成歩堂 龍一…黒 | |
綾里 千尋…赤 | |
綾里 真宵…青 | |
御剣 怜侍…茶 | |
糸鋸 圭介…黄土 | |
裁判長…緑 | |
荷星 三郎…紺 | |
オバチャン(大場 カオル)…灰 | |
スタッフの子…黄 | |
大滝 九太…黄緑 | |
カントク(宇在 拓也)…橙 | |
姫神 サクラ…紫 |
オ: |
なんだいアンタたち。 まだいたのかい。 そんなにここが好きなら、 オバチャンのかわりに働くかい? |
真: |
オバチャン‥‥ 元気ないですね。 |
オ: |
みんな、イブクロちゃんのことを わすれようとして、必死だョ。 英都撮影所がここまで大きく なったのは、誰のオカゲだい? みーんな、イブクロちゃんの オカゲじゃないか‥‥。 |
真: |
オ、オバチャンが グチをこぼしてる‥‥。 キケンだよ、なるほどくん。 |
成: |
あの‥‥。 5年前のことなんですけど‥‥。 |
オ: |
! アンタ! ‥‥ダレに、それを! |
成: | そ、それは‥‥。 |
オ: | 間宮だね! |
成: | ま、まみや‥‥? |
真: |
なるほどくん。 スタッフの子の名前だよ。 |
成: |
と、とにかく。 聞いたんですよ。 イブクロさん、撮影中の事故で、 人を‥‥ その。 ‥‥死なせちゃった、って。 |
オ: |
アンタたち! そうやって人のムカシを ほじくりかえして、 たのしいかい! |
成: |
い、いや。これは、荷星さんを 助けるためですから‥‥。 |
オ: |
イブクロちゃんが、荷星の 着ぐるみを盗んだって! そんな言いがかり、 オバチャンは信じないよ! それとも、何か証拠でも あるのかい! |
成: |
(イブクロさんが着ぐるみを盗もう とした証拠か‥‥どうだろう?) |
成: |
オバチャンには悪いけど‥‥ あるんですよ、証拠。 イブクロさんが、着ぐるみを 盗もうとしたという証拠は‥‥、 |
成: |
‥‥あの日、おヒルに ホネつきステーキを食べましたね? |
オ: | あ、ああ‥‥食べたケド。 |
成: |
これは、そのときの 荷星さんの皿です。 睡眠薬のコンセキが 見つかっています。 |
オ: |
は‥‥はん! 荷星が自分で 入れたんじゃないのかい! あんな男でも、眠れないこと ぐらい、あるだろうからね。 |
成: |
この睡眠薬、イブクロさんが 入れたという証拠があるんですよ。 |
成: |
睡眠薬が入っていたビンです。 ‥‥イブクロさんの指紋が 残っていました。 |
オ: |
‥‥! ‥‥‥‥ ‥‥‥‥‥‥。 そうかい‥‥。 かわいそうにねえ‥‥ イブクロちゃん。 やっちゃいけないコト、 ‥‥やっちゃったんだネェ。 |
真: | オバチャン‥‥。 |
オ: |
アンタにゃ負けたよ。 ‥‥話すとしようか。 オバチャンも、ちょっと つかれちゃったからね‥‥。 |
成: | オバチャン‥‥。 |
オ: |
たしかに、今から5年前。 ‥‥人が死ぬ事故があったよ。 まずいことに、芸能記者が 写真を撮っちまってね。 その写真をめぐって、大さわぎさ。 そのさわぎをおさめたのが あの女、姫神だよ。 あいつ、暴力団とつながりが あってさ。 芸能記者たちを、だまらせたんだ。 ‥‥それからだョ。 あの女が、英都でデカいカオを するようになったのは‥‥。 |
真: | ‥‥そうだったんですか。 |
オ: |
でも。わかってやってョ。 イブクロちゃんに、悪気は なかったんだ! |
真: | オバチャン‥‥。 |
オ: | ちょっと待ってな。 |
真: |
なんか、オバチャン かわいそう‥‥。 |
オ: | これ、持っていきな。 |
成: |
? ‥‥写真、ですか。 こ‥‥これは! |
オ: | そのときの写真だよ。 |
成: |
ここは‥‥第2スタジオの コテージ、ですか‥‥? |
オ: |
イブクロちゃん、階段の上で ワルモノと戦うシーンでね。 相手役を‥‥花壇の鉄柵の 上に‥‥。 |
成: |
‥‥なんでオバチャンが、 こんなものを‥‥! |
オ: |
ムカシのことだよ。 ‥‥話したくもないネ。 |
成: | ‥‥わかりました。 |
法廷記録に挟んだ。 | |
第1スタジオ前 | |
真: |
事件があった日‥‥ イブクロさん、トノサマンの 着ぐるみを着て、 ここから第2スタジオに 行ったんだよね‥‥? |
成: | そうだね。 |
真: |
でも、なんのためかなあ。 姫神プロデューサーか、カントクが 呼び出したのかなあ‥‥。 |
第2スタジオ前 | |
真: |
あ‥‥。なるほどくん、 姫神プロデューサーだよ‥‥。 こんにちは。 |
姫: | ‥‥‥‥。 |
真: | こ・ん・に・ち・は・! |
姫: | ‥‥‥‥。 |
真: |
ん! に! ち! は! |
成: |
ま、真宵ちゃん! ムキになっちゃダメだって。 |
姫: |
‥‥‥‥。 雲を見てるの。アタクシ。 ‥‥‥‥。 |
成: | (終わりみたいだな‥‥) |
真: |
あの。あの。事件当日、 イブクロさんはここへ‥‥ |
姫: | シッ。 |
真: | ? |
姫: |
聞こえなかったかしら。 雲を見ているの、アタクシ。 他のことに、興味はないわ。 |
真: |
なるほどくーん! ムカつくよぉー! |
成: | (‥‥やれやれ‥‥) |
真: |
荷星さん、ハンニンじゃ なかったんですよ! これでまた、トノサマン、 つづけられますね! |
姫: |
もうあきたわ、アタクシ。 ‥‥トノサマンは。 |
真: |
ハ‥‥ハンニンだ。 なるほどくん! コイツがハンニンだよ! あたしの、綾里家の霊力が そう言ってるゥ! |
成: | (‥‥やれやれ‥‥) |
成: |
あの、宇在カントクの ことですけど‥‥。 |
姫: |
‥‥‥‥。 どうしてもあの男の 話をしたいのなら、 コテージの中でやってくれない? アタクシはヌキで。 |
成: | (‥‥やれやれ‥‥) |
姫: | ‥‥‥‥。 |
成: | (‥‥見ようともしない) |
姫: | それ。 |
成: | ‥‥は、はい? |
姫: | どこで拾ったの? |
成: | そ、それは‥‥。 |
姫: | 大場ね。 |
成: | お、おおば‥‥? |
真: |
なるほどくん。 警備員のオバチャンの名前だよ。 |
成: |
と、とにかく。 姫神さん。 あなたは、この事故を もみ消すかわりに、 イブクロさんを、自由に あやつっていたんですね! |
姫: |
‥‥‥‥‥‥。 風。 |
成: | え。‥‥な、なんですか? |
姫: |
強くなってきたわね、風が。 ‥‥‥‥。 おもしろい話。 つづきは、コテージでゆっくり 聞かせてもらうわ。 |
真: |
なるほどくん。 コテージの中に入っちゃったよ。 |
姫: |
フン‥‥来たね。 ‥‥じゃ、つづきを 聞かせてもらおうじゃないか。 |
成: |
(‥‥! なんか、フンイキが違うぞ‥‥) 姫神さん。 あなたは、この事件をネタに、 イブクロさんを 自由にあやつっていたんですね! イブクロさんは、格安の出演料で 子供番組の悪役を‥‥! |
姫: |
‥‥‥‥フン。 人を脅迫者呼ばわりかい‥‥? |
真: |
だって、あなたのやったことは、 そうじゃないですか! たしかに、事故で人を死なせて しまったけど‥‥、 それをネタに、イブクロさんを スターの座から引きずり下ろして! |
姫: |
‥‥お待ち。 アタクシは、引きずり下ろすなんて ことは、してないよ。 イブクロのやつが、勝手に ダメになっていっただけの話さ。 |
真: |
で、でも! その原因になったのは、 あなたじゃないんですか! 不運な事故だったのに‥‥ |
姫: |
ちょいと! ‥‥ナニさ? さっきから”事故””事故”って。 ‥‥どうして”事故”だと 決めつけるんだい? |
成: | ‥‥どういうことですか? |
姫: |
ものわかりが悪いねえ‥‥。 事故じゃなかったら、それは何さ? 考えてみるんだね‥‥。 |
成: |
‥‥‥‥! ま‥‥。 まさか‥‥。 イブクロさんは‥‥ ”故意”に‥‥? |
姫: | ああ。そうさ! |
成: |
証拠は! ‥‥その証拠は あるんですか! |
姫: |
‥‥フン! ‥‥そうじゃなかったら‥‥ 5年間も、 人の言いなりになんか、なるかい? アタクシはこの5年、 アイツをアゴで使ってきたんだよ。 |
真: |
で、でも! 警備員のオバチャン は、あれは”事故”だったって! |
姫: |
ああ。あの女は、イブクロの ファンだったからねえ。 写真を持って撮影所にやってきた 記者に飛びかかっていって、 ボコボコになぐられながら、 その写真を奪いとったぐらいだ。 |
成: |
(‥‥‥‥ だからオバチャン、 写真を持っていたんだ‥‥) |
姫: |
バカな女さ。 ‥‥そんなもの、ネガさえあれば いくらでも現像できるのにねえ。 でも。 今となっては、この世に残っている 写真は、それ1枚だけだ。 ‥‥わたしてもらおうか、それ。 |
真: |
な、ナニ言ってるんですか! これは、大切な証拠‥‥ |
姫: |
|
成: |
‥‥‥‥‥‥。 あ、あの‥‥。 こ‥‥この方たちは‥‥? |
姫: |
プロ。 なんでもモミ消すのが こいつらのシゴトさ。 オマエたちも、 モミ消してやろうか‥‥? |
成: | な、何ッ! |
姫: |
法廷は、明日が最終日、か。 ザンネンだったね。 明日の法廷、オマエたちは 欠席してもらうよ。 |
成: |
‥‥‥‥ な‥‥なぜ? どうして、この写真に こだわるんだ? これは、”イブクロさん”の 弱みであって‥‥ ”姫神 サクラ”にとっては、 どうでもいいことなのに‥‥。 |
姫: |
‥‥‥‥。 考える時間は、たっぷりあるさ。 ‥‥じゃあ。 アバヨ、お2人さん‥‥。 始末は、たのんだよ、アンタたち。 |
真: | いやああああああああああああっ! |
糸: | もらったッス! 姫神 サクラ! ‥‥ちょっと、署まで 来てもらうッス! |
姫: |
‥‥‥‥。 フン。 なかなかやるじゃないか、 ボウヤ。 ‥‥‥‥ どうやら勝負は‥‥ 明日の法廷、ということに なりそうだね‥‥。 楽しみにしておくよ。 |
糸: |
だ、だいじょぶッス? ちょっと、踏み込むタイミングが おくれたッス。 まだまだ、ベンキョウ不足ッス。 |
真: |
刑事さん‥‥。 ありがとうございました! あたし‥‥ こわかったよおぉ。 |
糸: |
ナニナニ。 ‥‥これが、シゴトッスから。 ‥‥‥‥。 ‥‥‥‥‥‥‥‥。 |
真: | どうしたんですか? |
糸: |
一度、このセリフが言って みたくて刑事になったッス‥‥。 ‥‥‥‥‥‥‥‥。 じゃあ、自分はこれから、 もうひと仕事あるッス。 縁があったら、また会うッス! |
真: |
さあ、なるほどくん。 いよいよクライマックスだね。 |
成: |
(姫神 サクラ‥‥ どうやら、ターゲットは 決まったみたいだな‥‥) |