第4話『逆転、そしてサヨナラ』第1回法廷(その3)

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成歩堂 龍一…黒
綾里 千尋…赤
綾里 真宵…青
御剣 怜侍…茶
糸鋸 圭介…黄土
裁判長…緑
大沢木 ナツミ…橙
矢張 政志…紺
星影 宇宙ノ介…黄
ボート小屋のオジさん…灰
サユリさん…黄緑
狩魔 豪…紫
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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(どうして御剣を目撃できたか?)
ナ: 『たしかに、あの晩は寒くて、
ぎょうさんキリが出ててん。』(証言1)
『せやからウチ、カメラをセットして
クルマの中に戻ったワケや。』(証言2)
『でもな。ウチ、ちゃんと
双眼鏡を持ってきてたからな。』(証言3)
『湖で音がしたときは、双眼鏡を
使ォて見たわけや。』(証言4)
どや。これなら問題ないやろ?
裁: ふむう‥‥。双眼鏡を使った‥‥。
わかりました。
では、弁護人。‥‥尋問を。
成: (なんとしても、ムジュンを
見つけなければ‥‥)

(「証言3」をゆさぶる)
成: ”双眼鏡”ですか?
ナ: せや。双眼鏡や。
成: 昨日のお話では、たしか、あなたは
流星を撮影していたんですよね?
ナ: そ‥‥そうやけど。
成: 星を見るなら、双眼鏡ではなく、
望遠鏡じゃないんですか‥‥?
ナ: ‥‥!
成: そもそも、
あなたがセットしたカメラは、
ほんとうに、流星を撮影する
ためのものだったのですか?

(狩魔検事「異議あり!」)
狩: カメラのことなど、事件には
なんのカンケイもない!
成: そんなことは言い切れない!
裁: ふむう‥‥成歩堂くん。
カメラのことは、それほど
重要なことなのですか?
もし重要なことならば、
つづけて尋問をゆるしましょう。
狩: だが!
何も出なかった場合は、
カクゴしてもらうぞ!
裁: 弁護人、どうしますか?
カメラの問題を、さらに
追求しますか?

(「追求する」を選択)
成: (ここは、勝負どころだ!
強気にいこう!)
カメラの問題は、とんでもなく
重要です。
この事件のすべてと言っても
いいでしょう。
‥‥だから、証言をして
いただきたい!
(‥‥なんて、出まかせを
言ってしまった‥‥)
裁: わかりました!
証人! カメラについて、
キチンと証言してください。
ナ: はいはい。
『そのカメラは、流星を撮影する
ためにセットしたものや。』(証言・補足)

(「証言・補足」に「ナツミのカメラ」をつきつける)
成: ”流星を撮影していた”
‥‥その証言は、ウソですね!
ナ: な、なんやてェ!
成: ぼくは昨日、実際に
セットされたカメラを見ました。
あきらかにカメラは、湖面に向けて
セットしてありました!
流星を撮影するなら、カメラは
空を向いているはずです!
ナ: ううッ!
裁: 成歩堂くん!
どういうことですか?
成: 証人は、流星を撮影して
いたのではなかった!
ナ: ‥‥‥‥!
裁: じゃ、じゃあ‥‥
何を撮影していたんですか?

(「証拠品を見せる」を選択)
成: 裁判長!
‥‥これを見てください。
ナツミさんが何を撮影
しようとしていたか‥‥!

(「ヒョッシーの記事」を選択)
成: ナツミさん。
あなたが撮影しようと
していたのは、これです!
裁: なんですか?
‥‥雑誌の記事‥‥?
”ひょっしー”‥‥?
ああ‥‥最近、ひょうたん湖で
目撃された‥‥。
成: ナツミさん!
‥‥どうなんですか?
ナ: ‥‥し、知らんで!
なんや、証拠でもあるん?
ウチが、その”ひょっしー”の
写真を撮ろうとしてた証拠や!

(「証拠はある」を選択)
成: 証拠! もちろんありますよ!
裁: ふむう。
‥‥それはおもしろい。
では、見せていただきましょう。
‥‥慎重におねがいしますよ。
証人が、ヒョッシーの写真を撮ろう
としていたことを示す、証拠品を!

(「ナツミのカメラ」を選択)
成: 証拠は、ナツミさん!
あなたのカメラですよ!
ナ: ‥‥!
成: あなたのカメラは、”破裂音”に
反応するようセットされていた。
この写真が撮られたのも、銃声に
カメラが反応したからです。
ナ: ‥‥‥‥。
成: そして、ここに”ヒョッシー”の
記事があります。
この記事によると、
ヒョッシーがあらわれるときには、
”破裂音”がするらしいですね。
どうですか!
あなたはヒョッシーを撮影しようと
していた!
だから、カメラの自動シャッターを
”破裂音”にセットしていたんだ!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛に!
‥‥なるほど‥‥。
私もじつは、オカシイと
思っていたんですよ‥‥。
成: (ホントかいな‥‥)
‥‥どうです? ナツミさん。
あなたは、ヒョッシーを撮ろうと、
キャンプをしていたんですね?
ナ: ‥‥‥‥。
そうや。
‥‥オミゴトやね。
さすがは弁護士さんや。
でも。
だから、何なん?
成: ‥‥え?
ナ: ウチの見たものに、
変わりはないで。
狩: ‥‥そのとおりだ。
長い時間をかけて、キサマが
証明したことは、
この証人が、カイジュウの撮影を
ユメ見る、バカな女ということだ。
ナ: な、なんやて!
狩: しかし、
だからどうだというのだ?
何も変わらないではないか?
成: (そんなことはない。
お前たちは、ヒョッシーのことを
かくそうとしていた。
かくさなければならない
ワケがあったからだ!
今度は、
それを暴いてやるぞ‥‥)
裁: 証人。
なぜ、ヒョッシーのことを
かくそうとしたのですか?
最後に、すべてを
<<証言>>してください。
ナ: ‥‥‥‥。
わかったワ。‥‥証言、する。
‥‥なんも変わらんと思うけど。
成: (ゼッタイ、何かが
変わっているはずだ。
それを‥‥見抜く!)
狩: ‥‥‥‥。

(ナツミのこと・事件当夜のこと)
ナ: 『実はウチ、大学の研究員
ちゃうんや。』(証言1)
『ホンマはな‥‥、
フリーカメラマンやってんねん。』(証言2)
『今、話題のヒョッシーの
ハッキリした写真を撮れば、』(証言3)
『スクープになる思うて、
キャンプ張っとったんや。』(証言4)
『でも、かくしてたんは、
それだけやで。』(証言5)
『”パアン”て音がして、見たら
湖にボートが浮かんでたんや。』(証言6)
『他に見るモンもないねんから、
ずっとボート見てるしかないやん。』(証言7)
『で、男の手もとが光って、
もう1回、音が聞こえたんや。』(証言8)
ウチはホンマ、ボートをジッと
見てたんや。‥‥ホンマやで。
裁: ふむう‥‥。
では成歩堂くん、<<尋問>>を‥‥。

(狩魔検事「異議あり!」)
狩: 証人の証言は、
さっきと変わっておらぬ。
証人が研究員だろうと
カメラマンだろうと、同じこと!
<<尋問>>など、いらぬ!
裁: は‥‥はあ。

(成歩堂「異議あり!」)
成: ぼくはあくまで、
弁護側の権利を主張します!
(狩魔のコトバには、
かならず意味がある‥‥
尋問をさせたくないのは、
今の証言にムジュンが‥‥)
裁: ‥‥わかりました。
<<尋問>>を認めます。
そこまで言うなら、何か
考えがあるのでしょう。
狩: あるか、そんなもの!
成: (ははは‥‥)
裁: わかっていると思いますが、
これは最後の尋問です。
問題がなかったら、証人は
退廷してもらいます。
その時点で、判決を
言い渡したいと思います。
‥‥よろしいですね。
成: ‥‥‥‥はい。

(「証言7」に「ヒョッシーの記事」をつきつける)
成: ナツミさん!
あなたは、本当にボートを
見ていたんですか?
ナ: な‥‥何を言うんや!
アタリマエやん!
湖には、ボートしかなかったんや!
‥‥フツー、それを見るやん!
成: フツーはそうかもしれません。
しかし、あなたはフツーでは
なかった!
ナ: な‥‥、なんやて!
成: あなたは、ヒョッシーの写真を
撮るためにキャンプをしていた!
それならば!
破裂音を聞いたあなたは、
何はともあれ、
湖の上に、ヒョッシーのすがたを
探したはずです!
だから、ボートなんかに
注意をはらうハズがない!
ナ: あッ!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! つづけてください!
成歩堂くん!
成: あなたは、双眼鏡でボートを
見ていたと証言した!
しかし、ただボートを見るのに、
双眼鏡はいらない!
あなたは、必死にヒョッシーを
探していたんです!
ナ: ‥‥!
‥‥‥‥
‥‥‥‥‥‥。
成: どうですかッ!
ナ: ‥‥うう‥‥。
そういえば、ウチ‥‥。
たしかに‥‥双眼鏡を取って、
湖をスミズミまで、何度も‥‥
ヒョッシーがいないかと
思って‥‥。
裁: しょ‥‥証人!
では、証人は、ボートは
見ていなかったと‥‥?
ナ: ‥‥‥‥‥‥‥‥
ご‥‥ゴメンな。
ウソついてたワケじゃ
ないねん‥‥。
ウチ‥‥殺人事件の目撃者に
なれる思うて、その‥‥。
ちょっとウレシなってもうてな。
ボートを見た、て‥‥
思い込んでもうてん‥‥。
裁: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥ひ、人騒がせな‥‥。
ナ: で、でも‥‥、でもな!
この写真は、バッチリ証拠に
なるやろ!
裁: ふむう‥‥。
しかし、誰が撃ったかまでは、
見えませんよ。
ナ: そうやろ! そうやろ!
‥‥だからなァ、
ウチ、この写真を‥‥、

(狩魔検事「異議あり!」)
狩: ‥‥証人。もうケッコウだ。
ごくろうだった。‥‥もう、
キサマは口を開く必要はない。
ナ: キ‥‥”キサマ”?
成: (ナツミさん、今、何を
言いかけたんだろう‥‥?
”だからなァ、ウチ、
この写真を‥‥”か。
そういえば、昨日‥‥)
糸: 『‥‥しかも彼女、
証拠写真まで撮っていたッス。』
成: 『この写真じゃあ、誰が撃ったか
見えませんね‥‥。』
糸: 『彼女、これからその写真を
拡大するって言ってたッス。
画像はアラくなるけど、もう少し
ハッキリするはずや! ‥‥とか。』
成: (彼女は
あの写真を拡大したはずだ。
なぜ狩魔は、その写真を
提出させないんだ‥‥?
もしかして‥‥
もしかしたら、その拡大写真に、
何か狩魔に不利なことが‥‥?
‥‥ここは、勝負どころだ!
ぼくのカン違いだったら、
御剣の有罪は決定的になる!
さて‥‥どうする‥‥!)

(「拡大写真を提出させる」を選択)
成: ナツミさん!
この写真を見てください。
あなたは、この写真を
拡大したそうですね!
ナ: そ、そうや! そうなんや!
成: その写真は、
なぜ提出されないんですか!

(狩魔検事「異議あり!」)
狩: そ‥‥そんな写真は
存在しない!
ナ: ナニ言ってるんや!
”それは提出してはならん”
ってドナりつけたのは、
アンタやないか!
裁: どういうことですか!
狩魔検事!
狩: ウ‥‥ウム‥‥
成: ナツミさん!
提出してください!
‥‥拡大写真を!

(狩魔検事「異議あり!」)
狩: 検察側は、提出に反対する!
裁: 異議は却下します。
証人。‥‥写真を見せてください。
ナ: これが、そうや。
裁: ‥‥やはり、誰が撃ったかは
見わけられませんね‥‥。
被告人であるような、
そうではないような‥‥。
とにかく、証拠として
受理しましょう。

証拠品<<湖の写真>>を
拡大写真に差しかえた。
狩: ‥‥気がすんだか? 弁護士。
成: ううん‥‥。
(何かあるはずなんだが‥‥)
狩: 拡大写真‥‥?
ハッ!
‥‥なんの証拠にもならん。
だからワガハイは、提出するなと
言ったのだ!
裁: ふむう‥‥。
となると、この証人に対する
尋問は‥‥
狩: 当然、終了だ!
裁: では、これで大沢木 ナツミさんの
尋問を終了します。
狩: ‥‥やれやれ。
ずいぶん回り道をしたものだ‥‥。
裁: 狩魔検事。
‥‥他に何か、ありますか?
狩: 最初に言ったはずだ。
決定的な証拠。
決定的な証人。
‥‥他に何か、必要なものは?
裁: そうですね。ありません。
では、ついに判決を
くだすときが来たようですね。
成: (‥‥こんなハズはない!
この写真には、何か手がかりが
かくされているはずだ!
くそっ! ‥‥どうする‥‥!)

(「拡大写真に異議」を選択)
成: 裁判長!
この拡大写真には、決定的に
おかしい点があります!
裁: な、なんですって!
成歩堂くん!
そのおかしな点とは
なんですか!
成: (ええい! もう
あとには引けないぞ‥‥!
裁判長に、この写真の
おかしいところを示そう!)

(「銃を握る手」を選択)
成: それは、ここです!
裁: ‥‥発砲している人物、ですか。
‥‥わかりません。この人物の
どこがオカシイのでしょう?
成: ピストルを持っている手に
注目していただきたい。
裁: ”手”‥‥?
成: その手は、ある証拠と
決定的にムジュンしているんです。
裁: この男の左手が‥‥ですか?
成: では、お見せしましょう。
写真の男の左手とムジュンする、
決定的な証拠を!

(「ピストル」を選択)
成: ハッキリしています。
写真の男は、ピストルを
間違いなく左手で撃っています。
しかし!
凶器のピストルには、御剣検事の
”右手”の指紋がついていた!
つまり!
この写真でピストルを
撃っている人物は、
御剣検事では、あり得ないのです!

(ざわめきが起こる)

裁: ‥‥どうやら、みなさんも
おちついたようですから、
審理を再開しましょう。
成歩堂くん。
成: はい。
裁: あなたは、ミゴトに
証明しました。
御剣検事が、ピストルを
撃っていないことを。
‥‥しかし。
そうなると、大きな問題が
あります。
いったい被害者は
誰に撃たれたのか?
狩: そのとおり。
湖には、ごらんのとおり、
彼ら以外に人影はない‥‥!
被告の他に誰が、被害者を
撃てたというのか!

(「被害者自身」を選択)
成: 答えは1つしか残っていない!
被害者を撃ったのは、
被害者自身だったのです!

(ざわめきが起こる)
裁: ‥‥静粛に!
つまり‥‥被害者は、
”自殺”だったと‥‥?
成: そうです。それ以外に
考えようがありません。
裁: ‥‥ふむう‥‥
たしかに、それ以外は
考えられない‥‥

(狩魔検事「異議あり!」)
狩: ザンネンだが、弁護士‥‥。
自殺は、あり得ない。
成: ‥‥な、なんですって!
狩: 被害者の傷あとを調べれば、
撃たれた距離がわかるのだ。
成: 撃たれた‥‥距離‥‥?
狩: 被害者は、1m以上はなれた
場所から撃たれている。
成: ‥‥1m以上‥‥!
狩: 自殺では、あり得ないのだよ。

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛に!
狩魔検事! そのデータは
間違いないんですか!
狩: 検察側も、自殺の可能性は
考えたからな‥‥。

証拠品<<解剖記録>>のデータを
書きなおした。
裁: ‥‥ふむう‥‥。
わかりました。
では、私の考えを述べましょう。
状況を考えれば、犯人は
被告・御剣氏しかあり得ません。
しかし。
ピストルの指紋は、撃った人間は
御剣氏でないことを示している。
そこで。
本日の審理は、ここで
中断したいと思います。
弁護側・検察側、それぞれに、
さらなる調査を命じます。
よろしいですか。
成: はい。
狩: ‥‥‥‥。
裁: では、
本日はこれにて閉廷!


12月26日 午後1時15分
地方裁判所 被告人第2控え室

成: あー、あぶなかった。
御: ‥‥‥‥。
成: おい。
何か、言うことはないのか?
御: まだ、無罪判決を
受けたわけではないからな。
成: やれやれ。
しかし、いったい
どうなってるんだ?
被害者が自殺じゃなかったら、
いったい誰が‥‥?
しかも、撃たれた距離は、
約1mだぞ‥‥。
御: ‥‥‥‥
な、なんだ! その目つきは!
わた、私じゃないぞ!
成: 冗談だよ。
御: ‥‥うむむ。
成: まあ、いいや。
じゃあ、ぼくはとりあえず、
真宵ちゃんのところに行くから。
御: ああ。
‥‥成歩堂。
成:
御: 彼女に、伝えてくれ。
成: 何を?
御: ‥‥
‥‥‥‥
は‥‥‥‥
発言するときは、
もっと注意しろ、とな。
‥‥それだけだ。
成: (‥‥スナオじゃないヤツ‥‥)

成: 明日の法廷の武器にするため、
大沢木 ナツミさんの証言を
まとめた書類をもらった。
けっきょく彼女、撃った人物は
見ていなかったので、
聞いた”音”だけが、証言として
認められたみたいだ。

証拠品<<ナツミの証言書>>を
法廷記録にファイルした。


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