第3話『逆転のトノサマン』第3回法廷(後編)

表セリフ集一覧に戻る

成歩堂 龍一…黒
綾里 千尋…赤
綾里 真宵…青
御剣 怜侍…茶
糸鋸 圭介…黄土
裁判長…緑
荷星 三郎…紺
オバチャン(大場 カオル)…灰
スタッフの子…黄
大滝 九太…黄緑
カントク(宇在 拓也)…橙
姫神 サクラ…紫
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


←この前のセリフ



(御剣検事「異議あり!」)
御: ‥‥‥‥。
裁: どうしました? 御剣検事。
御: ‥‥イギをとなえるあいだに
何か質問を考えようと思ったが、
思い浮かばなかった‥‥。
裁: そうですか。
‥‥では、
御: 待った!
証人! もう一度、<<証言>>を!
姫: アナタ、たしか検事でしょ?
なんでそんなにしつこく
アタクシを‥‥?
御: とにかく、もう一度だけ、
証人の話を聞きたい!
姫: どういうことなの?
裁判長。
さっきと同じこと、
またくり返すのかしら?
裁: 御剣検事。
同じことを証言してもらう
わけには行きません。
いったい何を
証言してもらうのですか?
御: う‥‥うむぅ‥‥それは‥‥
‥‥‥‥‥‥‥‥
そ、そうだな。
ええと‥‥そのぅ‥‥。
死体を発見してからあとの
ことを、お聞きしたい!
裁: 死体を見つけてから、あと‥‥。
わかりました。
では、証人。
‥‥<<証言>>をおねがいします。
姫: ‥‥ふぅ。
真: なるほどくん!
どうして御剣検事が‥‥?
成: ‥‥さあね。
あいつにも、わかったんだろ?
‥‥誰が犯人か。
真: でも、でも!
”ヒコクをみんなユーザイに
するのが、オレのるーるだ”って、
エラそうに言ってたのに‥‥。
成: (ミツルギ‥‥)

(死体を見つけたあとのこと)
姫: 『死体を見つけたときは、
宇在や警備員の大場がいたわ。』(証言1)
『スタッフの子もいたし。
いなかったのは、荷星だけ。』(証言2)
『すぐに警察を呼んだわ。
荷星もおくれてやってきて。』(証言3)
『警備員の大場が大さわぎだった。
”こいつが犯人だ”って。』(証言4)
『アタクシは、その場にいなかった
ことにしてもらって、』(証言5)
『いったんコテージに、台本や
演出ノートを取りにもどったわ。』(証言6)
『そしてその日は、
そのまま帰ったわね。』(証言7)
裁: ふむう‥‥。
この証言に、とくに問題が
あるとは思えませんが‥‥。
成歩堂くん。
‥‥<<尋問>>を。
真: なるほどくん!
あとひと押しだよ!
あの人、強がっては
いるけど、
なるほどくん、もう
追いつめているんだから。
最後のカギを見つけたら、
きっと勝てるよ!
成: ‥‥うん!

(「証言6」をゆさぶる)
成: 台本や演出ノート‥‥?
姫: 大事なものよ。
‥‥盗まれちゃまずいわ。
成: まあ、それはそうですね。

(「もっとゆさぶってみる」を選択)
成: ちょっと待ってくださいよ。
そもそも第1スタジオには、
リハーサルのために来たはずです。
なんで台本やノートを
持っていなかったんですか?
姫: リハーサルなんか、できないって
思っていたから。
成: どうしてです?
姫: ‥‥殺人があったでしょ、
なんにしても。
リハーサルなんか
できるわけがないわ。
成: (まあ、そりゃそうか‥‥)
裁: ‥‥ふむう。
では、証人、
証言をつづけてください。

(御剣検事「異議あり!」)
御: 証人!
今の発言には、問題がある。
成: (‥‥なんだって‥‥?)
御: よろしいか。
”リハーサルがないと思ったから
台本を持っていかなかった”‥‥
それではまるで‥‥、
コテージを出る前から、すでに
死体があると知っていたようだ!
姫: ‥‥‥‥!

(ざわめきが起こる)
裁: せ‥‥静粛に!
御剣検事!
御: ‥‥‥‥。
裁: 今の発言ですが‥‥、
たしかに、指摘のとおりです。
しかし‥‥。検察側の人間の
とる行動とは思えません。
まるで‥‥そう、弁護人では
ないですか!
御: ‥‥‥‥
ご心配いただくのは
ありがたいが‥‥
私のとるべき行動を
決めるのは、私だ。
さあ、証人。
‥‥答えてもらおうか!
成: (‥‥ミツルギに‥‥
助けられた‥‥?)
姫: フン‥‥。
検事は弁護士とグル、ってわけ?
‥‥まあ、いいわ。
アタクシ、そういう意味で
言ったのではなくてよ。
リハーサルがないと思ったのは、
それなりの理由があるわ。
裁: ふむう‥‥。
‥‥では、証言を修正して
もらいましょう。
姫: 『ケガした衣袋にアクションはムリ
だから、持って行かなかったの。』(証言・補足)

(「証言・補足」に「荷星(?)の写真」をつきつける)
成: ”ケガをした、イブクロさん”‥‥
ちょっと待ってください!
ケガをしたのは、
トノサマンの方‥‥
荷星 三郎なんですよ!
姫: な‥‥、なんだって!

(ざわめきが起こる)
裁: 成歩堂くん!
‥‥どういうことですか!
成: たしかに、イブクロさんは
足を引きずっていた!
しかし、それはあくまで、荷星さん
のフリをするためだった!
姫: ど‥‥どういうこと?
成: 午前中の打ち合わせで、
たしかにケガ人が出ました。
しかし、それは荷星さんであって、
イブクロさんではない!
なぜあなたは、ケガをしたのが
イブクロさんだと思ったんですか!
姫: ‥‥‥‥!
う‥‥宇在。
宇在に聞いたんだよ!
そ、そうだ!
アイツがカン違いしたのさ!
成: それはあり得ません。
宇在カントクは、打ち合わせに
参加していました。
だから、荷星さんの足のケガの
ことは、よく知っています!
彼が間違えるはずはない!
姫神さん! ‥‥あなたは、

(「足を引きずった衣袋を見た」を選択)
成: 姫神さんは実際に、
足を引きずっている
イブクロさんを見たんです!
裁: しかし‥‥。
ケガをしたのは、
荷星 三郎のはずですが‥‥?
成: ここで、
思い出してほしいんです。
イブクロさんも、足を
引きずっていたじゃないですか。
荷星さんのフリをするために!
裁: あっ!
成: それは、いつだったか‥‥?
御: ‥‥それは‥‥。
トノサマンの着ぐるみを着て
第2スタジオへ向かい‥‥、
そして、
殺害されるまでのあいだだ‥‥。
成: そのとおり!
姫神さん!
あなたは、足をひきずった
トノサマンと会ったのです!
トノサマンの着ぐるみには、
イブクロさんが入っていた!
だからこそ、あなたは‥‥
”イブクロさんがケガをした”
と、カン違いしたのです!
姫: ‥‥!!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛に! 静粛に!
御: 証人!
何か反論は!
姫: う‥‥うぐ‥‥!
‥‥
‥‥‥‥
成: (今度こそ、反論なんか
できるわけがないさ!)
姫: ‥‥‥‥‥‥
じゃあ‥‥
じゃあ、
聞かせてもらおうじゃないの!
成: (うう‥‥
真犯人というものは、
どうしてこうシツコイんだ‥‥)
姫: アタクシが衣袋の死を望む、
その理由はなんなのさ?
落ちぶれていたとはいえ、
スターだったんだよ。
アイツが死んだって、アタクシには
なんのトクもないじゃないか!
裁: ふむう‥‥。
”動機”‥‥というヤツですな。
たしかに‥‥彼女がなぜ
被害者を殺害したのか‥‥?
その理由は、まだアキラカに
されていませんな‥‥。
どうですか? 弁護人。
ズバリ、動機を証明する
ことはできますか?

(「もちろんできる」を選択)
成: わかりました。
証拠品をお見せしましょう。
この事件の”動機”を
物語る証拠品は‥‥

(「5年前の事故の写真」をつきつける)
成: 証拠は、これです!
裁: ‥‥これは‥‥
さっきの写真、ですか‥‥?
成: これが、今回の事件の”動機”
を物語っているのです!
姫: ‥‥‥‥!
成: そうですね! 姫神さん!
姫: う‥‥ううう‥‥!
成: 5年前、スターダムの頂点に
立っていたイブクロさんは、
姫神 サクラのチカラで、
事故をもみ消してもらった。
今回の事件は、
そのときから、
始まっていたんです。
姫: ‥‥‥‥。
成: ヒニクなことに、イブクロさんは
この事故をキッカケに、
スターの座から転落することに
なってしまいました。
御: ‥‥ツミの意識が
あったのだろうな‥‥。
成: しかし。
姫神 サクラは、そんな
イブクロさんを利用した。
格安のギャラでイブクロさんを
さんざんコキ使ったのです。
姫: ‥‥フン。
御: では、今回のアクダイカーン
の役も‥‥?
成: イブクロさんにしてみれば、
クツジョクだったでしょうね。
御: うむう‥‥。
裁: ちょっと待ってください、
成歩堂くん。
‥‥さっきからあなたは、
イブクロさんの話ばかりしている。
これではまるで、
イブクロさんが、姫神 サクラを
殺害したように聞こえます。
‥‥しかし。
姫神さんの方はどうなんですか?
姫: そ‥‥そうさ。
あんたの話によれば、
アタクシにとって、イブクロは
いい金ヅルじゃないか。
そんなツゴウのいいオトコ、
アタクシは手ばなしたくないね!
裁: 弁護人。
彼女の動機を教えてください。

(「動機などない」を選択)
成: 彼女に、動機なんかありません。
裁: な、なんですって!
成: 彼女はただ、階段からつきおとした
だけなんです。
殺意をもっておそいかかってきた
イブクロさんを、ね!
御: な、なんだと!
成: カンタンなことです!
殺意があったのは、
イブクロさんの方だったんです!
御: な‥‥‥‥!
なんだってェ!!

(ざわめきが起こる)
成: いいですか!
衣袋 武志は、睡眠薬で
荷星さんを眠らせた!
衣袋 武志は、楽屋にしのびこみ、
着ぐるみを盗んだ!
衣袋 武志は、それを着て
オバチャンの目をごまかした!
そして衣袋 武志は、
コテージへ向かった!
いったい、なんのために!
自分をさんざん利用した、
姫神 サクラを殺害するためです!

成: あなたがやったんですね?
姫: ‥‥‥‥‥‥‥‥そうよ。
犯人は、このアタクシよ。
このアタクシが‥‥。


”イシャだ! 早くしろ!”
”‥‥す、すごい血だ‥‥。
もう、手おくれじゃあ‥‥?”
”あっ! ひ、姫神さん!”
”これはいったい‥‥?
どうしたの! 何があったの!”
”‥‥タクミさんが、コテージの
階段から落ちて‥‥”
”タ‥‥‥‥タクミくんが!”
”姫神さん! おちついて!”
”ウ‥‥ウソよ!
い、いったいどうして‥‥”
”事故だったんですよ”
”イブクロさんの
アクションシーンで‥‥”
”タクミくん! タクミくーん!”
”さ、さわっちゃダメです!
姫神さん!”
”いやああああああああああっ!”
”死なないで‥‥ おねがい‥‥”
”おねがい‥‥”

姫: おめでとう。成歩堂くん。
‥‥アタクシの、負けね。

(ざわめきが起こる)

裁: 御剣検事。
‥‥姫神 サクラは‥‥?
御: 控え室に‥‥。
‥‥冷静なものだ‥‥。
裁: ‥‥そうですか。
成歩堂くん。
成: はい。
裁: ‥‥どうやらまた、奇跡が
起こったようですね。
成: は、はあ‥‥。
御: それは違う、裁判長。
荷星 三郎は、無実だった。
だから、それが証明された。
‥‥あたりまえのことだ。
裁: ‥‥‥‥
‥‥そうですね。
そのとおりです。
では。
荷星 三郎に対する判決を
言い渡しましょう。


(無罪判決)

裁: では、本日はこれにて閉廷!


10月20日 午後1時12分
地方裁判所 被告人第3控え室

荷: もう、なんと言えばいいのか‥‥。
ホント、おせわになりました!
成: よかったですね。
荷: はい。
‥‥ただ‥‥。
イブクロさん。ボクの
着ぐるみを盗んだってコトは、
姫神プロデューサーを殺害して、
そのツミを、
着ぐるみごと、ボクに着せようと
したんでしょうね‥‥。
それだけが‥‥カナシイです。
成歩堂さん! どうして!
成: ‥‥は、はい?
荷: 教えてください!
どうして、イブクロさんは、
ボクにツミを‥‥?

(「証拠品を見せる」を選択)
成: ‥‥わかりました。
ぼくの考えを言いましょう。
イブクロさんがあなたに
ツミを着せようとしたのは‥‥

(「”栄光の足跡”」をつきつける)
成: それはあなたが”トノサマン”
だからですよ。
荷: ‥‥どういうことですか?
成: イブクロさんは、かつては
大スターだった。
なのに今は、子供番組の、
しかも悪役です。
子供たちは、トノサマンが
大好きです。
だから、彼はあなたを
ニクんでしまったんでしょう。
荷: や‥‥やっぱり、ですか‥‥。
ヒトコト、言ってくれれば。
いつでも、かわって
あげましたのに‥‥。
成: (そういう問題じゃ
ないと思うけど‥‥)
荷: ‥‥‥‥
ありがとうございます。
これで、この事件とも
キッチリお別れできそうです。
成: (‥‥よかったな‥‥)
真: おめでとうございます!
ニボサブさん!
荷: いやっ、ははは。
みなさんのおかげで、
トノサマンをつづけられます!
うう‥‥早くあの汗くさい
着ぐるみを‥‥。
‥‥‥‥?
どうかしましたか?
真: い、いいえ!
なんでも‥‥
あっ!
な、なるほどくん!
‥‥御剣検事が‥‥!
御: ‥‥。
成: ‥‥‥‥。
御: ‥‥‥‥‥‥。
成歩堂。‥‥なんか言え。
ニガテなんだ‥‥セケン話。
成: え?
あ、ああ。
‥‥‥‥
ザンネンだったな! 御剣!
御: ‥‥い、いきなりそれか。
成: ‥‥ありがとう。
きみの協力がなければ、
姫神に逃げられるところだったよ。
荷: あ‥‥恐縮です。
‥‥ニボシと申します。
御: ‥‥む。ミツルギと申します。
いつも、テレビでごカツヤクを
ハイケンしております。
成: (ウソつけ!)
御: ‥‥‥‥
成歩堂。
私たちは、こうしてふたたび
出会ってしまった。
真: ‥‥”ふたたび”‥‥?
御: しかし。
出会うべきではなかった。
おかげで私の中に、よけいな
感情がよみがえった。
成: よけいな感情‥‥?
御: ”不安”‥‥そして”迷い”だ。
成: それは、よけいな感情じゃ
ないだろう?
御: 私にとってはジャマなものだ。
いいか。
‥‥成歩堂 龍一。
もう二度と、私の目の前に
現れないでほしい。
‥‥それだけ、言いに来た。

荷: あのぉ、成歩堂さん?
今のカタ、おトモダチなんですか?
真: そんな! トモダチなわけ、
ないじゃないですか!
テキですよ、テキ!
‥‥ねっ! なるほどくん!
成: ‥‥今はね。
真: ええーっ!
なんでそう、思わせぶりなこと
言うかなぁ。
教えてよー!

成: ‥‥こうして、この事件は、
ついに幕を下ろした。
ぼくが法廷でぶちまけた
イブクロさんの”事故”は、
大きく世間をさわがせることに
なった。
しかしその結果、英都撮影所は
ふたたび方針を変えて、
子供のためのシリーズは、
つづけられることになった‥‥。

(”小江戸剣士ヒメサマン”)
真: なるほどくん!
今日だよ、新番組!
‥‥いっしょに見るんだからね!
成: (しかし‥‥
ホンキでやるとは
思わなかったよ‥‥)
真: なるほどくんも買うんだよ!
トレーディング・カード。
九太くんやスタッフの子と
トレードするんだから!
成: はいはい。
‥‥わかったよ。
真: でも、よかったね。
ニボサブさん、また主役だって!
今度こそ、カオ、出るかなあ?
成: ‥‥ううん‥‥。
‥‥ますます出ないと思うよ。


第4話「逆転、そしてサヨナラ」へ→