成歩堂 龍一…黒 | |
綾里 千尋…赤 | |
綾里 真宵…青 | |
綾里 春美…黄緑 | |
御剣 怜侍…茶 | |
狩魔 冥…水 | |
糸鋸 圭介…黄土 | |
ゴドー検事…薄橙 | |
裁判長…緑 | |
裁判官…黄 | |
矢張 政志…紺 | |
天龍斎 エリス…桃 | |
毘忌尼…橙 | |
葉桜院 あやめ…藤 | |
美柳 ちなみ…紫 |
???????????? | |
電: |
プルルル‥‥‥‥ プルルル‥‥‥‥ |
?: | (だ、だれだ‥‥こんな時間に) |
電: | |
御: | ‥‥はい。こちら、ミツルギ‥‥ |
矢: |
『ナニしてんだよ御剣! サッサと出ろよな!』 |
御: |
‥‥や、矢張か‥‥。 今、何時だと思っている? |
矢: |
『オレは矢張じゃねえ! 天流斎 マシスだッ!』 |
御: |
(‥‥‥‥‥‥‥‥ どうやら、きわめて悪質なユメを 見ているらしいな、私は‥‥) |
矢: |
『ま、待て! 切るなって! ‥‥タイヘンなんだよ! 成歩堂がッ! アイツ‥‥ 落っこちやがったんだよ!』 |
御: |
‥‥彼が落ちるのは、 今に始まったことではなかろう。 |
矢: |
『試験のハナシじゃねえよ! イノチがあぶねえんだって!』 |
御: |
な、なんだと‥‥! ‥‥どういうことだ! |
矢: |
『トコトン運のワルいヤツだからな。 もう、死んでるかもしれねえ。 とにかく‥‥すぐ帰ってきてくれ! オマエしか、いねえんだよお‥‥ オレの‥‥オレの、 あやめちゃんがああ‥‥』 |
御: |
よくわからんが‥‥わかった。 ‥‥すぐ、そちらへ向かう。 |
矢: |
『オレ‥‥留置所にいるからさあ! 今すぐ来てくれえええええええ!』 |
電: | |
御: |
(あの国をはなれて、1年‥‥ しばらく会うこともあるまいと 思っていたのだが‥‥ なつかしい対面とはいかない ようだな‥‥いつもどおり‥‥) |
留置所 面会室 | |
矢: |
おせェぞ御剣! ナニやってたんだよ! |
御: |
‥‥ムリを言うな。ジェット機を チャーターして飛んできたのだ。 |
矢: |
どうせチャーターするんなら、 もっと速いヤツにしろっての。 とにかく、聞いてくれよ! エリス先生がナニで、成歩堂が 真宵ちゃんとあやめちゃんのビキニ ‥‥‥‥あれ? ちゃんとしゃべれよ! 御剣ィ! |
御: |
‥‥こちらへ来る前、成歩堂が 入院している病院に行ってきた。 状況は‥‥少なくとも、 キミよりはキチンとわかっている。 ‥‥殺害されたのは、 絵本作家の天流斎 エリス。 発見者は、住職と成歩堂。 容疑者は‥‥葉桜院の尼僧。 そして、成歩堂は‥‥吊り橋を 踏みコワして、急流に落下。 とりあえず、2日間は病院で 絶対安静‥‥ということらしい。 |
矢: |
そ、そう! つまり‥‥ そういうコトなワケよ! オレのあやめちゃんが‥‥ つかまっちまったんだよおお! |
御: |
(‥‥てっきり、コイツが 逮捕されたものと思っていた) ただ‥‥、よくわからないのは この2つのシロモノだ。 |
矢: | ‥‥なんだよ。 |
御: |
病室を出るとき、 成歩堂にたくされたのだが‥‥ (まず、1つめ‥‥ 人のココロを見抜く宝玉、とか。 ‥‥とてもアヤシイ‥‥ そして‥‥もう1つ。 ‥‥どういうことだ、これは?) |
矢: |
たのむよ! あやめちゃんの裁判 ‥‥もう、明日なんだ! 成歩堂が死んだ今。 もう、オマエしかいねえんだよ! あやめちゃんのベンゴを まかせられるオトコは! |
御: | ‥‥‥‥‥‥‥‥‥なんだと? |
矢: |
ベンゴだよ、ベ・ン・ゴ! ‥‥決まってるだろ! なんでワザワザ、オマエを 呼びつけたと思ってるんだよ! |
御: |
‥‥いいか、矢張。私は検事だぞ。 わかるか? ”けんじさん” というのは、だ‥‥ |
矢: |
バカにするな! オレだって、中学は出てるんだ! 大丈夫だって! バレやしねえからさ! |
御: | い、いや、しかし‥‥ |
矢: |
ボール紙のニセバッジでも バレなかったってウワサだぜ! |
御: |
(‥‥それでいいのか‥‥ この国の司法制度はッ!) |
矢: |
とにかく、たのむよ御剣! あやめちゃんのハナシ‥‥ 聞くだけでもいいからよお! |
御: |
(やはり‥‥冗談ではなかった ようだな。このバッジ‥‥) |
あ: |
お待たせしました。 ‥‥あやめと申します。 |
御: |
‥‥御剣 怜侍です。 おチカラになれるかは わかりませんが‥‥ お話を、お聞かせねがいましょう。 ‥‥事件について。 |
あ: | あ、あの‥‥‥ |
御: | ‥‥‥? |
あ: |
な、成歩堂さんは! ‥‥ごブジなのでしょうか? マシスさまのお話では、 お、お亡くなりになった、とか‥‥ |
御: |
‥‥‥‥‥‥‥‥ さいわい、生きています。 (矢張め。テキトーなコトを‥‥) 水面に落ちた際に全身を強く 打ったようだが、ケガはない。 |
あ: |
‥‥‥‥‥‥‥‥ ‥‥よかった‥‥ |
御: |
ただし。‥‥タチの悪い カゼをひいたようです。 |
あ: | ‥‥おカゼを‥‥? |
御: |
超高熱にうなされ、モーローと していました。 |
あ: | ‥‥‥‥‥‥‥‥ |
御: |
(気のせい、だろうか‥‥ この女性。‥‥どこかで、 見たことがあるような‥‥) |
御: |
シツレイですが‥‥ あやめさん、でしたね。 以前どこかで、お会いしたような 気がするのだが‥‥。 |
あ: |
そ、それは‥‥ 気のせいだと思います。 私‥‥葉桜院をはなれることは、 あまりありませんから。 |
御: | <<葉桜院>>というのは? |
あ: |
霊行道をこころざす者たちが 集う、宿坊です。 霊力を解放するためには、きびしい 修行を重ねる必要があるのです。 |
御: |
霊力‥‥。 あなたも、そのための修行を‥‥? |
あ: |
いいえ。‥‥私には、 霊力など、ございません。 そんなもの‥‥ 必要ないですから。 |
御: |
それならば‥‥なぜ、 その宿坊におられるのか? |
あ: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 私には‥‥つぐなわなければ ならない<<罪>>があるのです。 だから‥‥修行をつづけています。 |
御: |
事件当夜‥‥ゆうべのことを 聞かせていただきたい。 |
あ: |
‥‥わかりました。 ‥‥お夕食のかたづけをすませて、 自室に戻ったのが、8時ごろ。 そのあと、10時に <<消灯の鐘>>を鳴らしました。 |
御: | 鐘を‥‥? |
あ: |
‥‥毎晩、同じ時間に 鳴らすことになっているのです。 |
御: | なるほど。‥‥それから? |
あ: | そ、それから‥‥ |
御: | ‥‥‥? |
あ: |
修験堂に来るように 言われていたのですが‥‥。 ずっと‥‥自室におりました。 |
御: |
なぜ‥‥その<<修験堂>>に 行かなかったのですか? |
あ: | ‥‥こ、こわかったものですから。 |
御: | (”こわかった”‥‥?) |
あ: |
それで‥‥事件が起こるまで、 自室で瞑想をしておりました。 |
御: |
(何か‥‥事情がありそうだ。 もう少し、聞いてみるか‥‥) |
御: |
事件当夜、修験堂に来るように 言われていたのですね? |
あ: | はい‥‥。 |
御: |
しかし‥‥ あなたは、行かなかった。 ”こわかったから”という理由で。 いったい‥‥何が ”こわかった”のだろうか? |
あ: | ‥‥‥! |
御: | (な‥‥なんだ、これは!) |
あ: |
あの‥‥。 どうかされましたか? |
御: |
い、いや。‥‥シツレイ。 (本人には見えないようだな‥‥ これが、成歩堂の言っていた ‥‥<<さいころ錠>>! たしか‥‥この勾玉を ”つきつける”と聞いたが‥‥) |
あ: | ‥‥‥? |
御: |
この事件について‥‥ 何か、心当たりはあるだろうか。 |
あ: |
おそらく‥‥すべては、霊力が 引き起こしたのだと思います。 |
御: | ‥‥霊力‥‥? |
あ: |
はい。霊行道は、古くから ヒゲキを引き起こしてきました。 ‥‥今回の事件も、また‥‥ |
御: |
‥‥あやめさん。 そのコトバには、同意できない。 私は、<<霊力>>というものの 存在は、信じられそうにない。 |
あ: |
ええ‥‥。 それがフツウだと思います。 |
御: |
被害者を殺害したのは まちがいなく、人間なのです。 ひとつ‥‥カクニンさせて いただこう。 天流斎 エリスを殺害したのは ‥‥あなた、なのだろうか? |
あ: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ちがいます。 あの方の命をうばったのは、 私ではありません。 |
御: |
‥‥むう‥‥。 (<<さいころ錠>>が現れない‥‥ ”ウソをついていない”と 考えていいわけか‥‥) ‥‥フッ。 |
あ: | どうされましたか? |
御: |
(‥‥我ながら‥‥ ”霊力など信じない”と言った オトコの思考ではないな‥‥) ‥‥どうやら‥‥ あなたから聞ける 情報は、これぐらいのようだ。 |
あ: |
ありがとうございました。 ‥‥話を聞いていただいて。 |
御: |
‥‥今日、ここへ来る前、 私は成歩堂の病院をたずねました。 そこで、彼からたのまれたのです。 ‥‥あなたのことを。 |
あ: | 私‥‥ですか? |
御: |
明日の裁判‥‥ あなたを守ってほしい、と。 |
あ: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 成歩堂さんが そうおっしゃったのならば‥‥ ‥‥御剣さま。 あなたに、おまかせします。 |
御: |
その前に、1つだけ。 うかがっておきたい。 |
あ: | なんでしょうか‥‥? |
御: |
あなたは、成歩堂を ご存じなのですね? |
あ: |
え‥‥。 ど、どうしてですか? |
御: |
どうも、あなたのことを話す 彼のタイドが、妙だった。 |
あ: |
‥‥‥‥‥‥‥‥ 御剣さまは‥‥、あの方の お友だち、なのですか? |
御: | ‥‥かけがえのない友人です。 |
あ: |
‥‥‥‥‥‥‥‥ 今から、5年ほど前‥‥ 私は、あの方を あざむいたのです。 |
御: | ”あざむいた”‥‥? |
あ: |
あの方は‥‥ずいぶん、 お苦しみになったと聞いています。 私が、弱い人間だったから‥‥ いけなかったのです。 だから‥‥二度と姿を見せまい、 と思っていました。 何も知らないまま、すべてを 忘れてほしかったのです。 |
御: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 成歩堂は、今もなお、 苦しんでいるようでした。 真実を知らないかぎり、 彼は永久に苦しむでしょう。 ‥‥あやめさん。 今からでも、おそくはない。 彼にだけは‥‥真実を 話してやってください。 |
あ: | ‥‥‥‥‥‥‥‥ |
御: |
それが‥‥あなたの 弁護を引き受ける、条件です。 |
あ: |
‥‥‥‥‥‥‥‥ わかりました。 ‥‥お約束します、御剣さま。 |
御: |
‥‥了解しました。 全力をつくしましょう。 (”情報”はそろった。 そろそろ、現場へ向かうか‥‥) |
おぼろ橋 | |
御: |
(ハナシに聞いていたとおり、 かなり冷えるな。 これが‥‥ あの<<おぼろ橋>>か‥‥) |
?: |
うごほおッ! み、御剣検事どのォッ! |
御: | む‥‥イトノコギリ刑事。 |
糸: |
おひさしぶりッス! 1年ぶり ‥‥いや、もっとッスっけ? |
御: |
どうでもいいが、こんなところで 何をほっつき歩いている? |
糸: |
うごほほおッ! ‥‥いきなり、ガツンと来たァ! でも、うれしいッス! それでこそ、御剣検事ッス! |
御: |
‥‥もしかして、 人事異動でもあったのか? ムサいキミにピッタリの、 サムいところだが。 |
糸: |
御剣検事が帰国されると聞いて、 ムリヤリ出張してきたッス! みんな親切だから、 捜査にまぜてもらってるッス。 |
御: |
(‥‥あいかわらず、 ムチャなオトコだな‥‥) |
糸: |
事件のことは、 現場で詳しく報告するッス! 今日はこの糸鋸 圭介、 トコトンお供するッス! |
御: | ‥‥そうか。ごくろう。 |
糸: |
まったく‥‥ゴドー検事が来る ハズだったッスのに。 ホント、困ったヒトッス! |
御: | (ゴドー‥‥検事‥‥?) |
御: |
とにかく‥‥帰国したばかりで、 何もわからないのだが‥‥。 |
糸: | 事件は、単純ッス! |
御: |
‥‥単純なキミに断言されると いささか、サムさがつのるな。 |
糸: |
くううう‥‥刺すようなヒニク。 もお、なつかしいッス! ‥‥でも、今回は安心ッス。 決定的な目撃証人がいるッスから。 |
御: | 目撃証人‥‥? |
糸: | もちろん、ビキニのおばさんッス。 |
御: |
び、ビキニ‥‥? このサムい山奥でか? |
糸: |
‥‥詳しくは、御剣検事が会って ハナシを聞いてほしいッス。 |
御: |
(”決定的”というのと、 ”ビキニ”が気になるな‥‥) |
御: |
ところで‥‥これが、 成歩堂が踏みコワしたという橋か。 |
糸: |
そッス! マッタク、用心深い 自分には、考えられないッス。 ええと。”石橋をたたいてコワす” ‥‥だったッスっけ? |
御: |
それで‥‥ この橋の向こうには、何が‥‥? |
糸: |
<<奥の院>>というボロっちい 建物があるらしいッスが‥‥ 橋がないと、向こう側に わたることはできないッス。 |
御: | なんだと‥‥? |
糸: |
ふだんは、ヒトが住んでないから モンダイないッスが‥‥ どうやら現在、奥の院には 修行中の人間がいるらしいッス。 |
御: |
成歩堂から聞いている。 ‥‥真宵くんだろう。 |
糸: |
また、あの子ッスか‥‥ とにかく。気流が荒いため、 空からの救助はムズカシイッス。 おそらく、奥の院に行けるように なるのは、明日ッスね。 |
御: |
(‥‥このサムさだ。 ブジならばいいが‥‥) そもそも‥‥なぜ、 この橋は燃え落ちたのだろうか。 |
糸: | それは‥‥おそらく、落雷ッスね。 |
御: | ‥‥らくらい‥‥? |
御: |
ゴドー検事、というのは‥‥? 聞いたことのない名前だが。 |
糸: |
御剣検事がこの国を去ってから 出てきた、ヒヨッ子ッス! ズブの新人ッスが‥‥なぜか、 ダレもアタマが上がらないッス。 |
御: | どんなオトコだ? |
糸: |
検事になったのは最近ッスが‥‥ かなりのヤリ手らしいッス。 |
御: |
(そんなオトコなら、私の耳に 入っているハズなのだが‥‥) そいつが、この事件の 担当検事なのか? |
糸: |
そッス! なんといっても、 アイツがからんでいるッスから。 |
御: | ”アイツ”‥‥? |
糸: |
成歩堂 龍一ッス、モチロン。 ゴドー検事‥‥なぜか、あの 弁護士をつけ回しているッス。 |
御: | 成歩堂を‥‥ |
糸: |
ナニか、恨みでも あるんじゃないッスかねえ。 |
御: | ”恨み”というと‥‥? |
糸: |
たとえば‥‥ あの仮面を笑われた、とか。 |
御: | (‥‥自分で調べるとするか) |
御: |
この橋‥‥落雷によって 炎上した、というのか‥‥? |
糸: |
そッス。‥‥ゆうべは、 3日ぶりに雪が降っていたッス。 そんなときに雷が発生するのは、 めずらしいッスが‥‥ 気象データによると、たしかに カミナリが落ちているッス。 |
法廷記録にファイルした。 | |
御: |
なるほど‥‥。かなり 詳しいデータだが‥‥、 いささか、詳しすぎるな。 なぜ、橋に落雷した時間まで、 セイカクにわかっているのか‥‥? |
糸: |
あ。それは、目撃証人の証言が あったらしいッス。 |
御: |
落雷の瞬間を目撃した、だと? ‥‥いったい、どんな証人だ! |
糸: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ あとで、地元の警察のヒトに 聞いておくッス。 |
葉桜院 山門 | |
矢: |
おせェぞ御剣! ナニやってたんだよ! サムくて、ノーミソが シャーベットになっちまった! |
御: |
‥‥急いで帰国したのは、 まちがいだったようだ。 |
矢: | な、なんだと‥‥? |
御: |
成歩堂はブジだし、 事件はありふれているし‥‥ あろうコトか‥‥その被告人から、 弁護をたのまれるとは! |
糸: |
‥‥ちょ、ちょっと! 待った! 異議あり! どういうコトッスか、御剣検事! |
御: |
う‥‥うム。セツメイしにくいが、 なりゆきで、そういうコトに‥‥ |
矢: |
なんだよ、その言い方! それでもオマエ、弁護士かよ! |
糸: |
御剣検事は、検事だからこそ、 御剣検事ッス! ”御剣検事弁護士”なんて、 アキラカに、ちょっとヘンッス! ‥‥ねー、御剣検事! |
御: |
(‥‥自分がナニモノか、 よくわからなくなってきた) |
矢: |
御剣ィッ! ‥‥しばらく見ないウチに‥‥ ココロがシャーベットに なっちまったみたいだな! |
御: | ‥‥サムいからな、ここは。 |
矢: |
あやめちゃんじゃねえよ! ハンニンは、他にいるんだ! オレには‥‥ オレには、わかるんだよお! |
御: |
‥‥あいかわらずの ロマンチストだな、矢張。 とはいえ‥‥私も引き受けた以上、 全力をつくすしか、あるまい。 (‥‥アイツに、 バトンをわたすまでは‥‥) |
矢: |
いやー、それにしても。 カワイイよなあ、あやめちゃん。 なー、御剣。オマエも そう思ったろ? な? |
御: | ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ |
矢: |
なんだよ、御剣。 ‥‥ダマりこんじまって。 |
御: |
今のヒトコト‥‥ ヒジョーに気になるのだが。 もしかして、おまえが彼女を 無実だと信じている理由は‥‥ |
矢: |
あんなカワイイ子が、殺人なんて するワケないからさ! |
御: |
‥‥‥‥‥‥‥‥ ‥‥やっぱり、 帰ってくるんじゃなかった‥‥ |
矢: |
大丈夫だって! オレの目に狂いはねえから! |
御: | (何回目だ? そのセリフ‥‥) |
矢: |
でもなあ‥‥。あやめちゃん、 女の子なんだから。 あんまり、 ムリしちゃいけねえよなあ‥‥ |
御: |
‥‥‥? 何か言ったか、矢張。 |
矢: |
ん。‥‥あ! いやいや。 なんでもねえよ。 |
御: | ‥‥‥? |
御: |
矢張。事件があった夜は‥‥ どこで、何をしていた? |
矢: | ‥‥‥‥‥‥ |
御: | 矢張‥‥? |
矢: |
‥‥おッ! オマエ‥‥ よりによって‥‥ このオレを! うた、疑ってるのかよ! |
御: | な、なに‥‥‥? |
矢: |
帰れ! もお、ヒコーキ乗って、 どこへでも飛んでっちまえ! ‥‥そして、その途中で ツイラクして死ね! |
御: |
‥‥‥‥‥‥‥‥ もう一度だけ、聞く。 事件があった夜、おまえは どこで、何をしていた? |
御: |
(やっぱり‥‥ <<さいころ錠>>か!) |
矢: |
いやー、さすがのオレも よくおぼえてねえや! ‥‥そんなムカシのコト! |