第2話『再会、そして逆転』第2回法廷(その1)

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成歩堂 龍一…黒
綾里 千尋…赤
綾里 真宵…青
狩魔 冥…水
糸鋸 圭介…黄土
裁判長…緑
綾里 春美…黄緑
綾里 キミ子…灰
霧崎 哲郎…紺
葉中 のどか…紫
大沢木 ナツミ…橙
堀田(自称)…黄
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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6月22日 午前 9時51分
地方裁判所 被告人第3控え室

真: ‥‥あのさ。なるほどくん。
成: ん?
真: あの子‥‥2代目狩魔検事、
18才なんだって。知ってた?
成: あ、そうなんだ。
‥‥それがどうかした?
真: すごいな、って思って。
今までアメリカで、たったひとりで
がんばってきたんだよ。
成: ‥‥うーん。きっと、すごい
プレッシャーがあっただろうね。
真: ‥‥それにひきかえ、
あたしときたら。
家元のムスメなのに、
なんか中途ハンパ。
おまけに、何かといえばハンニン
あつかいでタイホされちゃうし。
成: (うーん‥‥じゅうぶんスゴいと
思うけどな、真宵ちゃんも‥‥)
春: おはようございます!
今日もお2人、なかよしですね。
‥‥わたくし、うれしいです。
真: あ、はみちゃん!
おはよう。
春: 真宵さま、
もう安心ですからね!
真: ‥‥え?
春: 今日は、おかあさまが
味方になってくれますから!
真: う‥‥うん。そうだよね!
成: ‥‥春美ちゃん。
春: ‥‥?
なんですか、なるほどくん。
成: あのさ。今日も
呼んでくれないかな? 千尋さん。
春: え? ‥‥できればわたくし、
お席のほうで裁判の見学を‥‥
成: ‥‥たのむよ。
自信がないんだ、ぼくだけじゃ。
春: もう。ダメですよ、なるほどくん。
愛しいヒトの前で
殿方が弱音を吐いてしまっては。
真: は、はみちゃん!
ま、またそんなコト‥‥。
成: おねがいできるかな?
春美ちゃん。
春: ‥‥ふふ。いいですよ。
真宵さまのためですから。
‥‥じゃあわたくし、
したくしてきますね!
成: ‥‥これで、よし。
真: なるほどくん‥‥?
成: ‥‥これで春美ちゃんは、
今日の裁判を聞くことはできない。
真: ‥‥ど、どういうこと‥‥?


同日 午前10時
地方裁判所 第2法廷

裁: これより、綾里 真宵の法廷を
開廷します。
成: 弁護側、準備完了しております。
冥: ‥‥そんなコトは
どうでもよろしい。
成歩堂 龍一。
今夜のニュースが楽しみね。
全世界に流れるわ。
‥‥あなたの敗北するすがたが!
千: 全世界‥‥。有名になった
ものね、なるほどくん。
冥: ‥‥バカな服を着たバカに
ふさわしいバカなカンちがいね。
有名なのは、この私。
13才から5年間、
無敗の天才なのよ。
その私が、この国で初勝利する。
全世界が注目しているわ!
千: それはそれは‥‥。
おキノドクにね。
冥: ‥‥フン。イセイのいい
お姉さんだこと。
成: (うう‥‥オンナの戦いは
コワいな‥‥)
裁: ‥‥さて。きのうの法廷で、
ある可能性が示されました。
冥: ‥‥被告人が、”対面の間”から
出たかもしれないという可能性。
裁: まさしく。このカギが、
その証拠です。
”対面の間”にあるはずのカギが、
他の場所から見つかりました。
冥: ‥‥裁判長。最初に1つ、
言っておくことがあるの。
裁: ほ、ほう‥‥。
なんでしょうか。
冥: 事件発生から逮捕までのあいだ、
被告人は一度、あの部屋を出た‥‥
検察側は、それを
ジジツとして認めるわ。
成: な‥‥なんだって!

(ざわめきが起こる)
裁: しかし‥‥狩魔検事!
では、この写真は
どう説明するつもりですか?
この人物も、
被告ではなかった、と‥‥?
冥: ‥‥私は被告が
無実だとは言っていない。
裁: で、ではいったいどういう‥‥?
冥: 綾里 真宵は被害者を殺害後、
あの部屋から出たのよ。
カギは、そのとき落とした
と考えられるわ。
裁: ‥‥それを
立証できるのですか?
冥: そのために私はここにいる。
証人として、被告人のおば、
綾里 キミ子を入廷させるわ。
千: ‥‥やっぱり、おばさまが‥‥
成: (千尋さんもツラそうだ‥‥)

冥: 証人。‥‥名前と職業を。
キ: 綾里 キミ子と申します。
職業は、霊媒を少々‥‥
裁: し、シツレイですが、
ナニを少々ですって‥‥?
きゃん!
冥: ‥‥そんなコトは
どうでもよろしい。
事件があったとき、証人は
被告の介抱をしたわね?
キ: ‥‥そうでござあますわね。
真宵さまに除霊の術を
ほどこしたのでござあます。
裁: じょ、じょれいのじゅつ‥‥?
キ: 体内に宿った霊を、冥界に
おくる術でござあますが、何か?
裁: な、”ナニか?”ってあなた‥‥
むふっ!
冥: あなたはダマってなさいな。
‥‥それで、証人。
除霊の術をほどこしたときに、
何かあったんでしょ?
キ: ‥‥はい。
成: い、いったい、何が‥‥?
キ: お逃げになったのです。
‥‥真宵さまが。
裁: なんですって!
冥: そのとおり!
綾里 真宵は、霊が宿ったまま
”対面の間”から消えた!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛に! 静粛に!
証人! そのときのことを
証言してください!
キ: ‥‥おおせのままに
いたしましょう。
千: いきなり
盛り上がってきたわね‥‥。

(真宵を逃がしたこと)
キ: 『銃声が聞こえて、おふたりが
扉をこわして現場に入られました。』(証言1)
『アタクシ、成歩堂さんたちに警察を
呼ぶようおねがいしました。』(証言2)
『真宵さまはピストルをぶら下げて
放心しておられたのですが‥‥』(証言3)
『いきなりアタクシをつきとばして、
部屋を出てしまわれたのです。』(証言4)
『すごいイキオイで首スジを
たたかれて、少し気絶して‥‥』(証言5)
『真宵さまがどこへ行かれたかは、
存じません。』(証言6)
成: どうして、今まで
かくしていたんですか!
キ: 真宵さまに‥‥ごメイワクを
かけたくなかったのでござあます。
しかし‥‥アヤマチは
ただされなくてはなりません。
冥: ‥‥そのとおり。
ただされることね、成歩堂 龍一。
成: (なんでぼくなんだよ‥‥)
裁: では、弁護人。
尋問をおねがいします。
千: ‥‥おばさまは、とても
アタマのいい人よ。
つけいるスキを
作ってくれるかしらね‥‥

(「証言1」をゆさぶる)
成: ”おふたり”というのは‥‥
キ: ああたと、あの外国人の
女のかたでござあますわね。
成: ‥‥ナツミさんは
ニッポン人ですけど‥‥。
キ: そうなのでござあますか。
見苦しい身なりに
聞き苦しい日本語でしたので、
アタクシはてっきり‥‥
成: (‥‥関西の黒人ふうの
ヒトたちに怒られるぞ‥‥)
キ: とにかく、ドアの修理代は
事務所に請求いたしましたので。
成: そ、それはどうも。
裁: ふむう‥‥それから、
証人はどうしましたか?

(「証言2」をゆさぶる)
成: 電話をかけるだけなのに、
なぜ2人を行かせたのですか?
逃げられる可能性があったのなら、
どちらかを残すべきでした!
裁: ‥‥ふむう‥‥
たしかに、そのとおりですな。
キ: あのときはアタクシも
動転しておりました。
それに、あの。
なんと言いますか‥‥。
裁: なんですか?
キ: ‥‥いえ。
それだけでござあます。
成: (‥‥少しワザとらしく
口ごもったみたいだけど‥‥)

(「さらにゆさぶる」を選択)
成: 何か、他にも
理由があったんですね!
キ: ‥‥‥‥‥‥‥‥
成: 証言してください。なぜ、
ぼくたちを追い払ったんですか!
キ: ‥‥あの医者の他に、ギセイ者を
出したくありませんでしたの。
成: ‥‥‥‥!
キ: ”ああたや、あのカメラマンの
命も危ないかもしれない”‥‥
‥‥そう考えたのでござあます。

(ざわめきが起こる)
裁: ふむう‥‥さすが、
おエラいココロがけですな。
成: (まずいな‥‥悪い印象を
与えちまった)
千: ワナだったみたいね。
‥‥さすが、おばさまだわ。
裁: ‥‥もう、じゅうぶんでしょう。
証人。つづきをおねがいします。

(「証言3」をゆさぶる)
成: あなたは、あのとき
たしか、こう言ってました。
『すぐに被告人に当て身をして、
気絶させた』‥‥と。
キ: あれは‥‥
ウソでござあました。
成: ‥‥!
ど、どうしてそんなウソを!
キ: ‥‥アタクシの口からは申し上げ
にくいのでござあますが‥‥。

(狩魔冥「異議あり!」)
冥: ‥‥証人は、被告人を
かばうため、ウソをついたのよ。
成: (真宵ちゃんを‥‥かばうため?)

(「さらにゆさぶる」を選択)
成: ”被告をかばう”‥‥
それは、どういう意味ですか!
キ: ‥‥そうでござあますわねえ。
あとで知ったのでござあますが、
逃げた真宵さまは、
とんでもないことをなさって‥‥
裁: と、”とんでもないこと”!
それはいったい‥‥
ふひっ!
冥: この証人は、それを
目撃しているわけではない。
”とんでもないこと”については、
のちほど説明するわ。
裁: は‥‥はい。わかりました。
成: (うう‥‥
イヤな予感がするなあ‥‥)
冥: じゃあ、証人。何があったか、
証言をつづけて。

(「証言4」をゆさぶる)
成: アッサリ、逃げられて
しまったんですか?
キ: ‥‥ええ。メンボクない
話でござあますわね。
成: あなたは、被告よりも
体格がいい。
そうカンタンに
逃げられるとは‥‥

(狩魔冥「異議あり!」)
冥: お忘れみたいね‥‥成歩堂 龍一。
この写真をごらんなさい。
そのとき被告人は、”綾里 真宵”
ではなかったのよ!
成: ‥‥うぐっ!
裁: うむむ‥‥。年寄りには
ややこしい話ですなあ。
キ: おそらく、あの看護婦は生前、
カラテでもやっていたのでしょう。
成: ‥‥でも! 逃げられたのなら、
すぐに追うべきだった!
キ: ええ。たしかに
そのとおりでござあましたが‥‥

(「証言5」をゆさぶる)
成: ‥‥キゼツ、ですか?
キ: 目の前がクラクラっとして
‥‥倒れてしまいましたの。
裁: 気絶されていた時間は
どのぐらいでしたか?
キ: さあ‥‥。たぶん、10分ぐらいの
ことでござあましょう。
裁: ふむう‥‥。
被告人はそのあいだ、どこへ行って
いたのでしょうねえ‥‥。
冥: いかが? 証人。
‥‥その点については。

(「証言6」をゆさぶる)
成: 気絶していたから、ですか?
キ: ‥‥さようでござあます。
成: (‥‥どうしよう‥‥?)

(「さらにゆさぶる」を選択)
成: 気絶していたのなら、被告の行動は
まったくわからないんですね?
キ: もちろんでござあます。
成: それなら、被告が”対面の間”から
出ていったかどうか‥‥、
あなたにはわからないはずです!
裁: 言われてみれば
‥‥そのとおりです!

(ざわめきが起こる)
冥: ‥‥たしかに、この証人には
知りようがない。
”この証人には”‥‥ね。
成: ど、どういうことですか!
千: ‥‥他の証人がいる。
そういうことでしょうね。
どうやら、あの検事さんは
次の証人を用意してるみたい。
裁: そこまで!
‥‥どうやら、証言には
問題ないようです。
綾里 真宵を現場から逃がして
しまった事情は、わかりました。
成: (ううん‥‥
これでよかったのかな‥‥)
冥: ‥‥じゃあ、
次のステップに進むわ。
”現場から消えた被告が、
どこへ向かったか‥‥?”
裁: そ‥‥そうですね。
やはり、気になるのは‥‥
かはっ!
冥: ‥‥口を挟まない。
逃げだした被告は、
ある人物と会話をしていたのよ!
成: か‥‥会話だって!

(ざわめきが起こる)
裁: そ‥‥その人物とは、
いったいだれですか!
冥: 事件当日、<<控えの間>>にいた
葉中 のどかを入廷させなさい。
成: の、のどかさん‥‥?
千: ‥‥どうやら
話が見えてきたわね‥‥。

冥: 証人。名前と職業を。
葉: ええとお、お名前はあ‥‥
葉中 のどかでえす。
あのお、大学でえ、超心理学を
研究していまあす。
裁: ちょうしんりがく?
葉: ええとお‥‥オカルトですねえ、
ひらたく言えば。
裁: ひらたく言われても
リカイできません。
冥: ウチに帰って
自分で調べなさい。
裁: は。
冥: ‥‥さて、証人。
あなたは事件直後、
被告人・綾里 真宵と対面した。
‥‥まちがいないかしら?
葉: そうですねえ‥‥。
ええっとお‥‥
冥: まちがいない、と。
‥‥じゃ、証言してもらうわ。
いいわね、裁判長。
裁: は。
成: (いいのか、裁判長!)


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