成歩堂 龍一…黒 | |
綾里 千尋…赤 | |
綾里 真宵…青 | |
綾里 春美…黄緑 | |
御剣 怜侍…茶 | |
狩魔 冥…水 | |
糸鋸 圭介…黄土 | |
ゴドー検事…薄橙 | |
裁判長…緑 | |
裁判官…黄 | |
矢張 政志…紺 | |
天龍斎 エリス…桃 | |
毘忌尼…橙 | |
葉桜院 あやめ…藤 | |
美柳 ちなみ…紫 |
ゴ: |
‥‥クッ! ナニを 投げつけたか知らねえが‥‥ わざわざ、見るまでもねえさ。 アンタなんぞに、アイツを超える 弁護なんざ、できるワケがねえ! そうだろう? まるほどう‥‥ |
ゴ: |
‥‥‥! (な、なんだ‥‥今のは‥‥ オマエが‥‥アイツの中に 生きている、なんて‥‥) |
成: |
あなたは‥‥ 今も<<傷>>をかくしているのです! |
成: |
その、マスクの下に! 犯人が発していた<<赤い光>>は 格闘中、突然消えました。 そして‥‥次の瞬間、 悲鳴が上がった‥‥ ‥‥そう。あなたのマスクは、 ふっ飛ばされたのです! ゴドー検事。‥‥マスクを はずしていただけますか。 そこに、小刀による<<傷>>を カクニンできれば‥‥ ‥‥それで、この事件は 完全に解決します! |
ゴ: |
ぐおおおおおおおおおおおおおッ! |
ゴ: |
今‥‥‥ アンタに、アイツの姿が 重なって見えたよ。 |
成: | ‥‥‥? |
ゴ: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥ アンタが、気に入らなかった。 ‥‥今から、6年前‥‥ アンタは‥‥オレを”眠らせた” 女に協力して、<<毒>>をかくした。 そして‥‥ オレが眠っているあいだに、 彼女を‥‥死なせた。 そのくせ、テメエ自身は 平気なカオで生きながらえて‥‥ あろうことか、彼女の後継者を キドっていやがる。 そんなアンタを、ユルせねえ。 ‥‥そう思っていた。 |
真: | 検事さん‥‥‥ |
ゴ: |
だが‥‥そうじゃなかった。 最初から、わかっていたのさ。 ‥‥なんのコトはねえ。オレが 本当にユルせなかったのは‥‥ この、オレ自身だったんだ。 |
裁: | あなた‥‥自身‥‥ |
ゴ: |
チヒロを守れなかったのは、 他のダレでもねえ。 ‥‥このオレだ。 そのジジツから目をそらして‥‥ オレは、逃げ出しちまった。 チヒロの死に、真正面から 向かい合うことから、逃げた! ‥‥冷たい仮面でカオをかくして、 本当の名前まで、ほうり投げて‥‥ 弁護士であることすら、 やめちまった。 |
成: |
でも‥‥! あなたは、 真宵ちゃんを救ってくれました! |
ゴ: |
‥‥ああ。 オレも、そのつもりだったさ。 ついさっきまでは、な。 |
真: | ど‥‥どういうことですか? |
ゴ: |
いいか、おじょうちゃん。 もし‥‥オレが純粋に、アンタを 助けようと思っていたのならば‥‥ まっ先に、相談するべき 人物がいたんじゃねえか‥‥? |
真: |
‥‥それ、って‥‥ なるほどくん‥‥ですか? |
ゴ: |
‥‥だが、オレはそうしなかった。 あやめさんと、アンタのおかあさん には、協力を求めたのに‥‥ イチバン重要な男には、 あえて目をつぶった。 わかるかい? ‥‥その理由が。 |
真: | どうして、ですか‥‥? |
ゴ: |
オレは‥‥たぶん、アンタを 救おうとしたんじゃねえのさ。 |
真: | え‥‥‥! |
ゴ: |
ただ‥‥カラッポな、自分の ココロを救いたかっただけ‥‥ チヒロを守れなかった自分に、 <<言いワケ>>したかったのさ! だから‥‥アンタを、あんなに あぶない目にあわせちまった。 ‥‥すまなかった。 |
成: |
ち‥‥ちがう! あなたは、真宵ちゃんのために‥‥ 命をかけて、戦ってくれたんです! |
ゴ: |
どうだったんだろうな‥‥? 自分でも、よくわからねえんだ。 |
裁: | ど‥‥どういうことですか‥‥? |
ゴ: |
‥‥あの夜。中庭の闇の中に アイツの影が見えたとき‥‥ ‥‥ココロの片スミで、オレには わかっていたハズなんだ。 『コイツは<<美柳 ちなみ>> じゃねえ』‥‥ってな。 |
真: | ‥‥‥! |
ゴ: |
綾里 舞子か‥‥もしかしたら、 あの少女(春美ちゃん)だったかもしれねえ。 だが‥‥オレは、ムチュウで 仕込みヅエをふり上げた! あの一瞬、オレのココロに‥‥ 本当は、何があった‥‥? 綾里 真宵を守ろうとする、 純粋なキモチだったのか? それとも‥‥ 6年前。オレのすべてを 奪った、あのオンナに対する‥‥ 決してむくわれることのない <<復讐>>だったのか‥‥? 今となっては‥‥ もう、わからねえのさ! だが‥‥今日。 やっと、わかったことがある。 思い上がってたのは‥‥ オレのほうだった、ってな。 オレは‥‥ただ、 マボロシを追っていたんだ。 ‥‥アンタに勝つという、 ありもしないマボロシを‥‥ |
成: | ‥‥‥‥‥‥‥ |
ゴ: |
教えてくれたのは、アンタさ。 アンタは、逃げなかった。 彼女の‥‥チヒロの死から。 そして‥‥彼女の<<弁護>>を、 シッカリ受け継いでいた。 ‥‥あの、一瞬‥‥。 それが、ハッキリわかったのさ! |
成: | ゴドー‥‥検事‥‥ |
ゴ: |
よかったら‥‥ おぼえておいてくれるかい? オレの名前は‥‥ 神乃木 荘龍、だぜ。 |
真: |
か‥‥神乃木さん! あたし‥‥あたしは、 信じてますから。 あなたは‥‥ あたしを助けてくれたんだ、って! |
神: | ‥‥‥ああ。ありがとうよ。 |
成: | き‥‥傷口から‥‥血が! |
神: |
‥‥クッ! 忘れたのかい。 ‥‥オレの世界に、 <<赤>>は存在しねえんだぜ。 |
成: | ‥‥‥! |
神: |
こいつは、きっと‥‥ オレの<<涙>>なのさ。 |
裁: | ‥‥なみだ‥‥ |
神: |
長い眠りからさめた、 あの日から‥‥ ‥‥オレはずっと、このときを 待っていたのかもしれねえ。 |
真: | か‥‥神乃木さん‥‥ |
神: |
‥‥おぼえておくといい、 おじょうちゃん。 オトコが泣くのは‥‥ すべてを終えたときだけ、だぜ。 |
裁: |
今度こそ‥‥ すべてが終わったのですね。 ‥‥被告人。 |
あ: | はい。 |
裁: |
あなたは、殺人には直接 カンケイしていませんが‥‥ 遺体の移動や現場の工作は、 リッパな罪になります。 |
あ: |
もちろん、わかっています。 ‥‥神乃木さまから、すでに 何度もうかがっておりますから‥‥ すべて、カクゴの上で 協力させていただきました。 |
裁: |
‥‥わかりました。 判決の前に‥‥‥何か 言っておくことはありますか? |
あ: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥ それでは‥‥ひとつだけ。 成歩堂さんに。 |
成: | ‥‥‥! |
あ: |
あなたに‥‥おわびしなければ ならないことがあります。 |
成: |
お‥‥おわび‥‥ ぼくに、ですか? |
あ: |
もちろん‥‥ 6年前の、あの事件です。 |
裁: |
‥‥思い出しました。 たしか‥‥交際していた恋人に、 あなたが毒殺されたのでしたな? |
成: |
‥‥セイカクではありませんが、 おおむね、そんな感じです。 じつは‥‥6年たった今でも、 まだ信じられないんです。 彼女が‥‥ぼくに、 あんなことをした、なんて‥‥ |
あ: |
‥‥‥‥‥‥‥‥ ムリもありませんね。 おふたりは‥‥お互いのことを よく知らなかったのですから。 |
成: | ど‥‥‥どういうことですか? |
あ: |
あなたと、お姉さまは‥‥ たった2回しか 会ったことがないのです。 |
成: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ え。 に‥‥”2回しか” 会ったことがない‥‥? |
あ: |
お姉さまとあなたが初めて 会ったのは、あの運命の日‥‥ 裁判所で、神乃木弁護士さまに 毒を飲ませた、あのときでした。 そして、次におふたりが会ったのは ‥‥それから、半年後のこと。 お姉さまが、あなたを殺害する ために、カゼ薬を盗みだして‥‥ 呑田 菊三さんが亡くなった、 あの日だったのです。 |
成: |
い、いやいや! そんな‥‥そんなハズはない! ‥‥だって、その半年のあいだ、 ぼくたちは、ずっと‥‥ |
あ: |
‥‥‥‥‥‥‥‥ その、半年のあいだ‥‥ あなたが<<美柳 ちなみ>>だと 思っていたのは‥‥ お姉さまではなかったのです。 |
成: |
(み、<<美柳 ちなみ>>が‥‥ 彼女じゃなかった‥‥?) |
あ: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 申しわけありませんでした。 リュウ‥‥ちゃん。 |
成: | も‥‥‥もしかして‥‥‥? |
あ: |
‥‥そのとおり、です。 半年間‥‥あなたを あざむいておりました。 |
裁: |
い‥‥‥いったい、なぜ! そんな、入れ替わりを! |
あ: |
あの日、あの小ビンが 成歩堂さんの手にわたってから‥‥ お姉さまは、一刻も早く それを取り戻したかったのです。 でも‥‥警察の取り調べや 監視などもあったようで‥‥ お姉さまは、しばらく 自由に動けませんでした。 |
成: | だから‥‥あなたが? |
あ: |
お姉さまは‥‥最初から、 サイアクの場合を考えていました。 |
成: | さ、”サイアクの場合”‥‥? |
あ: |
どんなキッカケで、あなたが 真相を知ってしまうかもしれない。 ‥‥だから、危険な存在である あなたを、すぐにでも‥‥ |
成: | (殺そうと考えた、ワケか‥‥) |
あ: |
私‥‥これ以上、お姉さまに 罪を重ねてほしくなかった。 必死におねがいして、 待っていただきました。 |
成: |
それで‥‥あなたが ぼくの前にあらわれた。 彼女のかわりに、あの ペンダントを取り戻すために‥‥ |
あ: |
‥‥でも、やっぱり‥‥。 私は、ダメだったんです。 <<ペンダントを取り戻す>>‥‥ たったそれだけのことだったのに。 どうしても‥‥それができないまま 半年がすぎてしまいました。 そして、お姉さまは‥‥ ついに、待てなくなったのですね。 あの日のことは‥‥何も私に 相談してくださいませんでした。 ‥‥そんなことは、 初めてだったのですが。 |
成: |
たしかに‥‥ それは、ちょっと妙ですね。 それまでの犯行計画は、すべて あなたも聞かされていたのに‥‥ |
あ: |
おそらく‥‥お姉さまは、 気づいていたのでしょう。 |
成: |
‥‥? あの。”何に”‥‥ですか? |
あ: |
私の気持ちに、です。 もし‥‥あなたの殺害計画を 知ってしまったら‥‥私。 何があっても、それだけは 止めようとしたでしょうから。 たとえ‥‥そのせいで、私や お姉さまが、死ぬことになっても。 |
成: | あ、あやめさん‥‥ |
あ: |
‥‥半年のあいだ、あなたと いっしょにいて‥‥ 私の気持ちは‥‥ 変わっていったのです。 |
成: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 1つだけ、言わせてください。 |
あ: | は、はい‥‥ |
成: |
あなたは、やっぱり‥‥ ぼくの思ったとおりのひとでした。 <<美柳 ちなみ>>が 有罪判決を受けてからも‥‥ それだけは、信じていました。 |
あ: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥ ありがとう‥‥ |
神: |
今まで、いったい何杯の<<闇>>を あおったか、おぼえていねえ‥‥ しかし‥‥ 今日、この1杯こそは‥‥ 何よりも、すばらしい。 アンタも、そう思うだろう? ‥‥成歩堂 龍一。 |
成: |
ええ。 ‥‥そうかもしれません。 |
裁: |
この法廷で裁かれていたのは、 あくまで被害者の<<殺害>>です。 これから先、被告人は再び、 他の罪状で審理を受けるでしょう。 |
あ: | ‥‥わかっております。 |
裁: |
それでは! 罪状を<<殺人>>に かぎって、今。判決を下します! |
裁: | ‥‥では、本日はこれにて閉廷! |
地方裁判所 被告人第1控え室 | |
成: |
(‥‥これで、 すべて終わったわけか‥‥ 本当に‥‥本当に、 これでよかったのか‥‥? 真宵ちゃんのために命を かけてくれた人を、ぼくは‥‥) |
千: |
もちろん‥‥ これでよかったのよ。 |
成: | ち‥‥千尋さん! |
千: |
‥‥さすが、なるほどくんね。 今日の弁護‥‥ まさに、最高だったわ。 |
成: |
で、でも! ‥‥ぼくは 神乃木さんを救えなかった! 千尋さんのことを、あんなに 想ってくれていた人なのに‥‥ |
千: |
‥‥いいえ。それはちがうわ、 なるほどくん。 あなたは、神乃木さんを 救ってくれたの。 ‥‥彼を救うことのできる、 ただ1つの方法で。 |
成: |
それが‥‥ あの<<判決>>だったんですか? |
千: |
‥‥‥‥‥‥‥‥ あなたにも‥‥ いつか、わかる日が来るわ。 ただ、これだけは忘れないで。 あなたは今日、弁護士として 最高のシゴトをしたのよ。 もう‥‥私から言うことは、 何もないわ。 |
成: | ち、千尋さん‥‥! |
千: |
あなたは‥‥私にできなかった ことを、やりとげてくれたの。 お礼を言うわ。 ‥‥本当に、ありがとう。 |
成: | 千尋さん‥‥ |
千: |
また‥‥いつか、会いましょう。 なるほどくん。 |
成: |
(‥‥いろんな事件があった‥‥ そのたびに‥‥ぼくは、 自分自身に問いかけてきた。 本当の<<弁護>>とは いったい、なんなのか‥‥? ‥‥今日の判決が、ひとつの <<答え>>だったのだろうか‥‥) |
真: | ‥‥なるほどくん‥‥ |
成: | ま、真宵ちゃん‥‥ |
真: |
やっぱり‥‥お姉ちゃんの 言ったとおりだったよ。 |
成: | 千尋さん‥‥? |
真: |
‥‥あの夜、修験堂で お姉ちゃんに相談したとき‥‥ お姉ちゃん、メモに こう書いてくれたの。 なるほどくんなら、きっと みんなを助けてくれる‥‥って! |
成: | で、でも‥‥‥ |
真: |
もう! なんで暗いカオ、 してるかなあ。 あたしも、お姉ちゃんも‥‥ きっと、あやめさんも。 こーんなに、なるほどくんに カンシャしてるんだよ! |
成: |
(真宵ちゃん‥‥ どうして‥‥きみは、 そんなに明るいんだろう‥‥? ヒドい目にあって‥‥ おかあさんまで、亡くしたのに) いてててェ! か‥‥‥狩魔 冥ッ! |
冥: |
‥‥まだまだアマいわね、 成歩堂 龍一‥‥ |
御: | よくやったな‥‥成歩堂。 |
真: |
あれ! みつるぎ検事! いつ、帰ってきたんですか? |
成: |
(そうか‥‥真宵ちゃんは 知らないんだっけ) ‥‥御剣と狩魔検事はね。 ぼくを助けてくれたんだ。 |
真: | なるほどくんを‥‥? |
成: |
1日目の、審理‥‥ このふたりがいなければ‥‥ ‥‥たぶん、 どうにもならなかったよ。 |
真: |
‥‥ふーん。 で。そのとき、なるほどくんは? |
冥: |
川に落っこちておぼれた上、 カゼで寝こんだと聞いているわ。 |
御: |
熱にうなされて、あやめさんの ずきんをかぶってフルえていたな。 |
真: |
かー。情けないね、なるほどくん。 まだまだ、修行が足りないよ! 本当に、ありがとう! みつるぎ検事に‥‥冥さん! |
矢: |
‥‥‥どうせ‥‥‥ オレの居場所なんて、 どこにもないんだ‥‥ |
真: | あ! ヤッパリさん! |
成: |
なんでおまえが そんなカオしてるんだよ! |
矢: |
オレ‥‥生まれたときに もう、気づいてたんだよなァ。 ‥‥ヤハリさんちのマサシくんは、 ココロの底から役立たずだ、って。 |
真: |
そ、そんなコトないですよ! ね。なるほどくん! |
成: | え! ‥‥ぼ、ぼくかよ! |
矢: |
ほ‥‥ホントか! 成歩堂ォォ! オレ‥‥役に立ったのかな! |
成: |
え? ええと‥‥そうだな。 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ |
矢: | やっぱり、オレ‥‥死ぬわ。 |
成: |
いやいやいや! えーと、その‥‥アレだよ! おまえが描いてくれた、似顔絵! ‥‥あれは、なかなか似てたな。 ‥‥な、御剣! |
御: | え! ‥‥わ、私かッ! |
矢: |
そ、そうなのかオイ! ‥‥御剣よォォ! |
御: |
ま、まあ‥‥あれは、たしかに‥‥ ソックリと言えなくもない。 |
矢: |
ほ‥‥ホントか! ホントかい、メイちゃん! ‥‥ぎゃはアッ! |
冥: |
私の美しさを、クレヨンごときで 表現できるわけが‥‥ |
真: | ‥‥じろ。 |
冥: |
‥‥‥‥‥‥‥‥‥ まあ、そのドリョクは 認めてやらないでもないわ。 |
矢: |
じゃ、じゃあ‥‥メイちゃん! あのヤクソク、ホンキにするぜ! <<メイちゃんのムチムチ大冒険>>の モデルになってくれるって‥‥ ぎゃははアッ! |
冥: | ‥‥調子に乗るなッ! |
矢: |
いやー、オレ。似顔絵だけは 自信あるんだよなァ。 ハルミちゃんの絵も、 なかなかのデキだったんだぜ! あれ‥‥? |
御: |
そういえば‥‥あの少女の 姿が見あたらないな。 |
成: |
春美ちゃん‥‥ (どこへ行ったんだろう‥‥ いつもなら、まっ先に真宵ちゃん のところへ飛んでくるのに‥‥) |
真: |
あ‥‥。あたし、 ちょっと探してくるね! おーい! はみちゃあん‥‥ |
御: |
‥‥成歩堂。 キミは‥‥フシギに 思っているようだな。 真宵くんが‥‥なぜ、 あんなに元気なのか‥‥? |
成: | あ‥‥‥ああ。 |
冥: |
正直なトコロ‥‥ 私にも、リカイできないわ。 |
成: |
(そういえば‥‥ 狩魔 冥も‥‥お父さんを 亡くしているんだよな‥‥) |
御: |
私には‥‥‥ わかるような気がする。 ‥‥おそらく、真宵くんは 知っているのだと思う。 今こそ‥‥彼女は、強くなければ ならないのだ、と。 |
冥: |
ど、どういうこと? ”今こそ”‥‥ |
御: |
この事件で傷ついたのは、 真宵くんだけではない。 むしろ‥‥もっと、ひどく ココロを痛めた人物がいる。 その<<人物>>のために‥‥ 彼女は、決して泣かないのだろう。 |
成: |
(真宵ちゃんよりも 深く傷ついた<<人物>>‥‥) ‥‥御剣‥‥。ぼくにも、 わかるような気がするよ。 いててててェ! |
冥: |
成歩堂 龍一! 教えなさいッ! 綾里 真宵は‥‥だれのために 強くなれるのか‥‥? |
冥: | ‥‥綾里 春美‥‥ |
成: |
春美ちゃんが、一生懸命 指示書にしたがおうとしたのは‥‥ おかあさん‥‥綾里 キミ子を 信じていたからだ。 <<綾里家のため>>‥‥ そのコトバを、あの子は信じた。 真宵ちゃんのためになる‥‥って、 あんなにうれしそうだった。 ‥‥それほど、真宵ちゃんが 大好きだったんだ‥‥。 |
御: |
しかし‥‥あの子の行動が 生んだのは、悲劇だった。 綾里 真宵は、母親を失い‥‥ みずからも、危機におちいった。 |
成: |
(だからこそ‥‥、真宵ちゃんは 泣かないのだろう。 あの子が‥‥エガオを 取り戻す、その日まで‥‥) |
糸: |
‥‥おッ、いたいた! みんな、おそろいッスね! いやー、今日の裁判は、 いつにも増して ぎゃあああああッス! ‥‥なな、ナニするッスか いきなり! |
冥: |
悪いわね、ヒゲ。 ‥‥考えるより先に、 このムチが走っていたわ。 |
成: |
‥‥どうしたんですか? イトノコ刑事。 |
糸: |
どうしたも、こうしたも‥‥ 勝訴ッス! お祝いッス! 今夜は、パーッとやるッス! 自分がゴチソウするッス! 今月も、給料がちょっぴり 下がったッスけど、気にしねッス! 一流フランス料理のレストランに、 キッチリ予約を入れといたッス! ぎゃああああああッス! |
冥: |
ヒゲにしては、よくやったわ。 ‥‥ねぎらいのムチよ。 |
成: |
あの‥‥イトノコ刑事。 ”一流フランス料理のレストラン” って、もしかして‥‥? |
糸: | モチロン‥‥<<吐麗美庵>>ッス! |
成: | (やっぱり‥‥) |
糸: |
さ。さ。みんなで行くッス! マコクンも待ってるッス! そこのショボくれてる アンタも行くッス! |
矢: |
ああ‥‥オレはいいや。 負け犬たちの山小屋で、 ハルミちゃんとイモ食うから。 |
成: |
(そういえば‥‥ おそいな、真宵ちゃん。 ‥‥春美ちゃんを 探しにいったままだぞ‥‥) あ‥‥真宵ちゃん‥‥ |
真: |
なるほどくん‥‥ どうしよう‥‥ はみちゃん‥‥ どこにもいないの! |
成: | え‥‥‥ |
糸: |
き、きっと‥‥ おウチに帰ったッスよ! |
真: |
‥‥倉院の里に 電話してみたんだけど‥‥ なんの連絡もない、って。 そんなこと、今までなかったのに! |
御: |
やはり‥‥ 深く傷ついているのだろう。 キミに対して‥‥セキニンを 感じているのかもしれない。 |
真: |
そ、そんな‥‥ はみちゃんのせいじゃないのに! ‥‥あたし‥‥ どうすればいいの‥‥? |
成: |
‥‥‥‥‥‥‥‥ イトノコ刑事。 |
糸: | え! ‥‥な、なんスか! |
成: |
みんなを連れて、先に 行っててもらえますか。 |
糸: | し‥‥しかし、アンタは! |
成: |
ぼくと、真宵ちゃんは‥‥ 春美ちゃんをむかえに 行ってきます。 |
真: | なるほどくん‥‥! |
成: |
大丈夫ですよ、イトノコ刑事。 少し遅れるけど‥‥ かならず、行きますから。 ‥‥なんと言っても 今夜は、お祝いですからね。 |
糸: |
し、しかし‥‥その。アンタは‥ ぎゃあああああああッス! |
冥: |
いいわ、成歩堂 龍一。 ‥‥先に行ってる。 |
御: | 待っているぞ‥‥成歩堂。 |
成: | ‥‥ああ。 |
真: |
で‥‥でも! はみちゃん、 行くところなんて‥‥ |
成: |
行こう、真宵ちゃん。 ココロ当たりがあるんだ。 ‥‥1カ所だけ、ね。 |