成歩堂 龍一…黒 | |
綾里 千尋…赤 | |
綾里 真宵…青 | |
綾里 春美…黄緑 | |
御剣 怜侍…茶 | |
狩魔 冥…水 | |
糸鋸 圭介…黄土 | |
ゴドー検事…薄橙 | |
裁判長…緑 | |
裁判官…黄 | |
矢張 政志…紺 | |
天龍斎 エリス…桃 | |
毘忌尼…橙 | |
葉桜院 あやめ…藤 | |
美柳 ちなみ…紫 |
裁: |
せ‥‥静粛に! 静粛に! な、なんということでしょう‥‥ |
ち: |
たしかに、綾里 真宵を 襲ったのは、このアタシ‥‥ <<美柳 ちなみ>>の意識だったわ。 ‥‥でも‥‥ その凶器を奪い、綾里 舞子の 息の根を止めた<<殺人者>>は‥‥ ‥‥綾里 真宵だったのよ! |
成: |
う‥‥ウソだッ! そ、そんなバカな話‥‥ |
ち: |
バカな話かどうか‥‥ 考えれば、わかるじゃない。 ‥‥アンタの大好きな <<証拠>>があるでしょう? |
成: |
な‥‥ なんだと‥‥! い、いったい‥‥ どんな証拠があると言うんだ! |
ち: | ‥‥綾里 真宵が、消えたこと‥‥ |
成: | え‥‥‥ |
ち: |
今さら、<<修験洞にいる>>なんて バカなこと、言わないでね。 <<奥の院>>側から逃げることは できなかった。それなら‥‥ 彼女のいる場所は、ただ1つしか あり得ないわ。 |
裁: | そ、それは‥‥? |
ち: |
決まってるでしょ。 ‥‥吾童川の底、よ。 |
ゴ: | ご‥‥吾童川‥‥! |
ち: |
綾里 真宵は、自分の母親を 殺してしまったのよ。 お人好しのあの子には、 とても耐えられなかった。 ‥‥だから‥‥ あの川に、身を投げたのよ。 ‥‥死体の上がることのない あの急流に‥‥ ‥‥いかがかしら。 リュウちゃん‥‥? |
成: | う‥‥‥ううううう‥‥‥‥ |
電: | ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ |
ゴ: |
‥‥‥おっと。 電話が、オレを呼んでるぜ。 |
成: | (なんの曲なんだよ、あれ‥‥) |
電: | |
ゴ: |
‥‥ゴドーだ。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ‥‥わかった。ごくろうだったな。 |
裁: | な‥‥なんですか‥‥? |
ゴ: |
たった今、修験洞の<<錠>>が すべて解除された。 |
成: |
なんですって! それで‥‥真宵ちゃんは! |
ゴ: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 修験洞の中から、 ひとりの女が保護された。 |
裁: | 綾里 真宵さん‥‥ですか! |
ゴ: | 葉桜院 あやめ。‥‥被告人だ。 |
成: | え‥‥‥ |
ち: |
当然でしょ。 ‥‥アタシがきのう、 閉じこめておいたんだから。 |
成: |
じゃ、じゃあ‥‥ 真宵ちゃんは‥‥? |
ゴ: |
‥‥‥‥‥‥‥‥ 修験洞の中には、 他にだれもいなかった。 |
成: | そ‥‥‥そんな‥‥‥ |
ち: |
‥‥だから、言ったじゃない。 あの子はもう、死んだ‥‥って。 |
成: |
う‥‥‥‥‥‥‥‥ うおおおおおおおおおおおおおおお おおおおおおおおおおおおおおッ! |
裁: |
‥‥どうやら‥‥ 結論が出たようですな。 とても、悲しい結論が‥‥ 天流斎 エリス‥‥いや、 綾里 舞子さんを殺害したのは‥‥ 実の娘である、綾里 真宵だった。 そして、彼女は‥‥ 罪の重さに耐えかねて、 吾童川の急流に身を投げた! |
成: | (‥‥なんてこった‥‥) |
ゴ: |
まるほどう‥‥ こんなコトバを知ってるかい? <<あり得ないことを、すべて 消去していけば‥‥ 最後に残るのは‥‥ たった1つの”真実”>> ‥‥たとえそれが、どんなに 信じがたいものであっても、な。 |
裁: |
ど‥‥どういうことですか? ゴドー検事‥‥ |
ゴ: |
‥‥この女は言った。 『綾里 真宵は、 吾童川に身を投げた』‥‥と。 しかし。‥‥本当にそれは <<真実>>なのか‥‥? |
成: | ‥‥‥! |
ゴ: |
‥‥思い出すんだ。 この女の証言を。 『中庭で事件が起こったとき ‥‥橋はすでに、燃えていた』 つまり‥‥綾里 真宵が 川に身を投げようとしたら‥‥ 奥の院側のガケっぷち‥‥橋の たもとから、ということになる。 |
ち: |
そうよ! 綾里 真宵は、 そこから‥‥ |
ゴ: |
‥‥あり得ねえのさ。 そこから、川に身を投げるのは‥‥ 不可能だった! |
成: |
‥‥‥! (な‥‥なんだって‥‥!) |
ゴ: |
いいか。ココロを揺らされるな、 まるほどう‥‥ 落ちついて、もう一度‥‥ よく考えてみろ。 |
成: |
(真宵ちゃんが‥‥ 吾童川に身を投げるのは <<不可能>>だった‥‥?) |
裁: |
‥‥いかがですか、成歩堂くん。 <<綾里 真宵は、奥の院側の 橋のたもとから川に身を投げた>> 美柳 ちなみの主張をくつがえす 証拠を、提示できますか! |
成: |
‥‥<<奥の院>>側から、吾童川に 身を投げることはできない‥‥ それは、証人がイチバン よく知っているはずです! |
ち: | ‥‥なんですって‥‥? |
成: |
‥‥10年ほど前。きみも、身を 投げたじゃないか‥‥吾童川に。 |
ち: | ‥‥‥‥! |
成: |
現場付近の 上面図を見てください! ごらんのとおり‥‥ <<奥の院>>側のガケの下には、 岩場が広がっています! |
裁: |
お‥‥‥おおおおおッ! た、たしかに‥‥ |
成: |
もし、身を投げたとしても‥‥ その身体は、川には届かない。 つまり‥‥‥ この写真の岩場に、彼女の死体が 写っていなければならないのです! |
ち: | あ‥‥‥! |
ゴ: |
クッ‥‥! やっと気がついたかい、アンタ! |
ち: |
う‥‥‥ きゃあああああああああああっ! |
裁: | せ‥‥静粛に! 静粛に! |
ち: |
む‥‥ムダな悪あがきは み、見苦しいわ! 綾里 真宵は、 吾童川の底に沈んでいるのよ! それ以外に‥‥あのガキが 身をかくす場所なんか、ないッ! |
成: |
ちなみさん。‥‥こういうコトバを 知っていますか? <<あり得ないことを、すべて 消去していけば‥‥ 最後に残るのは‥‥ たった1つの”真実”>> |
ち: | ‥‥さっき、聞いたわ。 |
成: |
‥‥綾里 真宵は、 修験洞の中にはいなかった。 そして‥‥吾童川に 身を投げたのでも、ない。 |
ゴ: |
‥‥そう。 今度こそ‥‥ すべての可能性が消去された。 |
成: |
そして、残ったのは‥‥ たった1カ所だけです。 |
裁: |
な‥‥なんですと‥‥! まだ、あるのですかッ! <<可能性>>が‥‥ |
ち: |
は‥‥ハッタリに決まってる! いったい‥‥‥彼女の死体が どこにかくされているというの! |
成: |
(どうやら‥‥やっと わかったような気がする‥‥ ”生者”の力では、決して 手の届かない、”死者”‥‥ その美柳 ちなみに、究極の <<罰>>を与える方法が‥‥) ‥‥教えてあげよう。 美柳 ちなみさん‥‥ 真宵ちゃんが‥‥ 今、どこにいるのか! |
成: |
たった1つ‥‥ 残された、可能性。 それは‥‥‥ この、法廷内なのです! |
ち: | な‥‥なんですって! |
ゴ: | あ‥‥綾里 真宵が! |
裁: |
こ‥‥この法廷内にいる、 ですッとォォッ! |
成: |
‥‥美柳 ちなみさん。 きみは、さっき‥‥ こう言っていた。 『1つだけ、カンちがいを していた』‥‥と。 |
ち: | そ、それがナニよ! |
成: |
きっと‥‥もう1つ、 きみはカンちがいをしている。 |
ち: | なんですって‥‥ |
成: |
それじゃあ‥‥ 聞かせてくれるかな。 たった”今”‥‥‥この瞬間! <<美柳 ちなみ>>を霊媒している のは、いったいだれなのか! |
ち: |
そ、そんなの‥‥ 決まってるじゃない! 綾里 春美よ! 何も知らない あの、おめでたいオコサマでしょ! |
成: |
‥‥そうじゃない。 春美ちゃんには‥‥ できなかったんだから。 |
春: |
『こんなことは、初めてです。 霊を呼べない、なんて‥‥』 |
成: |
『何か、考えられないの? 霊が呼べない理由は。』 |
春: |
『‥‥‥‥‥‥‥‥‥ わたくしより先に、だれかが その霊を呼んでいる場合です。』 |
ち: |
春美より先に‥‥ だれかが、アタシを‥‥? |
成: |
春美ちゃんは、事件の翌日も きみの霊媒をこころみた。 でも‥‥できなかった。 それが、何をイミするか‥‥? そろそろ、きみにも わかるんじゃないかな? |
ち: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ああああああああッ! |
成: |
春美ちゃんには、きみが 呼べなかった! それより先に、この人物が きみを霊媒していたからだッ! |
成: |
‥‥これ以上、カンタンな 話はありません。 春美ちゃんではなかった。 綾里 舞子さんは、もういない。 残るのは‥‥たったひとり! |
裁: |
そ、それは‥‥‥ いったい、ダレなのですかッ! |
成: |
美柳 ちなみさん! 今、きみを霊媒しているのは‥‥ 綾里 真宵しか、あり得ない! |
ち: |
な‥‥‥‥ なんですってェェェェェェェッ! |
裁: |
そ‥‥そんな バカな話がありますかッ! この証人の‥‥美柳 ちなみの 目的を、考えてごらんなさい! |
ゴ: |
”目的”なら、モチロン‥‥ <<綾里 真宵の殺害>>だろうぜ。 |
裁: |
そのとおりです! それなのに、自分の命を狙っている 殺人者を霊媒してしまったら‥‥! ‥‥‥‥‥‥‥‥‥ |
ゴ: |
クッ‥‥! どうなるかな? ジイさん。 |
裁: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ま‥‥まさか‥‥ |
成: |
どうやら‥‥ おわかりになったようですね。 |
ち: |
な‥‥ナニよ! どーいうことなのッ! |
成: |
真宵ちゃんが、なぜ‥‥ きみを霊媒したか‥‥? ‥‥コタエは 1つしかないだろう? きみから‥‥<<美柳 ちなみ>>から 身を守るためだよ。 |
ち: |
あ‥‥アタシから‥‥ 身を‥‥守る‥‥? |
成: |
事件当夜‥‥。 きみの目的は、ただ1つだった。 |
‥‥殺害する!』 | |
成: |
<<奥の院>>側は閉ざされて、 どこにも逃げ場はない。 ‥‥そこで、問題になるのは‥‥ <<どこにかくれるのが 最も、安全か>>‥‥? |
ち: |
あ‥‥‥ああああああああああッ! そ、それが‥‥あ。アタシ‥‥? |
成: |
きみは、春美ちゃんに霊媒されて いると思いこんでいた。 ‥‥だから、 気づくことができなかった。 綾里 真宵のかくれ場所は‥‥ 他のどこでもない、 ”きみ自身”だったんだ! |
ち: |
そ‥‥‥そんな‥‥‥‥‥‥ バカなコトがァッ! |
ち: |
こ‥‥このアタシが‥‥ 美柳 ちなみが‥‥ 手玉にとられたと言うの! あんな、ガキに! |
成: | ‥‥‥‥‥‥‥‥ |
ち: |
綾里 真宵は自殺したのよ! そうとしか考えられないわ! |
成: |
ザンネンだけど‥‥吾童川に 身を投げることはできなかった。 ‥‥そう。これが、 最後に残された方法だったんだよ。 世界から孤立した<<奥の院>>で、 真宵ちゃんが”消える”方法‥‥! |
ち: |
あ、アタシは‥‥信じないわ! ‥‥あんなアタマの悪そうな、 世間知らずの女の子が‥‥ そんなこと、思いつくワケがない! いったい、ダレが‥‥ そんな知恵を、あの子に与えたの! |
成: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥ それは‥‥‥ |
成: | ち‥‥‥千尋さん! |
ち: | |
千: |
‥‥ひさしぶりね。 美柳 ちなみさん‥‥ |
ゴ: |
‥‥‥‥‥‥‥‥ ‥‥やっぱり‥‥ アンタだったのかい。 |
千: | ‥‥‥ええ。 |
ゴ: |
クッ‥‥! ヤッカイな女、だぜ‥‥ |
ち: |
あ‥‥アンタが‥‥ いったい、なぜ‥‥! |
成: |
そのアタマ‥‥ 春美ちゃん、ですね? |
千: |
‥‥いいかしら、ちなみさん。 もう一度‥‥あの夜のことを 思い出してごらんなさい。 あなたは‥‥<<奥の院>>の中庭で、 真宵を追いつめた。 そして‥‥最後の瞬間に、 意識を失ったそうね。 |
ち: |
アタシは、刺されたのよ! 綾里 真宵に‥‥! |
千: |
じつは、そのとき‥‥ 真宵のほうも気を失ったらしいの。 |
ゴ: | ‥‥綾里 真宵が‥‥? |
裁: |
殺されそうになったのだから、 ムリもないのでは‥‥ |
千: |
‥‥意識を取り戻したとき、 あの子は修験堂にいたそうよ。 そして、真宵は‥‥ すぐに、この私を霊媒したの。 自分のおかれた立場を、 メモに書き記して‥‥ これからどうするべきか? ‥‥私に相談してくれたわ。 |
ち: |
あの、コムスメが‥‥ アンタに、相談を‥‥? |
千: |
私にも、詳しい状況は わからなかった。 でも‥‥1つだけ、 ハッキリしていることがあったわ。 |
裁: | そ、それは‥‥? |
千: |
<<美柳 ちなみ>>を自由にしては いけない、ということ。 |
成: |
”自由”‥‥って、 どういうことですか? |
千: |
‥‥一刻を争う状況だったわ。 私は、真宵に2つのことを命じた。 『すぐに<<美柳 ちなみ>>を 霊媒すること』 『そして、助けが来るまで、 自分を閉じこめておくこと』 |
成: |
(あの<<錠>>をかけたのは 真宵ちゃんだったのか‥‥) |
裁: |
それにしても‥‥ どうして、そんな命令を? |
千: |
もし、ぐずぐずしていたら‥‥ 美柳 ちなみは、他の人物に 霊媒されていたでしょうからね。 ‥‥そう。綾里 春美に! |
成: | は‥‥‥春美ちゃん、ですか? |
千: |
あの子は、今回の計画を 正しく理解していなかった。 だから‥‥綾里 キミ子の指示を 守ることだけを考えていたの。 もし、あの子が<<美柳 ちなみ>>の 霊媒に成功してしまったら‥‥ おそらく‥‥サイアクの事態が 起こったでしょうね。 |
ゴ: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ‥‥そういうコト、か。 <<美柳 ちなみ>>は、 綾里 春美の身体を使って‥‥ 綾里 真宵を、殺害しただろうな。 ‥‥どんな手を使っても。 |
裁: |
た、たしかに‥‥ 恐らく、そうなっていたでしょう! |
ち: |
ば‥‥バカ‥‥な! この‥‥この、アタシが‥‥ |
成: |
いいかげん、認めたらどうですか? ‥‥美柳 ちなみさん。 きみたちの計画は‥‥ ミゴトにシッパイしたんです! |
千: |
そのとおり。 ‥‥またしても‥‥、ね。 |
ち: |
な‥‥何よ、それ。 ”またしても”‥‥? |
成: |
‥‥美柳 ちなみさん。 思い出してみたらどうかな。 きみの犯行は‥‥ただの一度も、 成功したためしがないんだよ。 |
ち: | な‥‥‥なんですって‥‥‥ |
成: |
今から、10年ほど前‥‥ あの狂言誘拐事件が‥‥ きみの最初の犯行だ。 2億円のダイヤは手に入れた。 ‥‥でも‥‥ 尾並田さんが脱走して、美柳 勇希 に会いに行ったことから‥‥ すべては、バレてしまった。 |
ち: |
う‥‥うるさいッ! あれは、アタシのせいじゃないわ! ‥‥あの、バカな死刑囚と、 気の小さい婦人警官のせいよ! |
成: |
そして‥‥その、1年後。 きみは、今度は‥‥ このぼくを殺そうとした。 |
ち: | ‥‥‥! |
成: |
まあ‥‥。あいにく ぼくは今も、生きているけど‥‥。 きみは、ちがう人物を 殺害してしまったあげく‥‥ ついに、死刑を宣告されたわけだ。 ‥‥つくづく、マヌケな話だね。 もう、笑う気にもなれない。 |
ち: |
だ‥‥ダマれ! この‥‥この お人好しの、ガキが‥‥! |
成: |
そして、今回! きみは、またしくじったのさ! 綾里 真宵を取り逃がした。 きみのエモノは、 ずっと目の前にいたのにね! |
ち: |
‥‥ぐ‥‥ぐぐ‥‥‥‥ッ! あ‥‥アヤサト チヒロ‥‥ アヤサト チヒロォォォォ‥‥ッ! き、キサマが‥‥ キサマさえ、いなければ! アタシは、綾里 真宵を 殺していた! シャクにさわる、このオトコも 有罪判決を受けていたし‥‥ アタシも、死刑になることは なかったのよ! |
千: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ そうよ。 |
ち: | ‥‥‥! |
千: |
‥‥美柳 ちなみさん。 やっと、わかったかしら。 ‥‥あなたは、 私には勝てないの。 |
ち: | な‥‥なんですって‥‥ |
千: |
一生かかっても‥‥いいえ。 死んでも、勝てやしない。 この私の前で‥‥ 永久に、恥をかきつづけるのよ! |
ち: | う‥‥ううううう‥‥うううう‥‥ |
成: |
‥‥審理の最初に、 きみは、こう言っていた。 ‥‥ぼくたちは、きみを 罰することはできない。 なぜなら‥‥ きみは、<<死者>>だから。 |
ち: | そ、それが、なによ! |
成: |
そして‥‥こうも言った。 『肉体は消えても、その魂は‥‥ プライドは、永遠に残る』と。 |
千: |
‥‥そうなの、ちなみさん。 それこそが‥‥あなたに対する、 逃れられない<<罰>>なのよ。 |
ち: | ‥‥‥‥! |
千: |
あなたは、永久に <<美柳 ちなみ>>なの。 だれにも‥‥私にすら勝てない、 無力で、ヒキョウな存在‥‥ そして‥‥そこから逃れる道は、 もう存在しないわ。 ‥‥あなたの死刑が執行された、 その日に‥‥ あなたの細い橋は、 燃え落ちてしまったのよ! |
ち: |
‥‥ウ‥‥ウウウウウ‥‥ ‥‥チ‥‥チガウ‥‥ ‥‥ソンナ‥‥ハズガナイ‥‥ ‥‥コ、コノ‥‥アタシガ‥‥ ‥‥キサマラナンカニィィィ‥‥ |
成: |
‥‥でも。 ‥‥そんなことはね。 もう、どうでもいいんだ。 それよりも‥‥‥ ‥‥さっさと、真宵ちゃんから 出ていってもらおうかッ! |
ち: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ウウウウウウウウウウウウウウウウ オオオオオオオオオオオオオオオ オオオオオオオオオオオオオオオオ オオオオオオオオオオオオオオオ オオオオオオオオオオオオオオオオ ヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲ ヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲ ヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲ |
ち: |
‥‥アタシ‥‥‥‥マ‥‥ダ‥‥‥ ‥‥キエ‥‥タク‥‥ナイ‥‥‥‥ |
真: |
‥‥なるほどくん‥‥ ‥‥おねえちゃん‥‥ |