第4話『逆転、そしてサヨナラ』探偵パート3日目(その1)

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成歩堂 龍一…黒
綾里 千尋…赤
綾里 真宵…青
御剣 怜侍…茶
糸鋸 圭介…黄土
裁判長…緑
大沢木 ナツミ…橙
矢張 政志…紺
星影 宇宙ノ介…黄
ボート小屋のオジさん…灰
サユリさん…黄緑
狩魔 豪…紫
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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12月27日 午後2時11分
成歩堂法律事務所

真: 御剣検事‥‥
なんで、あんなことを‥‥?
御: 『私が犯した罪の記憶‥‥。
殺人の‥‥記憶だ。』
真: 御剣検事‥‥
まさか、誰かを‥‥?
成: ‥‥‥‥‥‥
そんなこと、あるわけがないよ。
たしかに、あいつは今、何かの
記憶に苦しんでいるけど‥‥。
誰かの命をうばうなんて‥‥
あり得ない!
真: なるほどくん‥‥。
矢: よお! 元気かねショクン!
どうよ? どうよ?
今日のオレサマの証言ぶり!
シビれたっしょ?
真宵ちゃん!
真: え‥‥あ、あたし?
そ‥‥そうですね。
ビリッと来ちゃいました。
矢: だろ? だろ?
もう、ホレちゃっただろ?
なあ、成歩堂!
成: え‥‥ぼ、ぼく?
そ‥‥そうだな。
キュン、と来たかな‥‥。
矢: ‥‥‥‥‥‥
なんか、イマイチ
ピンと来ねぇなあ。
御剣が助かったのは、
オレのおかげよ?
もっとこう、カンゲイしてくれよ!
このオレをよぉ!

(「今日の法廷」を聞く)
成: 矢張。
今日の法廷‥‥助かったよ。
真: そうだよね。
ヤッパリさんがいなかったら、
ユーザイだったもんね、御剣検事。
矢: はっはっはっはっはっはっはっはっ
はっはっはっはっはっはっはっはっ
でもよ、成歩堂。
たしかに、ボート小屋の管理人も
アヤシイけどさあ。
御剣のウタガイだって、まだ
晴れたワケじゃねえんだぜ。
真: うう‥‥ん。
ヤッパリさん、シビアだなあ。
矢: 客席で聞いているとよお。
こう言っちゃナンだけど‥‥、
御剣だって、けっこう
アヤシイ感じがするぜ‥‥。
おマエ、なんでそこまで
アイツのこと、信じられるんだ?
成: ‥‥‥‥‥‥
真: なるほどくん?
成: ぼくは‥‥。
たとえ何があっても、
何が起こっても‥‥
お前たち2人のことだけは、
信じぬくつもりなんだよ。
矢: 2人って?
真: 御剣検事と‥‥あたしでしょ?
矢: ナニ言ってんだよ!
オレだろ? 成歩堂!
成: ああ。‥‥お前だよ、矢張。
真: あたしじゃないんだ‥‥。
‥‥‥‥‥‥‥‥
でも。でも。
どうしてなの! ヤッパリさん!
矢: ‥‥‥‥え。
さ‥‥さあ。
どうしてだ? 成歩堂‥‥?
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥
真: ‥‥いつもそこでダマる!

(「御剣のこと」を聞く)
真: なるほどくん。
どうしてそんなに、
御剣検事にこだわるの?
たしかに、最近はちょっと
感じが変わったけど、
ただのイヤな男だったでしょ、
初めて会ったときは。
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥
真宵ちゃんは、知らないんだよ。
弁護士を目指していたころの
御剣 怜侍を‥‥。
真: それって‥‥
なるほどくんたちがクラスメート
だったっていう‥‥?
成: うん。ぼくらが小学生のころの
話だ。
ぼくは、助けられたんだ。
御剣 怜侍と‥‥
矢張 政志にさ。
‥‥一生わすれないよ。
そのおかげで、こうして
弁護士にもなったんだ。
真: ええええええええっ!
ね。ね。矢張さん。
なんのこと‥‥?
矢: え! ええと‥‥その。
‥‥悪ィ。
ゼンゼンおぼえてねえや、オレ。
真: ううう。
こら、なるほどくん!
今日こそ聞くんだからね、その話!
成: ‥‥わかったよ。
少し長くなるかもしれないけど、
聞いてもらおうかな‥‥。
‥‥‥‥‥‥
あれは、そう。
小学4年生の夏‥‥。
ぼくは、学級裁判に
かけられたんだ。
真: が‥‥、がっきゅうさいばん?

(「学級裁判」を聞く)
成: 矢張、おぼえてないか?
小学4年生の夏だ‥‥。
ぼくのクラスの1人の子が、
給食費を盗まれたんだ。
真: 給食費?
成: ぼくたちの小学校、
とても小さなところでさ。
毎月、親がお金を入れてくれた
封筒を、先生に提出するんだ。
真: へええ‥‥。
成: その封筒が‥‥消えたんだよ。
3800円、入っていた。
矢: ‥‥ああ。そんなことが
あったっけなあ。
成: お前はよく知らないかも
しれないな、矢張。
その日はお前、
学校を休んでいたから。
とにかく、封筒が盗まれたのは
体育の時間だった。
ぼくはその日、カゼぎみで、
体育の授業を休んでいたんだ。
授業を休んだのは、
ぼくだけだった。
真: だから‥‥うたがわれたの?
成: うん。クラス中のヤツが‥‥
ぼくをサイバンにかけろ、って。
真: サイバン‥‥。
成: 次の日、学級裁判が開かれた。
‥‥もちろん、被告はぼくだ。

成: 「ぼ‥‥ぼくはやってないよ‥‥」

「有罪」「ゆうざい」「有罪」
「お前だろ!」「どろぼう!」

「返してやれよ、お金」「ヒドい人
信じらんない!」「ゼッコーだ!」

「ぼくがやったって言えよ」「かく
すんじゃねえよ」「言いなさいよ」

「遊んでやらないからな!」「もう
ケシゴム貸してあげないからね!」

「リレーの選手、やめさせようよ」
「図書委員もだ」「飼育係もよ!」

「こないだの50円返せ」「となり
町の銀行強盗、お前じゃねえのか」
先:
「龍一くん。ダメでしょ?
人のお金を盗んじゃあ‥‥」
成: ‥‥最後に、先生がそう言った。
先:
「あやまりなさい。龍一くん」
成: ‥‥その瞬間、ナニがなんだか
わからなくなって‥‥
とても悲しくって‥‥
なみだが止まらなくって‥‥
クラス中の視線がぼくに集まった。
”オマエガハンニンダ”って‥‥。
ぼくは、あやまろうとした。
‥‥その子の席の前まで行って。
‥‥‥‥‥‥
そのときだった。

(「異議あり!」)

「その必要はない!
サイバンでモノを言うのは、
証拠品だけなのだ!
その他のものはすべて、
沈黙すべし!
そんなコトも知らないのか‥‥
シロウトどもめッ!」
先: 「ミ‥‥ミツルギくん?」
御: 「キミじゃないのだろう?
ボクの封筒を盗んだのは‥‥」
成: 「う‥‥うん」
御: 「それならば、堂々としたまえ。
これだけ話し合ったのに、
キミがやったという証拠はない。
ということは、裁判長!
‥‥この少年は、ムザイだ!」
先: 「ナニを言ってるの、レイジくん!
盗まれたのは、あなたのお金よ!」

「そうだよ!」
「そいつがやったんだよ!」
「証拠なんて必要ないわ」
「あやまらせろよ!」
矢: 「‥‥イイカゲンにしろよ!‥‥
おマエたち、いつもそうやって
グルになって1人を責めて‥‥
言われるヤツの身にも、
なってみろってんだよ!
コイツ、”やってない”って
言ってるじゃねえかよォ!」

‥‥‥‥‥‥‥‥
先: 「わかりました。
お金は、
先生が立て替えておきます。
‥‥学級裁判は、これで
おしまいにしましょう‥‥」

成: それからだよ。
3人がなんとなく、
仲よくなったのは‥‥。
真: ‥‥そんなことが
あったんだ‥‥。
矢: あ、あったような気も
するなあ‥‥。
成: あのとき、ぼくは
思い知らされたんだよ。
味方がいない、究極のコドク。
‥‥その、ツラさをね。
真: ‥‥ヤッパリさん、
いいヒトだったんですね‥‥。
矢: い、いや、まあ‥‥。
たまたまその日、学校
休んでたからよかったケド、
そうじゃなかったらゼッタイ、
オレがうたがわれてたから。
ヒトゴトじゃなかったんだわ、
コレが‥‥。
成: (”事件のカゲに、ヤッパリ矢張”
って言われつづけてたもんな)

(「その後の御剣」を聞く)
成: ‥‥学級裁判が終わって、
御剣から聞いたんだ。
お父さんが弁護士だってこと。
父親のコトを話すときだけは、
ヤツの目は子供っぽく光ってた。
御: 「ボクはかならず、父さんのような
弁護士になるのだよ。
リッパな弁護士に‥‥」
成: ‥‥それから数ヶ月後。
あいつは突然、転校していった。
真: DL6号事件‥‥。
成: そう。たぶん、お父さんが
亡くなったためだろう。
真: かわいそう‥‥。
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥
御剣の名前をひさしぶりに
見たのは、数年たってからだ。
新聞に、彼の名前が大きく
のっていた。
<<鬼検事に、黒い疑惑>>
とかいう見出しでね。
証拠のでっち上げ、証言の操作、
もみ消し‥‥。
有罪のためならば、なんでも
する男だ、と書いてあった。
矢: ‥‥どうしてだ?
ナニがあったんだよ!
まるで別人じゃねえか!
成: ぼくもそう思った。
ぼくは御剣に会おうと、
何度も連絡をとった。
しかし、彼は返事を
してくれなかった。
真: ムカシの友だちに‥‥
会いたくなかったんだ‥‥。
成: でもぼくは、
あきらめられなかった。
どうしても彼に会って、
ナゾを解くんだ、と‥‥
そう決心したんだ。
真: ‥‥‥‥‥‥!
ま‥‥まさか‥‥。
まさか、なるほどくん‥‥
そのために‥‥?
御剣検事に会うために、
弁護士になったの‥‥?
成: 弁護士になれば、あいつは
イヤでもぼくに会わざるをえない。
法廷でね。
‥‥‥‥‥‥‥‥
ぼくを信じてくれた御剣を、
ぼくは信じている。
あいつは苦しんでいる。
そして、味方がいない。
チカラになれるのは、本当の
あいつを知っている、ぼくだけだ。
矢: な‥‥成歩堂‥‥。
じゃあ、おマエがオレを、
タダで助けてくれたのも‥‥?
成: ああ。
お前を信じていたからだ。
(‥‥ただし、タダと言った
おぼえは、ないんだけど‥‥)
矢: ‥‥‥‥なるほどうよお‥‥‥‥
真: なるほどくん!
かならず助けようね!
御剣検事。
成: ああ。
真: とにかく、あのボート小屋の
オジさん?
あの人のこと、調べようよ!
成: そうだね。
(とりあえず、もう必要のない
証拠品を、少し整理するか‥‥
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥)
よし、行こうか!

(「ひょうたん湖公園」に移動する)


12月27日 某時刻
ひょうたん湖公園 入口前

糸: おっ! ひさしぶりッス!
真: あ、イトノコ刑事さん。
糸: 今日はアブなかったッス!
ハラハラして、ネクタイを1本
食いちぎったッス。
成: そ、それはどうも
スミマセンでした‥‥。
糸: いいッス! おかげで、
ハンニンがわかったッスからな!
真: ボート小屋のオジさんですか?
糸: 約束するッス。
自分は、明日の開廷時間までに、
必ずアイツをタイホするッス!
ナニがあっても!
‥‥それが、アンタに対する
警察官としてのレイギッス!
では、シツレイするッス!
真: ‥‥‥‥‥‥
イトノコ刑事、ハリきってたねー。
糸: あ、それから1つ。
真: きゃっ!
糸: 今日は、森の方へは
行けないッス。
真: もり?
成: (ナツミさんがキャンプしていた
ところか‥‥)
糸: あそこはキャンプ禁止だったッス。
公園の管理人にバレて、
しばらく、立入禁止になったッス。
真: ナツミさん、怒られちゃったんだ。
糸: ま、そういうことッス。
‥‥じゃ、また明日、会うッス!

(「公園・広場」に移動する)


12月27日 某時刻
ひょうたん湖広場

成: あれ。あの目ざわりな
トノサマンがいないな‥‥。
真: ”目ざわり”って言うな!
成: 屋台も休みみたいだ。
真: たしかに、アルバイト
どころじゃないのかもね‥‥。

(「貸しボート屋前」に移動する)


12月27日 某時刻
貸しボート小屋前

真: あのオジさん、逃げちゃった
んだよね。
成: ああ。
真: まさか、あのオジさんが
ハンニンだったなんて‥‥。
‥‥‥‥‥‥
?: ウォッホォン!
成: ‥‥‥‥!
(このセキ払いは‥‥)
星: やあやあチミたち。
‥‥どうした? こんなところで。
チミたちもサンポかな? ん?
”青春の日々はぁ‥‥青いレモンの
カオリぃ‥‥”とォ。
真: ほ‥‥星影センセイ!
なにをノンキなコト
言ってるんですか!
御剣検事の裁判、明日が
最終日なんですよ!
星: ‥‥そ、それはそうぢゃが。
今日の法廷を見たかぎりでは、
もうあの子はアンシンぢゃろ?
成: それが‥‥
そうでもないんです。
星: ‥‥どういうことぢゃ?
成: それが、まだ‥‥
ハッキリしないんですけど。
星: ‥‥ううむ‥‥。
何かわかったら、ワシの
事務所に来なさい。
チカラになれることが
あるかもしれん。
成: はい‥‥。
(センセイ、行っちまったぞ‥‥)
真: 星影センセイ、何してたのかな?
‥‥こんなところで‥‥。
成: ‥‥さあ‥‥。

(「管理小屋内」に移動する)


12月27日 某時刻
管理人の小屋

成: ‥‥‥‥‥‥
真: ‥‥誰もいないね。
サ: ”オハヨー、オハヨー”
真: あっ! サユリさんだ!
あなたのご主人、
どこへ行っちゃったのかな‥‥。
サ: ”オハヨー、オハヨー”
真: この子、置いていくなんて
ヒドいよね!
サ: ”オハヨー、オハヨー”

(「金庫」を調べる)
真: そういえばさ、なるほどくん。
この金庫の番号、サユリさんが
知ってるんだよね。
成: ああ。そうだったね。
真: サユリさん。金庫の番号は?
サ: ”‥‥‥‥1228”
真: ねえねえ、開けてみようよ。
成: お金なんか入ってないと思うよ。
真: ううう‥‥。
でもさ。
カギをかけているぐらいだから、
それなりのものが入ってるんだよ。
成: そうかなあ‥‥。
真: ほらほら、なるほどくん。
開ける開ける。
成: (‥‥何か手がかりが入ってるかも
しれないからな‥‥)
‥‥‥‥‥‥‥‥
手紙が1通、入ってるだけだ。
真: て、手紙?
‥‥‥‥
つまんない。
成: (あて名も、差し出し人の
名前もない。
手書きの、きちょうめんな文字が
きれいに並んでいる‥‥)
‥‥‥‥‥‥‥‥
<<御剣 怜侍に復讐せよ‥‥>>
‥‥‥‥ミツルギだと!
真: なな、なるほどくん‥‥
なんで、御剣検事の名前が‥‥?
成: し、知らないよ!
‥‥とにかく、読んでみるぞ。
<<御剣 怜侍に復讐せよ‥‥
これが、最後のチャンスだ。
お前の人生を破滅させた2人の
男に、今こそ復讐するのだ>>
‥‥‥‥‥‥‥‥
(ここから、今回の殺人事件の
計画が、びっしり書かれている。
生倉弁護士を殺害して、
その罪を御剣に着せる方法‥‥
御剣を呼び出し、ボートに乗り、
ピストルを2度、撃つ‥‥
今日の法廷で、ぼくが苦しまぎれ
に説明したとおりのやり方が
カンペキに書かれている‥‥)
‥‥‥‥‥‥‥‥
真: ど‥‥どういうこと?
なるほどくん‥‥。
成: よくわからないけど、
どうやら、管理人のオジさん‥‥、
この手紙の指示どおりに動いて、
生倉弁護士を‥‥。
真: でも、その手紙‥‥。
いったい、誰が?
それに、御剣 怜侍に復讐せよ、
って‥‥どういう意味なの?
成: あのなあ。ぼくにわかるワケ
ないだろ。
‥‥でも。
どうやらこの手紙は
スゴい手がかりになりそうだな。

<<金庫の中の手紙>>を、
法廷記録にそっと挟んだ。

(「貸しボート屋前」に移動する)

(「公園・広場」に移動する)

(「ひょうたん湖公園」に移動する)

(「留置所」に移動する)


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