第5話『華麗なる逆転』第2回法廷(その6)

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成歩堂 龍一…黒
綾里 千尋…赤
綾里 真宵…青
綾里 春美…黄緑
御剣 怜侍…茶
狩魔 冥…水
糸鋸 圭介…黄土
ゴドー検事…薄橙
裁判長…緑
裁判官…黄
矢張 政志…紺
天龍斎 エリス…桃
毘忌尼…橙
葉桜院 あやめ…藤
美柳 ちなみ…紫
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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裁: それでは‥‥
あなたこそが‥‥ホンモノの
あやめさん、なのですね。
あ: ‥‥はい。先ほど、修験洞から
助けていただきました。
裁: さすが、双子というだけあって、
よく似ていらっしゃる。
‥‥どうやら‥‥
すべてがアキラカに
なったようです。
ゴドー検事。‥‥美柳 ちなみは?
ゴ: オレに聞かれても困るが‥‥
帰っちまったんじゃねえか。
‥‥アイツの世界に。
裁: ‥‥ふむう‥‥
今回の事件の被害者は、
綾里 舞子さんだけではなかった。
綾里 真宵さんも、
おさない綾里 春美さんも‥‥
きわめて利己的な犯罪計画の
被害者だったわけですね。
成: ‥‥そのとおりです。
裁: <<霊媒の谷>>という特殊な世界が
生み出したヒゲキ‥‥でした。
あの霊は、もう呼ばないほうが
いいでしょうな。
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
あの‥‥裁判長。
裁: なんですか?
成: <<霊媒>>のことですけど‥‥
ブキミなほど、すんなり
受け入れていますね。
裁: ‥‥‥‥‥‥‥‥
じつは、弟も裁判官でしてね。
よく、こう言うのですよ。
私は、あまりに勉強不足だ、と。
それで‥‥‥倉院流霊媒道の資料を
研究しておいたわけです。
成: (<<お!カルト>>新年号
真冬の霊場・大特集じゃないか)
裁: ‥‥私も、この席について、
さまざまな事件を見てきました。
そして‥‥
やっと、わかったのです。
事件は、さまざまな世界を
背景に起こります。
その本質を理解するためには‥‥
私たちはまず、その世界を
受け入れなければならない。
そこが‥‥‥弟と私の
ちがう点、なのでしょうね。
成: (なるほど、ね‥‥)
裁: ‥‥それでは! 葉桜院 あやめに
判決を言いわたしましょう。


(異議あり!)

ゴ: ‥‥早すぎる木槌‥‥
カッコつかねえぜ。
裁: ど‥‥どういうことですか!
ゴドー検事!
千: 審理は‥‥まだ、終わっていない。
‥‥そういうこと、ね。
成: な‥‥なんですって!
ゴ: まるほどう‥‥
あの、タチのワルい悪霊の証言。
‥‥よく、思い出してみるんだ。
成: 美柳 ちなみの‥‥証言‥‥?

ち: 『大きな灯ろうの前で‥‥
アタシは、あの子を追いつめた。
そして‥‥物置で拾った
小刀で、切りかかったの。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥フシギなことに‥‥
そこからの記憶は
ハッキリしないの。
アタシ‥‥
刺されたような気がするわ。』

千: ‥‥美柳 ちなみは、綾里 真宵に
襲いかかろうとした瞬間‥‥
何者かに刺されて‥‥
<<殺害>>されたのです。
裁: た‥‥
たしかに、そうですが‥‥
ゴ: ジッサイに命を落としたのは、
ちなみの霊を呼んだ、霊媒師‥‥
天流斎 エリス‥‥いや、
綾里 舞子だった。
しかし‥‥。
だれが彼女を殺害したのか‥‥?
その犯人は、まだ
わかっていねえのさ!
成: な‥‥なんだってェェェェッ!

(ざわめきが起こる)
ゴ: 他に容疑者が現れない以上、
被告人の疑いも消えねえ。
彼女の無実を決定的に立証する
証拠は‥‥まだ、何もねえのさ。
成: そ‥‥そんな‥‥
裁: しかし‥‥本法廷で、
これ以上の審理の用意は‥‥
ゴ: ‥‥検察側は、
ここで最後の証人を召喚するぜ。
裁: さ、最後の‥‥証人‥‥!
ゴ: そいつで‥‥
ハッキリさせようじゃねえか。
”だれが、綾里 舞子を
殺害したのか”‥‥?
裁: ‥‥ふ、ふむう‥‥!
千: ‥‥‥‥‥‥‥‥
本当に、いいのね?
‥‥検事さん。
ゴ: ‥‥‥‥‥‥‥‥
モチロン、かまわねえさ。
‥‥弁護士さん。
裁: それで‥‥‥
最後の証人とは‥‥
いったい、どなたですかな?
ゴ: クッ‥‥!
決まってるじゃねえか。
いるだろう? 決定的な‥‥いや。
いっそ、致命的な目撃者が。
裁: も‥‥<<目撃者>>‥‥?
ゴ: ‥‥目の前で、自分の母親を
殺害されちまった、張本人さ。
成: ま‥‥‥
真宵ちゃんだって!
‥‥ムリだ! あんな目に
あったばかりなのに‥‥
ゴ: ‥‥<<真実>>を知るためだ。
検察側は、綾里 真宵を
証人として召喚するぜ!

(ざわめきが起こる)
裁: ‥‥いいでしょう。
それでは、ここで休憩を
とりたいと思います。
‥‥医務室に運ばれた
証人の回復を待ちましょう。
医師の許可が下りしだい、
審理を再開します!
ゴ: ‥‥いいか、まるほどう。
これだけは、言っておくぜ。
成: ‥‥なんですか。
ゴ: オレは決して、アンタを
認めたわけじゃねえ。
アンタは、いつもそうだ。
‥‥事件のウラを理解せず、
その場しのぎの弁護をして‥‥
カンジンなところで、キレイな
お姉さんが現れて、助けてくれる。
成: な‥‥、なんだって!
ゴ: ‥‥そんなヤツに、
一人前ヅラはさせねえ。
今度こそ‥‥!
キサマの力でかかってきな。
成:‥‥‥!
裁: それでは、これより
審理を一時、中断します!


同日 午後2時56分
地方裁判所 被告人第1控え室

あ: 本当に、申しわけありません。
成歩堂さんが一生懸命がんばって
くださったのに、私ときたら。
きのう一日、
お話しすることもできなくて‥‥
成: (‥‥そういえば‥‥
きのう、修験堂で<<あやめさん>>
に会ったときは‥‥
すでに、入れ替わったあと‥‥
あやめさんは修験洞の中だった)
あ: ‥‥今日も、せめて被告席で
応援させていただきたかったのに。
成: し、しかたありませんよ。
閉じこめられていたんですから。
それより、あやめさん‥‥
どうして、そこまで
お姉さんに協力するんですか?
あ:え‥‥
成: きのうだって、修験洞で
助けを求めてくれれば‥‥
まる1日も、閉じこめられずに
済んだのに。
あ: ‥‥‥‥‥‥‥‥
お姉さまは‥‥
かわいそうな方なのです。
おかあさまに見捨てられて‥‥
お父さまにも、愛されなかった。
成: でも‥‥。それは
あなたも同じ、ですよね‥‥?
あ: ‥‥私には、毘忌尼さまが
いらっしゃいましたから。
‥‥お姉さまも、いっしょに
葉桜院に来ればよかったのに。
私‥‥お姉さまが大好きでした。
頭がよくて、行動力もあって、
決して弱音を吐かない‥‥
だから、私‥‥
お姉さまのお手伝いをする、って
ヤクソクしたんです。
成: それは‥‥10年ほど前の
誘拐事件のコトですか。
あ: ‥‥ええ。私、
お姉さまの役に立ちたかった。
でも、やっぱり‥‥
私、弱くてヒキョウだったから‥‥
最後に、逃げてしまったんです。
‥‥そのせいで‥‥
お姉さまは‥‥
義理の姉・勇希さまを‥‥
成: (‥‥千尋さんが、ひどく
キズついた、あの事件だな‥‥)
あ: でも‥‥事件を終わらせることは
できませんでした。
ついに、お姉さまを
疑う方たちが現れたのです。
成: 美柳 ちなみさんを”疑った”。
もちろん、それは‥‥
あ: おふたりの弁護士です。
綾里 千尋さまと‥‥
神乃木 荘龍さま。
お姉さまは、自分に近づいてきた
神乃木さまに毒を飲ませたうえ‥‥
その毒をかくしてくださった方まで
殺そうとなさったのです。
‥‥そう。あなたです。
成: (‥‥ぼく、か‥‥)
‥‥あやめさん。
もう1つ、聞いておかなければ
ならないことがあります。
あ: はい。なんでしょうか‥‥
成: 事件当夜のことです。
被害者の‥‥天流斎 エリスさんの
死体を<<始末>>したのは‥‥
やっぱり、
あなただったんですか?
あ: ‥‥‥‥‥‥‥‥
ええ。‥‥私です。
‥‥あの晩、<<消灯の鐘>>を
鳴らしたあと‥‥
私、自室に戻りました。
10時半ごろ‥‥
私の携帯電話が鳴ったんです。
電: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥ピッ‥‥
<<メンドウなことになった‥‥
すぐ、奥の院に来てほしい>>
あ: 私‥‥スノーモービルで
<<奥の院>>に向かいました。
でも‥‥!
成: ‥‥<<奥の院>>への道は、
断たれてしまった‥‥
あ: そのとおりです。
電: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥ピッ‥‥
<<‥‥死体を、こっちに
残しておくのは、マズい‥‥
‥‥言うとおりにしてくれ‥‥>>
あ: 私は‥‥あの方の身体を
受け取りました。
死体には、出血をおさえるために
<<凶器>>が刺さったままでした。
エリスさまの持っていらした、
あの、ツエが‥‥。
成: やっぱり‥‥
本当の<<凶器>>は‥‥
このツエだったんですね。
あ: ‥‥ええ。そうです。
私‥‥スノーモービルで
葉桜院に死体を運びました。
成: ‥‥しかし‥‥
なぜ、あんな工作を‥‥?
あ: ‥‥凶器を、あのツエだと
知られたくなかったのです。
綾里 舞子さまの痕跡を
いっさい、残したくなかった‥‥
ローブをお着せして、傷をごまかす
ために、七支刀を刺して‥‥
ツエのカタナの血をぬぐって、
そばに置いておきました。
成: ‥‥あやめさん。
最後に、教えていただけますか?
あなたを電話で呼び出した、
<<真犯人>>の名前を。
あ: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
すみません、成歩堂さん‥‥。
私の口からは‥‥どうしても、
申し上げられないのです。
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥
そう、ですか‥‥。

証拠品<<被害者のツエ>>の
データを書きなおした。
係: ‥‥被告人!
あ: ‥‥はい‥‥
係: 裁判長がお呼びです!
執務室のほうへ行きなさい。
美柳 ちなみのことを
聞きたいそうです。
あ: ‥‥わかりました。
‥‥‥‥‥‥‥‥
それでは‥‥
また、のちほど‥‥。
聞いていただきたいことが
ありますから。
成: え。‥‥は、はい‥‥
(”聞いてほしいこと”‥‥?)

成: (やっぱり‥‥
あやめさんは、<<犯人>>に
協力していたんだ‥‥
おそらく‥‥最初から!)
千: ‥‥なるほどくん。
成: 千尋さん‥‥!
あ、あの! 真宵ちゃんの
ぐあいは、どうなんですか!
千: 身体のほうは、シンパイないわ。
体力なら、じきに回復するから。
でも‥‥ココロのほうは、
ヒドく痛めつけられているわ。
成: ‥‥そ、そうですか‥‥。
‥‥! もしかして‥‥
エリス先生の正体を‥‥?
千: ‥‥ええ。真宵には
医務室で、すべてを話したわ。
私が知っていることは、
残らずゼンブ‥‥ね。
成:‥‥‥?
千: ‥‥真宵は、とても強い子よ。
きっと、受けとめられるわ‥‥
すべてを、ね。
成: ”すべてを”って‥‥
どういうことですか?
千: そのコタエは‥‥‥
あなた自身で見つけなさい。
‥‥そろそろ、
最後の法廷が始まるわ。
真犯人の名前は‥‥
もう、わかっているかしら?
成: (‥‥あやめさんは、
教えてくれなかった。でも‥‥
なんとなく‥‥
リンカクは、見える気がする)
あの晩‥‥被害者は<<奥の院>>の
中庭で殺害されました。
犯人が”偶然”そんなところに
いたとは、考えにくい。
‥‥と、いうことは‥‥
犯人は、最初から<<計画>>を
知っていたことになります。
千: ‥‥そして、もう1つ。
被害者は、<<振り子>>を使って
葉桜院側にわたされたわ。
つまり‥‥犯人自身は
橋をわたることはできなかった。
まる1日、<<奥の院>>側に
閉じこめられていたことになるわ。
成: (‥‥そのとおり。
だから、犯人は‥‥
事件の翌日、葉桜院側に
いなかった人物‥‥!)
千: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
私が協力できるのは、ここまでね。
ここからは、
あなたひとりの力で戦うの。
成: ええ、わかっています。
‥‥ありがとう、千尋さん。
(ついに‥‥この事件にも
決着がつくときが来た‥‥
真宵ちゃんは、いったい
何を目撃したのか‥‥?
そして‥‥綾里 舞子を
殺害した犯人は、だれなのか?
‥‥何もかも、
アキラカにするんだ‥‥
この、ぼく自身の手で!)


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