事。
冒頭弁論をおねがいします。
御: 昨日の法廷で、意外な事実が
あきらかになった。
事件当日、英都撮影所には、
他にも関係者がいた、という。
今日は、彼らが、事件には
関係なかったことを証明したい。
裁: ‥‥わかりました。
では、さっそく証人を
呼んでいただきましょう。
成: (あのプロデューサーが
出てくるのかな‥‥)
御: 最初の証人、宇在 拓也を
入廷させていただきたい。
成: (‥‥カントクが来たか‥‥)
御: 証人。名前と職業は?
カ: ‥‥‥‥。
なんだよぅ。
シッケイだなぁ!(怒)
ボクを知らないのかよぅ!
カントクだぞぅ! トノサマンは、
ボクが作ってるんだぞぅ!(爆)
御: ‥‥‥‥‥‥‥‥
カ: う、宇在 拓也。
カ、カントクしてます。テレビの。
裁: 証人は事件当日、
英都撮影所にいたんですね?
カ: は、はい。
裁: ‥‥ふむう。
では、その日のことを
<<証言>>してもらいましょうか。
千: なるほどくん。
まずは、この証人の証言を
くずしましょう。
荷星さんが犯人でないとしたら、
あやしいのは、あの日コテージに
いた人たちですから。
成: は、はい。
(いきなりプレッシャーだ‥‥)

(事件があった日のこと)
カ: 『あの日は、朝の9時ごろ、
英都スタジオに入ったけど。』(証言1)
『午前中は、んーと、アクションの
打ち合わせ、かな。(考)』(証言2)
『なんか、思ったより、時間が
かかっちゃったんだよなあ。』(証言3)
『おヒル、みんなはスタッフエリアで
ゴハン食べたみたいだけど。』(証言4)
『コテージでカイギがあったから、
ボク、食べられなくて。』(証言5)
『カイギは、ケッキョク
4時までやってたのかな。』(証言6)
『カイギ中は、‥‥えーと、誰も
席を、その、立たなかったな。』(証言7)
‥‥そんなところかな。
裁: ふむう‥‥。
被害者のイブクロさんが
殺害されたのが、2時30分ごろ。
そのころは、会議中だったわけ
ですか‥‥。
では、弁護人。
‥‥<<尋問>>を。
成: はい。

(「証言5」をゆさぶる)
成: じゃあケッキョク、ホネつき
ステーキは食べずじまいですか?
カ: そうなんだよ。ステーキはね。
‥‥ヒドい話だろ?
成: ‥‥はあ。
千: なるほどくん。
成: はい?
千: 今の話、どう?
オカシイと思わない?

(「ムジュンしている」を選択)
成: そうですね。たしかにヘンです。
カントク!
カ: え、えっ!
な、なんだよぅ‥‥(汗)
成: ぼくがコテージに行ったとき、
テーブルの上には、
スタッフエリアと同じ皿が
2人前、ありましたよ。
あれは、誰が食べたんですか?
カ: う、うがッ!
いや、あの、その、どの、この
‥‥よ、よくわかったねぇ。(汗)
その‥‥はずかしいから
言わなかったんだケド‥‥。
食べたんだよね、ケッキョク。
成: ホネつきステーキを、ですか。
カ: まァね。せっかくスタッフに
焼かせたんだし。
あとで食べようと思って、
持って行ったから、コテージに。
成: (食いイジが張ってるなあ‥‥)
で? いつ食べたんですか?
カ: カイギ中に、1回だけ
休憩があったからさ。
そのときに、ペロリと。(汁)
成: (キタナイなあ‥‥
でも‥‥待てよ。
休憩をとったとなると、証言に
おかしいところが出てくるぞ。
‥‥もう一度、そのへんを
ゆさぶってみるか‥‥)

(「証言7」をゆさぶる)
成: 一度も休憩を
とらなかったんですか?
カ: えーとぉ‥‥。
そ、そうさぁ!
とらなかったぞぉ!(汗)
成: (‥‥”(汗)”がちょっと
気になるけど‥‥
キメ手がないからなあ‥‥
‥‥って、待てよ。
なんか、引っかかるような‥‥)

(「もっと強くゆさぶる」を選択)
成: ちょっと待ってください!
カントク! ‥‥さっきあなたは、
こう言いましたね?
”休憩中にステーキを食べた”と!
カ: あッ!
成: どうなんですか!
カ: ‥‥う、うう。
裁: 証人。‥‥どうなんですか?
カ: ま、まあ‥‥。
とったかな‥‥休憩。
千: なるほどくん!
よくやったわ!
休憩をとったなら、そのあいだに、
スタジオに行けたかもしれない!
成: 裁判長!
休憩時間について、
<<証言>>をおねがいします!
裁: わかりました。
では、証人。
<<証言>>をおねがいします。
カ: ひいぃ‥‥。
御: ‥‥クックックッ‥‥。
成: (笑ってるよ‥‥)

(”休憩”について)
カ: 『たしかに、休憩は
とったけどさあ‥‥。(爆)』(証言1)
『たった15分だよ、15分。』(証言2)
『第1スタジオで殺人なんて、
できるわけないだろお。(笑)』(証言3)
『ホネつきステーキ食べてるだけで
終わっちゃうって!(怒)』(証言4)
裁: ふむう‥‥。
私なら、ステーキも
食べ終わらないでしょうな。
‥‥では、<<尋問>>を。

(「証言1」をゆさぶる)
成: その休憩は、
何時にとったんですか!
カ: えーと‥‥。
たしか、2時30分から
15分間だったと思うけど。
成: (2時30分!
事件が起こった時間だ!
第1スタジオで、衣袋さんを
殺害して、もどってくる‥‥
時間的には、
なんとか可能だな‥‥)
御: ‥‥‥‥‥‥。

(「証言3」をゆさぶる)
成: どうしてですか?

(御剣検事「異議あり!」)
御: ‥‥もう、イミのない
尋問は、たくさんだ!
裁判長!
これまでの証言で
あきらかなとおり、
コテージにいた人間は、
今回の事件には関係ない!
なぜなら、第1スタジオに
行くのはムリだったからだ!
成: ‥‥何ッ!
御: それとも弁護人は、
コテージにいた人間が、
殺人現場に行ったと言うつもりか!
裁: ふむう‥‥。
どうですか? 弁護人。
千: なるほどくん。
‥‥ここは、大事なポイントよ。
よく考えてね!
裁: コテージの人間が、第1スタジオに
行ったと主張しますか?

(「それはムリだと言う」を選択)
成: (‥‥ここで認めたくは
ないけど‥‥
ムリだとわかっていることを
主張するワケにも行かない‥‥)
‥‥たしかに、コテージの人間が
スタジオに行くのは、不可能です。
御: ハッ!
いつものように、考えもなく
つっかかってくるかと思えば!
なかなかモノわかりがいいな‥‥。
裁: どういうことですか?
‥‥御剣検事。
御: カンタンなこと‥‥。
たしかに被害者が死んだ時間、
コテージは休憩に入っていた。
しかし!
スタジオへ通じる道は、
ふさがっていたのだ!
”サルマゲくん”のクビによって!
強風によってクビが折れたのは、
2時15分だった。
つまり。
2時30分に休憩をとっても、
あの道は通れなかったわけだ。
”サルマゲくん”のクビが
あったからな!
成: ‥‥‥‥。
(ホントは”サルマゲどん”
なんだけど‥‥
それにツッコミを入れる気にも
なれない‥‥)
御: 以上をもって‥‥。
この証人に対する質問は、
終了する。
成: (お、終わっちまったよ‥‥)
裁: では、
私の意見を申し上げましょう。
事件当日、第2スタジオの
コテージに、数名の人間がいた。
しかし、彼らは、第1スタジオに
行けなかったわけだから、
この事件に関係ないことは
あきらかです。
また、このトノサマンの
写真ですが、
体格からいって、被告以外の
人間は、着ることはできない。
あとは、このトノサマンが
犯人であるという、
その決定的な証拠があれば、
それで決まるのですが‥‥。
御: 裁判長。
当然、検察側は用意している。
‥‥決定的な証人を。
裁: 御剣検事。‥‥”決定的な証人”
とは、どういう‥‥?
御: 彼は、トノサマンが被害者を
殺害した瞬間を目撃している!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛に!
わかりました。
10分間の休憩を挟んで、
その証人に話を聞きましょう。
では、休憩に入ります!


10月19日 午前11時4分
地方裁判所 被告人第1控え室

千: ‥‥‥‥‥‥。
成: ち、千尋さん。
どうしましょう‥‥。
コテージの人間は、
事件には無関係、ってことに‥‥。
千: ‥‥
‥‥‥‥ゴメンね、なるほどくん。
どうやら、
私の見込み違いだったみたいね。
成: そ、そんな!
千尋さんがあきらめちゃったら、
ぼくは、もう‥‥!
千: ‥‥‥‥
カン違いしないで。
私は今まで、あきらめた
ことなんて、一度もないわ。
今の尋問であきらかになったのは、
ただ1つよ。
”コテージにいた人間は、
第1スタジオには行けなかった”
私、そこに何か秘密があると
思っていたんだけど‥‥。
そうじゃなかった。
‥‥それだけのことよ。
荷: あの‥‥。
ボク‥‥、
どうなっちゃうんでしょう?
なんだか、もう、法廷中の人たちが
”お前がやったんだ!”って、
そう言ってるような気がして‥‥。
千: だいじょうぶです。
あなたが無実ならば、私たちは
かならず、それを証明します。
私たちにまかせて、
堂々としていてください。
‥‥トノサマンなんですから、
あなたは。
荷: は‥‥
きょ‥‥
恐縮です。
千: さあ。なるほどくん。
がんばらないとね。
トノサマンが大好きな、
子供たちのために‥‥!


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