成歩堂 龍一…黒 | |
綾里 千尋…赤 | |
綾里 真宵…青 | |
綾里 春美…黄緑 | |
糸鋸 圭介…黄土 | |
裁判長…緑 | |
ゴドー検事…薄橙 | |
華宮 霧緒…藤 | |
矢張 政志…紺 | |
星威岳 哀牙…紫 | |
天杉 優作…灰 | |
天杉 希華…桃 | |
亜内検事…茶 | |
裁判官…黄 |
地方裁判所 被告人第4控え室 | |
真: | ‥‥お姉ちゃんが? |
成: |
聞こえたような気がしたんだよ。 ‥‥千尋さんの声が。 |
真: |
お姉ちゃん‥‥生きてるんだね。 なるほどくんのココロの中で。 |
希: | ‥‥リューイチくん! |
成: | あ、まれかさん‥‥ |
希: |
ホントなの? あの探偵さんが 殺人犯人、なんて‥‥ |
成: |
正直なところ‥‥ 決定的な証拠は、ありません。 しかし‥‥アイツ以外には 考えられないんですよ。 |
希: |
でも‥‥あの晩、探偵さんは 高菱屋にいたんじゃなかったの? |
真: |
それに、理由がわからないよ。 どうしてアイガ探偵が、 ブスジマ社長を‥‥? |
成: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ あ。そろそろ時間だ! 法廷に戻らないと。 (とにかく! 決定的な証拠を 探しながら‥‥ 一気に攻め落とすしかない!) |
地方裁判所 第6法廷 | |
裁: |
それでは、 審理を再開しましょう。 星威岳 哀牙さん。 ‥‥証言台へおねがいします。
|
哀: |
やあれ‥‥これはこれは弁護士殿。 まさか貴方ほどのカタが、 あのような暴挙に出られるとは‥‥ |
成: |
判決を下させるワケには 行かなかったんですよ。 ‥‥カンペキなアリバイが 成立してしまいますからね。 ”怪人☆仮面マスク”という名の アリバイが‥‥。 |
哀: |
‥‥シツレイ。さすがの哀牙にも、 イミがわかりませぬ。 なにぶん、今朝の10時より今まで となりの法廷にいたものですから。 ‥‥こちらの状況など、 知るはずもないのですよ。 |
裁: |
今日は、あなたはずっと 被告席にいたわけですな? 怪人☆仮面マスクとして 裁かれるために‥‥ |
哀: |
さよう。‥‥まっこと、 世間というのはダマされやすい。 怪人たる我が正体を知らず、 警備を依頼した上‥‥ 気まぐれにエモノを取り返せば、 法外な依頼料までいただける始末。 ‥‥我が神々しき指に光る、この 赤いダイヤのリングのコト‥‥ |
成: |
あくまでも、”怪人☆仮面マスクは 自分だ”と主張するつもりですか? |
哀: | ‥‥言うにおよばず。 |
裁: |
それでは、星威岳 哀牙さん。 まず、うかがいましょう。 9月12日、午前1時‥‥ 毒島 黒兵衛が殺害されました。 その時間、 あなたはどこにいましたか? |
哀: |
知恵なきモノに、おのれの 無知を恥じる知恵すらなし。 ‥‥ユルしてさし上げましょうぞ、 裁判長殿。 |
裁: | はあ、どうも‥‥。 |
ゴ: |
じゃあ‥‥探偵さんよ。 事件当夜のコト、話してみな。 ‥‥聞いてやるぜ! |
哀: | おおせのままに。‥‥検事殿。 |
哀: |
『‥‥我は怪人として、予告どおり ツボめを盗んでおったのです。』(証言1) 『準備期間はイヤというほどあった。 たやすいシゴトでしたな。』(証言2) 『写真は語るコトバを持たぬ‥‥だが それゆえ、いつわらざる証人です。』(証言3) 『キャメラが怪人をとらえた時刻は、 殺人の発生時刻と一致しているッ!』(証言4) |
裁: |
ふむう‥‥どうやら、問題は この犯行写真、ということですな。 |
成: |
(‥‥今までのことは、すべて アイツが仕組んだコト‥‥ この写真にも‥‥かならず、 ヒミツがあるはずだ!) |
哀: |
‥‥いくら仮面マスクと言えども、 その身は2つにあらず。 では、これにてシツレイ。 判決を受けねばなりませぬゆえ。 |
成: |
ザンネンですが‥‥哀牙探偵。 尋問がまだです。 |
哀: |
‥‥愚者、愚者なるゆえを知らず、 ですかな。 |
真: |
ぐしゃぐしゃだって、 なるほどくん。 |
成: |
それは、アイツの アリバイのほうだよ! |
成: |
たしか、あなたが霧緒さんから 警備の依頼を受けたのは‥‥ |
哀: |
さよう‥‥今から20日以上 前のコトでしたかな。 |
成: |
高菱屋に予告状が届いたのが、 事件の10日ほど前ですから‥‥ あなたは、警備を始めた後‥‥ 予告状を出したコトになりますね? |
哀: |
さよう。せっかく警備のシゴトを やっているのですからな。 エモノをいただくには 絶好のチャンスだったのですよ。 |
裁: |
ふむう‥‥なるほど。 悪質ですねえ、つくづく。 |
哀: | さよう。悪質なのですよ‥‥。 |
真: |
‥‥ね。なるほどくん。 ちょっとヘンじゃない? |
成: | ? どうしたの? |
真: |
‥‥アイガ探偵って、 ”名探偵ぶり”がジマンなのにさ。 自分ヒトリで警備していた 高菱屋からエモノを盗まれたら‥‥ 名探偵どころか、 イイワケしようがないよ。 |
成: |
(たしかに。言われてみれば、 ちょっと不自然かな‥‥) |
哀: | ‥‥‥‥‥‥ |
成: |
その写真を撮影した 防犯カメラのコトですけど‥‥ |
哀: |
やあれ! あなたの考えている コトは、わかりますぞ! |
成: | ‥‥え。 |
哀: |
おおかた、写真の時刻に細工した ‥‥そう考えているのでしょう。 |
ゴ: |
‥‥それは、あり得ねえぜ。 ‥‥防犯カメラは、高菱屋が 用意したモノだ。さらに‥‥ 写真のデータをプリントしたのも、 高菱屋が用意したスタッフだ。 ザンネンだが‥‥ 写真に、細工の余地はねえ。 |
裁: | ‥‥ふむう‥‥ |
成: |
(‥‥他に、アヤシイ点を 探したほうがいいか‥‥) |
真: | このアリバイ‥‥ニセモノなの? |
成: |
そうじゃなきゃ、KB警備で 社長を殺害できないからね。 |
真: |
でも‥‥特にヘンなところ、 気がつかないけどな。 |
成: |
‥‥可能性は、2つ。 写真の仮面マスクがニセモノか、 写真自体がニセモノか‥‥? |
成: |
”写真”‥‥というのは、 もちろん、この証拠写真ですね? |
哀: |
さよう。これこそ! 我が犯行を 立証する、決定的な証拠ですな。 |
成: | 決定的な‥‥証拠‥‥ |
ゴ: |
‥‥もう、アンタにも わかってるハズだぜ‥‥。 |
哀: |
防犯キャメラは高菱屋が用意した。 ゆえに、写真に細工の余地はなし。 共犯者がいないかぎり、殺害は 不可能‥‥ではないですかな? |
裁: | ‥‥ふむう‥‥ |
成: |
(‥‥事件当夜の状況を、 よく考えるんだ‥‥ あの晩の地下倉庫と、それを 写したという、この写真‥‥ そもそも‥‥”不自然な点”が 存在しないだろうか‥‥?) |
哀: | この写真が‥‥ニセモノだと? |
成: |
‥‥少なくとも、不自然な点が あるのはジジツです。 あの晩‥‥ぼくたちは、事件が 起こる前に、地下倉庫を見ました。 そのときのキオクと食いちがう 奇妙な点が、この写真にあります! |
裁: |
‥‥それでは、弁護人の 考えをうかがいましょう! この写真‥‥現場の状況の、 どこが不自然だというのですか! |
成: |
現場の不自然な点‥‥ それは、ここです! |
裁: |
こ‥‥これは、なんと‥‥ <<血痕>>ではないですかッ! むむ! 事件は、がぜん 血ナマぐさくなってきましたな! |
成: |
‥‥い、いえいえ。そのシミは ピンクのペンキです。 |
裁: |
なんだ‥‥ただのペイントですか。 しかも、もも色の。 |
成: |
(ロコツにガッカリされた) 問題は、写真に写っている ペンキではないのです。 あの晩の地下倉庫の状況を 考えたら‥‥ 本来、写っているべき ”あるもの”が存在していない! |
哀: | ‥‥‥‥‥‥ |
裁: |
‥‥それでは、うかがいましょう。 このペイントのかわりに‥‥何が 写っているべきだと言うのですか? |
成: |
<<倉院の里・秘宝展>>の セキニンシャは、こう言ってます。 |
霧: |
『ちょうど、あの日の お昼ごろのコトだったんです。 山奥の霊場から、あの黄金像が 倉庫に届いたのは‥‥。 あの黄金像‥‥ペンキの跡をかくす のに、ちょうどいい大きさでした。 だから‥‥私、あの場所へ 置いておいたんです。』 |
成: |
ぼくはジッサイ、盗難が起こる前の 倉庫で、黄金像を目撃しています。 あの晩、倉庫の写真を撮れば‥‥ 黄金像が写っているはずなのです! |
ゴ: |
しかし、事件の翌日。 オレが現場に行ったときには‥‥ あのバアさんの像は、 部屋のスミで小さくなってたぜ。 |
裁: |
‥‥ふむう。何かのはずみで 動いてしまったのでしょうか‥‥? |
成: |
黄金像は、裁判長よりも やや大きなシロモノです。 理由もなく、動くはずがない! |
ゴ: |
クッ‥‥! それなら‥‥アンタは 立証できるっていうのかい? ”ダレが””なんのために”‥‥ あの晩、黄金像を動かしたのか! |
真: |
り、立証できるっていうの? なるほどくん! |
成: |
(像を動かした人物の正体は ともかく‥‥ 問題は、”なぜ動かしたか” ‥‥その理由だな) |
裁: |
それでは‥‥ うかがいましょう。 事件当夜‥‥黄金像を動かした 人物は、だれだったのですか? |
成: |
像を動かしたのは‥‥哀牙探偵! もちろん、あなたしかいない! |
哀: |
‥‥あいや、弁護士殿! また、珍にして妙なるコトを‥‥ |
裁: |
弁護人! その珍にして妙なる 自信のコンキョはなんですか! |
成: |
‥‥カンタンなことです。 あの晩、地下倉庫にいたのは‥‥ この証人だけでしたからね。 |
哀: |
たしかに、シムプルですな。 ‥‥んがッ! しかしッ! なぜこの我が、重い黄金像を 動かさねばならぬのですかな? |
成: |
(黄金像を動かした”理由”。 ‥‥ここからが勝負だな‥‥) |
裁: |
いかがですか、弁護人。 どんな理由があって、この証人が 黄金像を動かしたのですか! |
成: |
その”理由”は‥‥ おそらく、この写真にあります。 |
哀: | ‥‥‥! |
成: |
哀牙探偵。あなたが仮面マスクに なりすましたのは‥‥ ”あの晩、高菱屋にいた”という アリバイを作るためだった。 |
哀: | ‥‥‥‥‥‥‥ |
成: |
この写真の中には、1つだけ ‥‥大きなウソがある。 もし、黄金像が写っていたら、 そのウソが成立しなくなる‥‥ だからこそ、 あなたは像を動かしたのです! |
裁: | 写真の中に‥‥”ウソ”! |
ゴ: |
おもしれえ‥‥ ぜひ、教えてほしいモンだぜ。 ‥‥いったい、この写真のどこに、 ”ウソ”があるのか! |
成: |
もちろん‥‥この写真のウソは、 この”撮影時刻”です。 |
裁: | ど‥‥どういうことですか! |
成: |
弁護側の主張は、ただひとつ! 星威岳 哀牙はあの晩、KB警備で ブスジマ社長を殺害した。 そうなれば‥‥当然! 事件当夜、この時刻! 証人が 高菱屋にいたはずがないッ! |
哀: | ‥‥‥‥ッ! |
裁: |
しかし! それと、 黄金像が動かされた理由は‥‥ |
成: |
裁判長。思い出してください。 この像が‥‥”いつ”、倉庫の 扉の横に置かれたのか‥‥? |
裁: | そ、それは‥‥ |
ゴ: |
‥‥黄金像は、事件の当日、 あの地下倉庫に運びこまれた。 そして、ペンキの跡を かくすため、あそこに置かれた‥‥ |
成: |
‥‥そのとおり。 哀牙探偵は、被害者を殺害する 時刻を、あらかじめ決めていた。 そして、その時間のアリバイを 作るために‥‥ 事件の起こる何日も前に、 この写真を撮影しておいたのです! |
ゴ: | な、なんだと‥‥! |
成: |
‥‥当然、黄金像はまだ、 地下倉庫に運びこまれていません。 |
裁: | あ‥‥ |
成: |
そして、事件当日‥‥ ‥‥哀牙探偵は、 かなりアセったはずです。 あってはならない場所に、 あってはならないモノが‥‥ 運びこまれて しまったのですから‥‥。 だからこそ! 哀牙探偵は、事件当夜‥‥ 像を動かさなければならなかった! あらかじめ撮影しておいた、 この写真に合わせるために! |
哀: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ぐふほほほおおッ! |
裁: |
静粛に! 静粛にッ! 哀牙さん! そうなのですか! |
哀: |
ま、待たれよ、ご老人! こ、これをお忘れですかな? |
裁: | ‥‥それは‥‥? |
哀: |
地下倉庫のコムピュウタ ‥‥そのデエタでござる! これによると‥‥事件当夜、 キャメラは作動しておりますぞ! |
成: |
たしかに‥‥防犯キャメラは 高菱屋が用意したモノでした。 しかし! そのデエタを管理した プログラムは、あなたのものだ! そこには、細工の余地が あったハズです! |
哀: |
あ‥‥‥‥ あいやああああァァァァッ! |
裁: |
静粛に! 静粛に! ゴドー検事! これはいったい‥‥ |
裁: |
ここ、コラ! コーヒーを飲まない! |
ゴ: |
‥‥11杯目。 オレは、裁判中のコーヒーは 17杯まで、と決めている。 まだ6杯‥‥よゆうがあるぜ。 |
裁: |
しかし、弁護人の主張には、 たしかに一理ありますぞ! |
ゴ: |
”一理”だ‥‥? それぐらい、なんだってんだ? オレたちは‥‥、万里の道を行く 旅人なんだぜ‥‥。 |
真: |
”一理”と”万里”って‥‥ 単位がちがうんだけど。 |
ゴ: |
‥‥この写真は、 前もって撮影されていた。 そして、写真に合わせるために 黄金像は動かされた‥‥ なかなかおもしろいぜ。 ただ‥‥ 1つだけ、笑えねえ点がある。 |
成: | ‥‥それは‥‥? |
ゴ: |
ただの”可能性”だってコトさ。 ”かもしれない”にシバられ ちまったオトコは‥‥ でっかいユメ、追えねえぜ! |
裁: | た、たしかに! |
成: |
いやいや! そこで ナットクしないでください! |
ゴ: | ‥‥オイ! 怪人さんよォ! |
哀: | あ、あいやッ! |
ゴ: |
仮面マスクとしての、アンタの行動 ‥‥それにムジュンがなければ、 何もモンダイはねえさ。 ‥‥話してみな。 |
裁: |
それでは、証言をして いただきましょう。 ‥‥<<倉院のツボ>>の 窃盗計画について‥‥! |
哀: |
『哀牙が高菱屋より警備の依頼を 受けたのは、今から20日ほど前。』(証言1) 『ツボはハコに入れられ、ズヴァリ! 地下倉庫に管理されておりました。』(証言2) 『だから犯行当日まで、ジツブツを 見ることはできませんでしたが‥‥』(証言3) 『貴重な秘宝と聞いていたので 10日ほど前。予告状をポストに!』(証言4) 『‥‥安全な犯行にそなえて 警備は哀牙ひとりで行ったのです!』(証言5) 『そして、12日・午前1時! 我は初めて、ツボを手にしたッ!』(証言6) |
真: |
‥‥なんか、聞いたことがある 情報が多いね。 |
成: |
たぶん‥‥そうじゃないトコロに 手がかりがあるんじゃないかな。 |
裁: |
証人。‥‥今度こそ、 まちがいはありませんな? |
哀: | ‥‥‥‥‥‥ズヴァリ。 |
裁: |
それでは! 尋問をおねがいします! |
成: |
哀牙さん。‥‥もし、あなたが 怪人☆仮面マスクならば‥‥ この予告状も書いた。 ‥‥まちがいありませんね? |
哀: | しごく当然‥‥でしょうな。 |
ゴ: |
その予告状‥‥ 何か、問題でもあるのかい? |
成: |
‥‥予告状をよく読むと、 こう書いてあります。 『まだらのツボには、ご用心を』 ”まだら”というのは‥‥ もちろん、このピンクの模様を さすのでしょう。 |
裁: |
それはそうでしょうが‥‥ 何か、モンダイでも? |
成: |
‥‥仮面マスクが、この模様を 知っていたハズがないんですよ。 |
哀: | ‥‥どういうコト、ですかな‥‥? |
成: |
このツボのまだら模様は、 じつは‥‥ペンキのシミなのです。 |
裁: | ペイントの‥‥? |
成: |
そして、そのシミがついたのは‥‥ 高菱屋百貨店に運びこまれた ”後”のことでした! |
哀: | ‥‥うむ‥‥ッ! |
ゴ: | ‥‥笑えねえジョークだぜ‥‥! |
成: |
倉院のツボが、 地下倉庫に搬入された日。 ‥‥ある人物の不注意で、 ツボは割れてしまった‥‥ ピンクのペンキは、 そのときに付着したものなのです! |
ゴ: |
クッ‥‥! バ‥‥バカな‥‥ッ! |
成: |
しかし‥‥この”予告状”には、 ハッキリ模様のことが書いてある。 ‥‥つまり! 哀牙探偵は、事件発生より以前に このツボを見ていた! そう! ‥‥このニセ写真を デッチ上げたときに! |
ゴ: | ‥‥ぶほほおおおおッ! |
成: |
そして、この写真が ニセモノだった以上! あなたの事件当夜のアリバイは、 なくなってしまうのです! |
哀: | うむぐふうほわはああああァァッ! |
裁: |
‥‥証人。 何か、言うことは‥‥? |
哀: | む‥‥むむ‥‥むむむ‥‥むむむ |
成: | (‥‥よし! これで、解決だ!) |
真: |
なるほどくん。まだ、 早いみたいだよ‥‥ガッツポーズ。 |
成: | ‥‥え。 |
ゴ: |
クッ‥‥! どいつもコイツも‥‥ 信念ってヤツがねえ‥‥。 |
裁: | し‥‥信念、ですか‥‥? |
ゴ: |
きのう‥‥満場一致でコイツを 怪人だと、キメつけたばかりだぜ。 それを、今日は殺人者呼ばわり。 ‥‥浮気がすぎるんじゃねえか? |
裁: | た、たしかに! |
成: |
いやいや! そこで ナットクしないでください! |
ゴ: |
星威岳 哀牙が‥‥ 毒島 黒兵衛を殺害した? じゃあ、聞こうじゃねえか。 ‥‥いったいその理由は、なんだ? |
哀: |
クックックックックッ‥‥ まっこと、そのとおりですな。 |
成: | ‥‥! |
哀: |
動機ですよ、動機。 ‥‥ムウビング・マシイン‥‥ |
真: |
な、なるほどくん! なんか、 元気を取り戻してるよ! |
裁: |
ニセのアリバイを用意して、 その罪を天杉 優作に着せた‥‥ そこまでの計画犯罪ならば、 たしかに、強い動機が必要です! |
ゴ: |
ソイツを持ちあわせていたのは、 被告人‥‥天杉 優作のほうだぜ。 そうだよなァ! 探偵さんよォ! |
哀: |
さよう。名探偵の調査によっても、 そのワカモノの動機は‥‥明白! |
裁: |
動機のないところに、今回の 殺人事件は起こり得なかった! ”動機”について‥‥あなたの 知っているコトを証言するように! |
哀: | ‥‥かたじけない‥‥ご老人。 |
成: |
(なんとしても、ウタガイの目を 優作くんに向けるつもりか‥‥ こっちも情報が足りない! チャンスかもしれないな‥‥) |