成歩堂 龍一…黒 | |
綾里 真宵…青 | |
綾里 春美…黄緑 | |
狩魔 冥…水 | |
糸鋸 圭介…黄土 | |
裁判長…緑 | |
マックス…赤 | |
ミリカ…黄 | |
トミー…紺 | |
ベン…灰 | ← |
リロ…橙 | → |
アクロ…紫 |
テント内 食堂 | |
ト: |
お、ニイちゃん! ようこそ、わが食堂へ! |
成: |
(うわあ‥‥ あいかわらず絶好調だな) |
ト: |
さあ! ここで コンテンポラリ・クイズでーす! イノウエさんちは店をやってます。 さあて! なんの店でしょーかッ? |
成: | ‥‥え‥‥。 |
ト: | な・ん・の・お店でしょーかッ! |
成: | ‥‥イノウエ商店。 |
ト: |
ブブーッ! ダメだよマジメに考えなくちゃあ! ハイ、おぢょうさんは? |
真: |
んーとね。 ‥‥あッ! わかった! |
ト: | おっ! さあ、コタエはっ! |
真: | 食堂! |
ト: |
ぴんぽんぴんぽん! ”胃の上” だから”食道”‥‥なーんて。 あひゃ。あひゃひゃあひゃひゃ。 あひゃっひゃ。ひゃひゃあひゃ! |
真: | やったぁ! |
成: |
(なぜだ‥‥? ヒジョーにくやしい‥‥) |
真: |
今日は、タイヘンなことに なっちゃいましたね。 |
ト: |
まったくサ。あんなに重いとは 思わなかったよ。 |
真: | ”重い”‥‥? |
ト: |
客だよ。この世界じゃア、 反応が悪い客のコトをそう言うの。 ”今日の客、重いな”って。 |
真: | はあ。 |
ト: |
とびっきりの小話をしたのに、 ノッてきやしねえ。 |
真: |
”パンツが破けた” ってヤツですか? |
ト: |
それそれ! ‥‥ッたく、 どういうセンスしてるんだよ! |
成: |
今日の証言ですけど‥‥ やっぱり、まちがいないんですか? |
ト: |
オレっちは見たんだ! あのヤローが、フワリとこう‥‥ |
真: | 空を飛んだ‥‥? |
ト: |
飛んだっていうか‥‥ まあ、浮いたわけだよ。 ‥‥カオのシルエットも ゼッタイ、マックスだったんだ! |
成: |
(サイコ・ロックも見えないし ‥‥ウソはついてない、か‥‥) |
ト: |
おッ、その写真! ニイちゃんたちも見せられたか! |
真: |
え‥‥? じゃあ、トミーさんも? |
ト: |
‥‥ホント、あのハナシを してるときのアイツこそ、 まさに”向かうところ手品師” ‥‥なーんて! あひゃ。ひゃひゃひゃあひゃ。 ひゃひゃひゃあひゃあひゃ! |
真: | うまいッ! |
ト: |
あ。それに‥‥ 写真だけじゃないぜ。 見せられたの。 |
真: | どういうことですか? |
ト: |
胸像だよキョウゾウ。 等身大の、でっかいヤツ。 写真にも写ってるだろ? 毎日、アレを おがまされるワケよ。オレたち。 |
成: |
(等身大の‥‥胸像か。 もう少し聞きたいな ‥‥そのハナシ) |
ト: |
‥‥アイツの像なら、そこの小さな テーブルにかざってあったよ。 |
成: | ‥‥何もありませんよ。 |
ト: |
ああ‥‥そういえば。 いつだったかなあ。 もう5日ぐらいたつかなあ。 急に、なくなっちゃってさあ。 |
真: | なくなった‥‥? |
ト: |
写真でよけりゃ、そこの 伝言板に張ってあるぜ。 マックスのヤツ、そこら中で 写真、くばってたから。 |
真: |
ひゃあ‥‥こりゃ カッコイイなあ‥‥! ね。ね。なるほどくん! あたしも、胸像‥‥ |
成: | 買ってやらないぞ。 |
真: | ううう‥‥。 |
写真を法廷記録にファイルした。 | |
成: |
他には、何か変わったこと、 ありませんでしたか? |
ト: |
変わったこと、ねえ。 うーん‥‥。 |
成: |
(思い出してるのか、それとも ギャグを考えてるのか‥‥?) |
ト: |
‥‥ダメだ。 ナニも浮かばないや。 |
成: | (‥‥ギャグのほうだった) |
真: |
やっぱり、ないですか ‥‥変わったコト。 |
ト: |
ん? いやいや。 ‥‥それならあったよ。 |
成: | 聞かせてください! |
ト: |
‥‥いやサ。事件の朝、そこの 伝言板にさあ‥‥、 こんなものが張って あったのよ。 |
成: | メモ‥‥ですか? |
ト: |
破けてて本文は読めないけど、 タイトルがなあ‥‥。 |
真: |
うわっ! ”殺人者に告ぐ”‥‥だって! |
成: | さ‥‥さつじんしゃ‥‥! |
ト: |
ダレが張ったのか‥‥ そして、ダレが破いたのか? オレっち、知らないけどさ。 |
成: |
‥‥あの。 これを見つけたのは‥‥? |
ト: | 事件の日の朝だよ。 |
真: | 事件の日の‥‥? |
ト: |
そう。団長は、この張り紙の あった夜‥‥亡くなったんだ。 |
成: |
(いったい‥‥ だれが張ったんだろう‥‥?) |
法廷記録にファイルした。 | |
真: |
なるほどくん! これは ちゃんと調べたほうがいいね! |
真: |
‥‥あの。この張り紙、 ご存じですか? |
成: |
事件の朝、食堂に張って あったんですけど‥‥ |
マ: |
ああ、モチロン知ってるとも。 さすがのボクもビックリしたよ。 |
真: | ‥‥”ビックリ”? |
マ: |
朝のティーを楽しんでいたら、 団長たちが入ってきたんだよ。 |
成: | ‥‥団長たち? |
マ: |
団長と、ボクの スウィート・ハニイさ! 団長、この張り紙を見たとたん、 真っ赤になってね。 いきなりビリビリ破って、衣装の ポケットに突ッこんじまった! |
真: |
えええっ! ‥‥いったい、 何が書いてあったんですか! |
マ: | ‥‥さあね。 |
真: | うううう。 |
マ: |
すまないがハニイたち、 自分で探してみてくれたまえ。 まだ、どこかに あるかもしれないよ。 スウィート・ハニイにも 聞いてみたほうがいいかもね! |
テント内 団長室 | |
真: |
団長さんとマックス、 ここでお話ししてたんだよね。 |
成: |
そして団長は、マックスの衣装を 着て、現場に行った‥‥ |
真: |
なんでかな‥‥。 サムかった、とか? |
真: |
そういえばさ‥‥、 このエンビ服‥‥ポケットに、 紙切れが入ってるよね。 |
成: |
そ、それって、 もしかして‥‥ |
真: |
トミーさんにもらった張り紙の 切れっぱしかもしれないよね‥‥ さ、さ、なるほどくん。 サッソク見てみよう! ‥‥やっぱり! 破れ目がピッタリ合うよ! |
成: |
なになに。つなげて読むと‥‥ ”殺人者に告ぐ。決定的な証拠を あずかっている”‥‥ ”今夜10時、宿舎前の 広場に来られたし”‥‥。 |
真: | こ‥‥”今夜10時”って‥‥ |
成: | 殺人事件が起こった時間だ! |
真: |
団長さん‥‥だれかに 呼び出されたんだ! |
法廷記録に書きなおした。 | |
宿舎前 広場 | |
真: |
あ、イトノコさん! あいかわらず、おつかれですね! |
糸: |
‥‥やっとアクロバットの 取り調べが終わったッス。 まったく、狩魔検事ときたら‥‥ |
‥ピピッ‥‥ピピッ‥‥ピピッ‥ | |
真: |
な、なあに? なるほどくん。 ‥‥この音‥‥ |
成: | さあ‥‥ |
糸: | 狩魔検事ッス‥‥ |
真: | え‥‥? |
糸: |
この音が聞こえると、なぜか 狩魔検事がやって来るッス! |
成: | そ、そんなバカな‥‥ |
糸: |
じじじ、自分はこれで シツレイするッス! じゃッ! |
真: | ‥‥いなくなっちゃったよ。 |
成: |
(狩魔検事って‥‥ いったい、ナニモノなんだ?) |
真: |
‥‥それにしても、やっぱり ソトはサムいねえ! この、まるで身を切るような‥‥ きゃわわわあっ! みみ、身を切るような ムチがあ‥‥ッ! |
成: |
か‥‥狩魔検事‥‥ (ホントに、出た‥‥!) |
冥: |
どうやら、勝負あったわね。 ‥‥成歩堂 龍一! |
成: | い、いきなり、なんだ? |
冥: |
明日こそ! ‥‥私のねがいがかなう! |
成: |
ニッポン中に、ぼくたちの 敗訴のニュースが流れる、って? |
冥: |
”ニッポン”? ‥‥あいかわらず スケールの小さいオトコね‥‥。 世界よ世界! ‥‥全世界が キサマのミジメなザマを知るのよ! |
成: |
(‥‥スケール感がオカシイのは、 そっちだろうが‥‥!) |
成: |
狩魔検事‥‥どうやら、 何かつかんだみたいだな? |
冥: |
フッ‥‥キサマにも、 それぐらいはわかるようね。 |
成: |
(その勝ちホコったカオを見れば、 だれだってわかるぞ‥‥) |
冥: |
”決定的な証拠””決定的な証人” ‥‥他に何が必要かしら? |
成: |
”決定的な証人”‥‥ もしかして、アクロバットの‥‥? |
冥: |
‥‥今、証人として喚問する 手つづきをしているところよ。 キサマのカンオケに打ちこむ、 最後のクサビね。 |
成: |
(まいったな‥‥ なんとしても、 情報をつかまないとな‥‥) |
真: |
どうしてそんなに、なるほどくんを 目のカタキにするの! あたしたちの依頼人を ユーザイにしたって‥‥ あなたのおとうさんは もう‥‥帰ってこないんだよ! |
冥: |
‥‥‥‥‥‥ 私の‥‥パパ。 狩魔 豪のコトかしら。 |
真: |
そうだよ! だって‥‥だっておとうさんは! |
冥: |
やれやれ‥‥。もう一発、 ムチを食らいたいようね。 私がいつ、パパのことを 話したかしら‥‥? |
成: |
! ‥‥なんだって? じゃ、じゃあ‥‥いったい? |
冥: |
あなたにはわかってるはずよ、 ‥‥成歩堂 龍一。 私はもう一度、 あの男に会わなければならないの。 |
成: | あ、”あの男”‥‥? |
冥: |
そう。 モチロン‥‥御剣 怜侍に! |
真: |
え‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ええええええええええええええええ ええええええええええええええッ! |
成: | み‥‥御剣‥‥怜侍、だと! |
成: |
‥‥ミツルギ レイジ‥‥ なぜ、きみがその名前を! |
冥: |
‥‥忘れたのかしら? 天才検事・御剣 怜侍を 育てたのは、いったいだれ? |
真: |
‥‥‥‥! かるま‥‥ごう‥‥ |
冥: | そのとおり。私のパパよ。 |
真: |
じゃあ‥‥あなたと ミツルギ検事は‥‥? |
冥: |
そうね‥‥。 レイジは、私の 弟‥‥のようなものかしら。 |
真: |
うううう‥‥ミツルギ検事、 なるほどくんと同い年なのに‥‥。 |
成: |
(‥‥御剣‥‥ ぼくが、この世界に足を 踏み入れるキッカケを作った男。 ‥‥いくつもの事件を アイツと戦った‥‥ そして‥‥あの事件が 解決したあと‥‥ アイツは‥‥”死んだ”) |
冥: | ‥‥あなたが殺したのよ。 |
真: | え! |
冥: |
そうでしょう? ‥‥成歩堂 龍一。 |
成: | ぼくが‥‥ |
真: | なるほどくん! どういうことッ! |
成: |
あの事件から‥‥ アイツのようすはおかしくなった。 法廷に立つことが ほとんどなくなって‥‥ ‥‥ある日‥‥。 アイツは消えたんだ。 検事局に、カンタンな メモを残して。 |
冥: | ”検事・御剣 怜侍は死を選ぶ” |
成: |
あれからもう、1年たつ。 きみがふるさとに帰って すぐのことだったんだ。 |
真: |
‥‥みつるぎけんじ‥‥ 死んじゃったの? |
冥: |
私は信じない。 彼は生きている。 この世界のどこかで‥‥かならず。 ”検事・御剣 怜侍は死んだ”? ‥‥そりゃあそうよ! だって、成歩堂 龍一! アナタごときに敗れたのだから! ‥‥狩魔のカオに、ぬぐいきれない ドロをぬってくれたのだから! 私はもう一度彼に会って‥‥ ケジメをつけてやるわ! ‥‥私の手で、ね‥‥。 |
真: |
な‥‥なるほどくん! 御剣検事は‥‥ |
成: |
‥‥真宵ちゃん。 前に一度、言っただろ? アイツの名前を口にするな、って。 |
真: | な‥‥、なるほどくん? |
成: | ‥‥狩魔検事。 |
冥: | な、何よ‥‥ |
成: |
天才検事だかなんだか 知らないけど、 ぼくは認めないぞ。 きみも‥‥あの男も! |
真: |
‥‥ど‥‥ どうしちゃったの‥‥? |
冥: |
フッ‥‥。 負けイヌが何をほざいても、 むなしいだけね‥‥。 とにかく、伝えるべきコトは もうない。 明日がこの国での、 最後の勝負になるわ! |
真: | なるほどくん‥‥? |
成: |
‥‥行こう。 3階の芸人さんの話を聞くよ。 |
真: | 何を怒ってるんだろ‥‥? |