第3話『逆転のトノサマン』探偵パート3日目(前編)

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成歩堂 龍一…黒
綾里 千尋…赤
綾里 真宵…青
御剣 怜侍…茶
糸鋸 圭介…黄土
裁判長…緑
荷星 三郎…紺
オバチャン(大場 カオル)…灰
スタッフの子…黄
大滝 九太…黄緑
カントク(宇在 拓也)…橙
姫神 サクラ…紫
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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10月19日 午後3時27分
成歩堂法律事務所

成: ‥‥ふう。今日は
危なかったですね、千尋さん‥‥。
真: ふーん、そうなんだ。
‥‥あたしも見たかったな。
成:
ま、真宵ちゃん!
真: ね。ね。
‥‥ケッキョク、どうなったの?
成: なんとなく、犯人の目星は
ついてきたよ。
あとは、証拠と‥‥動機、かな。
真: へえ! すごいなあ!
成: ”序審法廷”のシステムでは、
明日が最終日だからね。
真: ”序審法廷”?
成: 聞いたことない? 2、3年前から
始まった法廷のシステム。
要するに、犯罪の件数が多いから、
サッサと片づけようっていう制度。
真: その制度だと、裁判って、3日で
終わっちゃうの?
成: まあ、とりあえずはね。
‥‥そういうことだから、
さっそく、行こうか。

(「トノサマン」を聞く)
成: なんでイブクロさん、
トノサマンの着ぐるみなんて
盗んだのかなあ。
真: え! あれって、
イブクロさんが入ってたの!
成: そうなんだよ。
真: で、でも、イブクロさんて、
被害者でしょ!
なんで、わざわざそんなことを?
成: その答えを、これから
見つけるんだよ。

(「カントクのアリバイ」を聞く)
真: カントクたちの証言は
どうなったの?
成: カントクやプロデューサーたちが
コテージにいたことは間違いない。
真: そうなんだ‥‥。
成: でも、だからこそ、犯人は
彼らしかいないんだ。
真: えっ! どうして!
成: 殺人現場は、実はコテージのある、
第2スタジオだったんだよ。
真: うええええっ!
成: (ここまでおどろかれると、
なんかやりにくいなあ‥‥)

(「気づいたこと」を聞く)
成: なんか気づいたこと、ない?
真: あたし、お姉ちゃんを呼び出して
いるときは意識がないの。
気づきたくても、気づきようが
ないんだ‥‥ごめんね。
成: ううん‥‥。
真: ちょっと、ニボサブさんの話でも
聞きに行ってみようか。
成: (ニボサブさんか‥‥)

(「留置所」へ移動する)


10月19日 某時刻
留置所 面会室

荷: 成歩堂さん。
今日もイカしてましたね。
成: あ、ありがとうございます。
‥‥その、うるんだヒトミは
やめてください。
真: へえ。なるほどくん、
イカしてたんだぁ。
成: ‥‥その、失礼なニヤケヅラも
やめてほしいな。
真: ニボサブさん! とにかく、
残すは明日、1日だけです。
がんばりましょうね!
荷: はあ。
‥‥といって、ボクに何ができる
というワケでもないんですけど。
真: あはは。ま、あたしも
そうなんですけどねー。
成: ”あはは”じゃないだろ。

(「姫神プロデューサー」を聞く)
成: 姫神さんのこと、
何か話してもらえますか。
荷: ああ‥‥、
あのプロデューサーの方ですか。
あの人は、業界で”天才”と
言われている人です。
真: ”テンサイ”‥‥。
荷: 英都に来てから、もう
5年ぐらいたちますけど‥‥。
今じゃあ、あの人には
誰もアタマが上がりません。
成: どうしてですか?
荷: あの人は、ここへ来てから
たてつづけにヒット作を作って、
当時つぶれかけていた英都を、
ミゴトよみがえらせたんです。
それに‥‥。
真: それに‥‥なんですか?
荷: いいえ。なんでもないです。
‥‥ボクも、ウワサしか
知らないんで‥‥。

(「宇在カントク」を聞く)
成: 宇在カントクって、どんな
人ですか?
荷: あの人は、これまでマイナーな
ビデオ作品ばかり作ってたんです。
それを、あの姫神プロデューサーが
目にとめて、
トノサマンの話を
持っていったんです。
おかげで、宇在カントクは
今じゃ有名人です。
カントク、プロデューサーには
アタマが上がらないみたいですよ。
彼女の言うことなら、なんでも
ハイハイ聞いてます。
成: (うーん、目に浮かぶなあ‥‥)

(「イブクロさん」を聞く)
真: あの、イブクロさんのこと
なんですけど。
ムカシはあの人、大スターだった
じゃないですか。
急に名前を聞かなくなっちゃった
んですけど‥‥。
荷: ああ‥‥。
ボクも、あの人にアコガレて
この世界に。
あの人、急に大きなシゴトを
しなくなったんですよ。
そして、この英都で
小さな作品に出るように‥‥。
真: ええ! どうしてなんですか?
あたし、”武者ぶるいの夏”の
続編、たのしみにしてたんですよ!
荷: イブクロさん、スターの座を下りた
のが、5年ぐらい前なんですよ。
‥‥考えてみると。
ちょうどそのころなんですよね。
‥‥姫神さんが英都に来たの‥‥。
成: (5年前‥‥)

(「撮影所・正門前」に移動する)


10月19日 某時刻
英都撮影所・正門前

オ: ‥‥。
‥‥‥‥。
‥‥‥‥‥‥。
真: オバチャン、今日は
しずかだね。
オ: ‥‥‥‥。
真: いつもこうだと、
この撮影所も平和なのに。
オ: ‥‥‥‥。
真: なるほどくん。
ちょっと、ハリアイがないね。
成: ま、まあね。
真: 今なら、詰所のようかん、
食べてもだいじょうぶかも。
オ: ‥‥‥‥。
‥‥食べたら、ハッたおす。
真: あ。よかった、生きてたよ。

(「姫神プロデューサー」を聞く)
成: あの‥‥姫神プロデューサーの
ことですけど‥‥。
オ: 英都のおエラ方は、あの女を
気に入ってるからね。
あの女の思いどおりにならない
ことは、ないョ。
成: (ニガニガしい口調だ‥‥)
真: キライなんですか?
プロデューサーのこと?
オ: あの女のことは話せないョ。
‥‥撮影所の人から言われたから。

(「宇在カントク」を聞く)
成: 宇在カントクですけど‥‥。
オ: アイツは、姫神の言いなりに動く、
フヌケた男だよ。
どうも、姫神にイジメられるのが、
ウレシイみたいだネ。
真: えー? なんでイジメられるのが
ウレシイんですか?
ね、なるほどくん。なんで?
成: ‥‥さ、さあねえ。

(「イブクロさん」を聞く)
成: イブクロさんのことですけど‥‥。
オ: アンタ!
今日はよくも、イイカゲンなことを
言ってくれたね!
あの、あの大スターのイブクロ
ちゃんを、こともあろうに‥‥
ハンザイシャ呼ばわり
するなんて‥‥
オ、オバ、オバチャン、
許さないよぉ!
成: (ホ、ホンキで怒ってるぞ‥‥)
オ: いいかい!
イブクロちゃんはねェ!
オバチャンの目をごまかすために、
荷星の着ぐるみを盗むような、
そんなヒキョウなことは
ゼッタイ、しないんだ!

(「スタッフエリア」に移動する)


10月19日 某時刻
撮影所・スタッフエリア

真: 撮影は今日も中止、か。
1回ぐらい、見てみたかったな。
成: 明日の法廷で決着をつけるから、
それから見に来ればいいよ。
真: そうだね‥‥。
なるほどくん、スイミンヤクのビン
て、ここで見つけたんだよね?
成: そうだよ。
真: 他にも、何かないのかな‥‥。
糸: うおおおおおおおおおおおっ!
ダメッス!
さわっちゃダメッス!
真: きゃあああっ!
糸: いや、スマンッス。
もしかしたら、おどろかせて
しまったかもしれないッスな。
真: も、もしかしなくても、
おどろきましたよッ!
糸: いやいや。
たまには自分も、ドラマティックに
キメてみたいッス。
成: (”ティック”って‥‥)
糸: コホン。
とにかく、ちょっとそのテーブルの
皿を調べるッス。
成: もしかして、睡眠薬の?
糸: そッス。
コンセキを調べるッス。

(「皿」を聞く)
真: 睡眠薬のコンセキを調べる‥‥
って、どうするんですか?
糸: くわしいことは
持ち帰って調べるッスけど、
今ここで、かるく調べることが
できるようにと、
鑑識のセンセイが、試薬を
くれたッス。
反応があれば、クスリの色が
変わるッス。
真: わぁ、オモシロそう!
イトノコさん、早く! 早く!
糸: まま、そうアワテちゃダメッス。
‥‥
‥‥‥‥
‥‥‥‥‥‥。
お皿にたらしたクスリの色、
ハッキリと変わったッスね‥‥。
成: どうやらこの皿には、
睡眠薬が‥‥。
糸: そういうことッスね。

証拠品<<ステーキの皿>>のデータを
法廷記録にファイルした。

(「捜査について」を聞く)
成: 捜査の方は、
どうなっているんですか?
糸: ジッサイのところ、
大さわぎッス。
このまま荷星を追求するべきだ
という意見と、
容疑者を切りかえるべきだという
意見で、まっぷたつッス。
真: イトノコさんの意見は
どうなんですか?
糸: くやしいッスが‥‥。
自分は、荷星犯人説は
違うと思っているッス。
‥‥御剣検事には、また
モウシワケないことを‥‥。

(「御剣検事」を聞く)
成: そういえば、御剣検事は
どうしてます?
糸: それがもう、大荒れッス!
控え室で、アツいコーヒーの入った
紙コップをひねりつぶしたッス。
成: ‥‥はあ。
糸: もう、大ヤケドッス!
真: わあい。いいキミだぁ!
成: ”紙コップ”‥‥ねえ。
(‥‥コップ‥‥ビン‥‥)
そういえば、あの小ビン、
どうなりました?
糸: ああ。睡眠薬のビン、ッスか。
アンタには、いいニュースッス。
ビンから、被害者・衣袋 武志の
指紋が発見されたッス。
真: ‥‥ということは‥‥。
糸: どうやら、荷星を眠らせたのは、
被害者だったみたいッス。
成: (やっぱり‥‥)

証拠品<<睡眠薬の小ビン>>のデータ
を法廷記録にファイルした。

(「楽屋」に移動する)
ス: あ。‥‥こんにちは。
真: どうしたの?
こんなところで。
ス: ええ。‥‥楽屋のかたづけを、
ちょっとね。
もう、ニボサブさんが
使うこともないし。
真: え? え?
‥‥どうして!
ニボサブさん、明日、
ムザイになるんだよ!
ス: それは、本当にありがとう
ございます。
でも‥‥。
トノサマン、今週で
最終回なんですよ‥‥。
真: ええええええええええええええっ!

(「イブクロさん」を聞く)
成: イブクロさんのこと
なんですけど‥‥。
ス: はい。
成: 事件当日、あの人、第2スタジオに
行っているんですよ。
ス: え? 第1スタジオじゃなかった
んですか?
真: しかも、しかも、トノサマンの
着ぐるみを盗んでいるんだよ!
ス: ええっ!
イブクロさん、なんで
そんなことを‥‥。
‥‥‥‥。
やっぱり。
あのウワサ、本当だったのかな。
真: ”ウワサ?”
ス: イブクロさん、姫神プロデューサー
に、何か弱みをにぎられていて、
なんでも言いなりになって
いたみたいなんですよ‥‥。
真: ”弱み”‥‥って?
教えて!
ス: ‥‥‥‥。
弱みというのは、その人の
うしろぐらい部分、弱点です。
真: ‥‥‥‥。
知ってるよ、そんなこと。
ス: 5年前、ここでイブクロさん主演の
映画を撮っていたんですよ。
当時、できたばっかりだった
第2スタジオで。
その撮影中に、何か事故が
あったらしいんです。
それ以来、第2スタジオは
使われなくなっちゃって。
そのときのセットが、今も
あるんです。
成: (セット‥‥?
あのコテージ、か‥‥)

(「最終回」を聞く)
真: ト、トノサマン、終わっちゃうの!
ス: ‥‥はい。
でも、しょうがないですよ。
人を死なせてしまったんですから。
‥‥現実の世界で。
真: ううう‥‥。
ス: それに、この英都撮影所では、
これからは、もういっさい、
子供向けの番組は作りません。
真: え、ええっ!
‥‥ど、どうして!
ス: 私もさびしいんですけど。
でも、それが英都撮影所の
方針なんです‥‥。

(「撮影所の方針」を聞く)
成: どうして子供番組を
作らないのかな?
ス: 英都のエラい人たちは、
トノサマンを‥‥
この事件のことを、
わすれたいんです。
誰にも触れられたく
ないんですよ。
真: そ、そんなの、勝手な
話だよ‥‥。
トノサマンが好きな子供たちは
どうすればいいの!
ス: だいじょうぶですよ。
きっと子供たちだって、
すぐに新しいヒーローを
見つけますから。
真: そんなことないよ!
今、いきなり番組が終わったら、
みんな悲しむよ。
ね、なるほどくん!
なんか言ってよ!
成: え。
そ、そうだなあ‥‥。
(ここは、コトバで言うより、
証拠品のチカラを借りようか)
ちょっといいかな。
‥‥これを見てほしいんだけど。

(「”栄光の足跡”」を選択)
ス: ‥‥これは‥‥。
成: ファンの子が、たった1人で
集めた写真だよ。
子供たちは、トノサマンが
大好きなんだよ。
オトナたちのつごうで、
いきなり打ち切りなんて、
スタッフなら、そんなことを
しちゃあダメだよ。
ス: ‥‥‥‥。
‥‥‥‥‥‥。
そうなんですよね‥‥。
‥‥わかりました!
私にできること、ありますか?
成: あるよ。
聞かせてほしいんだ。
そこまでしてかくしたがる、
英都撮影所のヒミツを。
”5年前の事故”のことを
教えてくれないか。
ス: ‥‥‥‥。
‥‥はい!

(「5年前の事故」を聞く)
成: 聞かせてくれないか。
5年前、何があったか‥‥。
ス: ‥‥はい。私の聞いていることを
お話しします。
5年前の撮影で、イブクロさん、
人を‥‥死なせたみたいなんです。
真: え、ひ‥‥人を‥‥?
ス: あ! モチロン
事故だったんですよ!
それで‥‥。
うまく立ち回って、もみ消したのが
姫神プロデューサーだったんです。
成: ‥‥それが、イブクロさんの
”弱み”ですか‥‥。
真: だからイブクロさん、姫神
プロデューサーの言いなりに‥‥。
‥‥‥‥。
でも、事故だったんなら、
公表しちゃえばよかったのに。
ス: 当時、イブクロさんは
大スターでしたから、
なんとしても
かくしておきたかったんです。
真: そうだったんだ‥‥。
ス: 警備員のオバチャンなら、
もっとくわしく知っています。
そのころから、この撮影所に
いましたから‥‥。
成: ありがとう。
‥‥聞いてみるよ。
(あのオバチャン、話して
くれるかな‥‥)

(「スタッフエリア」に移動する)

(「撮影所・正門前」に移動する)


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