第5話『華麗なる逆転』第1回法廷(その3)

表セリフ集一覧に戻る

成歩堂 龍一…黒
綾里 千尋…赤
綾里 真宵…青
綾里 春美…黄緑
御剣 怜侍…茶
狩魔 冥…水
糸鋸 圭介…黄土
ゴドー検事…薄橙
裁判長…緑
裁判官…黄
矢張 政志…紺
天龍斎 エリス…桃
毘忌尼…橙
葉桜院 あやめ…藤
美柳 ちなみ…紫
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


←この前のセリフ



2月9日 午前11時15分
地方裁判所 被告人第1控え室

あ: あの‥‥御剣さま。
私、なんと言ってよいのか‥‥
御: あやめさん。
休憩時間は20分しかない。
あなたに聞いておかなければ
ならないことが、2つあります。
あ: ‥‥なんでしょうか。
御: 1つめ。あなたは、あの晩‥‥
本当に、奥の院に行かなかったか?
先ほどの証人は、修験堂で
あなたに会い、会話をしたと言う。
あなたか、毘忌尼さん‥‥
そのどちらかが、
いつわりの証言をしているのだ。
あ: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
御剣さま。
きのうも申し上げました。
私‥‥事件が起こるまで、
葉桜院の、自分の部屋にいました。
御: ‥‥よろしい。
それでは、もう1つ。
あの晩‥‥葉桜院の
スノーモービルが使用されている。
毘忌尼さんが葉桜院に戻ってから、
入浴後、事件を目撃するまで‥‥
おそらく、10時30分ごろから
11時までのあいだのこと、だ。
スノーモービルを使ったのは‥‥
あなた、なのだろうか。
あ: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
スノーモービルのキーは、
1本しかございません。
それを使えたのは‥‥
私だけ、です。
御: やはり、あなたが‥‥!
しかし‥‥いったい、なぜ?
‥‥おぼろ橋に、
なんの用があったのですか?
あ: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
申しわけありません、
御剣さま‥‥

(サイコ・ロック 錠5つ)
御: ‥‥あやめさん‥‥
あ: 今は‥‥申し上げることは
できませんの。
御: ”今は”‥‥?
あ: 修験者さまが‥‥
御:
あ: 修験者さまのご無事が、
ハッキリするまでは‥‥
御: (”修験者”‥‥
真宵くんのこと、か‥‥?)
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
あやめさん。今でもまだ、
私の目を見て、言えるだろうか。
『天流斎 エリスを
殺害していない』‥‥と?
あ: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
私には‥‥たとえ
どなたであろうとも‥‥
いのちを奪うことなど、
できません。
御: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
(やはり‥‥ここでは
<<さいころ錠>>は現れない、か)
‥‥よろしい。
私は、真実を
知るのがシゴトなのです。
近いうちに‥‥あなたにも
それがわかるでしょう‥‥。


同日 午前11時36分
地方裁判所 第7法廷

裁: ‥‥それでは、
審理を再開しましょう。
狩魔検事。証人のほうは‥‥?
冥: 休憩時間中、傍聴席で挙動不審な
オトコが取り押さえられたわ。
御: 挙動不審‥‥?
冥: なんでも、一心不乱に
スケッチしていたそうよ。
裁: ‥‥被告人のスケッチは
禁止されているハズですが‥‥
冥: オニのようなカオでムチを
ふるう、恐ろしい女の絵だったわ。
裁: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
それは、どう考えても
あなたのコトではな
‥‥はうッ!
冥: とにかく、そのオトコを
引きずり出してやるわ。
天流斎 マシス!
カクゴを決めて、入廷なさいッ!
御: (どうやら‥‥また、
荒れ模様になりそうだな‥‥)

矢:いてェ!
冥: ‥‥まず、あの絵は
法廷侮辱罪にあたいするわ。
矢: なな、ナニすんだよ!
オレはただ、ゲージュツ的な
いててェ!
冥: 召喚状を持った法廷係官を見て、
逃げようとしたそうね。
矢: で、でもオレ! 山で修行中の
いただけねえ芸術家のタマゴだぜ!
たまたま、ミドリ色の絵の具が
なくなって、街へおりて来たワケ!
ま。専門的には”ビリジアン”
っていうんだけどさァ。
御: ‥‥矢張‥‥
ここは、絵の具屋ではないが‥‥?
矢: わかってるよ!
オレだって、中学は出てるんだ!
ホラ。やっぱり、ゲージュツは
<<畑仕事>>がキホンだと思うワケ。
裁: は、はたけしごと‥‥ですか?
御: <<フィールド・ワーク>>と
言いたいのだろう‥‥おそらくは。
矢: そ。それそれ!
さっすが、トモダチだよなァ!
御: (リカイできてしまう自分が、
いくぶんカナしい‥‥)
矢: フラッとここに立ち寄ってみたら、
イカすモデルを見つけたワケよ。
冥: ‥‥‥‥‥‥‥
矢: だから、オレ! このサイバンとは
ゼンっゼン、関係ねえから。
”まっ赤な他人”っていうの?
かなり、深紅色なワケ。
ま。専門的には
”クリムゾン・レーキ”って‥‥
‥‥いててて!
いてていてていてていて!
裁: いたたッ!
冥: つべこべ言わず、
オトコらしく証言なさいッ!
裁: その前に、ついでみたいに
私をぶたないように!
証人! あなたのせいですぞ!
さっさと証言しなさいッ!
矢: うううう‥‥。トンでもねえ
コトになっちまったなあ‥‥。

(事件当夜、目撃したこと)
矢: 『オレ、あの晩は星を見てたわけ。
あの、山奥のロッジで。』(証言1)
『そりゃ、橋のあたりへは
何回か足を運んだけど‥‥』(証言2)
『す、スノーモービルなんて
見かけなかったぜ!』(証言3)
『あの晩はオレ、橋のトコロじゃァ
ダレにも会わなかったんだ!』(証言4)
待っていた子にはフラれちまって。
お師匠サマには死なれちまって。
オレってば、ヒトリぽっちなのさ。
なあ、御剣よォォ‥‥
裁: 証人! 証言中、弁護人に
語りかけないように!
矢: ど‥‥どうせ、オレなんか。
ちっぽけでくだらねえオトコよ!
その証拠に、なぜかオレだけ
名前も職業も聞かれなかったし‥‥
裁: ‥‥‥‥‥‥‥‥
弁護人。このヒトはなぜ、
こんなにヒガみっぽいのですかな?
御: ‥‥最近、このオトコのせいで
たてつづけに事件が起こった。
どうやら、さすがに
それで気がついたらしいのだ。
自分という人間が、いかに
はたメイワクな存在か‥‥
矢: ああ、そうだよ! すべての事件の
ウラには、オレがいるんだ!
気をつけろよな!
オレにさわると、不幸になるぜ!
裁: ‥‥とにかく、しめやかに
尋問をおねがいしましょうか。
詳しいハナシは、それからです。

(「証言4」に「成歩堂 龍一」をつきつける)
御: 矢張 政志‥‥。
キサマが、自分を捨てたくなった
キモチは、わからないでもない。
キサマ自身がろくでなしな上、
ろくでもない事件を引き起こす‥‥
矢: ‥‥ゴメンよぉ‥‥
御: だが‥‥自分がいかに、
はたメイワクな存在なのか‥‥
それに気づいただけでも、1歩
前進した‥‥そう言えなくもない。
矢: 御剣ィ。もしかして‥‥
なぐさめてくれてるのかい?
裁: とても、そうは聞こえません。
御: しかし‥‥
キサマの引き起こした事件から
目をそらすことは、ユルさないッ!
矢: うううう‥‥。カンゼンに、
オレのせいになってるよ‥‥
御: ‥‥さて。事件当夜の
話にうつろう。
事件を発見した毘忌尼さんは、
成歩堂 龍一に通報をたのんだ。
そして‥‥成歩堂は、橋のたもとの
公衆電話へ向かったわけだが‥‥
そのとき、彼はおぼろ橋で、
<<ある人物>>に会っている。
矢張 政志、キサマだ!
矢: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
そうよなァ。
いわゆる、オレよなァ。
裁: ぬうううう‥‥。
よろしいかな、証人。
いかに、あなたが名前を変えても、
まったくイミはない。
あなた自身がろくでなしな上、
ろくでもない事件を引き起こす‥‥
そのジジツに変わりはないのです!
矢: で、でもよォ!
じゃア、オレ‥‥どうすれば?
御: 矢張。変えるべきなのは
キミ自身、なのだ。
”あの晩、何を見たのか”‥‥?
本当のことを証言しろ。
キミにできるのは、それだけだ。
矢: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
御剣‥‥オレ。
オレ、なんか‥‥
目がさめたような気がするよ!
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
ま。気のせいかもしれねえけど。
とにかく、オレ!
やってみるよ! 証言してみるよ!
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
ま。うまくいかねえかも
しれねえけど。
裁: それでは、証人。
‥‥もう一度、おねがいします。
事件当夜‥‥
<<あなたが見たもの>>とは!

(事件当夜、目撃したこと・2)
矢: 『山小屋に行ったのが9時ごろだから
‥‥10時半すぎ、だったなァ。』(証言1)
『フトンの上に寝ころんでいたら‥‥
目の前がマッシロに光ったんだよ!』(証言2)
『そして、窓のそとで‥‥おぼろ橋が
メラメラ燃えてるじゃねえか!』(証言3)
『カミナリが鳴ってたけど、すぐに
見に行ったワケよ。オレとしては。』(証言4)
『そこで、成歩堂に会ったワケ。
‥‥オレとしては。』(証言5)
裁: ぬううううう‥‥
それはまた、ずいぶん
ハデなものを見ましたな。
冥: それで‥‥燃えた後の橋は
どうなったのかしら?
矢: <<橋人生>>をまっとうした、
っていうのかなあ‥‥
”完全に燃えつきた!”
って感じだったね、アレは。
‥‥現に、成歩堂がその燃えカスを
わたろうとして、落っこちたし。
冥: なな、なんですって‥‥!
御: まあ‥‥イノチに別状はない。
カゼをひいただけだ。
冥: ‥‥あいかわらず、運がいいのか
悪いのか、わかりにくいオトコ‥‥
裁: それでは! 弁護人。
尋問をおねがいしましょう!

(「証言4」をゆさぶる)
御: ”すぐに”というのは
‥‥どれぐらいだ?
矢: そうだなあ‥‥
カミナリが落ちて、橋に火がついて
‥‥5分ぐらいだったかなあ。
まあ‥‥急に『見に行こう!』って
思ったワケね。コレが。
冥: その小屋から橋までは、
どれぐらいのキョリが‥‥?
矢: そうなぁ。あのときは、
もう雪もやんでいたから‥‥
5分もあれば、ラクに
行けたと思うけど‥‥。
御: それで‥‥キミが目の前にした、
おぼろ橋の状況は?
矢: まあ、<<宴たけなわ>>って
ヤツだったなー。
小学生たちがキャンプファイヤー
やりたがるのも、ムリねえわ。
御: (‥‥どうだろう。もう少し、
詳しく聞いてみるか‥‥?)

(「なぜ、人を呼ばなかった?」を選択)
御: ‥‥矢張。1つだけ、
聞いておこう。
矢: ナニよ? 御剣。
すずしいカオしちゃってさァ。
御: キミは‥‥なぜ、
人を呼ばなかったのだ?
矢: え? どういうことよ。
御: ふつう‥‥それだけの火災を
見たら、人に知らせるだろう。
おぼろ橋のかたわらには、
公衆電話もあったのだからな。
矢: ‥‥‥‥‥‥‥‥
ま。‥‥トーゼン、
オレもそうしようと思ったケド。
裁: それでは‥‥通報しなかった
理由を証言してもらいましょう!
矢: え‥‥ええ? そうだなあ。
理由‥‥。りゆう‥‥
<<通報しなかった>>というより、
するヒマがなかった‥‥のかなァ。
『橋のところへついて、1分もしない
うちに、成歩堂が来たんだよ。』(証言6)

(「証言6」に「気象データ」をつきつける)
御: ‥‥存在自体がムジュンだらけの
キサマに、理解できるかどうか‥‥
矢: なんだよ! ヒトを
宇宙人みたいに言うな!
御: キサマの証言は、決定的に
ムジュンしている。
問題は‥‥<<時間>>だ。
矢: あー、オレ。そういうの
ニガテなんだよ。
『まさしくんが出かけた3分後、
自転車で追いかけました。
さて、追いつくのは、何分後
でしょう?』‥‥みたいなヤツ。
御: ‥‥もっとカンタンな話だ。
キミは、おぼろ橋にカミナリが
落ちるのを見て‥‥
すぐ、橋のところまで
見に行った。‥‥まちがいないな?
矢: そうなァ。‥‥まあ、5分ぐらい
グズグズしてたけど。
御: ‥‥ここに、事件当夜の
気象データがある。
これによると、落雷の時刻は
午後10時45分。
小屋からおぼろ橋までのキョリは、
5分弱。すると、キミは‥‥
午後11時には、
橋のたもとにいたことになる。
矢: ‥‥ま。そんなもんだろうな、
たしかに。
そこへ、成歩堂がやって来て
落っこちたワケね。
御: それは、あり得ないのだ。
冥: ‥‥どういうことかしら?
御: 11時といえば、葉桜院で
事件が発生した時刻だ。
つまり‥‥成歩堂はまだ、
葉桜院にいた。
矢張 政志が、おぼろ橋で
彼に会えるはずがない!
冥:‥‥‥!
矢: あ。はい! あの。オレ。
異議あり、なんですけど。
裁: なんですか?
矢: だから、御剣! なんべんも
言わせるんじゃねえよ!
オレは、ヤハリじゃねえ!
天流斎 マシス、そのひと
ぎゃはああッ!
冥: ‥‥事件が発見されたのが11時
だと、立証はされていない。
ジューショクさまも『11時ごろ』
としか、言っていないわ。
‥‥それならば! ジッサイは、
もっと早かったのかもしれない!
御: ‥‥アマいな、狩魔 冥‥‥
いずれにせよ、11時に成歩堂が
おぼろ橋にいたハズはないのだ。
冥: な‥‥なぜ!
御: 気象データに、ハッキリと
こう書かれている。
橋が燃えつきるのにかかった
時間は‥‥<<約30分>>。
つまり! 橋は少なくとも
11時15分までは燃えていた!
裁: それが‥‥どういうことに
なるのですかな?
御: 成歩堂は、あの晩‥‥
橋が燃えているのを見ていない。
彼がついたとき‥‥おぼろ橋は、
燃えつきた後だった!
‥‥矢張!
キサマが橋のたもとに
行ったのが、11時。
成歩堂が来たのが、
11時15分すぎ‥‥
キサマは‥‥またしても、
我々にかくそうとしている!
その、<<空白の15分>>をッ!
矢: ‥‥‥‥う‥‥‥‥
オレ‥‥目がさめたような
気がしてたんだけど‥‥
やっぱり気のせいだったんだ
よおおおおおおおおおおおん!

(ざわめきが起こる)
裁: 静粛に! 静粛に! 静粛に!
せいしゅくにィィィッ!
冥: ‥‥成歩堂 龍一に会うまで、
15分の空白があった‥‥
そんなの、たいした
問題ではない!
矢: そうだよ! たいした
問題じゃねえよ!
御: ‥‥そうだろうか‥‥?
目の前で、橋が燃えている。
すぐ横には、公衆電話もある。
それなのに‥‥通報もせず、
キサマは何をしていた?
裁: 橋が燃えているのを
ながめていた‥‥のですかな?
御: 問題は、そこだ‥‥
このオトコは、燃えつきた
あとも、橋のたもとにいた。
そして、あいかわらず‥‥
通報もせず、ボンヤリしていた。
冥: そ‥‥そうなるわね‥‥
御: ‥‥いくらコイツが矢張といえど、
さすがにそれは、あり得ない‥‥
そこには、何か
”理由”があったはずだ!
矢: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥御剣ィ‥‥
オマエ‥‥ついに、オレを
ホンキにさせちまったな‥‥
御: ‥‥やはり、今まで
ホンキではなかったようだな‥‥
矢: いいのか‥‥?
オレ‥‥
オレ、しゃべっちまうぞ!
ホントに、いいんだな‥‥?
御: う、うム‥‥‥
矢: ホントォォにオレ、今度こそオレ、
しゃべっちまうかもしれ
かはァァッ!
冥: ‥‥さっさとしゃべる。
裁: それでは‥‥いささか
よくない予感がしますが‥‥
今度こそ、しめやかなる真実を
証言していただきましょう。
‥‥<<空白の15分間>>‥‥
あなたが、何をしていたか!

(空白の15分間)
矢: 『オレ、天流斎よ。ゲージュツカよ。
やるコトなんて、決まってるだろ!』(証言1)
『スケッチしてたんだ! 橋の前で!
もう、ムチュウで描きまくったぜ!』(証言2)
『オレの感じたショーゲキを‥‥
見たまま、ノートにぶつけたんだ!』(証言3)
『‥‥気がついたら火は消えていて、
ヤツがヨロめきながら現れたのさ。』(証言4)
裁: ぬぬぬうううううう‥‥
まあ‥‥芸術家なら
しかたないかもしれません。
矢: そうだよ! ゲージュツのためなら
すべてをギセイにしていいんだぜ!
御: (‥‥自分で言うな!)
裁: いかがですか? 弁護人。
疑問は、なくなりましたが‥‥?
御: ‥‥それはちがう、裁判長。
まだ、大きな問題が残っている。
裁: そ、それは‥‥?
御: あくまでもコイツにしては、
わりとマトモな理由なのに‥‥、
‥‥なぜ、それを今まで
かくしていたか?
弁護側は‥‥かならず、
それを暴いて見せる。
矢: クックックッ! 後悔するなよ、
御剣ィィィィ‥‥

(「証言2」をゆさぶる)
御: す、スケッチ‥‥!
燃えている橋をか?
矢: 燃えてる橋や、
その他モロモロだよ!
御: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
なんだ?
”モロモロ”‥‥とは。
矢: そ、それをオレの口から
言わせようってのかよ、御剣!
きっと後悔するぜ! なにしろ
オレのスケッチは、そんじょそこ
ががああッ!
冥: ‥‥もう、いいわ。
‥‥見せなさい、証人。
その、バカげた”スケッチ”を!
矢: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
な。な。な。なんでだよ!
なんだよ! わかんねえよ!
裁: どうも、それがイチバン、
手っ取り早いようですな。
‥‥いかがですか? 弁護人。
御: (どうするべきか‥‥?
その絵を見た瞬間‥‥世界が
終わってしまうような‥‥
それほどまでに、
イヤな予感がするのだが‥‥)

(「絵を提出させる」を選択)
御: ‥‥矢張。そのスケッチ‥‥
見せてくれないか。
矢: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
フッ。‥‥さすがのオレも、
予想できなかったぜ。
御: ‥‥何がだ?
矢: 天流斎 マシスのデビューが、
こんなカタチで実現するなんて‥‥
いたたはァッ!
冥: さっさと提出なさい!
矢: いいか‥‥見ておどろくなよ‥‥
コイツが‥‥
天流斎 マシスくんの世界だッ!


裁: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥あ。
え、ええと‥‥その。
これが‥‥その。いわゆる
<<おぼろ橋>>、ですか。
ず、ずいぶん大きな吊り橋ですね。
いかがですか、狩魔検事!
冥: そそ、そうね‥‥
お‥‥思ったより、
よく描けているわ。
矢: だろ? だろ? キレイな火の色を
出すのに、苦労したんだぜ!
裁: ‥‥はあ、そうなんでしょうねえ。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥
冥: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
矢: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
御: (うううう‥‥気まずい‥‥
どうやら‥‥だれも、
切り出す勇気がないようだな。
‥‥この、
ナゾの飛行物体について)
‥‥おい、矢張。
矢:ナニよ。
御: 橋が燃えているのは、まあ
いいとして、だ。
なんなのだ? その上を
ただよう、不吉なシロモノは‥‥
矢: お。気づいちゃった? やっぱり。
御: まあ‥‥目をそらすわけにも
いかないからな。
矢: あやめちゃんだよ、あやめちゃん。
決まってるだろ!
まったく、女の子なんだからさァ。
ムリしちゃダメだよなあ。
ケガしたらどうするんだよ。
‥‥空なんか飛んじゃってさ!
御: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
矢張。これだけは正直に、
本当のコトを言ってくれ。
矢:いいぜ。
御: キサマ‥‥本当に、
見たと言うつもりか?
炎上するおぼろ橋の
上空を飛びこえる‥‥
‥‥被告人の姿を。
矢: ああ。見たぜ。
だから、描いたんじゃねえか。
ゲージュツカだから。オレ。
御: そんな‥‥!
冥: そんな‥‥!
裁: ‥‥そんな、バカなことがああッ!

(ざわめきが起こる)


次へ→