成歩堂 龍一…黒 | |
綾里 千尋…赤 | |
綾里 真宵…青 | |
綾里 春美…黄緑 | |
糸鋸 圭介…黄土 | |
裁判長…緑 | |
ゴドー検事…薄橙 | |
華宮 霧緒…藤 | |
矢張 政志…紺 | |
星威岳 哀牙…紫 | |
天杉 優作…灰 | |
天杉 希華…桃 | |
亜内検事…茶 | |
裁判官…黄 |
地方裁判所 被告人第4控え室 | |
真: | なっ、なるほどくん! |
成: | どうした? 何かあったの‥‥? |
真: |
スゴい人気だよ、今日の法廷! 見て、見て! 買っちゃったよ、 怪人☆仮面マスクのブロマイド。 |
成: | 買った、って‥‥どこで? |
春: |
裁判所の前に、 屋台がたくさん出ていますよ! |
真: |
あたし、ヨワいんだよねー。 お祭りさわぎ。 |
法廷記録に挟んだ。 | |
もお、なんでもいいから、 有罪にしてくださーーーい! | |
春: |
‥‥あの、キヌを裂くような 殿方のヒメイは‥‥ |
天: |
‥‥あ! 成歩堂さん! いいところに! |
成: |
なんか、マズいところに 来ちゃったみたいですね‥‥ |
天: |
ボク、やっぱりアレなんです! ハンニンだったんですぅぅぅッ! |
真: | うううう‥‥また始まったよ。 |
天: |
高菱屋に予告状を出して‥‥ やっちゃいましたーーーっ! |
成: |
でも‥‥カンジンのツボは 持ってないんですよね? |
天: |
まあ、そうなんですけど‥‥ それはそれ、これはこれ じゃないですか。 |
成: | (そんなコトないだろう!) |
天: |
とにかく、ボク。 ワルモノなワケですから‥‥ 今日の裁判、 有罪にしてくださーーーい! |
希: |
あ、ユーサクくうん! グッモオニン! |
天: |
あ! まま、まれかちゃん! グッモオニィィン! ‥‥‥いや。 どうなんだろ、ここで わざわざ英語っていうのもなん |
希: |
ユーサクくん、アタシにまかせて! きっと、守ったげるからさ! |
天: |
あ‥‥う、うん‥‥でも。 ボク、なんていうかあの。怪人 |
希: |
いい? リューイチくん。 ユーサクくんの無実は、 このアタシが保証するよ! 有罪になんかしたら、 ひきコロしちゃうから! |
成: | (にこやかに言われても‥‥) |
希: |
じゃ! アタシ、 ちょっと行くところがあるから。 よろしくね、リューイチくん! |
成: |
(天杉 優作が仮面マスクなのか ‥‥正直なところ、わからない。 たしかなコトは、ただ1つ。 彼は今、<<倉院のツボ>>を 持っていない、ということ‥‥) |
係: | 被告人! そろそろ入廷しなさい! |
成: |
(今は‥‥まれかさんを 信じるしかない、な‥‥) |
地方裁判所 第6法廷 | |
裁: |
これより、天杉 優作の 法廷を開廷します。 |
成: | 弁護側、準備完了しています。 |
?: | ‥‥‥‥‥‥ |
裁: | 検察側は? ジュンビのほうは‥‥ |
?: | ‥‥くだらねえ。 |
裁: | なな、なんですか! |
?: |
じゃあ、オレから聞こう、裁判長。 アンタはどうなんだ? ‥‥できてるのかい? 判決のジュンビは。 |
裁: |
え! い、いやいや! 私は、あなたたちのハナシを 聞いてから決めます! |
?: |
‥‥自分にできてないコトを ヒトに聞いちゃ、いけねえな。 そいつが‥‥オレのルールだぜ。 |
裁: | ‥‥あの。あなたは‥‥? |
ゴ: |
ゴドー。 ‥‥完全無敗、伝説の検事だ。 |
真: |
あ! きのう”あいや!”の 探偵さんが言ってた‥‥ |
裁: |
‥‥私も、なぜかウワサだけは 聞いたコトがあります。 今まで、どのような事件を あつかったのですかな? |
ゴ: |
クッ‥‥! そんなもの、ねえさ。 |
裁: | はい‥‥? |
ゴ: |
検事席に立つのは、 今日が初めてだぜ。 |
裁: |
は、初めて? さきほど”完全無敗”だと‥‥ |
ゴ: |
‥‥どんな検事だって、 最初は無敗さ‥‥ |
裁: |
ずいぶん タイドのデカい新人ですな。 |
ゴ: |
‥‥どんな大物だって、 最初は新人さ‥‥ |
裁: |
しかも、なんですか! 法廷内で、仮面なんて‥‥ |
ゴ: |
クッ‥‥! 知らねえのかい、裁判長。 ヒトはだれでも‥‥ ココロに仮面をつけてるのさ‥‥ |
裁: | ‥‥‥‥! |
真: |
こりゃホンモノだよ、 なるほどくん‥‥ |
成: |
(‥‥こんなのばっかりなのか? 検事って‥‥) |
ゴ: |
やっと会えたな。 ‥‥まるほどう りゅういち。 |
成: | ‥‥? |
真: |
な‥‥なるほどくん! 知り合いなの? |
成: |
知り合いはみんな、ぼくを ”なるほどう”って呼ぶよ。 (あのマスクの下‥‥ いったい、ダレが‥‥?) |
ゴ: |
オレは、アンタと 戦わなけりゃならねえ。 そのために‥‥ 地獄から戻ってきたのさ。 |
裁: | それでは、その。後藤検事。 |
ゴ: |
”ごとう”じゃねえ。 ゴドー‥‥だぜ。 |
裁: |
とにかく、 冒頭弁論をおねがいします。 |
ゴ: |
そんなモノ、 犬にでも食わせちまいな。 ただ、ひとつだけ。 アンタ。‥‥まるほどう。 |
成: | ‥‥なんですか? |
ゴ: |
ヒトには”ウツワのデカさ” ってモンがあるぜ。 オレの料理するエモノ‥‥アンタの サラに、盛りつけられるかな‥‥? |
成: | ‥‥‥‥‥‥‥‥‥ |
裁: |
それでは、最初の証人の話を 聞くことにしましょう! |
糸: | えー、自分は‥‥ |
ゴ: |
アンタの名前なんざ、 ダレも聞きたかァねえ。 |
糸: | ‥‥むぐ。 |
ゴ: |
ダイジなのは、アンタがナニを 知ってるか‥‥それだけだ。 話してみな。‥‥聞いてやるぜ。 |
糸: | は‥‥はあ。 |
裁: |
それでは、証人。 まずは‥‥そうですな。 ツボを盗んだという怪人について、 説明していただきましょう。 |
糸: | リョーカイッス! |
糸: |
『怪人☆仮面マスクは、今から 半年ほど前に現れた、大怪盗ッス。』(証言1) 『犯行の前に、かならず予告状を 送ってくる、ナマイキな怪人ッス!』(証言2) 『今度の事件は5回目の犯行で、 やはり高菱屋には予告状が。』(証言3) 『ヤツのエモノは、最高の値打ちが ある美術品にかぎられているッス。』(証言4) 『以上のコトから、仮面マスクの 犯行と断言できるッス!』(証言5) |
裁: |
ふむう‥‥怪人☆仮面マスク。 ジツはその正体は‥‥ ゴドー検事! あなただった! なーんて‥‥ |
裁: |
こここ、コラッ! 審理中ですぞ、ゴドー検事! |
ゴ: |
‥‥闇よりなお深い暗黒をたたえ、 地獄よりも熱く苦い、コーヒー‥‥ オレは、勝手にやらせてもらうぜ。 ‥‥そっちも、好きに進めてくれ。 |
裁: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥ まあ、いいでしょう。 |
成: | (‥‥いいのかよ!) |
裁: |
では、弁護人。 尋問をおねがいします。 |
真: | どうするの? なるほどくん! |
成: |
とにかく‥‥優作くんの正体が ハッキリしない以上‥‥、 ”ツボを盗んだのは仮面マスク ではない”と立証するしかないね。 |
成: |
‥‥ちょっといいですか、 イトノコ刑事。 |
糸: |
アンタがそう言って”ちょっと”で すんだコトは一度もないッス。 |
成: |
『怪人のエモノは、最高の値打ち モノだけ』‥‥という話でしたね。 |
糸: | そッス。 |
成: |
しかし‥‥今回だけは、 そうではなかった。 倉院のツボは、”秘宝”というほど たいしたシロモノではない! |
糸: | なな、なんスと‥‥! |
真: |
なるほどくん! そ、それは、 あたしに対するチョーセンなの! |
成: |
いやいや。‥‥金銭的には、だよ。 悪いけど、アレは売れないだろ? |
裁: |
‥‥ゴドー検事、どうなのですか? あのツボの価値は‥‥ |
ゴ: |
美術鑑定家たちのハナシでは、 ツボに値段はつけられないそうだ。 ‥‥もちろん、悪いイミで。 |
成: |
‥‥つまり! 倉院のツボは、仮面マスクが狙う エモノとして、不自然なのです! |
糸: | うぐむッ! |
裁: |
ふむう‥‥つまり弁護側の 主張は、こういうコトですかな? 今回の事件‥‥倉院のツボの盗難は 仮面マスクのシワザではない‥‥! |
成: |
そ、そういうコト‥‥です。 (ムジュンを指摘したら、自然に そうなっちゃったんだけど‥‥) |
裁: |
たしかに‥‥まず、そこを ハッキリさせるべきでしょう。 今回の犯行が、仮面マスクの シワザか、そうでないか‥‥? いかがですかッ、ゴドー検事! |
ゴ: |
‥‥このコーヒー‥‥ ゴドー・ブレンド107号。 刺すような酸味を取るべきか、 からみつく苦味を取るべきか‥‥ 今、オレに関心があるのは、 それだけだぜ。‥‥まるほどう! |
成: | な、なんですか。 |
ゴ: |
‥‥アンタもオトコなら、 自分のケツは自分でふくコトだ。 |
成: |
あの‥‥。悪いけど イミがわかりません。 |
ゴ: |
ツボを盗んだのが、もし 怪人の犯行でないとしたら‥‥ その手口をマネた、仮面マスクの ”ニセモノ”ってコトになる。 |
裁: | に‥‥ニセ☆仮面マスク! |
真: |
ものスゴくウソっぽいヒビキだね。 ‥‥あたしは好きだけど。 |
ゴ: |
‥‥オレがこのコーヒーの問題に 答えを出す前に、立証してくれよ。 犯行当夜、高菱屋に現れた怪人が ニセモノだった、ってな‥‥ |
裁: |
検事のタイドにはちょっとハラが 立ちますが、主張はもっともです。 弁護人。‥‥よろしいですな! |
成: |
(どうやら‥‥なんとしても 提示しなくちゃならないようだ。 あの晩、高菱屋に現れたのが ニセ☆仮面マスクだった証拠!) |
成: | その証拠は、これです。 |
裁: |
これは‥‥防犯カメラが 撮影した写真‥‥ですか。 |
成: |
この写真には‥‥1カ所、 おかしな部分があります。 |
ゴ: |
ほお‥‥それなら、ついでだ。 チョイと教えてくれるかい。 その人差し指で‥‥ ”ヘンな部分”とやら、を。 |
成: |
それは、ここです! ‥‥モチロン。 |
裁: | 仮面マスク‥‥ですか? |
成: |
さて。ここに、仮面マスクに関する 資料があります。 |
真: |
今朝、あたしが買った ブロマイドじゃない‥‥ |
成: |
問題は‥‥仮面マスクのムネに ついている、エンブレムです。 |
裁: |
えんぶれむ‥‥? なんですかな、それは。 |
成: |
‥‥カタいアップリケ みたいなモノです。 |
裁: | あっぷりけ‥‥ああ! あの。 |
糸: |
たしかに、現場写真のほうの 仮面マスクは‥‥ エンブレムがないッス! |
成: |
予告状を見ればわかるとおり、 これは仮面マスクのシンボルです! しかし‥‥高菱屋に現れた怪人は それをつけていなかった‥‥ ‥‥つまり! この仮面マスクは、 ニセモノなのです! |
糸: |
ま‥‥ またやられたッスウウゥゥゥゥッ! |
裁: |
せ、静粛に! たしかに‥‥ 反論しようがありません。 イトノコギリ刑事! あなた‥‥また、こんなミスをッ! |
糸: |
す‥‥すまねッス! 自分はまた、こんな‥‥ |
ゴ: |
おいおい‥‥。 ‥‥パーティーなら、 オレもまぜてくれよ。 |
裁: |
ご‥‥ゴドー検事! あなたもあなたです! こんな大きな アップリケを見逃すなんて‥‥ |
ゴ: |
クッ‥‥! アンタたちが お探しのシロモノ‥‥ ひょっとして、コイツのことかい? |
糸: | あッ‥‥! |
成: | それは‥‥エンブレム! |
裁: | い、いったい‥‥どこでそれを! |
ゴ: |
証拠はさびしがり屋さ。いつだって 現場にかくれてやがる。 このレディなら、でっかい仏像の カゲに落ちていたぜ。 |
成: |
(”仏像”‥‥ 綾里 供子の像のコトだな) |
糸: |
な‥‥なんで自分にも 教えてくれなかったッスか! |
ゴ: |
‥‥証拠品は、自分のポケットに しまうことにしてるのさ。 ‥‥ここがイチバン 安全だからな‥‥ |
真: |
くううう‥‥ シビれるねえ、なるほどくん。 |
ゴ: |
シビれるのは早いぜ ‥‥おじょうちゃん。 コイツに、残っていやがったのさ。 ‥‥熱いキスマークが。 |
裁: | き‥‥きすまあく? |
ゴ: |
‥‥ヤケるじゃねえか。 被告人‥‥天杉 優作の指紋さ。 |
糸: | な‥‥ |
裁: |
なんですって! 被告人の指紋が ‥‥エンブレムにッ! |
裁: |
静粛に! 静粛に! ゴドー検事! エンブレムを提出してください! |
ゴ: |
オレのコイビトだ。 ‥‥ダイジにあつかってくれよ。 |
裁: |
ふむう‥‥どうも、衣装から 引きちぎられたようですね。 エンブレムのウラに、 布の切れはしが残っています。 |
ゴ: |
どうやら‥‥あの晩、現場で タフなファイトがあったようだぜ。 |
成: | (さ‥‥サイアクの展開だ‥‥) |
データを法廷記録にファイルした。 | |
ゴ: |
クッ‥‥! このゴドー、 ウカツにナメちゃダメさ。 ‥‥ヤケドしちゃうぜ! |
成: |
(どうやら‥‥ここまでの流れは アイツの計算どおり、か‥‥) |
ゴ: |
さて、裁判長。 ‥‥そろそろ、次の証人を呼ぶぜ。 |
糸: |
え。自分はもう、おしまいッスか。 まだ、ナニも立証してないのに。 |
ゴ: |
アンタ自身の無能ぶりを立証した。 ‥‥それでヨシとしようぜ。 |
糸: | ちっともよくないッス! |
裁: |
それでは、係官! 次の証人を入廷させなさい! |
成: |
(いよいよ‥‥ 名探偵さんの登場、か‥‥) |