第5話『華麗なる逆転』第2回法廷(その9)

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成歩堂 龍一…黒
綾里 千尋…赤
綾里 真宵…青
綾里 春美…黄緑
御剣 怜侍…茶
狩魔 冥…水
糸鋸 圭介…黄土
ゴドー検事…薄橙
裁判長…緑
裁判官…黄
矢張 政志…紺
天龍斎 エリス…桃
毘忌尼…橙
葉桜院 あやめ…藤
美柳 ちなみ…紫
(フォントサイズをご都合に合わせて変えて、お楽しみください。量が多いので、最小が オススメ)


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(「綾里 千尋」を選択)
成: あなたにとって、綾里 真宵は
特別な存在だったはずです!
なにしろ‥‥
綾里 千尋の、たったひとりの
妹だったのですからね。
真: ‥‥‥‥!
ゴ: アヤサト チヒロ‥‥
成: ‥‥千尋さんは、
あなたの後輩でした。
あなた自身が‥‥まだ、
弁護士だったころのことです。
裁: ちょ‥‥ちょっと
待ってください!
ゴドー検事が‥‥
弁護士、ですって!
成: さすがの裁判長も
お気づきだと思いますが‥‥
<<ゴドー>>というのは、
彼の本名ではありません。
本当の名前は‥‥神乃木 荘龍。
そうですね?
ゴ: ‥‥最後にその名前で
呼ばれたのは‥‥
もう、6年以上も前のコトだ。
裁: ”かみのぎ そうりゅう”‥‥
どこかで、聞いたことがあります。
成: すべては‥‥ある審理から
始まりました。
‥‥脱獄犯・尾並田 美散が
服毒自殺をした、あの審理から‥‥
初めての法廷で、綾里 千尋は
ココロに深い傷を負いました。
‥‥ある女の、
あまりに邪悪な犯行‥‥
千尋さんは、それを暴くことが
できなかったのです。
‥‥そんな彼女に、
手をさしのべた人物がいました。
‥‥神乃木 荘龍。彼女の先輩に
あたる、弁護士でした。

千: 『私のせいです! ‥‥私のせいで、
尾並田さんは‥‥』
神: 『‥‥‥‥‥‥‥‥‥
チヒロ‥‥
今はまだ、泣くときじゃねえ。
オトコが泣いていいのは‥‥
すべてを終えたときだけ、だぜ。』

ゴ: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
オレは、彼女に‥‥
ひかれていたんだろうぜ。
ひたむきに依頼人を信じる、
純粋な、そのココロに‥‥
だから‥‥美柳 ちなみを
どうしてもユルせなかった。
オレとチヒロは、あの誘拐事件を
テッテイ的に調べなおした。
そして‥‥あの、運命の日。
美柳 ちなみを呼び出したんだ。
審理から、半年後‥‥
裁判所のカフェテリアに。
裁: あ‥‥ッ!
お‥‥思い出しました!
あなたは、6年前!
裁判所で、毒を盛られた‥‥!
ゴ: ‥‥さすがのオレも、
予想していなかったぜ。
美柳 ちなみが‥‥オレの
コーヒーに、毒を盛るなんて‥‥
裁: ‥‥一部の新聞記事は、
<<殺人事件>>と報道しましたな。
マスコミに流された情報は、
かなり制限されていましたから‥‥
成: しかし‥‥あなたは、
死んではいなかった!
ゴ: ‥‥公式資料のどこにも、
<<殺人事件>>とは書かれていねえ。
オレは、ただ‥‥‥
深い眠りについたんだ。
成: ”眠り”‥‥
ゴ: ‥‥ずいぶん長いあいだ、
オレはムダに眠りつづけた。
あの女の毒は、オレの神経中枢を
ズタズタにむしばんだのさ。
視力は失われて‥‥
髪の色も、二度と戻らなかった。
真: ‥‥検事さん‥‥
ゴ: ‥‥オレが意識を取り戻したのは、
まさに奇跡だったらしい。
毒を飲まされてから‥‥
すでに5年の月日が流れていた。
‥‥ある朝、オレは目をさました。
医者のいれたコーヒーのニオイで。
裁: ご‥‥5年間‥‥
あなたは、眠りつづけたのですか!
ゴ: ‥‥オレを待っていたのは、
絶望的な知らせだった。
‥‥綾里 千尋の、死‥‥
目ざめた瞬間‥‥オレは、
すべてを失っていたのさ。
‥‥愛した女は、
すでに殺害されて‥‥
そして‥‥憎んだ女は、
すでに死刑判決を受けていた。
裁: ”憎んだ女”‥‥
ゴ: オレに、あのアツい1杯をおごって
くれた女‥‥美柳 ちなみさ!
クッ‥‥!
さすが、チヒロだぜ。
自分が殺される前に、キッチリ
復讐を済ませちまっていた。
‥‥そう。
オレの目ざめを待つ者は‥‥
だれもいなかったのさ。
真: そ‥‥そんな‥‥
ゴ: お寝坊さんのオレに残された
<<生きる目的>>は‥‥
もう、たった2つしかなかった。
そのために‥‥オレは、
検事になることにしたのさ。
成: 2つの‥‥<<生きる目的>>‥‥?
ゴ: 1つ目は、アンタだ。
‥‥まるほどう。
成: え‥‥!
ぼ‥‥ぼく、ですか‥‥!
ゴ: ‥‥もし、くだらねえ毒で
眠らされていなかったら‥‥
オレは決して、綾里 千尋を
死なせはしなかった。
成:‥‥‥!
ゴ: アンタが‥‥アンタだけが!
あのとき、彼女を守れたんだ。
だが‥‥‥彼女は死んだ。
アンタがガキだったせいで。
成: そ、そんな‥‥
ゴ: オレは、この手で‥‥
アンタの力を試したかったのさ。
裁: そ‥‥そのために‥‥
あなたは、検事に?
ゴ: ‥‥もう1つ、理由があった。
モチロン‥‥”綾里 真宵”さ。
真: あ‥‥あたし、ですか‥‥
ゴ: チヒロを守れなかったオレの、
せめてもの罪ほろぼしさ。
‥‥1年前。倉院の里の
事件が解決されたとき‥‥
綾里 キミ子が、何かを
たくらむのは、明白だった。
その計画がどんなものだろうと‥‥
オレは、阻止するつもりでいた。
‥‥<<検事>>という立場は、
その目的にピッタリだったのさ。
成: そして‥‥春美ちゃんとの面会を
盗聴したわけですか。
ゴ: ”その時”が近づいているのは
わかっていた。
<<計画書>>のありかを知ったオレは
‥‥先回りをした。
あの計画の、ウラをかくために。
それができれば‥‥
‥‥もう、あの少女が計画に
利用されるコトもないはずだ。
成: (‥‥たしかに‥‥
計画の真意が、真宵ちゃんの
暗殺だと思い知らされれば‥‥
春美ちゃんは、もう二度と
協力しないだろう)
ゴ: ‥‥いよいよ犯行の日が
近づいたとき‥‥
オレは、ふたりの協力者たちと
連絡をとった。
裁: <<協力者>>‥‥?
ゴ: 葉桜院の尼僧、あやめと‥‥
綾里 舞子‥‥だ。
特にあやめは、計画書によると
”罪を着せられる”立場だった。
‥‥彼女の協力は、
ゼッタイに必要だったのさ。
真: で、でも‥‥!
どうして、おかあさんを
知っていたんですか!
もう‥‥20年近くも
行方不明だったハズなのに‥‥!
ゴ: 表向きには、な‥‥
真: ど、どういうことですか!
‥‥<<表向き>>‥‥?
ゴ: アンタも、聞いたことは
あるだろう。
かつての倉院流霊媒道と、政財界の
結びつきの強さを‥‥
成: (そういえば‥‥ビキニさんが
言ってたっけ‥‥
倉院流・家元の権力は、
絶大だった、って‥‥)
ゴ: ‥‥権威は失われても、
その力はホンモノだ。
警察は‥‥つねに、綾里 舞子の
動きを、マークしていたのさ。
だから‥‥オレは、
彼女に接触することができた。
<<検事>>という、
この身分のおかげで、な。
真: おかあさんは‥‥検事さんと
協力していたんですね‥‥
ゴ: ‥‥忘れるな。
どんなに離れていても、彼女は
常に、アンタのことを考えていた。
真: ‥‥おかあさんが‥‥
ゴ: だから‥‥アンタを守るためなら、
なんでもやったはずだ。
その<<カクゴ>>は‥‥
彼女のツエに、あらわれている。
裁: カタナを仕込まれた‥‥
あのツエ、ですか!
ゴ: いよいよ、計画が実行される
その日になって‥‥
オレたちは、葉桜院で初めて
カオを合わせた。
そのとき‥‥アンタの母親から
あのツエを見せられて‥‥
‥‥オレは、思い知らされた。
”娘を想うキモチ”ってヤツを‥‥
あのカタナで、綾里 舞子は
アンタを守るつもりだったのさ。
‥‥そう!
自分の命にかえても‥‥
真: お‥‥おかあさん‥‥

(ざわめきが起こる)
ゴ: あの晩‥‥事件当夜。
綾里 キミ子の計画をツブす
ポイントは、たった1つだった。
成: モチロン‥‥
綾里 春美、ですね。
ゴ: あの子に<<美柳 ちなみ>>の霊を
霊媒させてはならない‥‥

エ: 『‥‥春美ちゃんは‥‥
今晩は、どうするのかしら?』
春: 『え‥‥ええと。そうですね‥‥』
エ: 『よかったら‥‥わたくしの
お部屋に来ないかしら?
いっしょに、
ご本を読んであげましょう。』

ゴ: ‥‥オレたちは、あの子の
足止めをしようと考えた。
しかし‥‥‥
あの子は、来なかった。
真: ‥‥あたしのために、
<<奥の院>>へ来ちゃったから‥‥
ゴ: それは、考えられる
サイアクの事態だった。
だからこそ‥‥
綾里 舞子は、
霊媒せざるを得なかったのさ。
<<美柳 ちなみ>>の霊を‥‥
自分自身の身体に。
裁: ど‥‥どういうコトですか!
成: ‥‥彼女が、先に
霊を呼んでしまえば‥‥
春美ちゃんには、もう
どうすることもできないのです。
真:‥‥‥!
ゴ: 綾里 舞子‥‥
<<家元>>の霊力は、ゼッタイだ。
‥‥そう。
彼女は、綾里 春美に霊媒させない
ために、みずから霊を呼んだのさ!
真: あ‥‥‥
あああああああああああッ!

(ざわめきが起こる)
裁: ‥‥な‥‥
なんということでしょう‥‥!
ゴ: ‥‥オレは、なんとしても
アンタを守るつもりでいた。
だから‥‥<<奥の院>>には、
オレ自身が身をひそめていたのさ。
”もしも”のときに‥‥
<<美柳 ちなみ>>を止めるために。
成: ‥‥ゴドー検事‥‥
ゴ: ‥‥さて。
オレが認めるのは、ここまでだぜ。
‥‥まるほどう。
成:え‥‥‥
ゴ: たしかに、
アンタは優秀な弁護士だよ。
だが‥‥
ただ、それだけだったのさ。
裁: ‥‥この事件が起こるに至った
背景は、ハッキリしました。
残された問題は‥‥ただ1つです。
『だれが、被害者を殺害したのか』
犯行が可能だったのは‥‥
たった、ふたりです。
‥‥綾里 真宵さん‥‥
もしくは、ゴドー検事!
‥‥あなたです。
ゴ: ‥‥なあ、まるほどう。
もし、アンタが
”ホンモノ”ならば‥‥
最後に、立証してみせてくれよ。
だれがやったのか‥‥カンペキに!
アンタ自身の手でなァ!
真: な‥‥なるほどくん!
待って‥‥おねがい!
成: ま‥‥真宵ちゃん‥‥
真: あたし‥‥ゼンブ、聞いたの。
お姉ちゃんから、さっき。
医務室で‥‥!
だから! あたし‥‥
検事さんを守らなきゃ、って‥‥
成: ‥‥‥‥‥‥‥
真: あたし‥‥できないよ。
‥‥証言なんて‥‥
だって‥‥
お姉ちゃんと、あたしのために‥‥
命をかけてくれたヒトなんだよ!
成: ‥‥そんなコト、わかってるよ!
真: な、なるほどくん‥‥!
成: でも‥‥
だからと言って、その<<罪>>が
消えるわけじゃない!
‥‥証言をしてもらうよ、
真宵ちゃん。
真:‥‥‥!
裁: 綾里 真宵さん。
‥‥おねがいします。
成: これが、最後の証言だよ。
かくそうとしても、ムダだ。
ぼくは、かならず見つけだす。
きみのコトバから‥‥<<真実>>を。
真: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥わかりました。
きっと‥‥それがイチバン
いいんだね。なるほどくん‥‥
裁: 犯行の瞬間‥‥。あなたが
気を失うまでの、その一瞬‥‥
いったい、何が起こったか‥‥?
聞かせていただきましょう!

(事件当夜・犯行の瞬間)
真: 『あたし‥‥あのとき、赤い光を
見たような気がしたんです。』(証言1)
『助けを求めようとしたら‥‥
血がふりかかってきました!』(証言2)
『でも‥‥<<彼女>>は死ななかった。
背後の<<敵>>に、反撃したんです。』(証言3)
『突然、赤い光が消えて‥‥
あたりは、闇に包まれました。』(証言4)
『‥‥そして、その瞬間!
恐ろしい悲鳴が聞こえたんです!』(証言5)
『やがて‥‥美柳 ちなみは倒れて、
あたしも意識を失いました‥‥』(証言6)
裁: <<赤い光>>‥‥ハッキリ
おぼえていないのですか!
真: は、はい‥‥。
たぶん、見たと思うんですけど。
すぐに、見えなくなったから‥‥
ゴ: クッ‥‥!
ザンネンだったな、まるほどう‥‥
成: ‥‥‥‥‥‥‥
ゴ: 綾里 舞子を刺したのが、だれか?
‥‥まだ、立証できねえぜ。
成: (今度こそ、真宵ちゃんは
真実を証言している‥‥
‥‥これから先は、
ぼくのシゴトだ!)
裁: ‥‥それでは、弁護人!
この証人に対する、
最後の尋問をおねがいします!

(「証言5」をゆさぶる)
成: 『その瞬間』というのは‥‥
やっぱり、<<赤い光が消えたとき>>
‥‥ということ?
真: ‥‥うん。そうだよ。
成: そのときの”悲鳴”は‥‥
美柳 ちなみ、だったのかな。
真: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
ちがうと思う。
あれは、たぶん‥‥
‥‥男のヒトの声、だったから。
裁: な‥‥‥‥
なんですってェェェッ!

(ざわめきが起こる)
裁: で、では! その悲鳴は‥‥
<<犯人>>のものですかッ!
成: ‥‥そういうことになります。
裁: ふ‥‥‥ふむう‥‥‥ッ!
真: きっと‥‥
美柳 ちなみが、<<犯人>>の
ツエを奪って反撃したんだね。
裁: それで、思わず<<犯人>>は
悲鳴を上げたのでしょう。
真: そのあと、ツエを奪い返して
トドメを刺した‥‥のかな。
裁: ‥‥いかがですか、弁護人。
こう考えれば、モンダイないと
思いますが‥‥
成: (今のスイリ‥‥もっともらしく
聞こえたけど‥‥どうだろう?)

(「ムジュンしている」を選択)
成: ザンネンながら‥‥
今の説明には、
大きなムジュンがあります!
裁: ‥‥まあ、私のスイリは
めったに当たりませんからな。
成: 証言を、よく思い出してください。
犯人が悲鳴を上げるより<<前>>‥‥
すでに証人は、被害者の血を
身体にあびているのです。
つまり! すでに、ツエは、
被害者の身体をつらぬいていた!
真: あ‥‥そ、そうか‥‥!
成: ‥‥身体に刺さったツエを、
反撃に使えるワケがありません。
<<犯人>>に悲鳴を上げさせた
”凶器”は‥‥
‥‥ツエとはベツに
存在したはずなのです!

(ざわめきが起こる)
ゴ: それならば‥‥聞かせて
もらおうか、まるほどう。
成: (あの状況で、”凶器”として
使えたモノは‥‥
もう‥‥1つしか、
考えられない!)
ゴ: ‥‥ツエで身体をつらぬかれた
<<美柳 ちなみ>>は‥‥
いったい、何を使って
<<犯人>>に反撃したのか‥‥?

(「小刀」を選択)
成: もちろん‥‥犯人が凶器として
用意していた、小刀です。
裁: あ‥‥そういえば!
忘れていましたな‥‥
成: この小刀は、現場にあった
松の木に刺さっていたそうですね。
ゴ: ‥‥ああ。今朝、刑事が見つけて
オレのところへ持ってきた。
成: <<美柳 ちなみ>>は、これで
犯人に反撃したのです!
そして‥‥犯人の身体に、
<<傷>>を負わせた!

(ゴドー検事「異議あり!」)
ゴ: 悲鳴を上げたからといって、
傷を負ったとはかぎらねえ。
小刀に付着した血痕は、
被害者のものかもしれねえぜ!

(成歩堂「異議あり!」)
成: すでに、血痕の検査が済んで
いるのを、お忘れですか?
ゴ:‥‥‥!
成: 被害者のものでない以上‥‥
これは、犯人の血痕なのです!
犯人が、身体のどこかを
負傷したのは、まちがいない!

(ざわめきが起こる)
裁: その小刀に残った血痕が‥‥
<<犯人>>の血だ、と‥‥?
成: そのとおり!
血痕の遺伝子情報を検査すれば、
カンペキに立証できるはずです!
‥‥そう! これは、
あなたの血であると!
ゴ: おもしれェじゃねえか。

(ざわめきが起こる)
裁: せ‥‥静粛に! 静粛にッ!
成: (‥‥これで、キマリだ‥‥
いくらアイツでも、科学調査の
結果を変えることは、不可能!)
ゴ: ‥‥クッ!
なあ‥‥まるほどう。
仮に、オレが犯人だと
考えてみようか。
成:‥‥‥!
ゴ: このオレが‥‥そんな
マヌケな証拠を残すと思うかい?
成: なんだって‥‥
ゴ: いいか。よく思い出してみな。
その小刀は、今朝。刑事が見つけて
オレのところへ持ってきた。
その時点で、たしかに
血痕は付着していたさ。
だが‥‥‥
コイツを刑事から受け取って
ここへ持って来たのは、オレだぜ。
裁: そ‥‥それが、いったい‥‥?
ゴ: あくまでも、仮に‥‥
オレが犯人ならば。
小刀を完全に洗浄して、ベツの
血痕をデッチ上げただろうぜ。
成: そ、そんな‥‥バカな‥‥!
ゴ: とにかく、これだけは
保証してやるさ、まるほどう。
その血痕‥‥
オレの血とは、一致しねえさ。
‥‥ゼッタイにな!
成: ‥‥なんですってェェッ!

(ざわめきが起こる)
裁: とにかく‥‥犯人が負傷したのは
ジジツのようですね。
‥‥それでは、証人。
証言をつづけてくださ

(待った!)
真: ちょ、ちょっと‥‥
待ってくださいっ!
裁: ‥‥なんですかな? 証人。
真: あ、あたしがこんなコト
言うのもアレなんですけど‥‥
なるほどくんのセツメイには‥‥
大きなムジュンがありますっ!
成: ま‥‥‥真宵ちゃん!
真: その、小刀‥‥犯人を傷つけた、
って言ってたよね。
成: ‥‥そうだよ。
真: でも‥‥‥
でも、でも‥‥!
‥‥もし、ゴドー検事が
カタナで傷つけられたのなら‥‥
‥‥服に血がついたり、
破れているハズじゃないですか!

‥‥‥‥‥‥‥‥
成: ‥‥あのさ、真宵ちゃん。
そんなの、着替えれば
済むハナシじゃないか!
真: ナニ言ってんの!
そういうコトじゃないよ!
事件があった日のこと、
思い出してみて!
<<奥の院>>側にいたヒトは‥‥
閉じこめられていたんだよ!
裁: あッ! そ‥‥そうです!
そして‥‥橋が修理されて、警察が
<<奥の院>>に向かったとき‥‥
真: そこには、ゴドー検事も
いたはずでしょ!
着替える服も、ヒマも
なかったじゃない!
成: ぎゃあああああッ!

(ざわめきが起こる)
裁: ‥‥静粛に! 静粛に!
たしかに、それはなんと

(成歩堂「異議あり!」)
成: あ‥‥あらかじめ、着替えを
用意しておいたかもしれない!
裁: し、しかし‥‥
落雷によって橋が消失したのは、
あくまでもグーゼンですぞ。
着替えなど、用意するハズが
ないではないですかッ!
成: うう‥‥ッ!
(くそ。裁判長のクセに‥‥)
じゃ、じゃあ! ‥‥犯行の際、
犯人は服を脱いだのかもしれない!
‥‥返り血が付着するのを恐れて!

(ゴドー検事「異議あり!」)
ゴ: あり得ねえよ、まるほどう。
夜の吾童山のサムさは‥‥
アンタもよく、知ってるハズだ。
成:あ‥‥‥
ゴ: 何も着てなかったら‥‥
すぐに、動けなくなっちゃうぜ!
成: うおおおおおおお‥‥ッ!

(ざわめきが起こる)
裁: ふ、ふむむむううう‥‥
ゴ: クッ‥‥!
やっぱり‥‥
このテイドなんだよ、アンタは。
成:ぐ‥‥‥
ゴ: こんなとき‥‥
もし、綾里 千尋なら。
成:‥‥‥!
ゴ: 綾里 千尋なら‥‥‥
たった一度でキメただろうぜ。
成: (”千尋さんなら”‥‥?)
ゴ: ‥‥どうだい、まるほどう!
アンタには、できるのか?
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥
裁: ‥‥いかがですか、弁護人。
あなたは、ゴドー検事を
<<犯人>>として告発しています。
それを‥‥立証できますか?
たった1つの証拠品で!
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥‥
(”立証できるか”‥‥?
そんなことは、問題じゃない。
”立証する”
‥‥ぼくには、それしかない。
‥‥それが、ぼくが学んだ
<<弁護士>>のルールなんだ!)
‥‥立証します。
‥‥お望みどおり、華麗に
引導をたたきつけましょう!
ゴ: クッ‥‥!
かかったな、まるほどう‥‥
成: ‥‥‥‥‥‥‥‥
ゴ: 証拠品が、1つ。
それならば‥‥
無限大のペナルティを
背負ってもらおうか?
成: プレッシャーをかけるつもり
ですか? ゴドー検事‥‥
‥‥かまいませんよ。
証拠品は、1つきりですからね。
ゴ: ば‥‥バカな! アンタなんかに
できるわけがねえ!
成: (こんなとき、ぼくなら
どうするか‥‥?
‥‥決まってるじゃないか!
発想を<<逆転>>させるんだ!)
裁: それでは、弁護人。
聞かせていただきましょうか。
成: ‥‥さきほどの尋問で、1つ。
立証されたことがあります。
<<犯人が、傷を受けたこと>>‥‥。
小刀の血痕が、その証拠です。
裁: し、しかし‥‥!
その傷をかくすことは
<<不可能>>だったのでは!
カタナで切られたのならば、
衣服に痕跡が残ったハズです!
成: ‥‥1カ所だけ‥‥
犯人には、傷をかくせる
場所があったのです。
裁: な‥‥なんですって‥‥!
真: き、傷を‥‥かくした‥‥
ゴ: ‥‥‥‥‥‥‥‥
成: (この、最後の瞬間‥‥今こそ、
発想を<<逆転>>させろ!
服に痕跡が残らなかった<<理由>>
を考えるのではなくて‥‥
犯人が、傷をかくした‥‥
その<<方法>>をたたきつける!)
ゴ: これが、最後だな‥‥まるほどう!
聞かせてもらおうか。
犯人が傷を<<かくした場所>>‥‥
いったい、どこだッ!


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