成歩堂 龍一…黒 | |
綾里 千尋…赤 | |
綾里 真宵…青 | |
御剣 怜侍…茶 | |
糸鋸 圭介…黄土 | |
裁判長…緑 | |
大沢木 ナツミ…橙 | |
矢張 政志…紺 | |
星影 宇宙ノ介…黄 | |
ボート小屋のオジさん…灰 | |
サユリさん…黄緑 | |
狩魔 豪…紫 |
留置所 面会室 | |
成: | 真宵ちゃん! |
真: |
あっ! なるほどくん! ‥‥だいじょうぶだった みたいだね‥‥御剣検事。 よかった‥‥。 |
成: |
なあ。 なんであんなこと したんだよ。 |
真: |
‥‥‥‥ わからない。 でも‥‥あたし、何か しなくちゃ、って思って。 ‥‥そりゃあ、あたしは お姉ちゃんじゃないけど‥‥。 ‥‥‥‥ ゴメンナサイ。 |
成: |
まあ、おかげで 助かったんだけどさ‥‥。 もう、ムチャしないでくれよ。 |
真: | う‥‥うん。 |
成: | もう、取り調べとか受けたの? |
真: |
ううん。‥‥まだ。 さっき、イトノコさんが 来たんだよ。 ”初犯だし、取り調べがすんだら 出られるッス”だって。 |
成: | ‥‥よかった。 |
真: |
あ、それと、”保釈金を用意しとく ッス”って言ってたんだけど。 なるほどくん、払っといてね。 |
成: | やれやれ。‥‥いくら? |
真: |
わかんない。あとで 請求書が来るんじゃないかな。 |
成: |
(”保釈金”‥‥か。なぜか、 高そうなイメージが‥‥) |
成: | ‥‥千尋さんは、どう‥‥? |
真: |
そ‥‥それが‥‥ 全然、通じないの。 必死でがんばったのに‥‥。 もう、どうしていいか わからない。 ‥‥‥‥ やっぱり、修行を休んでたのが マズかったのかなあ。 |
成: |
(こっちはこっちで、 シンコクだな‥‥ 今度、近所に滝がないか、 調べてみるか‥‥) |
真: |
お姉ちゃん‥‥ もう会えないのかな‥‥。 |
ひょうたん湖公園 入口前 | |
成: |
‥‥昨日ほどではないけど、 今日も警官のすがたが見える。 イトノコ刑事も 来ているかもしれないな‥‥。 |
ひょうたん湖広場 | |
成: |
‥‥今日は矢張のヤツ、 来てないな‥‥。 カズミさんと、カネのかかる デートでもしているのかな? |
ひょうたん森 | |
成: | あっ。イトノコ刑事。 |
糸: |
おお! 今日の法廷は、‥‥そのう‥‥。 ‥‥‥‥ |
成: | どうしました? |
糸: |
イヤ。”おミゴトでした”と 言うほどアザヤカでもなく、 とはいえ、いちおう検事を 助けてくれているし‥‥ なんとお礼をすればいいか、 コトバに詰まったッス。 |
成: | ‥‥はあ。 |
成: |
イトノコさん。 狩魔検事、 明日はどういう作戦で‥‥? |
糸: |
どうやら、もう1人の 目撃証人を立てるらしいッス。 |
成: |
”もう1人の目撃証人”‥‥? ‥‥そういえば、今日の法廷で、 |
狩: | 『目撃者は、2人いたのだ。』 |
成: |
『(げっ!)』 ‥‥とか言ってましたっけ。 で‥‥、どういう証人なんですか? |
糸: |
す‥‥すまないッスが‥‥、 さすがにその情報は、 もらせないッス。 |
成: | (ううん‥‥) |
成: |
そういえば、 御剣検事ですけど‥‥。 |
糸: | なんスか? |
成: |
彼、地震がニガテなんですか? 聞いたこと、なかったんですけど。 |
糸: |
‥‥‥‥。 御剣検事は、自分の話は ほとんどしないッス。 でも、これだけは間違いないッス。 あの人が、あんなに犯罪を ニクむようになったのも、 検事になることを決めたのも、 そして、地震を死ぬほど 怖がるようになったのも‥‥、 すべては、あの事件が キッカケになっているッス。 |
成: | ‥‥”DL6号事件”ですか? |
糸: |
そッス。 15年前‥‥。検事は、目の前で お父さんを‥‥。 ‥‥あの人は今でも、 苦しんでいるッス。 |
成: |
ウチの綾里 真宵の ことなんですけど‥‥。 |
糸: |
あれ? まだ釈放されて ないッス? ‥‥おかしいッスね。 調書をとったら、すぐ 帰らせるように言ったッスが。 でも。 ‥‥今日は、彼女の おかげで助かったッス。 係官にハガイじめされて 引きずり出される彼女を見て、 自分は正直、ナミダが 止まらなかったッス。 御剣検事も、カンドーして クチビルをふるわせていたッス。 |
成: |
ほ、ほんとですか! (あの御剣が‥‥?) |
糸: |
検事は、ホントにカンシャ してたッス。 では、自分は一度、 署にもどるッス。 真宵さんの調書をとって、 すぐに保釈の手続きをするッス。 |
成: |
すみません。 ‥‥おねがいします。 あ! そうだ。 そのー‥‥保釈金って、 いくらぐらいなんですか? |
糸: |
シンパイいらねッス。 保釈金は全額、御剣検事が 支払うッス。 |
成: | え‥‥、御剣が‥‥? |
糸: |
言ったはずッス。 検事は、彼女に カンシャしてるッス。 ‥‥じゃ、あとで彼女を むかえに来るッス! |
成: |
(御剣‥‥ 今月の家賃も、全額 支払ってくれ‥‥) |
留置所 面会室 | |
真: |
あっ! なるほどくん! やっと来てくれたよ‥‥。 さっき、手続きが終わったから、 もう帰っていいって。 |
成: | おつとめ、ごくろうさま。 |
真: |
聞いて! 聞いて! 取り調べの人、ヒドいんだよ! ”今度は何やったの?” だって。 あたし、何もやったこと ないのに‥‥! |
成: |
ま、まあまあ。 出られたんだし、いいだろ? |
真: |
ううう‥‥。 あ、そういえば‥‥、 保釈金、ありがとね。 |
成: | お礼なら、御剣に言いなよ。 |
真: | ‥‥え? |
成: |
あいつが払ってくれたんだよ。 真宵ちゃんに カンシャしてるってさ。 |
真: |
ミツルギさんが‥‥。 ‥‥‥‥ よし! がんばろうね なるほどくん! ゼッタイ、助けてあげるんだから! |
成: |
どうしたらいいと思う? これから。 |
真: |
手がかり、少ないもんね。 公園に行って、ヒョッシーでも 探そうか。 |
成: | ‥‥‥‥。 |
真: | じょ、じょうだんなのに‥‥。 |
成: |
でも、何かあるとしたら、 あの公園しかないもんな。 ‥‥行ってみようか。 |
真: | うん! |
成: | 何か気づいたこと、ある? |
真: |
うーん‥‥。 留置所にいて 思ったんだけど‥‥、 けっこうここ、あったかくて いいね。キレイだし。 |
成: |
‥‥そういうことを 聞きたいんじゃないんだ。 |
真: |
まあ。 今は、そんなもんかな。 |
成: |
(千尋さんのこともあるし、 そっとしておくか‥‥) |
ひょうたん湖公園 入口前 | |
真: |
今日は警察の人、 あんまりいないね‥‥。 |
成: |
御剣検事の証拠固めを しているんじゃないかな。 |
真: | ううう‥‥。 |
ナ: | よっ! アンタら! |
真: | あっ! ナツミさん! |
ナ: |
アンタ。‥‥今日は やってくれたなァ。 |
成: |
な、なんですか。 なんか、モンクでも‥‥ |
ナ: |
ギャクや。 ‥‥ウチ、ちょっと ハンセイしてるんや。 証人になるって、ホンマ、 セキニン重大なんやな‥‥。 それやのにウチ、浮かれて イイカゲンなコト言うてもうて。 |
成: | ナツミさん‥‥。 |
ナ: |
でな。‥‥ウチ、ツミほろぼしが したいねん。 |
成: | ”ツミほろぼし”‥‥? |
成: | どうでした? 法廷は‥‥。 |
ナ: |
正直なハナシ、ウチ、 おもしろ半分やったんや。 いや。ジッサイ、事件を 見たつもりでいたんやけどな。 見てないモンまで、見たと 思い込んでいたんやなァ。 ‥‥アンタには、 メイワクかけたな‥‥。 |
真: |
むずかしいですよね。 ‥‥記憶って、アイマイだから。 |
ナ: |
うん。‥‥いいベンキョウ させてもらったワ。 今度、サツジンを目撃したときは もう、だいじょうぶや。 |
真: | そうですよね! |
成: | (ぼくは目撃したくないぞ‥‥) |
成: |
ヒョッシーの方は どうするんですか? |
ナ: |
それや! 今日の法廷で、ヒョッシーは また、注目を集めたワケやん! なんとしてでも、このウチが スクープしたるねん! |
真: |
わあ! ナツミさん、カッコイイ! あたしもなろうかな、 すくーぷかめらまん。 |
成: |
(まず、霊媒師の方を なんとかしろって‥‥) |
成: |
ナツミさん。 ”ツミほろぼし”って‥‥? |
ナ: |
それやッ! あのな。ウチ、実は 情報があるねん。 |
真: | えっ! |
ナ: |
カルマのオッサンに口止め されてたんやけどナ。 |
真: | ど、どんな情報なんですか? |
ナ: |
それやッ! そこで、アンタらと ”取り引き”しようというワケや。 |
成: |
と、”とりひき”‥‥? あの。 ”ツミほろぼし”を するんでしたよね‥‥? |
ナ: |
そうやッ! ”ツミほろぼし”するために ”取り引き”するんや! |
成: | ‥‥‥‥‥‥。 |
ナ: |
なんやッ! 情報は高いねんで! タダなんて、マッピラや! |
真: | ううう。 |
ナ: |
コラ、そこ! ”あら、カンサイ人てケチですね” みたいなカオして! ゆうとくけど、 カンサイ人は、ケチちゃうで! ウチが個人的にケチなだけや! さー、どうするんや! ウチと取り引き、するんか! |
真: |
ど‥‥どうするの? なるほどくん‥‥。 |
成: |
(他に手がかりがないんだ、 しかたないな‥‥) わかりました。 ‥‥いくらですか? |
ナ: |
? ア、アホ言うたらアカン。 いくらウチでも、カネは とらへん。 |
成: | ? |
ナ: |
”情報”と取り引きするには、 やっぱり”情報”や。 ええか。 アンタらが、ウチにくれるのは、 ”ヒョッシー”に関する情報や。 |
真: |
ひょひょひょ、 ”ひょっしー”ですか! |
成: |
‥‥そんな! いないかもしれないのに! |
ナ: |
いないなら、いないという証拠を 持って来ィ! |
成: | ‥‥うへえ‥‥。 |
ナ: |
ほな、ウチはクルマの中で 張り込みしてるから。 何か見つけて、ゼッタイ 来るんやで。ええな! |
成: | ‥‥は、はい。 |
ナ: | ん。‥‥ほな! |
成: | ‥‥‥‥ |
真: |
よし! なるほどくん! 探すよ! |
成: | さ、探すって、まさか‥‥。 |
真: | ヒョッシーに決まってるでしょ! |
成: | み、御剣はどうするんだよ‥‥。 |
真: |
御剣さんのために、 ヒョッシーを探すの! |
成: |
(探すっていっても‥‥ どうすればいいんだ‥‥? 探しものの専門家に 意見を聞いてみるか‥‥?) |
警察署内 刑事課 | |
糸: |
おお。アンタッスか。 どうしたッスか? むずかしいカオをして。 ‥‥まさか、また御剣検事に 不利なコトを‥‥! |
成: | ”また”はないでしょう! |
糸: |
ま、とにかく、そこにすわるッス。 カネのこと以外なら、 相談にのるッス。 |
成: | 捜査の方は、どうですか? |
糸: |
どうもこうもないッス。 これからまた、捜査会議が あるッスが‥‥、 御剣検事の動機をウラづける 捜査のハナシだけッス。 |
真: | 動機‥‥ですか。 |
糸: |
御剣検事のお父さんが 亡くなったDL6号事件で、 その容疑者を無罪にしたのが、 被害者の生倉弁護士ッス。 だから御剣検事は、生倉弁護士に フクシュウした‥‥。 おそらく、そんなケツロンに なると思うッス。 |
成: |
(‥‥御剣は、過去を語ろうと しない。 明日は、ムリヤリその話が 法廷で暴かれるわけか‥‥) |
真: | ‥‥御剣さん‥‥。 |
糸: |
正直なところ、 これは‥‥イタイッス‥‥。 |
真: |
あの‥‥イトノコ刑事さん。 ”ヒョッシー”って知ってますか? |
糸: |
ああ‥‥。ひょうたん湖で 誰かが見たとかいう‥‥? |
真: |
あたしたち、今、それを 探しているんですよ。 |
糸: |
なッ! 何をやっとるッスかッ! |
真: | きゃあっ! |
糸: |
そんなモン探すヒマがあったら、 付近のキキコミでも したらどうッスか! |
真: |
‥‥ううう‥‥。 イトノコさん、コワい‥‥。 |
成: |
ぼくは、ナツミさんの”取り引き” のことを、イトノコ刑事に話した。 |
真: |
なるほどくん! もっと早く話してよ! |
成: | ‥‥ゴメン。 |
糸: |
‥‥‥‥。 そうだったッスか‥‥。 ドナって、すまなかったッス。 ‥‥‥‥。 わかったッス! このイトノコ、いや、警視庁が ヒョッシー探しに協力するッス! |
真: | ええっ! |
糸: |
最新の捜査用のヒミツ兵器を、 トクベツに貸すッス! |
真: | ホントですか! |
糸: |
どれでも、好きなのを 持って行くといいッス! |
真: |
じゃあ、じゃあ、サッソク 貸してくださいよ! |
糸: |
まあまあ。あわてちゃダメッス。 まず、ヒミツ兵器を紹介するッス。 では、紹介するッス。警視庁の ホコる、最新鋭の兵器たち。 ヒミツ兵器その1。 ‥‥”ミサイル”。 |
真: | みみ、みさいる? |
糸: |
ただ今、訓練中の、バリバリの 警察犬ッス。 ミサイル、ミサイル。 おいでおいで‥‥。 |
ミ: | わん。 |
糸: | コイツッス。 |
真: |
きゃあ、カワイイッ! なるほどくん、カワイイよ! |
成: |
(たしかにカワイイが‥‥ コレで何をしろというんだ?) |
ミ: | わん。 |
糸: |
次。ヒミツ兵器その2。 ‥‥ツリザオ。 これッス。自分の私物ッス。 |
成: |
イトノコ刑事。 ‥‥相手はカイジュウですよ。 |
糸: | そッスよ。 |
成: | 釣れるワケないじゃないですか! |
糸: |
そんなの、やってみなきゃ わからねッス! |
成: | ‥‥‥‥! |
糸: | えー、次が最後ッス。 |
成: | (‥‥もう最後かよ) |
糸: |
ヒミツ兵器その3。 ‥‥金属探知機。 これッス。 |
成: |
イトノコ刑事。 ‥‥相手はナマモノですよ。 |
糸: | そッスよ。 |
成: |
よりによって、どうして 金属探知機なんですか! |
糸: |
空きカンとか食べてるかも 知れないッス! さぁ! どれにするッス? |
真: |
うーん‥‥。 迷っちゃうねえ、なるほどくん。 |
成: |
たしかに、ものスゴく迷わされる ラインナップだな‥‥。 (しかたない、とりあえず 借りてみるか‥‥) |
成: |
じゃあその、金属探知機 おねがいできますか。 |
糸: | わかったッス。 |
成: |
こんなシロモノで、 何を探すのやら‥‥。 |
糸: |
相手はカイジュウッス。 ジョーシキは捨てるッス。 |
<<金属探知機>>を借りた。 |