第3話『逆転のトノサマン』第2回法廷(中編)

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成歩堂 龍一…黒
綾里 千尋…赤
綾里 真宵…青
御剣 怜侍…茶
糸鋸 圭介…黄土
裁判長…緑
荷星 三郎…紺
オバチャン(大場 カオル)…灰
スタッフの子…黄
大滝 九太…黄緑
カントク(宇在 拓也)…橙
姫神 サクラ…紫
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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10月19日 午前11時15分
地方裁判所 第4法廷

裁: では、審理を再開しましょう。
御: 検察側としては、
まだおさなく、イタイケな小学生を
殺人事件の証人として呼んだうえ、
あの弁護人に、イジの悪い質問を
させたくはない‥‥。
成: (好きなコト言いやがって‥‥)
御: しかし、こうなっては
いたしかたない。
証人として、大滝 九太少年を
入廷させていただこう!

御: 裁判長。
‥‥とりあえず証人に、何か台を。
裁: そ、そうですね。
係官。
‥‥みかん箱を。
御: では証人。名前と学年を。
九: ‥‥‥‥‥‥
御: 証人!
九: なんだよ!
オトナだからって、イバるなよな!
御: むぐぐ‥‥。
千: だめよ、九太くん。
ちゃんと、質問には答えるの。
九: あっ、お姉ちゃん!
ボク、大滝 九太。
小学校2年生です!
成: (先が思いやられるな‥‥)
裁: 御剣検事。
相手は子供なんですから、
もっとこう、ヤサシクしなさい。
御: む、むむむ。
‥‥証人。いや、‥‥九太くん。
成: (なんか、イタイタしいな‥‥)
御: キミは、その、事件のあった日、
英都撮影所に行ったね?
九: 行っちゃ悪ィかよ!
御: ‥‥そのとき見たことを、その、
ワレワレに聞かせてほしいなあ。
九: え? オジさんと、そこの
エラそうなヒゲのおジイさんに?
御: ”おニイさん”だ。
裁: ”ヒゲのおじさん”です。
成: (やれやれ‥‥)
裁: ところで。
法廷内は、カメラの持ち込みは
キンシされているはずですが。
御: う、うむむ。
”カメラがダメなら証言しない”と
言われてしまったもので‥‥
トクベツに許可していただきたい。
成: コドモとトリヒキして、
しかも負けるなよ!
九: このカメラ、こないだ買って
もらったばっかりなんだぜ!
まだ、ちょっと使い方、
よくわかんないんだけどさ!
最近は、どこかへ行くときは、
ゼッタイ持っていくんだぜ!
千: ‥‥なるほどくん。
あのカメラ、ビミョーに
気になるわ‥‥。
ちょっと、法廷記録に
ファイルを作った方がいいわね。

証拠品<<九太のデジタルカメラ>>の
データを法廷記録にファイルした。
裁: では、九太くん。
事件のあった日、見たことを
<<証言>>してもらいましょう。

(事件があった日のこと)
九: 『オレ、一度トノサマンのリハーサル
が見たくてさあ。』(証言1)
『インターネットで地図を見て、
あの日、撮影所に行ったんだ。』(証言2)
『警備員のオバチャンに見つからない
ように、道のそとの林を通って、』(証言3)
『オレ、とにかく
スタジオに行こうとしたんだ。』(証言4)
『とちゅう、30分ぐらい道に
まよっちゃったんだけど。』(証言5)
『スタジオのところに出たら、
トノサマンがいたんだ!』(証言6)
『オレ、うれしくて。
見てたら、悪人が出てきてさあ。』(証言7)
『トノサマンは‥‥モチロン、
その悪人をたおしたよ!』(証言8)
『もしカメラを持っていれば、
シャッターチャンスだったよ。』(証言9)
ケッキョク、スタジオには
入れなくて、その日は帰ったんだ。
裁: ふむう‥‥。
では弁護人、<<尋問>>を
おねがいしますが、
相手は少年です。
‥‥ヤサシクするように。
九: ‥‥‥‥。
成: (そんな必要、
ないような気がするけど‥‥)

(「証言9」に「九太のデジタルカメラ」をつきつける)
成: 九太くん。‥‥今の話、
ちょっとおかしいな。
きみ、さっきは、いつでも
デジカメは持ち歩く、って、
ハッキリ、そう言ってたじゃない。
九: え!
成: ダメだよ。ウソついちゃあ!
裁: 弁護人!
‥‥ちょっといいですか?
成: (しまった。
‥‥キツく言いすぎたか?)
裁: なんですか?
”でじかめ”って?
成: えーと。‥‥”デジタル・カメラ”
のことです。
最近はやっている、
カメラの一種です。
(セツメイのしようがない‥‥)
裁: なるほど。
成: とにかく。九太くん。
きみが撮影所に行くとしたら、
カメラをわすれるはずがない!
‥‥持っていたんだろう?
九: うう‥‥。

(御剣検事「異議あり!」)
御: 弁護人!
少年をオドすとは、
見下げはてた男だな!
成: 少年だろうが検事だろうが、
ウソはよくない!
御: なんでそこに”検事”が
出てくるんだ‥‥。
成: どうなのかな、九太くん。
九: な、なんだよ!
ああ。たしかにカメラは
持ってたよ!
それがなんだってんだよぉ!
裁: じゃあ、そのカメラは?
使わなかったのかな?
九: つ、使うわけないよ。
‥‥オレ、ムチュウで
見てたから‥‥。
裁: ふむう。
では、その”見ていたこと”を
<<証言>>してもらいましょうか。

(見ていたことについて)
九: 『た、たしかにカメラは
持ってたけど。』(証言1)
『もう、イッシュンも目が
はなせなかったんだ。』(証言2)
『トノサマンに悪人が
おそいかかってさあ!』(証言3)
『そして‥‥悪人は、
動かなくなったんだ!』(証言4)
『強いよなぁ!
やっぱり、トノサマンは!』(証言5)
裁: ふむう‥‥。
あれ。もう終わりですか。
‥‥ずいぶんアッサリした
証言でしたね。
‥‥では、<<尋問>>を。

(「証言4」をゆさぶる)
成: どうして?
九: え? ‥‥何が”どうして”
なんだよ?
成: 悪人は、どうして動かなく
なったのかな?
九: そ、そりゃあ、トノサマンが
やっつけたからだよ。
成: だから、どうやって
やっつけたのかな‥‥?
九: ど、どうやって、って‥‥。
トノサマン・キックに
トノサマン・パンチ、
トノサマン・チョップに
トノサマン・ビンタ、
‥‥そ、そんな感じかな。
成: (どうも、このあたりが
スッキリしないんだよな‥‥)
九: なんだよォ! その目は!
成: (‥‥どうしよう?)

(「もっとゆさぶってみる」を選択)
成: 九太くん。
九: な、なんだよ!
成: きみは最初に、こう言ったね。
トノサマンから”イッシュンも目を
はなせなかった”って。
九: そ‥‥それがなんだってんだよ。
成: なのになぜ、一番カンジンな部分
を見ていないんだい?

(御剣検事「異議あり!」)
御: 少年は、キチンと証言を‥‥!

(成歩堂「異議あり!」)
成: キチンと証言していないことは、
あなたにもわかっているでしょう?
殺人犯は、ふつう
”トノサマン・ビンタ”はしない!
御: ぐぐぅ!
成: つまり!
九太くんは、トノサマンの戦いの、
一番重要なところ、
テキにトドメを刺すところを
見ていないのです!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛に!
弁護人!
しかし、それはタイヘン
おかしなことです!
その理由を、あなたは
説明できますか?
成: え‥‥、そ、それは‥‥
ちょっと‥‥。
千: なるほどくん!
あなたは今、とても
いいセンを行っているわ!
”なぜ、九太くんは戦いの
クライマックスを見てないか?”
その理由もわかるはずよ!
あなたなら!
裁: 弁護人!
‥‥答えてもらいましょう。
トノサマンの
大ファンである少年が、
なぜ、戦いのクライマックスを
見ていなかったのですか!

(「証拠品を提示する」を選択)
成: 裁判長。
‥‥証拠品があるんです。
裁: ”証拠品”‥‥ですか?
成: そうです。
”なぜ九太くんは、戦いから
目をそらしたか”‥‥?

(「九太のデジタルカメラ」をつきつける)
成: その証拠は、これです!
裁: なんですか‥‥?
そのカメラが、どういう‥‥?
成: このカメラは、最近、
買ってもらったばかりです。
裁: それは知っています。
成: まだ彼は、カメラのあつかいに
慣れていません。
裁: それもわかっています。
‥‥あっ!
成: 九太くんは、トノサマンが
トドメをさす瞬間、
カメラを見ていたんですよ!
もちろん、写真を撮るためにね!
九: あッ!
成: どうやら、図星だったみたいだね。
九: なんなんだよ、オマエ‥‥。
オレをイジメて、たのしいかよ!
成: (イジメているわけじゃ
ないんだけど)
千: よくやったわ、なるほどくん!
九太くんは、ウソをついていた。
目の前でトノサマンが戦っていて、
彼が写真を撮らないなんて、
あり得ないものね。
成: はい!
いいかい。
きみがトノサマンの戦いから
目をそらした理由は、ただ1つ。
それを写真に撮ろうと思って、
カメラをいじっていたからだ。
買ったばかりで、まだ操作に
慣れていなかったから、
決定的なシュンカンを
見のがしちゃったんだろう?
九: ‥‥
‥‥‥‥
‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥そうだよ‥‥。
千: さあ、なるほどくん。
この子は、まだ何かを
かくしているわ!
もう一度、<<証言>>させるの!
成: は、はい。
(千尋さん、コワい‥‥)
裁判長。
九太くんに、もう一度
<<証言>>をおねがいします。
裁: わ、わかりました。
では、九太くん。
そのカメラと、写真を撮らなかった
ことについて、
もう少し、くわしく話して
もらえるかな?
九: ううう‥‥。
成: (オトナの世界は
キビシイんだぞ‥‥!)

(写真は撮らなかった?)
九: 『オマエの言うとおりだよ。』(証言1)
『トノサマンが、悪人の手を
ふりほどいたから、』(証言2)
『オレ、写真を撮ろうと思って、
カメラをかまえたんだけど。』(証言3)
『レンズが開かなくって。
ちょっと間に合わなかったんだ。』(証言4)
『そ‥‥それで、オシマイかな。』(証言5)
裁: ふむう‥‥。
この証言に、何か
おかしなところはありますか?
成: ‥‥わかりません。
でも、<<尋問>>は
させてもらいます。

(「証言5」をゆさぶる)
成: ”オシマイ”‥‥?
九: そ‥‥そうだよ!
写真は、撮らなかったんだ!
成: (ぼくだったら、写真、
撮ると思うけどなあ‥‥
この少年は、本当に写真を
撮らなかったのだろうか?)

(「キツく揺さぶってみる」を選択)
成: (九太くんだったら、シャッターを
押さないはずはない!
きっと、ここに何か
あるはずだ!)
九太くん!
ぼくには、何もかも
わかってるんだよ!
きみは、写真を撮ったはずだ!
九: ‥‥あッ!
成: (思ったとおり、か‥‥)
九: ど、どうしてわかるんだよ‥‥?
成: おニイさんには、九太くんの
ウソが、みんなわかるんだよ。
九: ‥‥す、すげェや!
成: (お。‥‥なんか、いいキモチ)
九: オレ‥‥、
たしかに撮ったよ‥‥写真。
裁: では、そのように証言を
変えてもらいましょうか。
九: 『少しおくれて何枚か撮ったけど、
データはもう、消しちゃったよ。』(証言・補足)

(「証言・捕捉」に「”栄光の足跡”」をつきつける)
成: 九太くん!
九: な、な、な、なんだよ!
さっきからアンタに名前を呼ばれる
と、ロクなことがないや!
成: 昨日は、これ、どうもありがとう。
九: ‥‥え? あ、ああ‥‥。
成: きみ、昨日、こんなことを
言ってたよね?
九: 『オレ、トノサマンのショーには、
かならず行くんだよ!
でさ。トノサマンが勝った瞬間を、
こうして写真に撮るのさ!
1つ残らず、ぜーんぶ写真に
撮ってるんだぜ。‥‥カンペキに!』
成: いいかい。
もし、トノサマンが戦いに勝った
シーンをきみが撮ったのなら、
それを消すはずはない。
このアルバムに、かざらなければ
ならないからね!
九: ああッ!
裁: ‥‥弁護人。
そのアルバム、なんですか?
成: これは、”栄光の足跡”といって、
九太くんが、トノサマンの写真を
撮って、集めたものです。
これまでの、トノサマンの勝利の
シーンが、すべて撮影されている!
裁: は‥‥はあ。
成: しかし!
事件当日のトノサマンの写真は、
このアルバムには、ない!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に!
成歩堂くん。
‥‥それは、なぜでしょう?
トノサマンが誰かをやっつけた
のならば‥‥、
そのアルバムに、その写真が
なければおかしい‥‥。
成: そのとおりです!
‥‥‥‥
‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥!
(ま‥‥まさか‥‥‥‥まさか!)
千: ‥‥なるほどくん。
どうやら私たちは、
たどりついたみたいね。
‥‥とんでもない”真相”に。


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