第1話『失われた逆転』第1回法廷(その4)

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成歩堂 龍一…黒
綾里 真宵…青
須々木 マコ…橙
糸鋸 圭介…黄土
裁判長…緑
亜内検事…茶
諸平野 貴雅…紫
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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成: モロヘイヤさん!
なくした携帯電話は、
今どこに‥‥?
諸: ヤレヤレ‥‥。
何をあわてているんだか。
ちゃんと見つけたよ。
ホラ、これだ。
成: あ‥‥、そうなんですか。
真: なんだ、ちゃんと持ってるよ。
‥‥あたしてっきり、それ、
あの人のモノだと思ったのに。
成: うーん‥‥。
裁: わかりました。
事件が起こったとき、証人は
携帯電話を落としていた。
だから公衆電話を探していて、
通報がおくれた、と。
諸: まあ、おおむねそのとおりと
考えても、特に問題はないですね。
裁: どうですか? 弁護人。
これで問題ありませんね?

(「それはおかしい」を選択)
成: 裁判長!
まったく、お話になりません。
モロヘイヤさんが、公衆電話を
探していたはずがない!
諸: な‥‥なんだって!

(亜内検事「異議あり!」)
亜: そこまでキメつけるからには
当然、証拠があるんでしょうな!
成: え! ‥‥も、もちろんです。
(だいじょうぶだよな、証拠‥‥)
裁: ふむう‥‥。
では、示してもらいましょう。
証人が、公衆電話を探していた
はずがないという証拠を!

(「現場写真・1」を選択)
成: 考えるまでもありません。
‥‥これを見てください。
裁: 事件の現場写真、ですか?
亜: それがどうかしたかね?
成: ”どうかしたかね”
じゃありませんよ。
これを見てもわからないなんて、
それこそどうかしている!
諸: うおおおッ!
裁: で‥‥電話ボックス‥‥!
成: そのとおり!
証人は、3歩あるくだけで
電話ボックスにたどりつけた!
証人! ‥‥なぜ、
そうしなかったのですか!
諸: ぐはああぁッ!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛に!

(亜内検事「異議あり!」)
亜: つ、通報がおくれたから
なんだと言うのですか!

(成歩堂「異議あり!」)
成: 証人は、その15分間の
ことを説明できないでいる!
これはかなり、アヤシイ!
裁: ふむう‥‥たしかに。
どうなんですか、証人!
諸: ‥‥‥‥‥‥‥‥
真: ね。ね。やっぱり、その携帯電話、
アイツのなんじゃないかな。
それを取りもどすために
殺したんだよ! 町尾巡査。
成: でも、マコちゃんは、アイツに
それを返すはずだったんだぞ。
殺す必要なんて、ないよ。
それに、マコちゃんが拾った電話、
そもそもまだ、ここにあるし。
真: うーん‥‥。
でも、携帯電話じゃないとしたら、
何を探してたのかな?
モロヘイヤさん。
成: (何かを探していた、か‥‥)
裁: 弁護人。
成: ‥‥はい。
裁: あなたには、何か考えが
あるのではないですか?
空白の15分のあいだ、
この証人が何をしていたか‥‥?

(「考えはある」を選択)
成: ‥‥1つだけ、考えがあります。
裁: わかりました。
弁護人の考えを聞きましょう。
‥‥ただし。その考えに説得力が
なかった場合‥‥
ペナルティを与えます。
‥‥よく考えてください。
成: は、はい!
(しまった‥‥。”1つだけ”
なんて言わなきゃよかった‥‥)
裁: 以下の疑問の答えを示す
証拠品を提示してください。
”証人はなぜ、警察にすぐ
通報しなかったか‥‥?”

(「メガネ」を選択)
成: モロヘイヤさん!
諸: な、なんだ!
オドかさないでくれたまえ‥‥。
成: これは、あなたのメガネですね?
諸: あっ! ど、どこでそれを‥‥
ハッ‥‥‥!
成: ‥‥聞きましたかみなさん。
彼は今、認めましたね。
このメガネが、
自分のものであることを!

(ざわめきが起こる)
成: モロヘイヤさん、
教えてあげましょう。
こいつは、被害者の死体の下から
発見されたんですよ。
諸: ななな、なんだってェェェ!
死体の下ァァァ!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛に!
諸: まま、ま、ま、待ってくれ!
ボ、ボクは、
何も認めたワケじゃないぞ!
成: 裁判長!
答えはハッキリしています!
町尾巡査は、つき落とされたとき、
犯人のメガネをつかみとった!
メガネをなくした犯人は、
必死でそれを探した!
しかし、死体の下には
気がつかなかった!
‥‥だから、通報が15分、
おくれたのです!

(ざわめきが起こる)
裁: べ‥‥弁護人!
つ、つまりあなたは‥‥
告発するつもりですか!
この証人を‥‥真犯人だと!
成: ‥‥もちろん、そのつもりです!
諸: う‥‥‥‥
うおおおおおおおおおおおおッ!!

(ざわめきが起こる)
成:
(まちがいない!
真犯人は、アイツだ!)
真: なるほどくん!
ゼンブ、わかっちゃったの?
成: ‥‥なんとなく、ね。
やっぱり、事件のカギは
この携帯電話だったんだよ。
‥‥とにかく、
アイツを沈めるチャンスだ!
イッキに追いつめるぞ!
真: う‥‥うん!
なんだかあたし、コーフンして
きちゃったよ‥‥!
成: (‥‥どうやらぼくは
自分をとりもどしつつあった。
ノルかソルかの勝負。
その、身を切るような一瞬!
それはたしかに、ぼくがいつも
求めていたものだった‥‥)
裁: 静粛に! 静粛に!

(亜内検事「異議あり!」)
亜: 裁判長!
べ‥‥弁護人に法廷ブジョク罪を!
なんのコンキョもなく
証人を犯人呼ばわりして‥‥
諸: そそ、そ、そうだ!
ボ、ボクが犯人なワケ、
ないじゃないかッ!
この‥‥この、三流の
ヘボ弁護士が‥‥
成: ‥‥モロヘイヤさん。
じゃあ、逆に聞きましょう。
どうしてあなたが
犯人じゃないと言えるんですか!
諸: な‥‥! そんな、
カンタンなコトだろ!
たとえば、アレがある!
‥‥被害者が書き残した名前!
成: ああ。‥‥あの<<鈴木>>という
文字のことですか?
諸: い、いくらキミでも、
それぐらいは読めるだろう?
成: しかしこれは、被害者が
書いたものではない!
被告人の名前は<<須々木>>だし、
被害者は左ききでした。
裁: つまりこれは、被告人に
罪を着せるために、
真犯人が被害者の右手を使って
書き残した、ということですね?
諸: で、でも! でもでも!
真犯人は、被告の
知り合いってコトだろう?
彼女の名前が”スズキ”だって
知っていたわけだからな!
裁: たしかに、そのとおりです。
この証人は、須々木 マコさんを
知らないはずですね。
成: (どうなんだ‥‥!
アイツに、被告人の名前を
知るチャンスはなかったのか?)

(「チャンスはあった」を選択)
成: (ようするに、証人にチャンスが
あったことを証明すればいい。
彼女の名前が”スズキ”だと
知るチャンスが‥‥)
裁: では、弁護人。
提示していただきましょうか。
この証人が、どうやって
被告の名前を知ることができたか?

(「携帯電話」を選択)
成: ‥‥モロヘイヤさん。
事件があったとき、携帯電話を
落としていたそうですね?
諸: そ、それがどうかしたかい!
成: それに気づいたあなたは、
どうしましたか?
諸: ‥‥ど、どうした、って‥‥?
成: 落とした携帯電話の番号に、
かけてみませんでしたか?
諸: ‥‥! ど、どうしてそれを‥‥

(亜内検事「異議あり!」)
亜: 裁判長! 今の質問は、事件に
なんら関係が‥‥
裁: 却下。
成歩堂くん。どういうことですか?
この証人の携帯電話が、
事件に関係あるのですか?
成: ‥‥あります。
須々木 マコは事件当日、公園で
携帯電話を拾っています。
‥‥そして!
落とし主からの電話を一度、
受けているのです!
電: 『‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥ピッ‥‥』
マ: 『あ、あの、もしもし。
スズキと申しますが‥‥』
?: 『あ。すみません。その携帯電話を
落とした者なんですけど‥‥』
マ: 『よかった! じゃァさっそく
お会いして、お返ししますッ!』
?: 『すぐ、そちらにうかがいます。
もう一度、お名前を‥‥』
マ: 『はッ! スズキ マコッス!』
成: あなたは、その時に知ったのです。
彼女の名前が”スズキ”だと!
諸: う‥‥ぐぐ‥‥
成: しかし、あなたは1つ
カンちがいをした。
裁: カンちがい‥‥?
成: 被告の名前は<<須々木>>です。
書き残された名前は<<鈴木>>‥‥
このまちがいは、耳で聞いたとき
にしか、起こらない!
諸: ひいイィッ!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛に!

(亜内検事「異議あり!」)
亜: お、おま‥‥お待ちください!
この証人には、動機がありません!
裁: ほほお。‥‥と、言いますと?
亜: カンタンなことです。
人を殺すには、何か理由がある。
モロヘイヤくんには、
その理由がありません!
諸: そ‥‥そうともっ!
ドーキがないよボクには!
裁: ‥‥ふむう‥‥。弁護人。
成: はい。
裁: 証明できますかな?
この証人の”動機”を‥‥。
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
カンタンなコトです。
諸: ‥‥‥‥!
真: だだ、だいじょうぶなの?
なるほどくん‥‥。
成: だって、”できません”て言ったら
終わっちゃうだろ? 裁判。
真: そ、そりゃそうだけど‥‥。
裁: では、提示してもらいましょう。
この証人の”動機”を示す証拠を!

(「携帯電話」を選択)
成: モロヘイヤの動機はコイツです!
裁: 携帯電話‥‥。
成: 須々木 マコが拾った電話には、
ある電話番号が登録されていた!
諸: し‥‥調べたのか?
そ、その番号を‥‥。
成: ‥‥もちろん。
これは、その電話に登録されていた
番号のリストです。
電話番号とその名前はすべて、ある
詐欺グループのメンバーのものだ!
亜: ななな、なんですってぇ!
さ‥‥詐欺ぐるーぷ‥‥?
成: どうして、そんな番号が
登録されているのですか!
諸: こ、こ、これは犯罪だ!
ヒトの電話の番号を調べるなんて、
殺人以上にヒレツな‥‥
あ、あなたがたはアレだ。
ユトリロのアトリエに踏みこんだ
警官たちといっしょだ!
天才のシゴトを踏みにじり、
美の女神との語らいを
成: そんなことはどうでもいい!
このリストについて
説明していただきたい!
諸: キサマらに、一流のニンゲンの
気持ちなんてわかるかァッ!

(亜内検事「異議あり!」)
亜: 裁判長! これは‥‥、
不当な言いがかりです!
裁: 異議は却下。
ど、どういうことですか
成歩堂くん!
なぜこの証人が、詐欺グループの
電話番号を‥‥!
成: 決まってるじゃないですか!
モロヘイヤは‥‥

(「そのグループの一員」を選択)
成: この詐欺グループの
メンバーだったのです!
諸: ‥‥うほぉッ!
成: あなたは、仲間の電話番号を
コイツに登録していた!
それを調べられてしまったら、
すべてがおしまいです!
だからあなたは、殺人を犯したッ!
諸: も‥‥もうたくさんだあぁぁっ!!

(ざわめきが起こる)
裁: ‥‥たしかに、
スジはとおりますね‥‥。
どうなんですか!
モロヘイヤさん!
諸: ‥‥‥‥ボ‥‥ボクは‥‥
成: (よし‥‥キマったか!)
諸: ボクは‥‥あの‥‥
あの警官を‥‥

(亜内検事「異議あり!」)
亜: お待ちください!
裁: なんですか?
亜: 裁判長! これは‥‥これは、
その‥‥不当な言いがかりです!
裁: ‥‥あなた、さっきも
言いましたね、それ。
亜: よよよよ、よろしいですか!
例の電話の通話内容を
思い出していただきたい!
電: 『‥‥ピッ‥‥』
マ: 『あ、あの、もしもし。
スズキと申しますが‥‥』
?: 『あ。すみません。その携帯電話を
落とした者なんですけど‥‥』
マ: 『よかった! じゃァさっそく
お会いして、お返ししますッ!』
亜: 証人は、携帯電話を
返してもらうヤクソクをしていた!
あとは、ただ取りに行って、
彼女から電話を受けとればよい。
なぜ、わざわざ殺人を犯す
必要があるのですかッ!
裁: ふむう‥‥。
たしかに、それもそうですね。
いかがですか、弁護人。
この点については?
成: (た、たしかに‥‥
フツウに考えれば、
そうなんだよな‥‥)
真: じゃあきっと、
フツウじゃなかったんだね!
成: (そのとおり。だから、
殺人事件が起こった‥‥
モロヘイヤのヤツ、
現場で何があったんだろう?)
裁: いかがですか? 弁護人。
成: ‥‥そ、そうですね。
おそらく彼は、スナオに電話を
受け取りに行けなかったのです。
亜: でも、取りに行くヤクソクは
したのですぞ!
成: ‥‥きっと現場で、何か
マズいものでも見たんでしょう。
裁: では、うかがいましょう‥‥。
現場で見た、マズいもの。
‥‥なんですか? それは。

(「町尾 守」を選択)
成: モロヘイヤさんが見たのは
‥‥もちろん、被害者です。
亜: ひ‥‥被害者?
町尾 守巡査のことですか!
成: 町尾巡査は、勤務を終えたカッコウ
のまま、デートに来ていました。
すなわち、警察官の制服で!
裁: あっ!

”電話を拾った女性が、
警察官といっしょにいる‥‥!”
成: ‥‥まさか2人が恋人同士とは
思わない被告(「証人」の間違い) は、気が動転した!
電話を返してもらうときに、
何か聞かれるかもしれない。

”もし怪しまれてしまって、
電話を調べられたら‥‥?”
成: ‥‥いや。もしかしたら、もう
調べられている可能性だってある!
裁: ‥‥パニックにおちいって
しまったわけですか‥‥。
成: そうです。
町尾 守は、警官の制服を
着ていたから殺害されたのです!

(ざわめきが起こる)
裁: 亜内検事。
‥‥何か、言うことは?
亜: か‥‥考え中です‥‥。
裁: ふむう‥‥。
どうやら、答えが出たようですね。
この証人、諸平野 貴雅は‥‥


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