第4話『逆転、そしてサヨナラ』第2回法廷(その1)

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成歩堂 龍一…黒
綾里 千尋…赤
綾里 真宵…青
御剣 怜侍…茶
糸鋸 圭介…黄土
裁判長…緑
大沢木 ナツミ…橙
矢張 政志…紺
星影 宇宙ノ介…黄
ボート小屋のオジさん…灰
サユリさん…黄緑
狩魔 豪…紫
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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12月27日 午前10時
地方裁判所 第3法廷

裁: これより、御剣 怜侍の
法廷を開廷します。
成: 弁護側、
準備完了しています。
狩: ‥‥‥‥
‥‥‥‥‥‥‥‥。
裁: はい。では、検察側も
準備ができている、ということで。
成: (まったく、どっちがエラいんだか
わからないな‥‥)
裁: では、狩魔検事。
‥‥冒頭弁論を。
狩: ‥‥‥‥
‥‥‥‥‥‥‥‥。
裁: はい。では、冒頭弁論は
特になし、ということで‥‥

(狩魔検事「異議あり!」)
狩: カッテに進めるな、裁判長!
ワガハイは今、意味シンな
”間”をとっておったのだ!
裁: は、はあ。
‥‥それはどうも。
狩: 予告しよう。
本日の法廷は、これより
3分以内で終わるだろう!

(ざわめきが起こる)
裁: せ‥‥、静粛に!
狩魔検事! 今の発言は、
いったいどういう‥‥

(狩魔検事「異議あり!」)
狩: キサマもいちいちうるさい男だ!
3分と言った以上、
ムダな時間はない。
さっさと証人を呼ばせて
もらうぞ。
裁: は、はあ。
狩: では、決定的な目撃者を
入廷させていただこう!
成: (‥‥あの、ボート小屋の
ナゾのオジさんか‥‥)

狩: 証人。‥‥職業を。
オ: もが‥‥はあ。
‥‥‥‥‥‥
ひょうたん湖公園で、
ソバ屋”長寿庵”を‥‥
狩: ‥‥‥‥‥‥‥‥。
オ: あ、その。ボート、
貸したりしとりますハイ。
狩: 証人は、事件の夜は、
ボート管理小屋に‥‥?
オ: え‥‥はあ。
おりましたですハイ。
狩: では、<<証言>>を。
成: (ちょっと待てよ。
あのオジさん、ケッキョク
誰なんだよ‥‥)

(「異議を申し立てる」を選択)

(成歩堂「異議あり!」)
成: ちょっと待ってください!
証人はまだ、
名前を言っていません!

(狩魔検事「異議あり!」)
狩: 聞いていなかったのか、弁護士!
ワガハイは”3分で法廷を
終わらせる”と予告したのだ!
くだらぬ質問をせずに、
協力したまえ!
成: (‥‥するワケないだろ!)
裁: 証人。
名前を言ってください。
オ: ‥‥‥‥もが。
‥‥‥‥‥‥
それが、そのう‥‥。
ハッキリしないもんでハイ。
裁: どういうことですか?
オ: キオクが‥‥そのお‥‥。
狩: 裁判長。
この証人には、数年前より
記憶がないのだ。
したがって、
名前もわからない。
裁: ‥‥ふむう‥‥キオクが‥‥。
狩: しかし、事件を目撃したのは
3日前。
証言するのに、問題はない。
裁: ‥‥わかりました。
では、<<証言>>をして
いただきましょう。

(事件のあった夜、目撃したこと)
オ: 『あれは24日の夜、12時
ちょっとすぎのことでしたハイ。』(証言1)
『いつもどおり、ソバ屋‥‥
ボート管理小屋にいたです。』(証言2)
『そしたら、パアンという音が
聞こえたですハイ。』(証言3)
『窓から外を見ると、ボートが1つ、
浮かんでおりまして。』(証言4)
『そのとき、もう1発、パアンと。』(証言5)
『そのうち、ボートが帰ってきて、
男が1人、窓の外をとおりました。』(証言6)
裁: ふむう‥‥。では、
<<尋問>>を‥‥

(狩魔検事「異議あり!」)
狩: この証言に、モンクを
つけられるところなど、ない!
したがって、<<尋問>>など
必要なし!
‥‥というか、もう予告した
3分まで、あと10秒しかない。
裁判長。‥‥判決を!
裁: は、はあ‥‥。
な、成歩堂くん。
‥‥どうしますか?

(「尋問をする」を選択)
成: 何を言ってるんですか!
当然、するに決まってるでしょう!
裁: ふむう‥‥。
そうですね、わかりました。
狩: うおおおおおおおおおおおおおッ!
裁: ど、どうしました?
‥‥狩魔検事。
狩: ‥‥3分たってしまった。
裁: そうですか。
では、ゆっくり行きましょう。
弁護人。‥‥<<尋問>>を。

(「証言6」をゆさぶる)
成: ”窓の外”というのは?
オ: いや。そのまんまだよ。
小屋の窓の外のことだよ。
成: じゃあ、その人物のカオを、
ハッキリ見たわけですか?
オ: まあなあ。キリがいくら濃くても、
目と鼻の先だったからねえ。
裁: そ、それは重要なことです。
証言につけ加えてください。
オ: ‥‥‥‥‥‥
狩: ‥‥クックックッ‥‥。
成: (‥‥イヤな予感‥‥)
オ: 『その男は被告人で”まさか人を撃つ
ことになるとは”と言いました。』(証言・補足)

(「証言・補足」をゆさぶる)
成: ま‥‥間違いありませんか?
オ: ‥‥‥‥‥‥
成: (‥‥おいおい‥‥)
おとーさん!
オ: 間違いないぞお、ユキヒロ!
”まさか撃ってしまうとは”
と言ったんだよあの男は!
狩: 証人! それは御剣 怜侍
に間違いないか!
オ: そいつだあ!
‥‥その、ミツルくんだあ!
裁: ‥‥‥‥‥‥
これは、決定的な証言ですね。
ギモンの余地はありません!
成: (狩魔のヤツ‥‥
ワザとぼくに尋問させて、
証言にインパクトを与えたな!)
狩: ‥‥クックックッ‥‥
真: な‥‥なるほどくん。
法廷の空気が、ヤな感じだよ‥‥。
みんな、あたしたちを
ニラんでる‥‥!
成: (ここで何か手を打たないと、
審理は終了してしまう!)

(「異議を申し立てる」を選択)

(成歩堂「異議あり!」)
成: 裁判長!
御剣が発砲していないことは、
昨日の法廷で証明したはずです!

(狩魔検事「異議あり!」)
狩: 弁護人。
もしかしてそれは、
ピストルについているのは
被告の右手の指紋なのに、
写真で発砲しているのは
左手だから、という話か?
成: そうです!
狩: そんなことは、なんとでも
説明がつく!
撃ったあと、一度指紋を
ふいたのかもしれない。
そんなことより!
今の証言で、すべては
あきらかではないか!
裁: ふむう‥‥。
成: (裁判長が考え込んでいる。
‥‥どうすればいい!)

(「異議を申し立てる」を選択)

(成歩堂「異議あり!」)
成: 裁判長!
御剣が”まさか撃つことに
なるとは”と言ったかどうかは、
その証人の証言があるだけです!
もしかしたら、
ウソをついているのかも‥‥

(狩魔検事「異議あり!」)
狩: 弁護士。
‥‥法廷では、証拠が
すべてを語る。
そんなことすら、キサマはまだ
理解していないのか。
証言がウソだと言うなら、
その証拠を提示したまえ!
成: う‥‥。
真: なるほどくん!
証拠は‥‥?
成: ‥‥‥‥ダメだ!
今度こそ、何もない!
真: ど‥‥どうにもならないの?
成: 正直なところ‥‥
もう、どうしていいか
わからないんだ‥‥。
真: ‥‥‥‥おねがい‥‥‥‥
‥‥お姉ちゃん‥‥たすけてよ‥‥
‥‥負けちゃうよ‥‥なるほどくん
狩: クックックッ‥‥。
3分はさすがにムリだったが‥‥
開廷から15分。
これは新記録だろうな‥‥。
裁: そこまで!
証人は下がってください。
オ:
‥‥‥‥ぐうううう‥‥‥‥
裁: 本法廷は、これ以上の審議の
必要性を認めません。
さらに、被告に対する判決を
決める時間も、必要としません。
これは、きわめて明白な事件です。
疑問の余地はない!
成: (そ‥‥そんな‥‥!)
狩: フン。
裁: 被告、御剣 怜侍に
判決を言い渡します!


(有罪判決)

裁: 被告人はこれより身柄を
司直に預けるものとし、
1ヶ月以内に、高等裁判所において
通常裁判を受けることとします。
では、本日はこれにて閉廷!
?: ちょっと、待てぇぇぇぇぇぇぇい!
裁: ‥‥い‥‥
今のは、いったい誰が‥‥?
?: オレだああッ!
成: あ‥‥
ああああああああああああああっ!
やは、矢張ィィ!
裁: なな‥‥なんですか、あなたは!
矢: オレ‥‥オレの話を
聞いてくれよ!
オレ、オレ‥‥
事件があった日の夜、
あの公園にいたんだよ!
昨日まで、ハッキリ
しなかったんだけど‥‥
今日になってオレ、
思い出したんだよ!
裁: 何をですか?
矢: 銃声だよ!
オレも聞いてたんだよ!

(ざわめきが起こる)
裁: せ‥‥静粛に!

(狩魔検事「異議あり!」)
狩: これはなんのさわぎだッ!
判決はすでに下された!
ワガハイは閉廷を求める!
裁: 待ってください。
狩魔検事。
あなたは、
銃声を聞いたのですか?
矢: そうなんだよ!
聞いたんだよ! あの夜!
オレ、さっきから客席で
証言を聞いてたんだけどよォ、
なんか、オレのキオクと
違う部分があるんだよ!
それなのに、
御剣がユーザイなんて、
オレ、
ナットクできねェんだよ!
オレ、証言するからさ!
聞いてくれよ!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛に!
‥‥こんな事態は
初めてです‥‥。
どうすればいいのか‥‥。
狩: 裁判長!
すでに判決は下った!
審理は終了だ!
真: なるほどくん!
ヤッパリさんがくれた、
最後のチャンスだよ!
成: (たしかに!
‥‥しかし、アイツが矢張だけに
シンパイだ‥‥
事態が、より悪化する可能性も
あるからな‥‥)
真: 御剣検事、”有罪”判決
受けちゃったんだよ!
状況が今より悪くなるなんてコト、
あり得ないよ!
成: そうだね‥‥わかった!
裁判長!
目撃証人がいる以上、ぼくたちは
話を聞くべきです!
今すぐ、この場で!
狩: 必要なし!
判決をくつがえすことなど
できない!
裁: ‥‥‥‥ふむう。
‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
私の考えを言います。
裁判では、いかなる場合でも、
あやまった判決はさけるべきです。
そのためには、目撃証人の話は
すべて、聞かなければならない!
狩: な‥‥何を言う!
裁: 先ほどの有罪判決は、撤回します!
狩魔検事!
この証人に、証言をもとめる
ことを命令します。
今すぐに!
狩: なんだと‥‥!
裁: これより、5分間の
休憩をとりたいと思います。
その後、この証人の話を
聞くのです!
では、休憩に入ります!


12月27日 午前10時28分
地方裁判所 被告人第2控え室

成: あ‥‥
あぶなかった‥‥。
すまないな、御剣。
ハラハラさせて。
御: フッ。
これぐらいのシュラ場、
なんてことはないさ。
成: (‥‥アブラ汗びっしょりかいて、
何か言ってるよ‥‥)
それにしても、矢張のヤツ‥‥
何を言うつもりなんだろう。
真: ヤッパリさん、あの夜
公園にいたんだっけ?
成: たしか‥‥、
湖に飛んでいったトノサマンの
人形を探していた、とか‥‥。
真: ああ‥‥そういえば、
あの夜、見つけたんだっけ。
トノサマンの人形とボンベ。
成: そうだよ。
御: ‥‥‥‥
成: おい。御剣。
御: ‥‥‥‥
ム? な、なんだ成歩堂?
成: なんだじゃないよ。
どうしたんだ?
ボケーッとして。
御: ‥‥い、いや‥‥。
ちょっと、な‥‥。
成:
真: あの。あの。御剣検事?
前から聞きたかったんですけど。
御: なんだろうか?
真: どうして凶器に、あなたの
指紋がついているんですか?
御: ああ。
相手が湖水に落ちたとき、
私はボーゼンとなった。
何が起こったか、
わからなかったのだ。
そのとき、目の前にピストルが
落ちていた。
‥‥つい、考えなしに
拾ってしまったのだ‥‥。
特に理由はない。
真: なるほどねえ。
御: ‥‥‥‥成歩堂。
成:
御: これは、チャンスかもしれない。
成: チャンス?
御: 狩魔検事はこれまで、完全な裁判
しか経験したことがない。
成: ”完全な裁判”‥‥?
御: 完全に手なずけた証人に、
完全にそろえた証拠品。
彼が決して負けないヒミツは
そこにあるのだ。
しかし。‥‥今回、初めて
それがくずされた。
狩魔検事は、一度も話したことの
ない証人に証言をさせることになる。
しかも証人は、あの矢張だ。
成: ‥‥ということは‥‥?
御: スキだらけの証言になる
可能性が高い‥‥。
真: やったね! なるほどくん!
これで、10分でやられちゃう
なんてこともないね!
成: ‥‥うるさいよ。
(すべては矢張しだい、か‥‥)


12月27日 午前10時35分
地方裁判所 第3法廷

裁: では、審理を再開します。
証人。
事件のあった12月24日の夜、
あなたが見たことを、
すべて<<証言>>してください。
矢: ま‥‥まかせてくれヨ!
成: (たのむぞ‥‥矢張。
認めたくないが、お前が
最後のチャンスなんだ‥‥)
狩: ‥‥‥‥‥‥
成: (狩魔も、証人を手なずける
ヒマはなかった。
御剣の言ったとおり、スキが
生まれればいいんだけど‥‥)

(事件の夜、目撃したこと)
矢: 『オレ、あの夜、湖でボートに
乗っていたんだよ。』(証言1)
『探しモノがあって。
で、それが見つかってさあ。』(証言2)
『ボートを、こっそりボート屋に
返したワケよ。』(証言3)
『で、帰ろうかなと思ったときに、
パアンて音が聞こえたんだ。』(証言4)
『オレが湖を見たときは、
ボートには気がつかなかったぜ。』(証言5)
『その1発の音を聞いたあとは
何もなかったんで、帰ったんだ。』(証言6)
裁: ふむう‥‥。
なんか、イロイロ問題が
ありそうな証言でしたね。
とりあえず、弁護人。
<<尋問>>をおねがいします。
成: はい‥‥。
真: どうしたの? なるほどくん。
成: 矢張だけに、何が出てくるか
わからなくて。
ちょっと、コワい。
真: ううん‥‥。
でも、ここまできたら
やってみるしかないって!

(「証言6」に「ナツミの証言書」をつきつける)
成: ちょっと待てよ矢張!
矢: な、なんだよ。
成: お前、”パアン”ていう音、
1発しか聞いていないのか?
矢: そう言ったろ?
成: でも、昨日の証人の
大沢木 ナツミさんも、
さっき証言したオジさんも、
”パアン”という音を
2回、聞いているんだぞ!
矢: え?
成: お前、ほんとに
ちゃんと聞いてたのかよ!
耳そうじ、ちゃんとしてるか?
矢: おい! 成歩堂!
成:
矢: さっきから、ちょっと
気になってたんだけどよお。
オレ、証人だぜ証人。
お客さんよ、いわば。
その、カジュアルな口の
きき方、やめろよな!
成: ‥‥‥‥‥‥。
裁: 証人。
矢: なんだよ。
裁: ホントに、1回しか
音を聞かなかったんですか?
矢: ‥‥‥‥
うーん‥‥‥‥。
実はさァ。
‥‥ハッキリしないんだよね。
裁: は‥‥?
成: ハッキリしない?
ど、どういうことだ?
矢: いや、オレさ。
もしかしたら、1発、
聞き逃していたカモ。
‥‥そういえばよォ、オレ、
アレ、聞いてたから。
成: ”アレ”‥‥って?
矢: ラジオだよラジオ。
‥‥ヘッドフォンでさ。
成: ナニィィィィィィィィィィィィッ!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛に!
‥‥ブーイングはやめてください!
しょ、証人!
あなた、ラジオを
聞いていたんですか?
矢: な、なんだよ! その、
人をさげすんだような目は!
悪ィかよ! ラジオ聞いちゃよお!
裁: ‥‥ふう‥‥。
狩魔検事。何か意見は‥‥?
狩: ‥‥時間のムダだ。
ワガハイは、こんなウサンクサイ
証人は、認めぬ。
裁: ‥‥ふむう。
どうしますか? 成歩堂くん。
<<証言>>をつづけてもらいますか?

(「つづける」を選択)
成: 裁判長。
‥‥おねがいします。
<<証言>>をつづけてください。
狩: ハッ!
‥‥引きギワを知らぬ弁護士ほど
ミジメなものはないな‥‥。
裁: では、証人。
ラジオのこともふくめて、もっと
くわしく<<証言>>を。
矢: おう! まかせな!
成: (やれやれ‥‥)


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